世の中には埋もれたマイナーな、でも「これがいいのヨ……」というラブソングが、数知れず存在します。
今回は筆者が趣味で集めた3,000曲の中から、ぜひ皆さんに知っていただきたい“マイナーなラブソング”を選び抜きました。
こんな曲、知らなかった! という驚きからマイナーラブソングにハマっていただくことを夢見つつ、厳選の10曲をご紹介致します。
目次
1.prisoner/KAMEN RIDER GIRLS
まずはKAMEN RIDER GIRLSの歌う『prisoner』。
そもそもKAMEN RIDER GIRLS自体がマイナーで、ご存じない方々も多いハズ……。いつもは仮面ライダーを音楽の側面からサポートしているアイドルユニットがKAMEN RIDER GIRLSです。
彼女たちの楽曲は作中に登場し、仮面ライダーという作品をより魅力的に彩りますが、実はそれだけではなくて、1stアルバム「alteration」で恋愛ソングを何曲か歌っているのですよ!!
今回セレクトした「prisoner」はその中の1曲です。
こちらをセレクトした理由としては、女性と男性の掛け合いがあるのが特徴的かつ魅力的……という点もありますが、何より、「女に磨きをかけて、他の相手に譲れない意中の相手を落とす!」っていう女心がとにかくパワフルに可愛らしく歌い上げられているので、聞いていて楽しく、幸せな気持ちにもなってしまうわけです。
カラオケなどには未だ配信されてはいませんが、もしこの曲が実装されたら好きな人に歌ってほしい……なんて思ってしまいそう。いや思う。
まぁそんな事は置いといて(……。)気になった方は是非アルバム「alteration」をチェックしてみてください。
2.Purity ~ピュアティ~/TUBE
ピュアティは、TUBEファンの中でも上位に挙げる人が割といる人気曲でありながら、あまり世には知られていないという、レアなラブソングです。
この曲は当初、「Bravo!」というアルバムの1曲にすぎませんでした。ですが歌詞の世界観、BGMや曲の完成度に感動したというファンが続出。シングルカットして欲しいという要望が多数寄せられ、シングルとして発売された! ……という、TUBEの人気っぷりをうかがわせるかのような逸話が残されています。
歌詞もPurity ~ピュアティ~の題名に相応しく、壮大な世界観で「愛とはなんぞや?」と説いた曲。
今まで、TUBEは知っていたけれどもピュアティは知らなかった! という方も、この深い深い世界にTUBEの新たなる魅力を発見していただけるのではないかと思います。
3.eternity (~from SURPRISE-DRIVE)/Mitsuru Matsuoka EARNEST DRIVE
次の曲はMitsuru Matsuoka EARNEST DRIVEが、『SURPRISE-DRIVE』という曲をラブソングとして、素晴らしい形で再構築したという、ちょっと珍しい作られ方をしている、特徴的な1曲。歌詞も一新し、曲調もバラードに作り替えて、しっとりと聞かせる意欲作です。
非情な現実の中にあっても忘れてはいけない、愛する人へのかけがえのない愛情。そしてお互いに想い合うことの大切さを描く名曲は、その歌詞にこめられた世界観も秀逸で思わず涙が……!! という方もいるかも。
原曲となった『SURPRISE-DRIVE』がアップテンポでかなり攻めた曲となっている反面、この曲では優しい松岡充さんの声が聞けるのも醍醐味の1つ。2つの曲を聴き比べてみるのもアリかもしれません。
4.息もできない/SARD UNDERGROUND
ZARDが1998年に出した名曲「息もできない」を、後輩でもあるSARD UNDERGROUNDがトリビュートカバーしているこの曲。
元々坂井泉水さんが作詞をした曲で、迷い揺れ動く恋心をボーカルの神野友亜さんが素敵に歌い上げています。
また神野友亜さんを始めとする他のサポートメンバーもZARDが大好きだそう。
たくさんのファンに惜しまれているZARDの曲を、令和に再び聞ける事に感謝したいですね。
もちろんZARDが歌ったバージョンを聞くこともできますので、探したり、聞き比べをしたりするのもおすすめです。今回はマイナーな名曲ご紹介ということで(筆者の趣味もあり)SARD UNDERGROUNDをあえてご紹介させていただきました。
5.祭りのあと/桑田佳祐
TVドラマ『静かなるドン』の主題歌に起用されたこの曲。
三代目、もとい、三枚目の男の失恋をストレートに描いています。
死ぬほど好きな女に、他の大事な人が居た時には、自分の愛情を底なしの海に沈めてでも明るく人生を生きていく。
そんな男らしさが垣間見える曲でもあります。
令和の今では、ちょっと古くさいように感じる人も多いのかもしれませんが、「粋で優しい馬鹿でいろ」……それって実は男にとって必要なエッセンスなのかもしれませんね?
6.ハートフル/スピラ・スピカ
スピラ・スピカは2013年結成のバンド(「スノーマン」から2018年に「スピラ・スピカ」へ改名)ですが、最近音楽シーンで話題に上がることも増えてきたと感じています。
この曲では、歌詞の主人公となった人物が大切な人を失い、自分の中で何故守れなかったんだ……と自分を責めてしまう、というシチュエーションが描かれています。
しかし、自分では罪咎だと思っていた過去を受け止めてくれる人との出会いを通して、主人公もまた、大切な人が居た世界への愛情を思い出し、憎しみや憎悪などを消すことができる。
ハートフルという題名に相応しい、温かな曲調で、そんな物語が語られます。
ラブソングとしては異例とも言えますが、過去にどうしようもない後悔を伴う恋愛をしていた人、それをいまだにしっかりと受け止めて来られなかったという人、そして、全てを受け止めてくれる人に出会った経験のある人、新たな出会いと新たな恋愛……案外、ぐぐっときてしまうんじゃないんですか? ……なんてね。
どれだけ願っても、叶うことのない願いがあっても、誰かが共に受け止めてくれて、前を向くことができる。
こんなラブソングもありでしょう。
7.Dream x Dream/愛内里菜
現在は「垣内りか」として活動している、愛内里菜が歌っているこの曲。
『名探偵コナン 銀翼の奇術師』(2004年)の主題歌にもなっていますので、「あっ、聞いたことあるぞ!?」という方もいるかもしれませんね。
恋人との時間を思い出しながら、一緒にこれからも添い遂げたい……という、一途な思いが込められた純粋なラブソングです。
きっとこんな風に可愛らしく、女性から思われたら、世の男性は幸せですね!(筆者はそう思う。)
結婚式にも使えそうな曲という意味でもオススメ。女性の皆さんなら、カラオケでそれとなく匂わせるのにも最適でしょう!
8.未来色の星屑/華原朋美
華原朋美が『PLEASURE』のカップリングで歌ったこの曲。
累計140万枚ほど売れている『I’m proud』などに比べれば、4,000枚ちょっとの『PLEASURE』はかなりマイナー。
そのカップリングともなればマイナー度はひとしおですが、実はこの曲、日本作曲家協会主催「新しい日本の歌フェスティバル」グランプリ8作品の中で「クリスタルミュージック賞」を受賞している、お墨付きの名曲なのです!
バックに流れる切ない伴奏に重ねて、意中の人に対する、もっと強く離さないでほしい、抱きしめてほしい、触れたい、心の奥底を知りたい……という一途で純粋な思いを歌ったラブソングです。
名歌手が歌う、意外なほど知られていない名曲を、この機会に是非聞いてみてください!
9.あのとき/宮崎奈穂子
『あのとき』は、路上ライブから武道館へ上り詰めたシンデレラガール、シンガーソングライターの宮崎奈穂子が、劇場版『神戸在住』の為に書き下ろした楽曲です。
失った大切な人への諦めきれない純粋な想いを歌詞に綴っている作品で、『神戸在住』をご覧になった方は特に、涙なしでは聞けないのではないかと思います。
『神戸在住』の重要なテーマの1つに、阪神・淡路大震災があります。震災でなくても、予想もしない事態で大切な人が突然居なくなることだってある。
そう考えると、今目の前にいる、あるいは、いつか出会う大切な人、愛する人への想いや接し方も、おのずから洗練されたものになりそうな、そんな気がします。
時にはこの曲を聴いて物思いにふけるのもアリ。また、アルバムバージョンと劇場版バージョンは全く音が違うので、そのあたりも一聴の価値ありです。
10.Be Positive<光の中で輝いて>玉置成実
最後の1曲は、玉置成実の1stアルバム「greeting」の中からセレクトしてみました。
この曲はポジティブに意中の相手と距離を縮めたい、自分自身ももっと素直になって自信が持てるようになりたいという歌詞で、玉置成実自身が作詞しています。ただ、捉え方によっては失恋ソングに見えないこともなく、色々な立場の人が共感できるのではないでしょうか。
発売当時、彼女は16歳。10代の多感かつ、まだ幼いと言えるような時期に、これ程繊細な歌詞が書けることに感服します。
自信を持って意中の人にアタックを仕掛けたい方、また新しい明日や新しい恋に、ポジティブに進んでいきたい方にオススメの曲です。きっと優しい音色と優しい歌詞があなたの背中を押してくれるはず!
マイナーなラブソングで恋の世界を楽しんで
今回のテーマは「マイナーなラブソング」ということで、かなり攻めた選曲をさせていただきました!
どれもこれも、自身をもっておすすめする、粒揃いの名曲です。気になった方は是非、繰り返し聞いてその世界に浸ってみましょう。そして楽曲のように、あるいはそれよりも幸せに、素敵な恋をしてくださいね!!
Writing:夜野大夢