雑節の一覧をボヤボヤと眺めていると、おやおや、「二百十日」やら「二百二十日」と書かれたワケの分からぬ得体のしれない日があるではござらぬか。
以下では当年の二百二十日の期間中の行事と風習を一覧形式で述べるとする。
二百二十日は何をする日?「行事や風習とは?」
風切り鎌
現代では陸上の全国各所に設置したアメダスはじめ温度計、湿度計、風向風速計・気圧計・雨量計・積雪計や、海上気象ブイ(海上に設置)などの無人調査機器によって、人の手を介することなく、いとも簡単にほぼリアルタイムに近い形で気象状況が把握できます。
しかしながら、一昔前はそのようなものが無かった時代。
民衆は、すぐに怒るけどとってもチャーミングな君の如くに変動する天候を「神仏の怒り」だと盲信し、 長っ それに対応するための呪い(まじない/呪術)にすがり、神仏・御霊を盛大に祀り奉てた。
「風切り鎌=台風除けの呪い」
その中で特に農家でよく行われてたものが、「台風除けの呪い(まじない)」として「竹竿」の先に鎌を取り付けた「風切り鎌」と呼ばれる忌み鎌を軒先に立てかけたり、屋根の上に取り付けたりする風習になる。
現代にはこのような儀式まがいの呪いを執り行う農家は皆無に近いが、その名残りが、法隆寺 五重塔(奈良)の頂にみられる。
法隆寺五重塔は鎌倉時代に落雷による出火があり、何とか焼損という最悪の事態は免れることができたものの、伝承によるとこの落雷以降、上掲写真のような塔頂の相輪(そうりん)に四本の鎌を取り付け、雷除け・台風除けの護持としたらしい。
やがてこの鎌は「風切り鎌」などと素敵に通称されるようになったが、驚くことに現在も変わらずに識者の間では「風切り鎌」と呼ばれてい‥‥申す。あっひゃぃよ〜
弥彦神社の風祭(新潟県)
越後一宮 彌彦神社では、毎年9月1日午前10時より風鎮めのための風神祭が執り行われます。
新潟県でも、二百十日や二百二十日の信仰が根強く残り、折よく立春から二百十日が過ぎる頃に訪れやすい風雨の天災に備え、風雨の順調と農作物の豊穣を祈願する祭典(神事)です。
おわら祭
富山県八尾町で例年9月1日から3日間、執り行われる「おわら祭」は通称・「風の盆」とも呼ばれ、いわゆる風祭と盆の行事が習合した風鎮めの祭礼となる。
おわら祭では、擦弦楽器の胡弓(こきゅう)を巧みに用い、吹き込む風に歌声を乗せるかのように音奏を響かせる。
越中八尾観光協会:https://www.yatsuo.net/kazenobon