これまで母の日はカーネーションを贈るものだと、その意味合いを深く考えずに過ごしてきた方がほとんどだと思います。
この機会にカーネーションを贈る意味を理解し、理解した上でこれまで自分を育ててくれた大切な母ジャへカーネーションを贈ってみませんか?
本ページでは母の日にカーネーションをプレゼントする理由と併せて、カーネーションの花言葉や日持ち期間、理想的なプレゼント方法などもご紹介してます。
母の日の意味や由来・歴史に関しては下記ページにてご紹介しています。
目次
母の日になぜカーネーションをプレゼントするのか?
まず、簡単に母の日にカーネーションを贈る理由を説明すると‥
端的に簡潔に理由を言えば次のようになります。
- 「アメリカの母の日の影響を受けてそのまま真似したから」
- 「アメリカの母の日ではカーネーションを渡すから」
現今の日本においての母の日にカーネーションをプレゼントする理由が、アメリカの母の日の風習をそのまま踏襲したものであるとするならば、アメリカでなぜ母の日にカーネーションをプレゼントするのかについて言及する必要があります。
なぜアメリカでは母の日にカーネーションを渡すのか?
アメリカの南北戦争の最中、ウェストバージニア州にて「Mother’s Work Days(マザーズデー・ウォーク・クラブ/母の仕事の日)」と掲げて、地域の女性を結束させて味方の負傷兵のみならず、敵側の負傷兵も献身的に治療したAnn Jarvis(アン・ジャービス)の活動に端を発するものです。
ジャービス夫人が死去して2年後となる1907年5月12日のこと、その娘のアン(アンナ・ジャービス)は、母アンの遺徳を偲び、かつてアンが日曜学校の講師をしていたメソジスト教会で追悼式を催し、その時、母の霊前に白いカーネーションを贈っています。
これが母の日にカーネーションを贈る起源だと言われています。
アンナが白色のカーネーションを母の霊前に手向けた理由
アンナが母親の霊前に白色のカーネーションを手向けた理由は、母親のアンが白のカーネーションを好んだことが理由に挙げられます。
他にも白色のカーネーションが持つ花言葉が影響したことも挙げられます。すなわち‥
- 「尊敬」「純潔」「無垢」「純愛」「偲ぶ」
さらに付け加えるとアメリカでは古くから霊前に白い花を手向ける風習があったので、それに倣ったともいえます。
日本においても神に仕える神使がそうであるように白色とは何かと神聖視されるなど特別視される色です。
アンナの母アンが白いカーネーションを好んだ理由
実はカーネーションがキリスト教と深い関係性があった事実はあまり語られていません。カーネーションは古代ギリシャで栽培されていたという古い歴史をもちます。
キリスト教の教義では、イエスが十字架にはりつけにされた時、キリストの母ジャである聖母マリアが涙を流したそうです。その涙の痕からは純白のカーネーションが誕生したというエピソードが語り継がれています。
現在のキリスト教においても白のカーネーションはイエスとマリア、赤のカーネーションはイエスがはりつけにされた時に流れ出た血をイメージし、キリスト教の復活と繁栄を意味すると言われています。
すなわちアンが白色のカーネーションを好んだ理由は、キリスト教の母とも言えるイエスとマリアに対する感謝の気持ちや、信仰心を露わにしたものだと受け取ることができます。
1908年以降、母の日にカーネーションを贈る行為が定着化する
上述、母親の追悼式を行なったその翌年となる1908年5月10日にも「The International Mother’s Day Shrine(国際母の日シュライン)」というすべての母親を対象とした追悼式が催され、アンナはこの式典においても500余名の参加者全員に白のカーネーションと電報メッセージを贈っています。
やがて毎年5月に白いカーネーションを母親に贈る風習が広まりを見せ、これが定着するのですが、さらなる問題が出てきます。
このような世間の動きに呼応するかの如く、毎年5月が近づくと花屋業界が白のカーネーションの値段を高騰させ、カーネーションを買うのが困難な人も出はじめたのです。
のちにアンナは白のカーネーションの下げる裁判を起こすことになりますが、‥‥‥結果は敗訴。
母の日にプレゼントするカーネーションが赤色である理由
上述では、カーネーションを贈る理由を説明しましたが、よくよく考えてみれば日本においての母の日に贈るカーネーションは赤色です。
しかし、上記、アンナがアンに捧げたカーネーションは白色です。
アメリカの母の日の風習をそのまま踏襲したのであれば、カーネーションの色も当然、白色のハズです。
カーネーションを胸に付ける風習が広まる
裁判では敗訴になったもののアンナは、母親が存命中の子供は赤色のカーネーションの花弁を胸に付け、母親がいない子供は白色のカーネーションを胸に付けるといった風習を提案します。
これは白色のカーネーションの高騰を回避するためにアンナが思いついたナイスな施策だったのかもしれません。
やがてこの風習はキリスト教を通じて世界中に広まることとなり、日本へもこの風習が伝来します。
アメリカから日本へこの風習が伝来したのが、明治後半〜大正時代初期だと伝えられています。しかし当時の日本には胸に何かを付ける風習が無かったことから定着はしなかったようです。
日本で本格的にカーネーションが普及したのは昭和時代になってから!
日本で本格的にカーネーションが普及したのは昭和時代に入ってからのことです。昭和時代になると「全国未亡人団体協議会」が主体となって資金集めのために赤と白の造花のカーネーションを作り、アメリカと同様に子供の胸に付けるのですが、母親がいない子供は傷つくとして白色が廃止されたのです。
すなわち、赤色で統一されることになり、これが現在、赤色のカーネーションを母ジャに贈る理由になっています。
現在の日本の母の日は赤色のカーネーションを贈るとは決まっていない!
現在は様々な加工技術が向上し、カーネーションの色もピンクや青、イエローなどカラーバリエーションが豊富にあります。
したがって通例では赤色でしょうが、これが時代の流れというもので、特に赤色でなければならないといったことになります。
また、後述していますが、カーネーションの生花ではなく、例えばブリザードフラワーのような半永久的に姿を留めることができるような枯れないカーネーションなども出てきています。
これぞまさに日本独自の母の日の文化と呼べるのではないでしょうか。ウっハ
カーネーションの色ごとによる意味や花言葉
数ある花の中でもカーネーションの花言葉は多いことで知られており、さらに花弁の色によって花言葉が異なります。
単なるカーネーションとしての花言葉は次の通りです。
- 無垢で深い愛
無垢とは潔白や純潔を意味します。すなわち「淀みのない純粋な深い愛」と解されます。
赤色のカーネーションの意味・花言葉
- 「母への愛」「深い愛」
赤色は人の感情の熱さを表す色。母の日に母ジャに贈る定番の色であることから、カーネーションといえばやはり赤色のイメージが根強く残ります。
赤色のカーネーションの花言葉は、「深い愛」。その他にも、母の日に贈られる定番の色なことから、母親や女性の愛情を表す花言葉をいくつももっています。情熱的で真っ直ぐな女性へのプレゼントにもオススメです。
ルビー色の赤いカーネーションの花言葉と意味
- 「情愛」「欲望」
深い赤色、すなわちルビー色のカーネーションはその色から察するに濃い口紅を連想させる「情愛」「欲望」という意味合いがあります。
花言葉がズシリと思いことから贈る相手を見極めつつ、無難に贈るのであればメッセージカードを添えるのがよいでしょう。
ピンク色のカーネーションの花言葉と意味
- 「女性の愛」「美しい仕草」「上品・気品」
ピンクは優しい女性を象徴する言葉。女性へのプレゼントには最適な色です。
青色のカーネーションの花言葉と意味
- 「永遠の幸福」
カーネーションは遺伝子上、青色の色素を持たないことから青色のカーネーションは自然界に存在しないカーネーションです。
青色のカーネーションは1995年にサントリーが品種改良に成功した産物です。
現在、青色のカーネーションは以下の2つの方法でのみ生み出すことができます。
- 白いカーネーションに青色の水を吸わせたタイプ
- 遺伝子組み換え技術によって生み出された青紫色
以上の2種類。
中でも濃い青色は「ムーンダスト」と呼ばれ大変貴重とされています。
このように青色のカーネーションだけでも生み出すのが難しいことから「作り出せたら幸せになれる」という信念のもとに生み出されたことから、花言葉もそのまま「永遠の幸せ」という花言葉がつけられています。
紫色のカーネーションの花言葉と意味
- 「誇り」「気品」
紫色は妖艶や人を惑わすなどの意味合いを持つ一方で、「高貴」という意味合いもあります。したがって紫色のカーネーションの花言葉は「気高い」、「誇り」になります。
紫色は人を惑わす、気まぐれなどとも受け取られてしまうことから、メッセージカードを添えるとよいでしょう。
緑色のカーネーションの花言葉と意味
- 「癒やし」「純粋な愛情」
緑色は森林浴をイメージさせることから、「リフレッシュ」「癒し」の意味合いがあります。同時に緑色は人を慈しんで癒すという意味合いで「純粋な愛情」という意味合いを持ちます。
いつも曇りがちな表情をしている元気のない女性にメッセージカードをつけてプレゼントしてみるのはいかがでしょう。
白色のカーネーションの花言葉と意味
- 「尊敬」「純潔」「無垢」「純愛」「偲ぶ」
白色はその色の意味合いからも理解できるように、汚れなき意味合いから潔白や純粋を意味します。カーネーションに関しては上述のとおり、アメリカでアンナが母アンの霊前へ白色のカーネーションを手向けた意味合いから、「偲ぶ」の意味合いをもつとされます。
同時に「尊敬」という花言葉を持ち合わせることから、他界した母ジャに対して手向けるのが理想的な色かもしれません。
黄色のカーネーションの花言葉と意味
- 「軽蔑」「嫉妬」
黄色は目立つ色なれど、ネガティブな印象を抱く色として「軽蔑」や「嫉妬」という花言葉が付けられています。
したがってプレゼントする際は黄色が好きな女性に限定されます。メッセージカードを添えることで印象を一転させることもできます。
オレンジ色のカーネーションの意味
- 「純粋な愛」「熱愛します」
オレンジ色のカーネーションの花言葉は、ポジティブ志向が強いことから、好きな相手に向けて贈るのがよいでしょう。
虹色のカーネーションもある?!
なんとぉぅっ!7色の花弁をもつカーネーションまであるとすれば驚きますか?
虹色のカーネーションは別名で「レインボーカーネーション」と呼ばれ、品種改良を重ねた末にオランダで生み出されたカーネーションです。
虹色のカーネーション(レインボーカーネーション)の花言葉
- 「感謝」
ベースは白色のカーネーションを用い、これに虹色の水を吸わせることによって花弁に虹色の色素を付けることができたようです。
母の日にプレゼントするのを避けた方が良いカーネーションの色とは?
上記ではカーネーションの色ごとの花言葉をご紹介しましたが、色とは不釣り合いな意外な花言葉を見て「あれ?」と思った方もいると思います。
以下に母の日にプレゼントするときは塾考した方が良い、カーネーションの色の種類をまとめておきます。
メッセージカードを付けると印象が変わるカーネーションの色の種類
- 黄色のカーネーション
- 白色のカーネーション
- 紫色のカーネーション
- ルビー色の赤いカーネーション
メッセージカードの有無関係なく母の日の贈答に不向きなカーネーションの色
- オレンジ色のカーネーション