お宮参りは生まれた子どもだけでなく、親にとっても大事なイベントの一つですが、子どもと迎える最初の大きなイベントでもあるだけに、何をどうしたらいいのか戸惑うことも多いはず。
今日はお宮参りについて、当日に必要なものや初穂料、お祝い、もちろんお宮参りの由来などを解説していきます。
目次
- 1 お宮参りとは?どんなイベント?
- 2 お宮参りはいつするもの?男子と女子とで理想の日取りが違う
- 3 お宮参りの由来!なぜ生後1カ月頃にお参りをするのか?
- 4 お宮参りって何をするの?当日の流れを確認!
- 5 「あやつこ(やすこ)」とは…お宮参りでは赤ちゃんのおでこに大小を書く?犬とか×が正解?
- 6 お宮参り当日の持ち物
- 7 お宮参り当日までに決めておくこと(事前準備)
- 8 お宮参りどこへ行く?最適な神社とは
- 9 「産土神(うぶすながみ)」の神社ってどこ?
- 10 お宮参りの服装
- 11 お宮参りに必要な初穂料……金額、持ち方は?
- 12 お宮参りに祖父母が参加しても大丈夫?
- 13 お宮参りのお祝い金の相場
- 14 お宮参りのお祝い金の贈り方
- 15 お宮参りのお祝いに対するお返しは必要?何を返す?
- 16 お宮参りの写真を撮るのに最適なスタジオ…種類、選び方、特徴など
- 17 子どもの初イベント、お宮参りを楽しんで!
お宮参りとは?どんなイベント?
お宮参りとは、赤ちゃんが無事に生まれた事を神様に感謝し、今後の健やかな成長を祈るイベントです。
お宮参りには、赤ちゃんが生まれた土地の「産土神(うぶすながみ)」が祀られている神社を訪れるのが一般的。
赤ちゃんの誕生から1カ月ほどで行うお参りですので、親にとってはあっという間の1カ月ですが記録に残したい思い出深いものとなることでしょう。
実際にお宮参りをいつ行えば良いのか見てみましょう。
お宮参りはいつするもの?男子と女子とで理想の日取りが違う
お宮参りは赤ちゃんの性別によって、男児と女児とで行うべき日が違います。
- 男児→生後31日目(31~32日)
- 女児→生後32日目(32~33日)
実際には、生まれた日を1日目と数えて男児は31日目、女児は32日目と言います。生まれた日を0日目と数えてしまうとちょっと幅が出るということですね。特に病院で「生後○日」と言う時は、生まれた日を0日目とした数え方をしているので、注意してください。
しかしこれはあくまでも「目安」に過ぎません。
お宮参りの日程はずらしてもいいのかな?
仕事などの様々な予定もありますし、赤ちゃんを産んだばかりのお母さんや、赤ちゃん自身の体調から、ちょうどその日にお宮参りができない! ということがあります。
これは寒い土地の真冬の出産や、暑い土地の真夏の出産にも付きもののお悩み。
生後1カ月の子どもを連れて歩くのですから、あまりに天候が望ましくない日は避けたいですよね。
こうした場合、お宮参りの日程が上記とずれてしまっても全く問題ありません。
母子の健康状態も鑑みて、周りと相談しながら決めていくのが良いです。
検診を終え、外出が増える時期にも当たるので家族とよく話し合ってお宮参りの日はどうするかよく考えてから決めればバッチグーです! ……バッチグー?昭和
豪雪地帯では「百日詣り(ももかまいり)」
地域によって、豪雪地帯などではお宮参りの代わりに「百日詣り(ももかまいり)」と呼ぶ行事をすることもあります。
やることは同じですが、特に真冬、厳寒の中で産後のお母さんや生後まもない赤ちゃんを連れ歩くのを避けるため、生後100日を目安にお参りをする風習に変化したと考えられます。
大安に行くのがいい?→特に決まっているわけではない!
「大安」とは、中国の暦に由来する六曜の1つで、仏滅など6つの日取りがあるうち、大安が「何をするにも一番いい日」であるという意味を持っています。
このため、日本でもとりあえず、結婚式やお祝いごとなど、とにかく「大安にやるのが一番いい」という考え方が浸透しました。
お宮参りについても「大安がいい!」と考える人は確かにいます。
しかしこれは元々が神道の考え方ではないため、特に「大安でなくてはいけない」という決まりごとがあるわけではありません。
赤ちゃんの祖父母など、大安かそうでないかを非常に気にする方がいらっしゃる場合は、大安にされたほうが皆、安心して、気持ち良くお宮参りができるでしょう。
特にそういうわけでもないのならば、大安のことを過剰に気に掛ける必要はありません。
お宮参りの由来!なぜ生後1カ月頃にお参りをするのか?
お宮参りはそもそも、なぜ生後1カ月の頃に行うのでしょうか?
生後1カ月と言えば、出産を終えたお母さんがベッドから起き上がる「床上げ」の時期にあたります。
本来、出産を終えたお母さんは、1カ月できるだけ、寝たきりでいたほうが良いと言われています。実際には家事や新生児の世話があって、そうはいかないことが多いのですが、長い妊娠生活と出産で衰弱した体を元に戻すために、本来は寝ているべき時期です。
そして、お母さんが健康である場合は、出産から30日を過ぎた頃に「床上げ」を行います。昔は布団でしたので、敷きっぱなしになっていた布団を上げる日、という意味ですね。
これができると、ご両親揃って神様に子どもの出産を報告しに行くことができるため、生後1カ月後に「お宮参り」というイベントが設定されたと考えられます。
またそれだけではなく、出産は出血を伴うイベントです。したがって「血=穢れている」と考えられていた時代には、産後1カ月は「忌」であり、1カ月が経過すると「忌明け」の儀式を行ったとも伝えられています。神前でお祓いを受ける忌明けと、赤ちゃんが生まれた報告のお祓いとが重なり、現在のお宮参りのスタイルができたようです。
なぜ男児は生後31日、女児は32日?
男児と女児とで日にちが違うのは、なぜなのでしょうか?
これには明確な理由がわかっていませんが、「男=陽、女=陰」とする陰陽説に由来するものと考えられます。
陰陽説によれば、全ての事象は陰か陽かの、どちらかに分類されます。
「数」の場合は、奇数が陽、偶数が陰です。
従って、生後1カ月を迎えた最初の「陽の日」が31日、「陰の日」が32日にあたります。
お宮参りって何をするの?当日の流れを確認!
お宮参りの当日の流れってどう進むの?
初めてで進行がわからない場合はこちらで確認してみてください。
ちなみにひととおりの流れとしてご紹介しますが、実際にはご祈祷の前に、着付けと同時に写真撮影をする等、都合にあわせて順番は前後させることができます。
あくまでもモデルコースとして
ご祈祷の受付
ご祈祷は、大体の場合、神社の境内の中にある受付で行います。
お守りの販売所、社務所の他、ご祈祷専用の受付が存在する神社もあるので、行く前に事前に確認するとバッチグーです。昭和ツ
初穂料を支払い、御祈祷する赤ちゃんの名前、住所、保護者の氏名などを伝え、受付は終了です。
この際、「○時からお宮参りのご祈祷が始まりますよ」と案内がありますので、最低でも10分前には集合場所にスタンバイしておきましょう。
待ち時間の間
待ち時間の間は境内を散歩したり、赤ちゃんとの撮影を楽しむことができます。
春や秋は最適ですが、暑い時期、寒い時期は注意が必要。赤ちゃん、お母さんが疲れないように、こまめに休憩を入れながら時間調整をしましょう。
神社の規模や、時期によって待つ時間もマチマチです。うっかり祈祷開始に遅れないよう、余裕を持って楽しみましょう。
ご祈祷
待ち時間を終え、本殿に呼ばれたらいよいよご祈祷の開始です。
神社では祝詞が読み上げられたり、保護者が玉串奉奠を行ったりして、多くのお宮参りが20分~30分程度で終わります。
また、ご祈祷ではお神酒を飲むシチュエーションがあります。パパは口をつけても大丈夫ですが、運転をする場合はNG。ママは授乳期間中もしくは運転をする場合、お酒はNGですので、これらのケースでは口をつける振りだけで大丈夫です。
これでご祈祷は終了し、食事会へ進みます。(ご家庭によっては、先に写真撮影をされる方も多いかもしれません)
食事会
食事会はレストラン、ホテルなどで行うのが一般的ですが、自宅で行うこともあります。
ですがご自宅の場合では両親ともに疲れているので準備するのも大変です。そこで、豪盛に出前などを頼むのもおすすめです。
その方が招かれた客人達もすぐに食べられて喜ぶかもしれませんね。
お財布とも相談の上で、どこで食事会をするか決めておきましょう。
無事に赤ちゃんが1カ月を迎えたという、ほっとした気持ちで過ごすことのできる食事会です。お母さんにとっては、ここまで10カ月ほど神経を尖らせて赤ちゃんをお腹の中で育て、そこから1カ月眠れない日々を過ごし、全く休まる暇のない時間を過ごしています。
良いお母さんの息抜きとなるよう、赤ちゃんにもお母さんにも負担をかけないよう、楽な食事会のスタイルを考えてみてくださいね。
写真スタジオなどでの撮影
スタジオアリスや神社の中にあるスタジオなどでお宮参り記念の写真も取るのも一つのイベントです。
写真スタジオでは撮影前に着付けをしてくれることも多いので、スタジオ撮影のタイミングは、さきほども触れたとおり着付けなどが絡む場合、神社参拝の前になることも。
スタジオの種類については後述しますが、選ぶのも親の技量の一つです。好みに合ったスタジオを選んで家族で綺麗な写真を撮れるといいですね!
ご近所へのご挨拶
地域のならわしによって、ご近所へお宮参りを終えたことを伝えることが重視されるケースもあります。
近所付き合いが希薄になりがちな現在だからこそ残したい風習ですよね。
ご挨拶の風習が残っている地域であれば、報告したら喜ばれると思うので是非試してみてください!!
「あやつこ(やすこ)」とは…お宮参りでは赤ちゃんのおでこに大小を書く?犬とか×が正解?
お宮参りの風習の1つに、「赤ちゃんのおでこに印を描く」というものがあります。
これは関西地方では割とスタンダードな風習で、一方、関東では「全然知らない!」という方も多い様子。
東北地方の一部でも、赤ちゃんのおでこに何か書く……という風習は残されています。
この風習を、関西では「あやつこ」、東北では「やすこ」と呼ぶのです。
なぜ関西だけあやつこが盛ん?
あやつこが関西で盛んなのは、この風習が元々、宮中行事に端を発しているためと考えられます。
あやつこの始まりは平安時代で、宮中行事の記録にも「赤ちゃんのおでこに文字を書いた」という記録が残されているほど。そして、やはり関西は長らく都であったことから、民衆にもこの風習が広がり、一方で関東には広まらなかったと解釈できるでしょう。
そして実は、東北は平安時代から、関西と密接な交流を持っていた地域です。平泉の寺院群を見てもわかるように、宮中文化がこの時期から東北へ渡っていたと考えられます。
あやつこ(やすこ)はなぜ行う?
あやつこの主目的は「魔除け」です。
元々、宮中ではあやつこのために紅を用いました。紅は魔除けの色でもあります。紅で赤ちゃんの額に文字を書き入れることは、悪魔をよせつけず、赤ちゃんが健やかに育つことを祈るものでもありました。
これが民衆に広まったとき、民衆は紅が手に入らないので、鍋墨を使ったのです。鍋墨は、鍋の底についている黒い墨ですが、これを額に付けることは、家と竈の守り神である荒神さま(こうじんさま)の守護を受ける証と考えられました。
いずれにしても、幼い子どもが命を落としやすい時代、魔物に子どもが連れていかれないように施された守りの呪術の一種であったわけです。
あやつこで額に書くのは大?小?○?×?犬?
はい、この中で不正解が1つあります。
「大小○×犬」の中で、赤ちゃんの額に書いてはいけないのは……「○」です!
元々、平安時代に赤ちゃんの額に書かれていた文字は「×」もしくは「犬」だったと言われています。
「×」は、テストにつけられたダメ印のような印象ですが、実は2本の棒が交わることによって妖魔を跳ね返す呪術的な印の1つ。
子どもの時、友達とじゃれ合って「バリアー! 効かねーよー!」とか言いながら、両手を交差させてバツを作った経験はありませんか?
あれはまさに、相手からの攻撃を防御するおまじないというわけなんですね。
また、出産関連で「戌の日」というお参りの日もありますが、犬は出産が軽く、生存率も高くて成長も早いですので、これにあやかって「犬」という文字を書いたという記録も存在しています。
この「犬」から転じて、関西では子どもの額に「大」と書くようになり、やがてこれが
- 男児→大きく育って欲しい→大
- 女児→優しく育って欲しい→小
という2文字に分化したと言われています。
しかしこの思想は、現代のジェンダーフリーの考え方にはあまりそぐわないですね。大小がスタンダードとも言われますが、ここはいっそ「犬」か「×」が相応しいと考える親御さんもいるかもしれませんね。
くれぐれも「○」と書かないようにお願い致します。
お宮参り当日の持ち物
ここで、お宮参りに必要な持ち物について、リスト形式でご紹介したいと思います。
ないと困るものから、あったら便利な先輩ママのおすすめまで。
メモのご準備をして読んでくださいね!!
お宮参り当日に絶対必要なもの
・オムツセット(オムツ、おしり拭き、ゴミ袋)
・ミルク(粉ミルク、ミルク用の熱湯と白湯を入れたそれぞれの魔法瓶、哺乳瓶、授乳ケープ)
・着替え、おくるみ
・タオル、ガーゼハンカチ
・抱っこ紐
・初穂料
ないと困るものばかりです! いつものおうちセットを持ち歩くような形になるので、荷物もかなり大きいです。パパさんぜひ協力してくださいね。
お宮参り当日にあると便利なもの
・日除けグッズ
・暑さと寒さ対策
・おもちゃ
・カメラ
生後1カ月の赤ちゃんは、まだあまりおもちゃでは遊びませんが、ガラガラのようなものがあるとあやしやすく、よりお宮参りを快適に楽しめます。
意外に重要なのがお天気対策。事前に準備しておきましょう。
お宮参り当日までに決めておくこと(事前準備)
お宮参りに行く際に事前準備はとても大切!
当日の流れや持ち物を把握した上で、事前準備もしっかりしてくださいね。
日取りを決めておく
赤ちゃんの性別によってお宮参りの日に違いがあるのは、先述のとおりです。
ただ、家族が会社の休みを取れる日など、個人のスケジュールに合わせることのほうが大切。
混雑を避けたい場合は、なるべく土日、祝日は避けたほうが無難です。有給休暇を取るのもおすすめ。
また雨天は大変です。天候や、希望があれば六曜(大安かどうか)を見て決めましょう。
神社を決める
神社選びは最も重要です。神社の決め方は後述しますね。
地域によってはお宮参りが出来る場所が複数存在します。複数ある場合は大きな神社、有名な神社を選んでおくと無難です。
悩んだらご家族と相談したり、神社のサイトを見たりして決めましょう。
参拝方法を決める
参拝方法としては、必ずしも祈祷を受けなくてはならないということでもありません。
自由に境内を回って散策、参拝。これだけでもお宮参りとしては上々です。
ご祈祷を希望する場合は、事前に神社に予約が必要かどうか確認をしてみましょう。予約が不要であれば、当日そのままお伺いします。
赤ちゃんを抱っこする人を決める
そもそもお宮参りの際には、赤ちゃんを「乳母」や「親族の女性」が抱っこするのが習わしであり、お母さんはちょっとラクをできるシーンでもありました。
ひと昔前まででしたら、母方の祖母が赤ちゃんを抱っこするのがスタンダード。
しかし近年では、このような決まりが通用しないことも多くなってきています。ママが抱っこすることも多いですね。
当日、揉めないように、事前に誰が赤ちゃんを抱っこするのか決めておきましょう。
参拝後の予定を決めておく(食事会場、写真撮影など)
参拝後は写真撮影、食事会。どうするかは自分達次第です。
客人を招いている場合は、お食事会でもてなしましょう。
いずれにしても無計画では焦ってしまいます。気を使いすぎず息を抜きながら、参拝の後の食事会等を楽しめるようにしてくださいね。
お宮参りどこへ行く?最適な神社とは
お宮参りに行く神社は、近くにある「産土神」が祀らている神社が最適とされています。
もしくは、自宅に近い、その神社に思い入れがあるなどの理由で決めても大丈夫です。
有名な神社かどうかを基準に選ぶのも良いでしょう。
赤ちゃんや産後のママの負担にならないように、移動距離なども鑑みて相談して決めるのが良いです。
「産土神(うぶすながみ)」の神社ってどこ?
ところで、産土神ってなに? と思う方も多いでしょう。
産土神(うぶすながみ)とは神道において「自分が生まれた時から、死んだ後も守ってくれる神」とされており、別名でうぶしなのかみ、うぶのかみとも呼ばれています。
他所へ移住しても一生守ってくれると信じられており、この信仰は「産土信仰」とも呼ばれています。
わが子の産土神はどうやったらわかる?
我が子の産土神はどうやったら分かるのでしょうか。
手っ取り早い探し方としては、「母親が妊娠をしていた時にどこに住んでいたか?」ということが重要。
その土地の最も近くにある神社、あるいは最も近くにある少し大きめの神社などが、その子どもの産土神と考えられています。
「産土神(うぶすながみ)」が複数かぶる場合の神社選び
産土神(うぶすながみ)が複数かぶる場合もあります。自宅から同じくらいの距離に、大きな神社が複数ある、といったような場合ですね。
このような時は、自分が一番信用している神社を、子どもの産土神として選ぶのが妥当です。
または、「産土神鑑定」を行っている占い師に鑑定をしてもらって、一番繋がりのある神社を選ぶのも良いでしょう。この鑑定をしている占い師は、検索エンジンで検索すれば見つけることができます。
但し、鑑定結果で「思ってもみなかった神社」を言われることもあります。覚悟の上で聞いて見ましょう。
お宮参りの服装
お宮参りで赤ちゃん、母親、父親はそれぞれ何を着用したら良いのでしょうか?
おすすめの服装をご紹介します。
赤ちゃんの服装
お宮参りの服装は着物が正装です。
和装の正装としては、羽二重と呼ばれるものに祝着(のしめ)を羽織るスタイル。
最近では和洋折衷の正装が増え、着用しやすいベビードレスに祝着(のしめ)を羽織るスタイルも確立されてきています。
また、赤ちゃんの体調によっては普段着でも大丈夫です。
どちらを着せるかはご両親の好みもあるので事前に相談しておきましょう。
熨斗目(のしめ)=「お祝い着」とはどんなもの?
赤ちゃんの正装には熨斗目(のしめ)が絶対に必要ですが、このちょっと聞き慣れない「熨斗目」とは一体どんなものか解説していきます。
熨斗目は、内着(うちぎ。内側に着る着物)の上に羽織る、祝い着(いわいぎ。外側に羽織る着物)のことを言います。
和装の場合、内着は白羽二重(しろはぶたえ)。
外側の着物は男女それぞれおめでたい柄のつけられたお祝い着(熨斗目)というセットになります。
熨斗目は別名、「掛け着」や「産着」と呼ばれることもあります。
3歳七五三の時に着るような着物の形をしていますが、通常、着物の襟にあたる部分が直線のリボン状の紐で、縛れるように作られています。
抱っこされた赤ちゃんと、抱っこをした人の2人を、まるごと前面から包んで、抱っこをしている人の首の後ろでリボン結びを着くって着用します。
熨斗目は、3歳の七五三で着用する着物に仕立て直すことができるものなので、袖もちゃんと付いていて、襟元だけの形が違うようになっているのです。
熨斗目と一緒に着用する小物
地域によっては強い日差しや寒さを避けるための帽子と、よだれや吐き戻しなどの汚れを防ぐスタイの他、以下のような小物を用意するところもあるようです。
- デンデン太鼓
- 扇子
- 犬張子(いぬはりこ)
- 帯銭(おびせん)
こちらは、住んでいる地域や、祖父母の故郷の習慣によっても違ったりしますので、事前によく調べておきましょう。
熨斗目(お祝い着)は誰が準備する?
一般的にはママ側の実家が準備するようですが、その風習も薄れてきており、中には男の子のお宮参りでは男親、女の子のお宮参りでは女親側の祖父母が準備する慣習も出来つつあるようです。
また地域によっては実家に頼らず自分たちで準備する場合もあるので、事前にそれとなく実家に聞いてみたり、相談してみるといいですね。
熨斗目(お祝い着)はどこで手に入る?
熨斗目は基本的には一般的にはレンタルが基本ですが、アカチャンホンポ、楽天やメルカリなどで手に入れることが可能です。
どこで熨斗目を調達するかはよく調べてみるといいでしょう。
母親の服装
母親は赤ちゃんの着る服装によって着物かワンピース、どちらかを着用します。
赤ちゃんがベビードレスの場合はフォーマルスーツなどで格を合わせるのが良いですね。着物でなくても良いですが、神様の前に出られる格好になることが肝要です。
母親の場合、授乳のことも考えて無理のない服装にしましょう。
ママが着物を着用する場合の選び方と注意点
ママがもし着物を着用する場合、授乳を先に済ませておくのが大前提です。
もし着用したあとで授乳するときは、前を開けるか「身八口(みやつくち)」という授乳用の穴を使用します。しかし、ふだんから着付けをしていないと、着物を汚したり着崩れを起こしたりすることがあるので、あまりおすすめできません。
着物を着用した後は、脱ぐまで授乳しない前提で、哺乳瓶とミルクのセットを事前に準備しておきましょう。
また母乳がたくさん出るママは、母乳のシミで着物を汚してしまうことがあるので、母乳パッドを事前に着用するといいですね。
父親の服装
父親の場合はスーツで参加するのがスタンダードなスタイルです。
こちらもやはり赤ちゃんと格を合わせられるようにフォーマルスーツ、もしくは会社で着ている中でもきちんとした物を選びましょう。ヨレヨレのものはNGです。
パパが着物を着用する場合の選び方と注意点
赤ちゃんとママが和装にした場合、パパも和装にするという選択肢もあります。
ただ男性の場合、和装はちょっと目立ちますので、派手すぎない着物が適しています。
羽織袴を着る場合は、一つ紋か三つ紋が入った羽織袴を着るのが最適ですが、羽織袴ではなく、着物と羽織だけでも大丈夫です。
また、着物に合わせ足元も足袋を履きます。お宮参りでは草履を脱ぐ機会もあるので色足袋よりも白足袋のほうが締まった印象を与えますよ。
お宮参りに必要な初穂料……金額、持ち方は?
お宮参りのときに神社にお支払いするお金を「初穂料(はつほりょう)」と言います。
金額や、のし袋について確認してみましょう。
初穂料の妥当な金額
お宮参りに必要な初穂料は大体、5000円から1万円程度です。
しかしこれは神社のほうで決めていることがほとんど。ホームページなどで公開してるところも多いです。もし公開がなければ、事前に神社に確認しておきましょう。
また「巫女さんが舞ってくれる」といったような、豪華なコースで3万円ほどの初穂料が設定されている神社もありますので、気になる方は是非チェックしてみてください。
初穂料にのし袋は必要?!
初穂料にのし袋は必要な神社とそうでない神社があります。
のし袋が必要な神社は紅白で蝶結びの水引が付いたのし袋に入れます。表書きには「御初穂料」と赤ちゃんの名前を記載しましょう。
対して、のし袋が必要ない神社はその場で直接、お財布から支払うシステムです。
のし袋が必要か必要でないのか、神社側に事前に確認しておきたいですね。
また、お支払いする初穂料はピン札でなくても良いのですが、おめでたいことなので、できるだけきれいなお札を使ったほうが気持ち良いでしょう。
お宮参りに祖父母が参加しても大丈夫?
お宮参りは家族イベントですが、祖父母も楽しみにしていると考えられます。
祖父母としてお宮参りに参加したい場合は、一度、本人達(赤ちゃんの親)に相談してみましょう。
また赤ちゃんの両親として、祖父母に参加してもらいたい場合も、祖父母の都合を聞いてみるといいですね。
今は新型コロナウイルスの影響もあり、移動も大変です。食事会に、オンラインで参加という手もあります。
まずは家族で話し合ってみて決めるのが吉でしょう。
祖父母は正装で参加するべき?!
近場で参加できる祖父母の場合、参加がOKと言われたら服装は正装をするのが筋です。が、ここでひとつワンポイント。
お宮参りは赤ちゃんと両親の晴れ舞台です。あまり派手すぎず、一歩引いた感じの服装で参加するのがおすすめ。
また、あまり両親に気を使わせすぎないように、フランクな態度で臨むことも大切です。
お宮参りのお祝い金の相場
お宮参りのお祝い金の相場はいくらくらいが妥当でしょうか?
それぞれの立場からのお祝い金についてご紹介します。
祖父母からのお祝い金の相場は?
祖父母からのお祝い金の相場は5000円~1万円です。
ですが、お宮参りにかかる諸経費を祖父母の側で諸々負担するのであればお祝い金は不要です。
実は、お宮参りにはお祝い金が「いらないもの」とされています。それは、祖父母がお宮参りにあたって、熨斗目など様々な準備にお金をかけてあげることが前提となっているから。
祖父母が何も準備をせず、お食事に招待されているような場合は、少し包んであげるのもいいですね。
なおマナー上、お宮参りのお祝い金には「お返しがいらない」とされています。これも、本来はお祝い金が不要なものであるためです。したがって、お返しは「ないもの」と考えてお祝いを包みましょう。
兄弟姉妹からのお祝い金の相場は?
兄弟からのお祝い金は基本、不要です。
ですが、どうしても送りたい場合は3000円程度のお金か、お金ではなくギフトなどを送るのが良いでしょう。
友人、知人からのお祝い金の相場は?
友人、知人からのお祝い金は基本、不要です。
お宮参りにお祝いにはお返しが不要、というのがマナーではありますが、それには本来「お祝い金をもらわないから」という理由もあります。
それなのにお祝いをもらった場合、お返しをすることをどうしても考えてしまいますね。そして、もらった方は新生児の面倒をみながらお返しを手配しなくてはなりませんから、負担にもなってしまいます。
どうしても送りたい場合は3000円くらいの現金か、現金ではなくギフトを送るのがおすすめです。
お宮参りのお祝い金の贈り方
お宮参りにお祝い金を贈りたいときの方法について解説します。
お宮参りのお祝い金はどうやって包む?のし袋はどれ?
お祝い金はのし袋にいれるのが基本です。
のし袋は結婚式とは違い、「紅白の蝶結びの水引」がついた袋に入れます。
紅色は「魔除け」、白色は「汚れのない神聖さ」、蝶結びは「(何度でも結び直せることから)何度あってもよい」という意味を表しています。熨斗袋はスーパーやコンビニでも購入できます。
赤ちゃんの両親に渡すタイミングはいつ?
お祝い金を渡すタイミングは、決まりがないので、個々のタイミングで大丈夫です。
お宮参り当日でも問題ありませんので、お祝い金を渡し忘れないよう注意しておきましょう。
お宮参りのお祝いに対するお返しは必要?何を返す?
お宮参りにお祝いをもらってしまったら、何をお返ししたらいいのでしょうか? そもそもお返しって必要?
お宮参りのお祝い金をもらったらお返しは基本不要
お宮参りのお祝い金を貰ったら基本、お返しは不要です。
何故ならお宮参りの場合、「お祝い金をもらう」のではなく「祖父母にお宮参りにかかる費用を負担してもらう」「祖父母以外からは何ももらわない」というのが正式なマナーであるため、基本的にお返しは不要なのです。
ですがイレギュラーで祖父母や、それ以外の方からお祝いをもらうこともあるので、その場合は何らかのお返しをしましょう。
お返しをしたい場合、お返しではなくギフトやおもてなしとして進呈を
お宮参りのお返しをしたい場合、タオルやカタログギフト、和菓子などを選別してお送りするのがバッチグーです。昭和か
状況によって、祖父母がお返しを受け取らない等の場合は、その分、多少お金をかけたおもてなしでお返ししましょうね。
お祝いをもらわなかった場合でも「お返し」が必要になるケース
遠方から来てくれた祖父母がいる場合、お返しが必要になるケースに該当します。
しかし基本的に「お返し」をしないのがお宮参りですし、また金封をいただいたわけでなければ、お返しとしてものをお送りするのも適当ではありません。
ホテルのレストランでもてなしたり、自宅での豪勢な食事でもてなすことで、お返しをしましょう。
出産祝いのお返しはお宮参りが終わった頃に
お宮参りのお返しは基本的に不要ですが、出産祝いのお返しは、お宮参りが終わったタイミングでお送りするのが基本です。
出産祝いをいただいている場合、この時期にお返しを忘れず行いましょう。
お宮参りの写真を撮るのに最適なスタジオ…種類、選び方、特徴など
お宮参りの写真を撮るのに最適なスタジオは、どのようなスタジオでしょうか。
子どもの写真を撮るのには、プロのいるスタジオで撮るのがおすすめ。写真を撮る時の赤ちゃんのあやし方も得意なのですべてお任せして大丈夫です。
いくつかスタジオの種類をご紹介しますので、気になった方は是非検討してみては?
スタジオアリス・スタジオマリオ等の子どもスタジオ
写真館スタイルながら子供専門のスタジオなので子供をうまくあやしたりしながら笑顔を引き出していくスタイルなのですべてお任せして大丈夫です。
目的に合ったスタジオらしい写真を撮ってくれたり、着物を着用したい場合は着付けもしてくれるので、撮影後に神社に行くと別途着付け料もかからず便利です。
LIFE Studio・precieux studioなど特徴的なスタジオ
一軒家貸切型、家にあるようなお部屋のワンシーンなど、スタジオそのものに特徴があります。
遊んでいるところをプロが撮影しますので、スタジオらしくない、自然な笑顔の写真が撮れると人気です。
あまりかしこまっていない写真を撮影したい人向けのスタジオです。
ホテルやデパートの写真スタジオ
格式が高い、一番本格的な写真を撮りたいなら、ホテルなどの写真スタジオを選ぶのもおすすめです。
撮影者は写真のプロですが、子ども写真のプロではないので、赤ちゃんのご機嫌取りはあまり期待できません……。赤ちゃん用の飾り付けや設備といったものも充実はしていないでしょう。
しかしホテルやデパートのレストランで食事会を開く場合、利便性は抜群です。
子どもの初イベント、お宮参りを楽しんで!
子どもにとって初のイベントとなる、お宮参り。両親も緊張してしまうものですが、準備をしっかりとした上で、当日はぜひ気軽に楽しんでください。
お子さんの為に素敵なイベントになりますように!
Writer:夜野大夢(ホームページ)
Writer:陰陽の末裔/占い師・パワーストーンアドバイザー
あん茉莉安(ホームページ)