神社・お寺にお札シールが貼られているのはなぜ?千社札とは?「意味や理由・歴史(起源)由来」をご紹介!

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神社やお寺に行ったとき、本殿や鳥居などに名前のシールのようなものが貼られているのを見たことがありませんか?

実はあれ、江戸時代から続いている歴史ある風習なのです。

あれはいったい、誰が、何のために、どうやって貼ったものなのでしょうか。

こちらではその名前や歴史、意味、注意点などについて解説していきます。

神社・お寺に貼られているシールの名前は「千社札」!

千社札の読み方

せんじゃふだ

千社札の名前の由来・意味

たくさんの神社にお参りする「千社参り」という風習があります。

千社参りの際に札を奉納する習わしがあり、その札のことを「千社札」と呼ばれるようになりました。

また、千社札には墨一色刷りの「題名納札」と、お参りの旅路で出会った人などに名刺代わりに渡す、多色刷りの「交換札」があります。

千社札の歴史

千社札の起源・由来

昔、貴族などの身分の高い人が神社やお寺にお参りする際には、木札に願いなどを和歌にして書き記したものを奉納する題名納札(だいめいのうさつ)が慣わしでした。

江戸時代になると、家内安全、商売繁盛、五穀豊穣などの稲荷信仰が普及し、稲荷神社の分社が日本各地に作られて、庶民がたくさんの神社にお参りする「千社参り」が流行しました。

その千社参りの際に自分がお参りした記念として名前や出身地などを書いて奉納した札を、千社札と呼ぶようになりました。

千社札を寺社に貼るようになったのはいつ?

千社札が鳥居や門など目立つところに貼られるようになったのは、江戸時代中期ごろと言われています。

初めは墨一色の手書きのものだけでしたが、次第に流行の先端だった江戸でおしゃれな木版の多色刷りのものも流行るようになりました。

伝統的な千社札の大きさ・素材など

伝統的な千手札の大きさは、一丁札という幅58×高さ173mmの大きさです。

大奉書(おおぼうしょ)という、公文書や浮世絵などに使われていた和紙が基準になっており、この大奉書を16分割したものが一丁札になります。

さらに、内側が細枠の子持ち囲みがあり、この中に名前などを入れます。

昔はこの子持ち囲みの大きさに決まりはありませんでしたが、1887年(明治20年)に外寸幅48×144mmと決められました。

千社札に書かれている文字も、元々は様々な書体を使用していましたが、現在は龍文字という迫力のある書体が使用されています。

大奉書は楮(こうぞ)という自然の植物を原料として作られており、貼る時には続飯(そくい)と言われる炊いたお米をつぶして作った糊で貼ります。

そのため、年月を経るとともに紙の白い部分が自然に風化していき、最後には「抜け」と呼ばれる墨で書いた部分だけが残る状態になります。

古い神社やお寺の天井などでは、この「抜け」だけが残っているのを見ることができるので、探してみてください。

千社札を貼るのはなぜ?意味・目的とは?

千社札が貼られている間は、そこに泊まってお参りしているのと同じ効果があると言われたことから、日帰りで来た人たちが貼ったのが始まりです。

千社札を貼る場所(貼り方・使い方)

千社札を貼る場所は勝手に決めていいわけではありません。

寺社で参拝を済ませた後に許可を取り、貼る場所を相談して決めてください。

本殿の天井や柱などの他に、門、鳥居、御神木などの場所に、炊いたお米で作った続飯という糊を使用して貼っていきます。

天井などの高い場所に貼る場合は、振り出し竿と呼ばれる棒を使って、斜めにならないようになるべく真っすぐ貼りましょう。

皆がよく見えるよう目立つ場所に貼るのを「人見」、風化しないよう雨風にさらされにくい場所に貼るのを「隠し貼り」といいます。

千社札を貼るときにしてはいけないこと

  • 貼ってはいけない場所、貼ってはいけない寺社もあるため、断りなく勝手に貼らない。
  • ビニール製の合成糊の使用やシールなどの使用は、風化しにくく剥がしにくいため、寺社の建造物を傷める原因になるため、使用しない。
  • 他の人が貼った千社札への重ね張りはしない。
  • 貼っていいのは墨で書かれた千社札だけです。目立つような色のついた札は張らない。
  • 斜めに貼ったり、他の人が貼るのに邪魔になるような貼り方をしない。

このように、千社札を貼るにあたってはいくつかのマナーがあります。

最近は、マナーを守れない参拝者のせいで、千社札を貼ることを禁止している場所もあります。

千社札は貼ると法律違反で罰金をくらう?!

江戸時代から続く千社札の風習ですが、最近は剥がすときに建物を傷つけるという理由で千社札を貼ることを禁止している寺社もあります。

許可を得ずに千社札を貼り付けると、建造物損壊罪や器物損壊罪に問われる可能性が、さらに文化財に貼り付けた場合には文化財保護法違反の罪に問われる可能性があります。

実際、2018年には京都の仁和寺の重要文化財である二王門(におうもん)に、禁止されている千社札を貼り付けたとして、書類送検された事件がありました。

他にも長野市の善光寺や姫路市の円教寺など、多くの寺社で千社札を禁止しています。

千社札を貼る時には、必ず所有者の許可を得てから貼ってください。

千社札はなぜ、簡単に剥がれない??

千社札は元々上記でもお伝えしたように、続飯と言われる炊いたお米をつぶして作った糊で貼っていましたが、昔の糊と言えども風化するまで貼り付いていたほど、簡単には剥がれない強力な接着剤でした。

そして、近年では風化しにくいビニール製シールで貼るものや、化学接着剤で貼るものが簡単に出回るようになりましたが、これらの近年の素材で作られた千社札は、風化しにくいどころか、建物自体を変質・侵食させてしまうこともあるのです。

参拝した神社がこれからも末永く続き、皆が気持ちよくお参りすることができるように、マナーを守って貼るように心がけましょう。




千社札を買える場所

現在、千社札は通販でたくさん販売されているのをご存知でしょうか?

千社札は観光地の土産物屋で売られていたりするほか、アイドルのコンサートに行っても会場内のショップでグループのメンバーの名前が書かれた千社札を見かけることがあります。

下記に現在、どんな千社札があるのかをご紹介しておきます。

現在の千社札にはどんな種類があるの?

最近の千社札は寺社に貼り付けるにとどまらず、自分の名前を主張・識別する方法として様々な場面で使用されています。

では、どんな千社札の使い方が流行っているのでしょうか?

以下に一例をご紹介いたします。

シールタイプ

もっともポピュラー且つ、オーソドックスな千社札と言えば‥貼り付けるタイプの千社札です。

ネットオーダーやゲームセンターなどに設置されている機械で手軽に千社札のシールを印刷することができ、他の人の持ち物と区別するために自分の持ち物に貼ったり、愛車などに貼っておしゃれにアレンジして楽しむ方が多いです。

大きさも、大小さまざまなタイプを選べますので、貼りたいものに合わせた大きさを選んで作ってください!

ストラップタイプ

携帯用ストラップに千社札が付いているものもあります。

他の人の物との区別がしやすいだけでなく、おしゃれなのに自己主張しすぎていない見た目は特に男性に人気です。

木彫りタイプ

木彫りの千社札も人気があり、上記でご紹介したストラップタイプの千社札も、木彫りが主流となっています。

ネットオーダーもできますが、浅草にはわずか15分で自分の名前を彫ってくれるお店もあります。

以下のリンクにお店の情報を載せてありますので、興味のある方は是非リンクを飛んでみてください!

ネームタグタイプ

木彫りの千社札などに幅広のベルトを付けたネームタグタイプの千社札は、見た目にも高級感があり、ゴルフバッグやカバン用として買われる方もいらっしゃいます。

父の日のプレゼントとしてオーダーされる方も多いようです。

ボトルタグタイプ

行きつけのお店でボトルキープをする際に、千社札のタグがかかっていたらおしゃれで通な感じですよね!

ボトルにかける紐部分も、チェーンになっているものや、革ひもタイプの物など様々なものが売られています。

ネックレスタイプ

昔、火消しの仕事や神輿を担ぐ際に、「喧嘩札」という木彫りの名札をお守りとして身に着ける習慣がありました。

現代ではそれを木彫り、プラスチック、金属などで作って、お守りを兼ねたおしゃれとして楽しんでいる人もいます!

ステッカータイプ

最近は芸能人のイラスト入りの千社札ステッカーというものもあります。

ファンの間では、ライブや通販で購入したものや特典でもらえたものを自分の推しメンの千社札と交換することも流行っています。

千社札は手作りできる?

千社札の簡単な作り方

最近はネットオーダーやゲームセンターなどに設置されている千社札専用の機械でプリントしたり、パソコンを使って簡単に自分だけの千社札を作成することができます。

また、自宅にパソコンと印刷機があれば、自宅に居ながらにして簡単に千社札を作ることもできます。

以下に、自分のパソコンで簡単に千社札を作ることができるサイトの一例をご紹介いたします。

千社札を簡単に作れるサイト

 

  • 「和風素材の篆刻(てんこく/てん刻)素材AOI(葵)」
    千社札が作れるフリー素材を提供しているサイトです。
    ホームページ:https://www.aoiweb.com/aoi2/senjya.htm

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