好きな人はいますか?
好きな人に振り向いてくれるにはどうすれば良いのかと、試行錯誤の毎日を過ごしていることでしょう。相手を振り向かせたいのなら、恋愛モードに切り替えないといけません。
恋愛モードに切り替えるのに最も効果的な方法は、素敵な恋愛を描いている映画を見ることです。
そこで恋愛カウンセラーの筆者が、恋愛に悩んでいる人のために大人の恋に効く洋画を20作品紹介します。
第20位. 「はじまりのうた」
画像出典:映画.com
- 公開日:2015年2月7日
- 監督:ジョン・カーニー
- 脚本:ジョン・カーニー
- 主題歌:アダム・レヴィー「ロスト・スターズ」
- キャスト:キーラ・ナイトレイ/マーク・ラファロ/ヘイリー・スタインフェルド
主題歌であるアダム・レヴィーの「ロスト・スターズ」は、アカデミー賞歌曲賞にノミネートされました。惜しくも受賞は逃したものの、ミディアムバラードが心に染み入る曲となっています。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
グレタ(演:キーラ・ナイトレイ)は、彼氏のデイヴ(演:アダム・レヴィーン)と一緒に、イギリスからアメリカへとやって来ました。デイヴが手掛けた音楽が人気となり、有名会社と契約するためです。
ある日のこと、デイヴが作ったラブソングを聞いたグレタは、彼が浮気していることに気が付きました。2人は別れて、グレタは友達のスティーヴ(演:ジェームズ・コーデン)の家に身を寄せることになります。
スティーヴは失恋でボロボロになっているグレタを励ますために、ライブバーへと連れて行きます。バーで嫌々ながらも、グレタはアコギ片手に1曲披露しました。
たまたまバーに居合わせたダン(演:マーク・ラファロ)は、グレタの歌に惚れ込みます。演奏が終わった後、ダンはグレタにレコードデビューの話を持ちかけました。
ダンとグレタが作り出した曲は、2人の距離を縮めます。そして、もう1つ大きな奇跡を引き起こしました。
この作品の感想と見どころ
- 大人気バンドMaroon5のボーカル、アダム・レヴィーンが映画に出演。初出演とは思えないほど、良い演技をしています。
- キーラ・ナイトレイとマーク・ラファロの組み合わせは、面白い組み合わせです。2人とも影のある演技がとても上手く、映画に深みをもたせています。
- 挫折して落ち込んでいる人には、オススメできる映画です。お互いに、支えて支えられることを染み染み感じることでしょう。
第19位. 「マイ・ブルーベリー・ナイツ」
画像出典:映画.com
- 公開日:2008年3月22日
- 監督:ウォン・カーウァイ
- 脚本:ローレンス・ブロック
- 原案:ウォン・カーウァイ
- キャスト:ノラ・ジョーンズ/ジュード・ロウ
香港映画界の巨匠、ウォン・カーウァイが初めてハリウッドで手掛けた映画です。主演のノラ・ジョーンズが、失恋で傷ついた女性を瑞々しく演じています。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
エリザベス(演:ノラ・ジョーンズ)は、ある日突然恋人に振られてしまいました。なぜ振られてしまったのかを探るため、彼氏の部屋の向かいにあるカフェへと訪れます。カフェのオーナーであるジェレミー(演:ジュード・ロウ)から、彼氏が他の女性といたことを聞かされました。
心にポッカリと穴があいたエリザベスは、ジェレミーのカフェに通い始めます。頼むのは、不人気No1のブルーベリーパイです。ジェレミーは、ブルーベリーパイを頼むエリザベスのことが、気になり始めていました。
そんな中、エリザベスは彼氏が他の女性と一緒に歩いていた姿を目撃します。そして失恋の痛みから、旅に出ることになりました。
旅の途中、エリザベスはジェレミー宛に葉書を出します。葉書を手がかりに、ジェレミーはエリザベスを探しました。
この作品の感想と見どころ
- 香港映画時代からウォン・カーウァイ作品を触れた人にとっては、毒気の少なさに少々物足りないかもしれません。でも傷ついた心を映像で表現する技術は、本作で遺憾なく発揮されています。
- エリザベスは自分探し。ジェレミーは過去との決別。それぞれに決着がついた時、2人には何が訪れるのでしょうか?映画を見てからのお楽しみです。
第18位. 「ワン・デイ 23年のラブストーリー」
画像出典:映画.com
- 公開日:2011年8月19日
- 監督:ロネ・シェルフィグ
- 脚本:デヴィッド・ニコルズ
- 原案:デヴィッド・ニコルズ「ワン・デイ」
- キャスト:アン・ハサウェイ/ジム・スタージェス/パトリシア・クラークソン
「One Day」とは、ある特別の日を意味します。本作の「One Day」は「聖スウィジンの日」である、7月15日です。7月15日に起きた出来事が、未来を決めるという意味があります。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
1988年7月15日エディンバラ大学(イギリスに実在する名門大学)の卒業式。エマ・モーリーとデクスター・メイヒューは、同じ大学にありながら初めて言葉を交わしました。2人は友達として、付き合うことになりました。
数年後、エマには新しい恋人ができ同棲を始めました。デクスターはテレビの仕事に就き、大人気MCとして活躍しています。しかし輝かしい活躍の裏では、母親の死亡や誹謗中傷で、精神的にボロボロになっていました。
デクスターはエマに連絡し、会いたいと告げます。一旦は断ったエマですが、デクスターの誘いにのり、彼が指定した高級クラブへと赴きました。当初はお互いの近況報告をするなどをして、和やかなムードになります。しかしデクスターの失言により、エマは大激怒!怒って店を後にしました。
大変なことをでかしたデクスターは、エマの後を追います。エマはデクスターの気持ちを理解しつつも、2人の関係性を問います。そしてエマは、自分の気持をデクスターに伝えました。「あなたのことは愛している。心から。でももう好きじゃなくなったわ。ごめんなさい」と。
この作品の感想と見どころ
- 心を支えている人は、いつも側にいる人です。しかし、あまりにも当たり前過ぎて気持ちに気がついていないかもしれません。デクスターとエマの関係性も、お互いの存在の大切さに気がついていません。すれ違いの関係が、何年も続いていました。
- 映画から学べることは、当たり前のように側にいる人に対して感謝の言葉を述べることでしょう。なんだか照れくさく感じますが、言葉にすることで絆はもっと深まります。今からでも遅くはないので、好きな人に「愛しています」と伝えて下さい。
第17位. 「きみに読む物語」
画像出典:映画.com
- 公開日:2004年6月25日
- 監督:ニック・カサヴェテス
- 脚本:ジャン・サルディ/ジェレミー・レヴェン
- 原案:ニコラス・スパークス「きみに読む物語」
- キャスト:ライアン・ゴズリング/レイチェル・マクアダムス
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
老人の日課は、アルツハイマーを患っている女性にノートに書かれている物語を読み聞かせることです。今日も老人は、女性の元へ赴き物語を読み聞かせるのでした。
1940年夏。アメリカ南部シーブルックに、ノア・カルフーン(ライアン・ゴズリング)がやって来ました。彼はお金持ちの令嬢アリー・ハミルトン(レイチェル・マクアダムス)に一目惚れをします。彼女の気を引くためにノアは必死でアプローチをし、見事アリーのハートを射止めることができました。
しかしアリーの両親は、ノアとの交際に大反対!2人はそれぞれに違う人生を歩むことになります。アリーには婚約者がいましたが、ノアを忘れることができません。そしてノアも、アリーのことが忘れられずにいました。
この作品の感想と見どころ
- 生涯をかけて1人の人間を愛することの愛おしさは、言葉にすることはできません。例え離れ離れになっていても、最期まで愛を貫き通す姿は涙ものです。運命的な愛を感じたいのなら、本作はおすすめです。
- ノア役のライアン・ゴズリングと、アリー役のレイチェル・マクアダムスは、映画がきっかけとなり、本当に恋人同士になりました。
第16位. 「ラ・ラ・ランド」
画像出典:映画.com
- 公開日:2016年8月31日(ヴェネツィア国際映画祭)
- 監督:デミアン・チャゼル
- 脚本:デミアン・チャゼル
- キャスト:ライアン・ゴズリング/エマ・ストーン/ジョン・レジェンド
アカデミー賞6部門受賞した名作です。他にもゴールデングローブ賞・ニューヨーク映画批評家協会賞・ヴェネツィア国際映画祭と、世界の名だたる映画賞を総なめにしました。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
女優志願のミア(演:エマ・ストーン)と、ジャズミュージシャンのセブ(演:ライアン・ゴズリング)が出会ったのは、高速道路上でした。エマが運転する車の後続車が、セブが運転する車です。セブは前に走っていたエマの車を煽り、エマも負けず反論します。2人の出会いは最悪でした。
2人を結びつけたのは、音楽の神様かもしれません。次に2人が出会ったのは、とあるバーです。ミアがクリスマスパーティーへ参加した帰り、バーから素敵な音楽が聞こえてきました。音楽に引かれてバーに入ると、高速道路でミアを煽っていたセブが、ピアノを弾いていたのでした。
季節は春から夏にかわり、ミアはa-haの「Take on me」が流れているプールにいました。何の偶然か、プールの曲を演奏していた人物こそがセブです。ミアはセブに曲のリクエストをするも、セブは「そんな曲演奏できるか」と怒ってしまいました。
最悪で険悪ムード漂う2人を結びつけたのは、太陽が落ちて薄明かりが残る時間と、プリウスです。美しい景色の中、ミアとセブは2人で「A Lovely Night」を歌うのでした。
この作品の感想と見どころ
- 最悪な出会いをした2人が恋に落ちる様子は、胸キュン不可避です。
- 2人の恋の始まりを歌いあげた「A Lovely Night」の6分に渡るシーンは、1カットで撮影されました。通常は数カットに分けて撮影が行なわれるようなシーンです。しかも「A Lovely Night」のダンスは非常に難しく、6分も続けるのは至難の業。でも主演2人はプロ根性で、ロマンチックなシーンに作り上げました。
- ライアン・ゴズリング本人が、本当にピアノを弾いているシーンがあります。3ヶ月の猛特訓を経て、習得したそうです。
第15位. (500)日のサマー
- 公開日:2009年1月17日
- 監督:マーク・ウェブ
- 脚本:スコット・イノスタッター/マイケル・H・ウェバー
- キャスト:ジョセフ・ゴードン=レヴィット/ズーイー・デシャネル
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
ロサンゼルスにあるグリーティングカード会社勤務のトム(演:ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、いつかは「運命の恋」をすると本気で信じている青年です。一方サマー(演:ズーイー・デシャネル)は「運命の恋」なんて信じていない、超現実主義の女性です。
恋愛観が全く違う2人が出会ったのは、会社のエレベーターの中。サマーは、トムに突然「私もザ・スミス(80年代に活躍したイギリスのロックバンド)が好きよ」と、声をかけました。これぞ運命の恋と勢いづいたトムでしたが、サマーからは「お友達になりましょう」とそっけない返事をもらうのでした。
友達同士となったトムとサマーは、IKEA(スウェーデンの家具量販店。日本にも何店舗かあります)で夫婦ごっこするなど、親密な関係となります。
しかし、ある事件がきっかけとなり2人の仲はこじれてしまい…。
この作品の感想と見どころ
「恋愛映画なんて最後はどれも同じ」と思ったら、大間違いです。少なくとも「(500)日のサマー」に関しては、予想外のラストを迎えます。
ラストの鍵を握るのは「運命の恋」です。トムにとってサマーは、正しく「運命の人」でした。ではサマーにとってトムは、どんな存在だったでしょうか?
トムのように1人で突っ走っては、痛い目に遭うのがオチです。運命の恋を確かなものにするには、相手のこともしっかり考えてあげて下さい。
第14位. 「アバウト・タイム~愛おしい時間について~」
画像出典:映画.com
- 公開日:2013年9月4日
- 監督:リチャード・カーティス
- 脚本:リチャード・カーティス
- 主題歌:ベン・フォールズ「The Luckiest」
- キャスト:ドーナル・グリーソン/レイチェル・マクアダムス/ビル・ナイ
イギリスから届いた映画は、少し不思議な恋愛映画です。「ハリーポッター」シリーズで、頼れるお兄ちゃんを演じていたドーナル・グリーソンが主演を務めています。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
弁護士として働くティム・レイク(演:ドーナル・グリーソン)には、タイムトラベル能力がありました。タイムトラベル能力を持ったティムが惚れたのは、出版社で働くメアリー(演:レイチェル・マクアダムス)です。
メアリーとの付き合いには困難があったものの、タイムトラベル能力を駆使して乗り切ります。そして2人は結ばれて結婚。娘のポージーも生まれ、幸せの真っ只中にありました。
そんな中、ティムの妹であるキットカット(演:リディア・ウィルソン)が交通事故を起こします。事故を未然に防ぐために、ティムはタイムトラベル能力を使用。
事故を止めることはできたものの、ティムの子供は娘ではなく息子になってしまいました。ティムは娘を取り戻すため、敢えて事故を止めることはしませんでした。そのかわり、ティムとメアリーの2人でキットカットを支えます。キットカットは2人の支えにより、立ち直ることが出来ました。
しかし今度は、父親に大きな災難が降りかかります。父親に降り掛かった災難は、タイムトラベル能力でどうにかなるものではありませんでした。
この作品の感想と見どころ
- タイムリープ映画です。大筋の内容は、過去を変えることで、より良い未来にするというものです。過去を変えたからこそ、ティムはメアリーと結ばれることができました。
- ティムにタイムトラベル能力がなくても、メアリーと一緒になれたかもしれません。そもそも2人が出会ったのは、ティムがタイムトラベルをした訳ではなく、偶然が引き起こした奇跡です。そして「メアリーと一緒になりたい」という気持ちがあったからこそ、素敵な家庭を築くことができました。
- 過去ばかり振り返ってしまうと、良い未来にたどり着くことはできません。過去は過去であり、未来とは別物です。もし後ろ向きな気持ちになっているのなら、本作はオススメです!
第13位. 「ニキータ」
- 公開日:1990年2月21日
- 監督:リュック・ベンソン
- 脚本:リュック・ベンソン
- キャスト:アンヌ・パリロー/ジャン=ユーグ・アングラード
「ニキータ」はきっけとなり、リュック・ベッソンは世界的な監督となりました。フランス映画で人気となった「ニキータ」は、後にハリウッドに渡りリメイク映画が制作。また、連続ドラマ化もされました。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
4人の少年少女達はクスリを求めて、薬局を襲撃します。しかしすぐに警察が駆けつけ激しい銃撃戦となり、3人は倒れてしまいました。1人生き残った少女の名前は、ニキータ(演:アンヌ・パリロー)。ニキータの性格は凶暴そのもので、取り調べに対応した刑事に対して牙を向くほどです。
ニキータには終身刑が言い渡され、法廷で激しく暴れます。そんな彼女を抑えるために、鎮静剤が投与されました。
ニキータが目を覚めると、見知らぬ部屋と見知らぬ男(演:チェッキー・カリョ)が目につきます。男は「ボブ」と名乗っているも、本名かどうかは怪しいものです。彼がニキータに持ちかけたのは、政府御用達の暗殺者への道です。ニキータは渋々承諾し、暗殺者になるための訓練に励みました。
3年後、暗殺者技術が身についたニキータは、ボブと共に高級レストランへと向かいます。高級レストランでボブから告げられたのは、初の暗殺指令でした。暗殺は見事成功し、ニキータは本格的に暗殺者として働くことになりました。
ニキータは「マリー・クレマン」と名乗り、看護師として暮らすことになりました。もちろん看護師は表向きの仕事で、裏は暗殺稼業です。そんな最中で出会ったのは、普通の青年マルコ(演:ジョン=ユーグ・アングラード)でした。ニキータはマルコと付き合うも、さすがに「暗殺者」と名乗ることはできません。
この作品の感想と見どころ
- 暗殺者と関係することは、現実的に起こり得ない話です。でもニキータとボブとの関係性は、現実の大人の恋愛でも起こり得る話です。
- 任務途中で知り合い恋人になったマルコとの関係性も要注目です。表ではマルコとラブラブになりつつ、裏では暗殺稼業。2つの顔を使い分けるのも、大人の恋愛の醍醐味かもしれません。
第12位. 「ブロークバック・マウンテン」
画像出典:公式サイト(英語)
- 公開日: 2005年12月19日
- 監督:アン・リー
- 脚本:ラリー・マクマートリー/ダイアナ・オサナ
- 原作:E・アニー・ブルー
- キャスト:ヒース・レジャー/ジェイク・ギレンホール
2005年ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞。2006年アカデミー賞を3部門で受賞した名作です。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
1963年夏、ワイオミング州ブロークバック・マウンテンにある牧場に、イニス(演:ヒース・レジャー)とジャック(演:ジェイク・ギレンホール)がやって来ました。2人は意気投合し、やがて友情を超えた愛情が芽生えます。60年代は、男同士で愛を育むのはご法度の時代です。
それでも感情を抑え込むことができず、2人は愛し合いました。そして後に2人は別れ別れとなり、それぞれ違う女性と結婚します。
4年後の1967年のある日、イニスの元にジャックから絵葉書が届きます。絵葉書がきっかけとなりイニスとジャックは再会し、情熱的なキスを交わします。彼等のキスは、イニスの妻であるアルマに偶然目撃されてしまいました。
以降もジャックとイニスは秘密裏に会い、愛情を重ねます。そしてジャックは「小さな牧場を持って一緒に過ごさないか」と、イニスに話を持ちかけるも、彼は良い顔をしません。
イニスは少年時代、同性愛者という理由だけで残酷な目に遭っていた人を目撃していました。大人になっても、少年時代に目撃した光景は心に大きな傷を残していたのです。
この作品の感想と見どころ
映画では、同性愛が受けた差別について描かれています。あまりにも酷い差別のされ方ですが、60年代当時は大袈裟でも何でもないことでした。当時の人達は、どれほどの恐怖を抱いていたかと思うと言葉がありません。
それでもジャックとイニスは、愛を語り合いました。愛を語り合う時間は、異性の恋人同士よりも大切に思っていたことでしょう。
同性だろうが異性だろうが、恋愛に対して横からゴチャゴチャ口出す人は現代でもいます。でも誰に何を言われようとも、自分の中で芽生えた愛情は最後まで貫き通したいものです。
第11位. 「バットマン」
- 公開日:1989年6月23日
- 監督:ティム・バートン
- 脚本:サム・ハム/ウォーレン・スカーレン
- 原作:ボブ・ケイン
- キャスト:マイケル・キートン/キム・ベイシンガー
バリバリのアメコミ映画です。でも本作で見せたブルース・ウェインとヴィッキー・ベールの関係は、大人の恋愛を語るのにふさわしいと言えるでしょう。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
「蝙蝠(コウモリ)男が犯罪者達を退治しているらしい」という都市伝説が、ゴッサムシティで話題です。新聞記者のアレクサンダー・ノックス(演:ロバート・ウール)は、美人カメラマンのヴィッキー・ベール(演:キム・ベイシンガー)と共に、蝙蝠男の調査を始めました。
蝙蝠男の正体の鍵を握るのは、街を取り仕切るジェームズ・ゴードン警視総監(演:パット・ヒングル)と読んだノックス。彼がゴッサムシティの大富豪、ブルース・ウェイン(演:マイケル・キートン)主催のパーティーに出席することを掴みます。
情報を掴むため、ヴィッキーとノックスはウェイン家のパーティーに潜入。でもゴードン警視総監に蝙蝠男の話を聞き出そうとするも、有力な情報は得られません。その代わり、パーティー主催者であるブルース・ウェインと顔馴染みになることには成功します。特にヴィッキーとブルースの仲は親密になり、一緒に食事を取る間柄に発展しました。
しかし、ヴィッキーは気がついていていませんでした。目の前にいるブルース・ウェインこそが、蝙蝠男ことバットマンだということに。
この作品の感想と見どころ
イケメンでお金持ちと付き合ってみたいとおもうのは、女性なら誰しも考えることでしょう。ただし、イケメンでお金持ちの人物が変わり者だったらどうしますか?さらに夜な夜な怪しい行動を繰り返していたとなると、怪しさはさらに倍増。
当然ヴィッキーは、疑ってかかります。もしかして他に好きな女性がいるのか?私に対して気持ちはないのかと、思うわけです。
でもブルースは、ヴィッキーのことが好きでたまりません。恋愛を取るのか、バットマンとして街を守るのか。ヒーローも恋に悩む1人の人間でした。
第10位.「世界一キライなあなたに」
画像出典:ワーナー公式サイト
- 公開日:2016年6月3日
- 監督:テア・シャーロック
- 脚本:ジョジョ・モイーズ
- 原作:ジョジョ・モイーズ「ミー・ビフォア・ユー きみと選んだ明日」
- キャスト:エミリア・クラーク/サム・クラフリン/ジャネット・マクティア
原作は世界40カ国で翻訳され850万部を誇るベストセラー小説で、日本語版も出ております。内容は恋愛映画ですが、人間として考えさせられる映画です。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
ルことルイーザ(演:エミリア・クラーク)は、勤めていたカフェが閉店となり職を失ってしまいました。ルーは職安から介護の仕事を紹介され、家族のサポートの元面接へと向かいます。
面接会場ならぬ面接城へとやって来たルーは、カミーラ・トレイナー(演:ジャネット・マクティア)と名乗る壮年女性の面接を受けることになりました。失言連発の大失態をしでかすも、面接は一応合格。ルーが介護するのは、カミーラの息子・ウィル(演:サム・クラフリン)です。
ウィルはいわゆる超めんどくさい男子で、ルーに心を開こうともしません。しかも、ウィルからは「僕の前では静かにしてくれ」と邪険にされ、ルーは爆発寸前です。仕事を辞めようと、思うようになりました。でもルーが仕事を辞めてしまうと、家族の生活が成り立ちません。
ある日のこと、ウィルを見舞いに友人のルパートと元カノのアリシアが訪ねてきました。ルパートとアリシアの2人の結婚報告を受けたウィルは荒れて、ルーに当たるようにもなりました。
それでもルーは負けず、お金が必要だから仕方なく働いているのだとウィルの前でぶちまけました。何もかもズバズバ言うルーに、ウィルは引き下がります。
ある雨の日、ウィルはルーに「神々と男たち」というフランスのイケナイDVD映画を見ることを提案します。なお「神々と男たち」という映画は実在しますが、内容はイケナイDVD映画ではなく至って真面目な内容のDVD映画です。ウィルはルーを茶化すために、敢えて「イケナイDVD」と言ったのでした。
映画をきっかけに2人の距離が少しずつ縮まります。ルーはウィルの症状をもっと深く理解するために、病気の勉強もしました。ウィルの体調がよくない時は、一晩中付付き添いました。
後日、スイスの「ディグニタス」からウィル宛に連絡が来ます。ディグニタスからの手紙により、ルーはウィルの本心を知ることになりました。
この作品の感想と見どころ
- 前半はラブコメ要素が強く、ルーのひたむきさに応援したくなります。
- 途中から、雰囲気はガラリと変わります。ルーの気持ちもわかりますが、ウィルの気持ちもわからない訳ではありません。正解はありません。もし好きな人が哀しい行動をしようとしていたら、どう対処するでしょうか?
第9位. 「ラブ・アクチュアリー」
- 公開日:2004年2月7日
- 監督:リチャード・カーティス
- 脚本/原作:リチャード・カーティス
- キャスト:ヒュー・グラント/リアーム・ニーソン/コリン・ファース
映画ハリーポッタシリーズのスネイプ先生・Mr.ビーン・「スター・ウォーズ」シリーズのクワイガンジンまで、誰しもが知るイギリス人役者勢揃い映画です。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
世の中は憎しみに満ち溢れているという人もいます。しかし1999年アメリカ同時多発テロ事件の際、犠牲者になった人が遺したのは、愛する人へのメッセージでした。世の中はLove Actually(確かな愛)で満たされていると語ります。映画では、Love Actuallyな恋愛模様が描かれています。
教会の結婚式
教会では、黒人男性のピーター(演:キウェテル・イジョフォー)と白人女性のジュリエット(演:キーラ・ナイトレイ)の結婚式が行なわれました。サプライズで「All Need Your Love(愛こそ全て)」が演奏され、友人達から祝福を受けていました。
結婚式のゲスト①
コリン(演:クリス・マーシャル)は、ピーターとジュリエットの結婚パーティーでカナッペ(一口大に切ったパンの上に肉や魚を乗せたもの)を配っていました。壁の花になっていたナンシー(演:ジュリア・デイヴィス)を見つけて声をかけるも、相手にしてくれません。女性から相手にされないのは「イギリス女性が冷たいから」と勝手な理由をつけて、自由奔放なアメリカ人女性に憧れを抱きます。
結婚式のゲスト②
パーティーに出席していたジェイミー(演:コリン・ファース)は途中で抜け、体調を崩している彼女を心配して家に戻ります。すると家には実の弟がおり、丁度彼女と浮気をしている真っ最中でした。
落ちぶれ歌手
落ちぶれ歌手のビリー・マック(演:ビル・ナイ)は、再起をかけて新曲のレコーディングに取り組んでいました。
妻に先立たれた男
妻を亡くしたばかりで精神的に傷ついたダニエル(演:リーアム・ニーソン)は、寂しさを埋めるために友人のカレン(演:エマ・トンプソン)に電話をかけます。
この作品の感想と見どころ
- 甘い恋愛から危険な恋愛まで、恋愛要素が濃縮されている映画です。
- メインの登場人物は19人・9組のカップルと1人の男性の恋愛模様を描いています。自分と近い登場人物を探すのも面白いかもしれません。
- 作中ではロンドンの観光名所がガンガン出てくるので、映画を見ながらロンドン観光気分も同時に楽しめます。
第8位. 「ブリジット・ジョーンズの日記」
画像出典:ミラマックス公式サイト(英語)
- 公開日:2001年4月13日
- 監督:シャロン・マグワイア
- 脚本:リチャード・カーティス/アンドリュー・デイヴィス
- 原作:ヘレン・フィールディング「ブリジット・ジョーンズの日記」
- 主題歌:ルイーズ・ボブ/ジョナサン・ショートゥン「アウト・オブ・リーチ」
- キャスト:レネー・ゼルウィガー/コリン・ファース/ヒュー・グラント
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
独身32年目の正月を迎えたブリジット・ジョーンズ(演:レネー・ゼルウィガー)には、彼氏もなければ出会いもありません。実家で開催されたパーティーで敏腕弁護士のマーク・ダーシー(コリン・ファース)を紹介されるも、ダサい服装が理由で彼氏候補から抹消しました。
せっかくの出会いのチャンスを失ったブリジットは、1人寂しくジェイミー・オニールの「All By Myself(私は1人ぼっち)」を熱唱。そして今度こそ自分を変えて素敵な彼氏を見つけるために、日記を付けることになりました。
日記最初のページに書いたのは、ダイエットの決意とイケてない男に恋心を抱かないことです。イケてない男に恋心を抱かないようにする決意は、早々に揺らぐことになりました。ブリジットが働く出版社には、イケてない男の代表格であるダニエル・クリーヴァー(ヒュー・グラント)がいたからです。
そしてブリジットはダニエルに、ダニエルもブリジットに恋心を抱いていました。
この作品の感想と見どころ
- 見どころは、ブリジット役のレネー・ゼルウィガーが見せた女優魂でしょう。役のために9kg体重を増やし、ブリジットと同じく出版社で本当に働きました。しかもレネー・ゼルウィガー本人はアメリカ人であるにも関わらず、完璧なブリティッシュイングリッシュも習得しています。
- 恋愛映画の主人公は美人が務めるのがお決まりですが、本作はぽっちゃり系女子が主人公です。しかも恋愛について赤裸々に語っているので、ブリジットと同年代なら共感できるかもしれません。
第7位. 「ライフ・イズ・ビューティフル」
- 公開日:1997年12月20日
- 監督:ロベルト・ベニーニ
- 脚本:ヴィンチェンツォ・チェラーミ/ロベルト・ベニーニ
- キャスト:ロベルト・ベニーニ/ニコレッタ・ブラスキ/ホルスト・ブッフホルツ
イタリアの映画です。カンヌ国際映画祭審査員グランプリ・アカデミー賞主演男優・作曲・外国語映画賞など、数多くの映画賞を総なめにした名作です。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
1939年イタリア・トスカーナ地方にある都市・アレッツォに、2人の男がやって来ました。1人は家具職人のフェッルッチョ・パピーニ(演:セルジョ・ビーニ・ブストリッチ)。そしてもう1人は本作の主人公、グイド・オレフィチェ(演:ロベルト・ベニーニ)です。
2人は車でアレッツォに向かっていたものの、ブレーキ故障で田舎町に身を寄せることになりました。グイドは車の修理をフェッルッチョに頼み、1人町中を散策します。すると、ある納屋の2階部分から、美しい女性が落ちてきました。
彼女が言うには、ハチの巣を焼こうとした矢先に落ちてしまったとのことです。彼女と話している内に車の修理が終わり、グイドは女性と別れて叔父の家へとやって来ました。
納屋から落ちた女性の名前はドーラ(演:ニコレッタ・ブラスキ)。後にグイドと結ばれ、ジョズエ(演:ジョルジョ・カンタリーニ)という1人息子を授かります。しかし「戦争」という影は、家族から幸せを根こそぎ奪い取りました。
この作品の感想と見どころ
- 映画前半はラブコメでギャグ満載のシーンが続きますが、後半はしんどい展開となります。あまりにも切ない話になるので、ハンカチ無しで見ることは不可能です。
- 嘘はよくないことですが、愛する人を守るための嘘なら大歓迎です。
- 「La vita è bella(人生は美しい)から、どんな状況でも希望を捨ててはいけない」と、教えてくれる映画です。
第6位. 「ボディガード」
- 公開日:1992年11月25日
- 監督:ミック・ジャクソン
- 脚本:ローレンス・カスダン
- 主題歌:ホイットニー・ヒューストン「I Will Always Love You」
- キャスト:ケビン・コスナー/ホイットニー・ヒューストン
本作がきっかけとなり、ホイットニー・ヒューストンの名前は世界的に広がりました。主題歌の「I Will Always Love You」は、洋楽をほとんど聞いたことがない人でも1回は耳にしたことがあるはずの有名曲です。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
フランク・ファーマー(演:ケビン・コスナー)は凄腕ボディーガードで、かつてレーガン大統領のボディーガード(シークレットサービス)を承っていたことがありました。現在はシークレットサービスから足を洗い、個人契約のボディガードとして働いています。
フランクが次に守るのは、大スター・レイチェル・マロン(演:ホイットニー・ヒューストン)です。レイチェルの元に殺害予告が届いたことを受けて、凄腕ボディーガードであるフランクに白羽の矢が立てられました。芸能人のガードは受け付けない主義であったものの、週3,000ドルの高額ギャラを提示され、引き受けることになりました。
フランクは早速防犯システム強化に着手するも、ボディーガード対象となっているレイチェルは面白くありません。彼女はフランクの指示を無視して、ナイトクラブでの新曲発表会に向かいます。
ナイトクラブの新曲発表会には度を過ぎたファンが多く、勝手にステージに駆け上がり、レイチェルを引きずり下ろす始末です。フランクは消化器を使ってヒートアップしたファンを蹴散らし、彼女を救い出すことができました。
ナイトクラブの事件がきっかけとなり、2人の距離は接近します。しかし2人が親密になるにつれ、レイチェルは命の危険にさらされることに…。
この作品の感想と見どころ
- ラストシーンで流れる「I will always love you」は、かなり切ないです。「あなたのことを愛しているからこそ別れますが、それでも常にあなたのことを思っています」と、レイチェルの心情を歌い上げています。
- 映画本作で「日本」が関わっているシーンが登場します。1つは、日本刀でレイチェルのスカーフを切るシーン。残り1つは、映画を見てからのお楽しみです。
「ゴースト~ニューヨークの幻~」
画像出典:映画.com
- 公開日:1990年7月13日
- 監督:ジェリー・ザッカー
- 脚本:ブルース・ジョエル・ルービン
- 原作:映画オリジナル
- 主題歌:ライチャス・ブラザーズ「Uncained Melody」
- キャスト:パトリック・スウェイジ/デミ・ムーア/ウーピー・ゴールドバーグ
デミ・ムーアは、役のために長い髪をバッサリ切って、役に臨みました。またウーピー・ゴールドバーグは、本作での演技が認められアカデミー賞助演女優賞を獲得しています。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
銀行員のサム・ウィート(演:パトリック・スウェイジ)は、新進気鋭の陶芸家モリー・ジェンセン(演:デミ・ムーア)と付き合っています。2人の仲は、友人で同僚のカール・ブルナー(演:トニー・ゴールドウィン)も応援していました。しかしモリーは、サムの口から「愛している」と言ってくれないことに不満を持っていました。
ある日のこと、サムとモリーは暴漢に襲われてしまいました。サムは、モリーを守るために必死に暴漢に立ち向かいます。すると1発の銃声と共に暴漢は退散。サムは暴漢の後を追いますが、取り逃がしてしまいました。
サムがモリーのいる場所へ行くと、モリーが血だらけのサムを抱いて泣きながら助けを呼んでいました。サムは暴漢が放った銃弾で倒れてしまい、ゴーストになっていたのでした。
彼は天に召されることなく、モリーの側にいました。でもモリーには、ゴーストになったサムの声は聞こえず姿を見るこもできません。
この作品の感想と見どころ
- 「愛している」という言葉がどれほどの重みがあるのか、考えさせられる作品です。
- 恋愛映画でもあり、ファンタジー映画でもあり、サスペンス映画でもあります。
- ろくろを回しながら2人が愛し合うシーンは、映画史に残る名シーンです。
「雨に唄えば」
- 公開日:1952年4月11日
- 監督:ジーン・ケリー/スタンリー・ドーネン
- 脚本:アドルフ・グリーン/ベティ・カムデン
- 原作:アドルフ・グリーン/ベティ・カムデン
- 主題歌:ジーン・ケリー「Sing’n in the rain」
- キャスト:ジーン・ケリー/デビー・レイノルズ/ドナルド・オコーナー/ジーン・ヘイゲン
ミュージカル映画です。ジーン・ケリーの驚異的なダンスと歌声は、公開から70年近く経った今も、色褪せることはありません。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
ドン・ロックウッド(演:ジーン・ケリー)とリーナ・ラモンド(演:ジーン・ヘイゲン)は、サイレント映画を支えるビッグカップルでした。しかし実際はリーナの片思いで、ドンは話題作りのために渋々リーナと付き合っているだけです。
そんな中で出会ったのが、新人女優のキャシー・セルドン(演:デビー・レイノルズ)です。ドンとキャシーはお互いに惹かれ合い、2人は両思いになりました。
恋も仕事も絶好調だった矢先、映画界に激震が走ります。世界初のトーキー映画(映像に合わせて音が付けられている映画のこと)である「ジャズシンガー」が大ヒットしました。ドンとリーナは新作映画の撮影の真っ只中にいましたが、急遽トーキー映画として撮影することになります。
映画のスタッフはトーキー映画初挑戦で、1シーン撮影するだけでも一苦労です。しかもヒロイン役のリーナの地声は、美しさから程遠いものでした。ようやく映画が完成しても、試写会で大恥をかくことになります。
この作品の感想と見どころ
- 土砂降りの雨の中で「雨に唄えば」を陽気に歌うシーンは、説明不要の名シーンです!映画を見たことがない人はもちろん、映画のタイトルすら知らない人でも、どこかで目にしたことがあるかもしれません。
- 「雨に唄えば」は、他の映画でも用いられています。「雨に唄えば」が導入されている映画で、最も有名なのが「時計じかけのオレンジ」でしょう。「時計じかけのオレンジ」の内容はかなりヤバいので、閲覧の際は自己責任でお願いします。
- 終始甲高い声を出していたリーナですが、リーナ役を務めたジーナ・ヘイゲン本人の声はソフトで落ち着いています。
「カサブランカ」
- 公開日:1942年11月26日
- 監督:マイケル・カーティス
- 脚本:ハワード・コッチ/ジュリアス・J・エプスタイン等
- 原作:マーレイ・バーネット/ジョアン・アリスン
- キャスト:ハンフリー・ボガート/イングリッド・バーグマン
映画をほとんど見たことがない人でも「君の瞳に乾杯」というセリフは、1回は聞いたことがあるはずです。甘いセリフを生み出した映画こそが「カサブランカ」です。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
1942年戦争真っ只中、ヨーロッパ諸国の人は戦火を逃れるためにアメリカへ向かいました。しかしヨーロッパ諸国からアメリカへの道は、簡単ではありません。唯一の方法は、中立国であるモロッコに身を寄せてからアメリカへ向かうことでした。
「カフェ・アメリカン」は、モロッコの中心都市カサブランカにあるバーです。バーを経営しているのはパリから亡命したリック(演:ハンフリー・ボガート)で、警察関係者とも顔見知りです。バーは、リックの経営手腕とサム(演:ドリー・ウィルソン)の素敵なピアノ演奏により大繁盛していました。
そんなある日のこと、ビクトル(演:ポール・ヘンリード)とイルザ(演:イングリド・バーグマン)のラズロ夫妻が「カフェ・アメリカン」に訪れます。イルザは、サムに「As time goes by(時の過ぎゆくままに)」という曲をリクエストしました。サムはイルザのリクエストに答えている最中、リックが来て「その曲は弾くな」と注意します。
曲がきっかけとなり、リックとイルザは再会しました。イルザは、リックがパリにいた頃に付き合っていた恋人だったのです。しかしドイツ軍がパリに進行する情報を掴み、一刻も早く立ち去る必要がありました。2人はパリから離れるために、駅で落ち合うことになります。しかし待ち合わせの日、イルザは駅に現れることはありませんでした。
リックはイルザに「裏切られた」と感じるも、それでも彼女のことを忘れられずにいました。
この作品の感想と見どころ
- 映画公開当時は第二次世界大戦の真っ只中ということもあり、プロパガンダ(政府に有利な政治思想を植え付けるために作られたジャンル)要素が強めです。でも戦争が終わり70年以上経った現在も、恋愛映画の名作として世界的に有名です。
- 本作には、恋愛運を急上昇させるセリフが山程出てきます。「君はカサブランカで最も美しい女性と聞いてたけど、どうやら噂は控え目に広まってたらしいね」なんて言われたら、どんな堅物も一瞬でノックアウトです。
「ローマの休日」
- 公開日:1953年8月27日
- 監督:ウィリアム・ワイラー
- 脚本:ダルトン・トランボ/ジョン・ダイトン
- 原案:ダルトン・トランボ
- キャスト:オードリー・ヘップバーン/グレゴリー・ペック/エディ・アルバート
「ローマの休日」は、オードリー・ヘップバーン初主演作です。初主演でいきなりアカデミー賞主演女優賞を獲得し、世界的な女優へとなりました。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
アメリカ人記者ジョー・ブラッドレー(演:グレゴリー・ペック)は、ヨーロッパ諸国を訪れているアン王女(演:オードリー・ヘップバーン)の取材で、ローマを訪れていました。
ジョーはアン王女の記者会見を翌日に控えているにも関わらず、仲間と夜遅くまでポーカーで遊んでいました。ポーカーで遊んだ帰り、公園でスヤスヤと寝ている女性を発見!
ジョーは女性を親切心で家まで送り届けようとするも、本人は寝ぼけていてまともに会話はできません。このままでは埒が明かないと、彼女を宿泊しているアパートで保護することになりました。
翌日、昼間に目覚めたジョーは、大慌てで会社へと出勤します。上司に「アン王女の会見へ行ってきた」と嘘を付くも、すぐに見破られます。アン王女は高熱で倒れて、全ての公務がキャンセルになったというのです。そして上司はジョーに、アン王女の写真を見せます。そこに写っていたのは、昨夜公園でスヤスヤと寝ていた女性でした。
アン王女が自分が宿泊しているアパートにいることは、一世一代の大スクープのチャンスです。そこで、ジョーは友達のカメラマンの助けの元、アン王女と共に過ごすことになりました。
この作品の感想と見どころ
- 映画のテーマは身分違いの恋ではなく、24時間期間限定の恋です。2人が対面するラストシーンは、映画史に残る切ないシーンと言えるでしょう。
- ジョーが「真実の口」に手を入れて、アン王女が驚くシーンがあります。アン王女が驚いた演技は、演技ではありません。オードリー・ヘップバーンは本当に驚いていました。
- ローマの街が、世界的な観光地となったきっかけが「ローマの休日」でした。もし映画公開がなかったら、今もローマはマイナーな街のままだったかもしれません。
「風と共に去りぬ」
- 公開日:1939年12月15
- 監督:ヴィクター・フレミング
- 脚本:シドニー・ハワード
- 原作:マーガレット・ミッチェル
- キャスト:ヴィヴィアン・リー/クラーク・ゲーブル
太平洋戦争も終わりに近づいていた頃、日本軍関係者が「風と共に去りぬ」を見て「こんな映画を作る国と戦争しても勝てない」と、話したそうです。もし早い段階で映画が完成していたら、時代は変わっていたのかもしれません。
あらすじ(ちょいネタばれ注意)
時はアメリカ南北戦争時代。天真爛漫な性格と美しさを兼ね備えた、スカーレット・オハラ(演:ヴィヴィアン・リー)という女性がいました。彼女の美しさに周囲の男性からチヤホヤされるも、本命のジョージ・アシュレー・ウィルクス(演:レスリー・ハワード)は見向きもしません。
アシュレーには婚約者であるメラニー(演:オリヴィア・デ・ハヴィランド)がいます。スカーレットは思い切ってアシュレーに自分の思いを告白するも、振られてしまいました。
スカーレットはアシュレーのあてつけとして、メラニーの兄と結婚します。しかし夫となった人物は、麻疹の合併症による肺炎で亡くなってしまいました。
わずか17歳で未亡人となったスカーレットは、メラニーに会うためにアトランタへと向かいます。そこで出会ったのは、レット・バトラー(演:クラーク・ゲーブル)でした。
レット・バトラーは、名家出身です。先見の明と人を見抜く力があるため、上流階級の上辺だけの付き合いに辟易していました。そんな中で出会ったのは、本音で生きるスカーレットです。バトラーは、彼女の生き様に惹かれ、いつしか愛するようになりました。
またスカーレットもレットに惹かれるも、アシュレーのことも忘れられずにいました。
この作品の感想と見どころ
- 上映時間4時間近くありますが、長時間上映が苦にならないほど濃いドラマとなっています。
- 「After all, tomorrow is another day.(明日は明日の風が吹く)」は、映画史に残る名セリフです。どんなに辛いことがあっても明日を生きることができれば、恋愛運は上昇するでしょう。
- 主演を務めたヴィヴィアン・リーは、当時無名女優でした。彼女は、大スターであるクラーク・ゲーブルの存在感をも打ち消すような演技を披露。1939年アカデミー賞主演女優賞を獲得しました。
Writing:琴光♡ ∼kotomi∼