毎年、母の日を迎えるに際して、ただ単に母の日だからカーネーションなどのプレゼントを渡している方がほとんどだと思います。
しかし母の日の由来、成立した経緯、歴史を省みることで、母の日が制定されるまでに至った人と人とが織りなす壮大なドラマがあるのが分かります。
‥今年の母の日。少し違ったものしてみませんか?
以下では母の日の意味・由来(起源)のほか、母の日が制定された歴史についてご紹介しています。
目次
2024年の母の日はいつ?
- 2024年の母の日は5月12日(日)!
2024年以降の母の日一覧
年 | 月日 |
2023年(令和5年) | 5月14日 |
2024年(令和6年) | 5月12日 |
2025年(令和7年) | 5月11日 |
2026年(令和8年) | 5月10日 |
母の日のプレゼント「前日に渡すのはダメ?」「過ぎてからはダメ?」
母の日のプレゼントはバレンタインデーやホワイトデーのように母の日に渡すものと決まっていませんので、前日や後日に渡しても問題ありません。
ただし、以下のような件に留意する必要があります。
後日はNG!
母の日が過ぎた後、すなわち後日に渡すのは避けた方が無難です。受け取った母親からすれば、「忘れとったのかな?」とか解釈されそうな気もします。
あなたが母親の立場だったらどう思いますか?
やはり覚えていてもらえることに嬉しさを感じるものでありんす。
前日は多いにOK!
やはり本来は母の日に渡すのが最適ですが、あえて前日に渡すもの良いかもしれません。母の日の当日にくれるものと思い込んでいる母親がほとんどだと思いますので、前日に渡すことによって驚きという感動を付加することできます。
せっかくサプライズを狙ったのであれば、プレゼント選びも慎重になりたいところでありんすね。
ただ、1週間前とは少し早すぎる気がしますが、旅行とかであれば1週間前と2週間前とかでも良いと思います。老舗温泉旅館などはきっと喜んでくれるでしょう。
母の日にカーネーションを渡す理由やプレゼントの選び方については下記ページにて詳しくご紹介しています。
母の日とは?「母の日」の意味
まず、簡単に母の日の意味を説明すると‥
まず、端的に母の日の意味を説明すれば、かつては古代ギリシャの「キリスト教の祭典」だったということ。もっと噛み砕いた言葉に訳すと「キリスト教の行事」でした。
ただし、古代ギリシャ時代は女神リーアに感謝を捧げた「春祭り」と呼ばれた祭典でした。それがアメリカに伝来した途端に現今の母の日が誕生します。
アメリカ国内のキリスト教における母の日の内容は「1年で母の大切さを思う日」。現在はキリスト教の信徒でなくとも母の日は一般恒例行事になっています。
そう考えるとある意味、母の日とはクリスマスと類似した行事といえます。
母の日が5月の第2日曜日である理由
1914年(大正3年)にアメリカの議会で「母の日を国民の祝日とする議案」が通過し、5月の第2日曜日が「母の日」に制定されたから。(当時の大統領「ウィルソン」)
この日より正式に「Mother’s Day(母の日)」となります。
母の日は世界共通で5月第2日曜日なの?
なお、現在、アメリカの母の日の風習がキリスト教主体で世界に紹介され、全世界で母の日が祝福されていますが、世界各国それぞれで母の日の日やその内容も若干、異なります。
日本はアメリカと同じく5月の第2日曜日で内容もアメリカとほぼ同じですが、例えばルーマニアでは3月8日の「女性の日」が母の日とされたり、お隣、韓国では5月8日の「父母の日」が母の日として充てられています。
フランスやアルゼンチンも5月に母の日がありますが、フランスは5月最終週の日曜日、アルゼンチンは第3日曜日が母の日になります。内容は日本やアメリカとほぼ同じで花束を主体にプレゼントします。
以上のように、その国にもとからある記念日と母の日を兼ね合わせたり、3月が母の日だったりと「母の日」の風習だけが伝播した国もあることが分かります。
母の日・由来(起源)
母の日の起源はアメリカではなくギリシャ(ローマ)!
冒頭でも述べたように、母の日の前身となる「春祭り」は古代ギリシャの祭典なので、発祥地はギリシャになります。
「春祭り」は、古代ギリシャ(のちの「古代ローマ」)において、神々の母神とされた「女神リーア」に感謝を捧げるための祭典であり、一説にはこの祭典が起源だとされる説が現在までの定説とされています。
女神リーアといえばゼウスの母ジャ神として有名です。…母ジャ神?
その後、キリスト教の発祥地である古代ローマ(ギリシャがローマ帝国に併呑される)からキリスト教を通じてアメリカに伝播して「母の日(Mother’s Day)」にネーミングチェンジされることになります。
そしてさらにアメリカを通じて世界に伝播したのが、現今の世界中で見られる「母の日」になります。
すなわち、少しややこしくなりますが、古代ギリシャが母の日の発祥地であり、現今の母の日の起源はアメリカだということになります。
母の日はいつ誰が決めた?「母の日が制定された経緯」
最初に簡単に結論から述べると、国全体の祝日として世界で最初に母の日を定めたのはアメリカの連邦議会です。それが明治or大正時代に日本へ伝来したのが日本の母の日の起源です。そして、アメリカにて母の日制定のキッカケを作った人物が後述のアンナ・マリー・ジャービズという人物になります。
冒頭で母の日が成立したのはアメリカだと述べた通り、母の日の起源にせまるためにはアメリカの南北戦争時代にまで遡ります。
アメリカでは1861年~1865年に南北戦争(北アメリカと南アメリカの戦争)が開戦の火蓋を切りますが、ウェストバージニア州出身のアン・ジャービスという修道女が、敵味方関係なく南北の兵士の傷を癒すためにウェストバージニア州にて、「Mother’s Work Days(母の仕事の日)」という企画を立ち上げます。
この企画はアンが州内の女性たちを集めて負傷した兵士たちを治癒した活動のことです。一説ではアン自身も戦争で8人の子供を亡くしたと伝えられています。
戦争終結後もアンは「Mother’s Friendship Day(母の友情の日)」という名目で、互いの兵士とその家族のために交友活動を継続し、南北統一と和解を叫び続けます。
やがて、アンは自らの理想を現実化する目的も兼ね、アンドリュース・メソジスト監督教会(Andrews Methodist Episcopal Church)の建築に携わります。
教会完成後、「日曜学校」を開校し、社会活動を続けることになります。
母親にカーネーションを贈る起源の誕生
アンがこの世を去ったのが1907年5月12日のこと。場所はペンシルヴェニア州フィラデルフィア。このアンの命日から2年経ったある日のこと、アンの娘のアンナ・マリー・ジャービズ(Anna Marie Jarvis)は、亡き母親を偲び、アンが日曜学校をしていた教会で追悼式を執り行います。
この追悼式でアンナはアンが好きだった白色のカーネーションをアンの霊前へ手向けます。そして式典が終わった後、出席者たちも白のカーネーションを贈るのですが、これが現在の母の日にカーネーションを贈る起源と言われています。
アンが白色のカーネーションを好んだ理由は、キリスト教の教義においての白のカーネーションの意義が、キリスト教の生みの親であるイエスと聖母マリアのシンボルだったからです。
その翌年となる1908年5月10日にも「The International Mother’s Day Shrine(国際母の日シュライン)」というすべての母親を対象とした追悼式が催され、アンナはこの式典においても500余名の参加者全員に白のカーネーションと電報メッセージを贈っています。
やがて白いカーネーションを母親に贈る風習が広まりを見せ、これに呼応するかの如く、花屋業界が毎年5月が近づくと白のカーネーションの値段を高騰させます。
のちにアンナは生涯を途して、白のカーネーションの下げる裁判を起こすことになります。結果は敗訴。
母の日が5月第2日曜日というのは誰が決めた?「決められた理由」
アンナは母親アンの意志を受け継ぐかのように自らも「母の日」を国民の祝日とする運動を起こします。
その母の日運動がいよいよ盛んになってきた1908年、当時、「百貨店王」と称えられた「ジョン・ワナメーカー(John Wanamaker)」が自身が経営する百貨店の店頭にて母の日記念会を開催し、これが世間の注目を集めます。
これに端を発し、1910年ウエストバージニア州が「母の日」を祝日として認めます。
そして、ついに1914年(大正3年)のこと、ウィルソン政権におけるアメリカ連邦議会にて5月の第2日曜日を「母の日」とする法律が可決されることになります。
翌年1915年には法律が施行され、全世界で初例となる国全体における「母親のための記念日(Mother’s Day(母の日)」が誕生します。
日本にアメリカの母の日の文化が伝来したのは明治時代?大正時代??
日本にアメリカの母の日の文化が伝来したのは諸説あり、現今に至っても謎とされています。
1912年(明治45年)説
明治45年、キリスト教の行事として日本で初めて母の日が祝されたようですが、キリスト教婦人会を通じて大正時代にもたらされたと言われています。
しかし、上述したように当時の日本には胸に何かを付けるといった風習がなかったことから、なかなか定着はしませんでした。
1913年(大正2年)説
大正2年にキリスト教会および、日曜学校などで「母の日」が祝されたのが、日本における母の日の起源とも云われています。
明治・大正時代にアメリカの母の日文化が普及しなかった理由
アメリカからの母の日文化が日本に伝来したのは、明治時代もしくは大正時代ですが、実際に広まったのは昭和時代になってからのことです。
明治や大正時代に広まらなかった理由の1つとして、この当時の学校では「教育勅語」の教義によって父母への在り方を指導されていたことが理由に挙げられます。また、そもそも当時の日本は天皇主権が行き届いた神道主体の国家だったこともあり、キリスト教自体が広まっていなかったことも理由に挙げられます。
日本で母の日にカーネーションを贈る風習が定着したのは戦後になってから!
日本で母の日にカーネーションを贈る風習が本格化したのは、戦後となる1955年(昭和30年)頃です。
当時の日本には大量のカーネーションを輸入できる環境がなかったことや、カーネーションが自体が高価であったことから生花ではなく、造花のカーネーションが主として店頭に並べられたようです。
詳しくは、「全国未亡人団体協議会」が中心となって「未亡人会」はもとより、「母子寮の授産所(職業訓練所のような施設)」でカーネーションの造花を作り、それが全国の花屋やデパートの店頭に並べられたのです。
それに並行して、郵便友の会、母の日中央協議会、こどもの日中央協議会共催においても、赤と白のカーネーションに「お母さんありがとう」と書いたハガキをつけ添えて全国の小中学校へ配布します。
しかし普及の度合いと比例して「童心を傷つける」という問題も生じます。
赤と白のカーネーションを胸に飾る風習は、母ジャの有無が簡単に判別できることから、差別やイジメを生むネタにも成り得るということです。
そこで1960年(昭和35年)から白色が排除され、赤色一色に統一する運動が起こり、これが現今に見られる母の日に赤色のカーネーションをプレゼントする風習の起源になっています。
日本で正式に母の日が制定されたのはいつ?
日本で母の日が正式に制定されたのは、1947年(昭和22年)です。内閣は片山内閣。この年より公的に5月の第2日曜日が「母の日」に制定されることになります。
日本で母の日が制定された理由
日本で母の日が制定された理由の1つに当時の内閣総理大臣であった片山哲氏が敬虔なクリスチャンであったことも挙げられます。片山氏の母親も敬虔なクリスチャンだったようです。
母の日の歴史(年表)
古代ギリシャ時代
女神リーアの感謝の意を捧げるための「春祭り」が催される。
古代ローマ時代
キリスト教が成立する。
イギリス
17世紀のイギリスでは、「復活祭(イースター)」当日から遡り、40日間をLent(レント)と称し、そのレント期間中の4週目の日曜日(イースターの3週間前)を「マザーリングサンデー(Mothering Sunday)」と定めています。
この日、母親とゆっくりと過ごせるように労働者たちを帰省させる風習が誕生しています。
これはすなわちイギリスにおける母の日の起源につながるものです。
アメリカ
1907年5月12日にアンナ・ジャービスが母親アンの霊前に母が好んだ白いカーネーションを贈る。
1908年5月10日にもアンナ・ジャービスが今度はすべての母親を対象として霊前および参加者全員に白いカーネーションを贈る。ちなみに1908年5月10日は第2日曜日でした。
1908年、百貨店王ジョン・ワナメーカー(John Wanamaker)が自身が経営する百貨店の店頭にて「母の日記念会」を催し、世間の注目を集める。
1910年、ウエストバージニア州が「母の日」を祝日として公的に制定する。
1914年、当時のアメリカ大統領「ウィルソン」がアメリカ連邦議会において5月の第2日曜日を「母の日」と制定する。以来、母の日は国民の祝日なる。
日本
1912年(明治45年)、もしくは1913年(大正2年)に日本に母の日の文化がアメリカから伝来する。
1913年(大正2年)に、日本国内のキリスト教会の日曜学校などにおいて「母の日」が開始される。
1915年(大正4年)、当時、青山学院教授のアレキサンダー女史によって日本の母の日が紹介される。これに端を発し、キリスト教関係団体が中心となってさらに普及活動を始める。
1931年(昭和6年)、皇太后(香淳皇后)の誕生日である3月6日(地久節)を「母の日」と定められる。(あまり普及しなかった)
1937年(昭和12年)5月8日、森永製菓が「母をたたえる歌」を全国から募集し、「第1回 森永・母の日大会」を豊島園で盛大に開催する。ポスターが貼り付けてある全国菓子店にて招待券を配布し、20万人もの母親を無料招待する。
これにより母の日がやや定着化する。
1947年(昭和22年)、国全体として公的に5月の第2日曜日が「母の日」に制定される。(片山内閣)
なぜ母の日にカーネーションを贈るのか?
カーネーションを母の日に贈る理由やカーネーションの花言葉、カーネーション以外のプレゼントについては下記ページにてご紹介しています。