二十四節気は中国発祥の暦であるので、これを縦長の形状をとる日本列島に対応させた場合、必然的に季節感が暦と合わなくなってくる。
そのズレとは通勤電車アブラ汗ダラダラのオッさんのズラ以上にズレているのか? どんなズレ方や
本項では何がドレほどズレているのかに迫ってみたい。
二十四節気の季節と暦のズレの意味とは?どうズレているのか?
二十四節気が中国における太陽の動きと気候を参照して作られたものであるのでれば、まずは中国と日本の気候の違いを把握しておく必要があります。
気候の違いが把握できれば、実際にどうズレているのかが納得できるでしょう。
以下は二十四節気が作られたとされる中国大陸の平原の気候をご紹介するにあたり、現在の平原(中原)の場所の中心地とされる河南省の省都・鄭州(チェンチョウ)を例とした気候の特徴を述べています。
中国(鄭州)の気候の特徴と気温一覧表
- 降水量が多くない
- 空気が乾燥している
- 面積は日本の5分の4ほど。(31万平方キロメートル)
- 春は温暖で晴れの日が多い
- 冬は極寒
- 真夏と呼べるのは7月
月別 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
平均最高気温(℃) | 6.0 | 9.4 | 15.1 | 22.3 | 27.6 | 32.0 | 32.1 | 30.6 | 26.9 | 22.0 | 14.4 | 8.0 |
平均気温 (℃) | 0.8 | 3.8 | 9.3 | 16.2 | 21.8 | 26.3 | 27.5 | 26.0 | 21.4 | 15.9 | 8.6 | 2.8 |
平均最低気温(℃) | -3.3 | -0.7 | 4.3 | 10.4 | 16.0 | 20.8 | 23.5 | 22.2 | 16.9 | 11.0 | 3.9 | -1.4 |
降水量 (mm) | 9.5 | 14.0 | 25.1 | 34.6 | 56.9 | 62.7 | 135.3 | 126.7 | 74.6 | 36.0 | 27.0 | 8.5 |
日本(東京)の気候の特徴と気温一覧表
- 夏は短い
- 湿度が高い
- 1年を通して暖かい
- 夏は蒸し暑い
- 降水量が多い
月別 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平均最高気温( °C) | 9.6 | 10.4 | 13.6 | 19.0 | 22.9 | 25.5 | 29.2 | 30.8 | 26.9 | 21.5 | 16.3 | 11.9 |
平均気温( °C) | 5.2 | 5.7 | 8.7 | 13.9 | 18.2 | 21.4 | 25.0 | 26.4 | 22.8 | 17.5 | 12.1 | 7.6 |
平均最低気温( °C) | 0.9 | 1.7 | 4.4 | 9.4 | 14.0 | 18.0 | 21.8 | 23.0 | 19.7 | 14.2 | 8.3 | 3.5 |
降水量(mm) | 52.3 | 56.1 | 117.5 | 124.5 | 137.8 | 167.7 | 153.5 | 168.2 | 209.9 | 197.8 | 92.5 | 51.0 |
これら日本と中国の気温の変化をみれば分かりますが、平均気温を比較してみた場合、中国の5月は21.8度と、春らしい過ごしやすい気温です。二十四節気では「立夏」と表記されている理由がよく分かります。
逆に日本は18.2度と夏いうよりは、初春と呼ぶのが相応しい気温です。
5月からの気温を比較してみると中国は7月に27.5度と最高気温になり、9月から4度以上のマイナス気温を経ながらそのまま12月まで突入します。12月は2.8度と極寒とも言える気温でしょう。
二十四節気の11月は立冬。しかし日本の11月の気温は12.度とまだ立冬と呼ぶには少し時期尚早のような気がします。
12月の節気は大雪。中国の気温は2.8度なので降雪が続く日もあることでしょう。逆に日本の12月は7.6度とまだ大雪と呼べるような気温ではないことが分かります。
そして気温差が顕著な月が1月。節気は小寒。中国の0.8度に対して日本は5.2度と比較にはならなほどの気温差があります。その差、約4.4度。中国は極寒と呼べるでしょう。日本はせいぜい寒いです。
12月の日本は降雪もほぼ皆無なので到底「大雪」とは呼べないものがあります。
1月の節気である小寒の説明に「時として大寒よりも寒いこともある」などと記載されていますが、中国の12月〜1月は確かに極寒といえます。日本で極寒と呼べる月は2月ではないでしょうか。
大陸の中国と島国の日本では気候が大きく異なる!
考えてみれば日本は島国であり、中国は大陸です。島国と大陸では気候が違って当然です。
二十四節気が作られた平原(中原)は、日本の東北地方北部と同緯度でもあることから気温および気候が類似しており、つまりは「寒冷地」と呼ばれる地域になります。
‥‥以上を素敵にまとめると二十四節気は完全に日本の風土にマッチしたものではないことが分かります。
大きな気候の違いとしては、日本の方が中国に比べて1年を通して温暖であることが分かります。
また、降水量に着目すると日本は年間降水量が中国とは比較にならないほど多いことから、中国に比べて圧倒的に湿気が多いことのなります。日本の夏が蒸し暑いと言われるのもこのためです。
逆の言い方をすれば中国は日本に比べて圧倒的に乾燥していることになります。
二十四節気は気象を先取り表現している暦
二十四節気の各節気は雑節や祝日のように「ある特定日」だけを示しているわけではなく、その真髄はその特定日からなる半月、すなわち15日間を指定して節気が定められているということ。
これは15日間の間に気象の変化があることを告げるものであり、すなわち気象を先取り表現していることになる。
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