「浄財」「賽銭箱」「喜捨箱」の違いや意味と設置されている理由のお話

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神社やお寺に行くと「浄財」や「賽銭箱」もしくは「喜捨箱」と書かれた箱が置かれていて、この中にお金を入れる(奉納する)ようになっています。

このページでは、「浄財」「賽銭箱」「喜捨箱」の違いとその意味の他、設置されている理由についてお話したいと思います。ウフ

「浄財」とは?

浄財の漢字を解体すると「浄」と「財」に分けられます。

「浄」は、「浄化」や「清浄」という言葉に代表されるように「きよめる」という意味合いがあります。

「財」は、「財産」や「蓄財」「散財」という言葉に代表されるように、「自分の大事なモノ」「価値のあるモノ」などを意味します。

これらをまとめると、「きよめるお金」というように解釈できます。

お寺に浄財の箱が設置されている理由と「”浄財”の意味」

我々がいつも日常的に持ち歩いているお金は、食べ物や衣服、住居と交換ができるため、現在の社会で生きていくために必要不可欠なものです。

現代社会においてのお金がどれくらい重要かと言いますと、枯渇すれば死を意味するほど大事なものです。

お金を使えばモノに交換できる他、人を雇ったり、何かを創造して実現することもできます。まさに力や権力に成り代わるものです。

そして力や権力は言い換えると「欲」です。

すなわち、現実社会で生み出されたお金(欲の産物)を神仏に1度お供えして、浄化してキレイにしてから再び、現実社会に還すといった解釈になります。




「賽銭箱」とは?

賽銭箱とは、お賽銭いわゆるお金を入れるための箱です。賽銭箱が本格的に設置されたのは室町時代からだと云われており、それまでは賽銭箱ではなく、「賽米箱(さいまいばこ)」といってお米や穀物をお金の代わりに投げ入れて奉納していました。

投げ入れて奉納した理由は、米には神様の魂が宿り、邪気祓いや魔除けができるとされていたためです。

これについての理由として、こんなエピソードが残されています。

神話の時代の「天孫降臨(てんそんこうりん/=神々が地上に降った出来事)」の際、天照大御神が孫の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)に「天の稲穂」を与えて地上で米を栽培するように手渡しています。

つまり、米の起源が天界で産み出された稲穂であれば、霊力を持っていても何ら不思議ではないことになります。

特にこの米や稲を水に浸して清めてから賽米箱へ入れることを「打撒(うちまき)」と言って、より効果やご利益を期待できる参拝方法だったようです。

ちなみに、節分になると境内で厄払いや魔除けのために「豆まき」が執り行われますが、このルーツにあたるのが上述、賽米や打撒になります。

「喜捨箱」とは?

喜捨箱とは、寺社のみならず、いろんな所で見かけることができますが、ザっくりと言えば上述、賽銭箱や浄財と同義で、奉納するお金を入れる箱です。

「喜捨」の意味

「喜捨」とは聞き慣れない言葉ですが、「喜捨」と書いて「きしゃ」と読みます。

この「喜捨」の漢字を分解すると「喜」と「捨」という風に分けることができ、これらをまとめると「喜んで捨てる」と解釈できます。

「喜捨」の意味とはすなわち、「大切な身銭を神仏のために喜んで捨てる(奉納する)」という意味合いになります。

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