あなたは「好意の返報性」という言葉、その「好意の返報性」を使えば狙った女性を落とせる……といったような話を、聞いたことがありますか?
そんな都合の良い話があるはずない……と思ったそこのアナタ! ズバリこう思っているでしょう。「不特定多数にはモテなくてもいい! たった一人、自分の好きな人からモテたいんじゃあぁ!」とね!
狙った相手からモテず、どうでもいい人からモテるという事態にも、この「好意の返報性」が関わっているかもしれません。むろん、誰からもモテないという深刻な事態にもです! 今回は恋愛カウンセラーの筆者が、意中の人からモテるモテないを左右する「好意の返報性」についてご紹介します。
目次
好意を表現すると好意で返ってくる
「好意の返報性」の原理はごく簡単なことです。その名前のとおり、好意に対しては好意が返ってくることが多い……という、人間の根源的な心理を名付けて「好意の返報性」と称しています。
好意を示してもらうと相手を好きになる!
誰しも、自分に対して冷たい人よりも、自分に対して優しい人を好きになります。これは男女を問わず実に普通のことではないでしょうか?
中には「ツンデレが好き~♪」などと称している人もいますが、結局は、自分に対してデレ、すなわち優しくしてくれる人を求めていると言えます。それは当然、優しくしてもらえれば、自分が心地良くなれるからです。
したがって好意を示すほど、相手が自分を好きになってくれる可能性が高まる。これを称して好意の返報性と呼びます。
とはいえ好意の内容によっては逆効果になることもありますので注意したいところ。それについては後述していきますね。
お返しをしないと……と思うことも効果の1つ
例えばあなたは、友達からお土産をもらったら、次に自分がどこかへ行ったときに、その友達にお土産を買ってきて返さないとな……と思わないでしょうか。バレンタイン→ホワイトデー、出産祝い→内祝い、の流れからもわかるように、もらったものにお返しをするというのは、どちらかというと常識的なことと考えられているはずです。
好意に対してお返しをするということは人間関係を円滑にする1つのスキルであるため、あなたが相手に好意を示した場合、相手もあなたに対してお返ししなければ、という気持ちを少なからず持ち始めます。すると、心理というものは面白いもので「お返ししてあげるような相手だから、自分は相手のことをきっと好きなのだ」と思いはじめる部分も出てくるのです。
自己中心的な好意になっていないか常に客観的にチェック
恋愛に好意の返報性を利用するにあたって、最も注意したいのが「自己中心的な好意」です。自分が良かれと思った好意を相手に押しつけても、当然ながら相手はそれを好意であると感じないため、好きになってもらうことは出来ません。
この代表選手がストーカーで、目一杯に好意を表現しているにも関わらず警察に通報されるほど嫌がられてしまう。それではあなただって不本意です。以下のチェックポイントをかんがみて、相手に与えるべき好意がどのようなものになるのかを考えてみましょう。
喜ばれるものをあげ、いらないものをあげない
この世でもっともわかりやすい好意は、ものをあげることです。中国では6世紀に既に朝貢が盛んに行われていたことを考えると、ものをあげることは国レベルの円滑かつ原始的なコミュニケーションでさえあるわけですね。むろん個人レベルでも同様で、お土産から誕生日のプレゼントまで、ものをあげることで好意を示すことができます。
とはいえ「いつもいらないものをくれる人」とならないよう、相手の好みはよく把握しましょう。特に付き合う前、告白する前なら、相手にあげられるものはお菓子とかお土産とか、重くならないものに限られます。付き合ってもいないのにアクセサリーなどあげたりすると「!!? 気持ち悪い……」と思われるのがオチ。ものはよく吟味しましょう。
会話はするが自分の武勇伝と寒いギャグは避ける
相手に好意を示すために、話しかけることは必須です。好意の返報性を利用するにしても、話しかけなくては好意の示しようもありません。
ただしここで絶対に避けたいのは、自分つまりあなた自身の武勇伝と、寒いギャグ。つまり典型的なオッサン行動です。武勇伝も、ついこの間のウケるエピソードならばともかく、何ヶ月も前のどうでもいい成功譚に興味を示す相手はいません。ギャグが寒いのは多少致し方のないことですが、意中の人の前であれば、ギャグの連発と下ネタは何としてでも避けなくてはならないでしょう。
会話は基本的に相手ベースで進めます。相手の話を聞いたり、相手が関係していることについて相手に尋ねたりする形式です。相手があなたに興味を持てば、相手からあなたのことについて尋ねてくるようになるでしょう。
メール、LINEは早く返信する
特に男性の場合、女性からメールやLINEが来たけど、今忙しいから、今仕事中だから、今ゲームやってるから、今DVD見てるから、今、今、……と後回しにしたことはありませんか?
もちろん自分の仕事や生活を犠牲にしてまで連絡を取るものではありませんが、相手が意中の女性だとしたら、これは致命的な傷となります。女性側から見たら「これ、好意ない」「これ、脈なしだわ」という風にしか見えないためです。これでは好意の返報性は期待できません。
意中の女性、付き合った後は彼女、結婚した後は妻……そういった存在からのLINEやメールには、できるだけ早く返信すべきです。もしもそれが難しいなら、LINEスタンプショップを探せば「今仕事中」「後で返信するね」という旨のスタンプが販売されていますので、スタンプ1つだけでもドカンと送信しておき、手が空き次第のまめな返信を心がけましょう。
ほめることは好意の返報性のスタートライン
正直言って、日本人には褒めるスキルがあまりありません。しかし、よく「まめな男」などと言われる「まめ」の正体は、ほとんどがこの「ほめる」こと。その髪飾り似合ってるね、とか、この前のプレゼンすごく頑張ったね、とか、いつもありがとう、等といったことです。結婚した後に大体、男性が妻から好意をもらえなくなるのは、こうした小さな「ほめ」を怠りどんどんモテない男に変化していくためと言っても良いでしょう。
意中の男性を狙いたい女性でも同じことが言えます。相手の男性に対して、例えば仕事、例えば見た目や持ち物をこまめに褒めていくことで、相手から自分への好意を引き出していくことができるでしょう。
「自分にはそんな会話スキルない!」と思っているアナタへ
褒めるといっても、自分にはそんな会話のスキルないから……と言っている人はたくさんいます。とてももったいない話です。それは自分のことばかり考えていて、「相手をほめてあげていい気持ちにさせてあげよう」などという考えに至っていない証拠。つまりあなた自身、相手のことをまだそれほど好きじゃないのかも……。
と、このように考えてみてはどうでしょうか? あなたはそれでも、相手のことが好きですか? もし、相手を好きなのだったら、ほめるくらいお金がかかるわけじゃないのに、やってみようと思えないでしょうか。
「そんな会話のスキルがない」と言う人のほとんどが、会話をしようとチャレンジをしていません。チャレンジ、失敗を繰り返す、やがて成功する……この流れは恋愛でも、会話でも同じでしょう。
どうでもいい人からモテるのは好意の返報性のせい!!?
ところで、本命からはモテないのにどうでもいい人からモテる! なんでだ! と思っていませんか? その理由も、好意の返報性にあるかもしれません。
人によっては、好きな人の前ではガチガチに緊張してしまって、笑顔も消え、話しかけることもできず、それどころか好きな人を無視してしまう。どうでもいい人を相手にしている時はさしたる緊張もしないので、しれっと褒めたり、仕事の休憩中にチョコをあげたりしていて、その「どうでもいい相手」はあなたからの好意を感じ取るためにモテる、というサイクルです。
正直、意中の人に優しくできない、マメにできないというのは、その人がただの憧れに過ぎず本当はたいして好きじゃないのかも……と考え、自分の心を疑ってみたほうが良いかもしれません。相手のことが好きなら、相手を喜ばせるという行為が苦にはならないものだからです。
案外、あなたがリラックスしてコミュニケーションを取っている、どうでもいい相手のほうが、運命の人かもしれませんよ。
相手本位の好意をよくわきまえて好意の返報性を利用しましょう
さきほども少し触れましたが、自分本位の好意やマメさを押しつけていくのは、ただのストーカー。「好意の返報性」の恩恵を受けられるのは、あくまでも相手本位の好意、相手が気分良くなれる種類の好意に限られます。
誰でも、優しくしてくれる人、好意を示してくれる人に対しては好意的になるものですが、それが押しつけがましくなってしまわないよう常に気を付けて、好意の返報性という心理的作用を利用してくださいね。
Writing:琴光♡ ∼kotomi∼