御朱印は神社、寺院(お寺)の双方に存在しますが、神社では社務所で授与していただき、寺院では寺務所で授与していただきます。
御朱印の値段も大差がなく、概ね日本全国300円均一です。
また、御朱印自体も双方、墨書きされその上に朱印(ゴム印)が押印されます。
はたして神社と寺院の御朱印に明確な違いはあるのでしょうか?
神社と寺院の御朱印の違い
神社と寺院の御朱印に明確な違いはなく、見つけるほどのレベルです。
敢えて違いを言えば以下のような違いがあります。
神社の御朱印の特徴
- 寺院の御朱印に比べて朱印の押印の数が少ない
- 御詠歌(ごえいか)の御朱印がない
- 寺院の御朱印より歴史が浅い
- 同一の境内で御朱印をいただける数としては神社は寺院よりも数が少ない
寺院の御朱印の特徴
- 神社の御朱印に比べて朱印の押印の数が多い
- 御詠歌の御朱印が存在する
- 御朱印の起源は寺院の納経した証の朱印ということから神社よりも歴史がある
- 同一の境内で御朱印をいただける数は寺院は神社よりも数が多い
- 梵字(ぼんじ/経典の文字)で墨書きされることがある
- 「三宝印」「御宝印」という寺院特有で共通の朱印が押印されることがある
- 参拝年月日が墨書きされない御朱印がある(↑写真)
御詠歌の御朱印とは?
「御詠歌」とは「ごえいか」と読み、これは複数の寺院を巡礼する際に道中などで歌った詩のことです。
主に「西国三十三所の霊場めぐり」や「四国八十八ヶ所めぐり」などで詠われる詩のことを指します。
詩の内容としては主に御本尊や仏様に通じる詩が書かれています。
御詠歌は「五・七・五・七・七」で作られた和歌になります。
現代でも巡礼する方の中には、御詠歌を歌いながら巡礼される方もおられます。
「三宝印」とは?
三宝印とは、仏教(仏法)の教えを形に表した「印」で、「仏法僧宝」の4文字が彫られた御朱印になります。
「御宝印」とは?
経典の梵字が彫られた「印」のことです。
【補足】明治時代までは神社の御朱印は存在しなかった??
実は明治時代までは神社独自の御朱印はなく、御朱印と言えば寺院で授与されるものでした。
よって神社の御朱印の歴史は新しく明治時代から歴史上に登場したことになります。
神社の御朱印が明治時代以前まで存在しなかった理由については以下の別ページにてご紹介しております。
【補足】御朱印を授与している寺社数を比較!寺院より神社方が圧倒的に多い??
残念ながら現在、御朱印を授与している寺社の統計は公式的に発表されていないので、正確な数は不明とされていますが、以下のような統計は発表されています。
現在、日本全国に存在する寺院と神社の数
- 日本全国の神社:約88000社
- 日本全国の寺院:約77000寺
単純にこの数字から推測すると神社の方が多いことになります。
尚、この中には無人の寺社も含まれていますので、有人の寺社となると約3分の1以下になると言われています。
御朱印がいただける寺社となると、有人の寺社かそれなりの規模のある寺社が必須条件となります。
規模が大きい神社となると、一の宮(格が高い神社)級の神社になります。
一方、寺院の場合は「~めぐり」という、いわゆる巡礼コースが日本全国に約1000以上も存在します。
巡礼コースに該当する寺院では、ほとんど御朱印を授与されていますが、中には無人のお寺もあることから、必ずしも有人でなければならないという条件に当てはまらないものとなります。
現在では御朱印と言えば、どちらかと言えば寺院よりも「神社でいただくものというイメージが強い」ように感じられますが、上述の状況を考慮してみると、御朱印を授与している寺社の数は若干、寺院の方が多いように見受けられます。
はたして、あなたはどちらが多いと考えますか?