【コロナ退散の現世利益】墨絵の正体はアマビエ?アマエビ?人魚の預言者アマビコ坊主とは?

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厚労省の新型コロナウイルス感染拡大防止対策公式キャラクターとして、一気に知名度を上げたアマビエ……それが実は「アマビエ」ではなく「アマビコ」だったって、知っていましたか?

今回はあなたの知らないアマビエの世界を、水木しげるが描いた説、アマビエ悪魔説なども含め、陰陽師の血を引く妖怪好き占い師の筆者がまるごと解説致します。

アマビエとは何か?妖怪・悪魔・神様どれ?

女の子のようでちょっとかわいい、だけど気持ち悪いっちゃ気持ち悪い。アマビエって一体何者なの?

コロナを撃退してくれるらしいから、やっぱり神様なのかな……?

いえいえ、神様ではありません。結論から言うと、アマビエは「妖怪」です

アマビエを悪魔だとする説もありますが、悪魔を「人を誘惑したり、悪いことをもたらすモノ」だと考えるとすれば、アマビエは悪魔ではありません。

そもそもアマビエは日本の伝承の中に語り継がれる妖怪であり、悪魔というのは仏道あるいは西洋の伝承の中に語られる存在なので、悪魔という分類は正しくないと言えます。

アマビエは「予言獣」(予言妖、または予言妖怪)の1つ

妖怪の中でも、アマビエは「予言獣(よげんじゅう)」「予言妖(よげんよう)」と呼ばれるものの1つです。

日本の妖怪は実に面白みがあり、水木しげるの『ゲゲゲの鬼太郎』から小西紀行『妖怪ウオッチ』に至るまでの流れの中にも見られるように、「妖怪=悪者」という図式は必ずしも成立しません。

これが、日本の妖怪と、仏道、あるいは西洋の悪魔との大きな違いであるとも言えます。仏道や西洋文化の悪魔は、神や仏に逆らい、修行者を誘惑して悪の道(煩悩の道、あるいは悪行)に陥れようとします。

妖怪は、妖物です。言わば化け物なわけですが、ごく単純に、正体不明、UMA(飛行する場合はUFOとも言える)的な存在であり、時にはユーモアさえ溢れさせながら、人の味方をしてくれることもあります。

予言獣もまさにそんな、「人の味方をしてくれる妖怪」の一種です。

予言獣は、主に災厄や疫病を予言するのがその役割となります。予言獣の伝承はいくつか見られますが、多くは江戸時代の伝承で、これは江戸時代の疫病流行に伴ってその伝承が増えたことが原因と考えられます。とはいえ、記録の中には鎌倉時代に遡るものもあり、日本で古くから予言妖の存在が言い伝えられていたことがわかります。

他にもいる!代表的な予言獣(予言妖)

予言獣は「アマビエ」だけではありません。アマビエのことはこの後、詳しく説明するとして、他の予言獣について少しだけ、嬉々としてご紹介しますね。

件(くだん)

 

「件の如し(くだんのごとし)」という言葉で有名な「件(くだん)」という妖怪です。新型コロナ対策が叫ばれる前は、アマビエよりもずっと有名でした。

上の図は、毛利家文庫29 風雪42『止可雑記』という文書に掲載されているもので、件の図と解説が該当する部分は、1836年(天保7)、丹後国(京都北部)の瓦版の写しであると伝えられます。

件の言い伝えは江戸時代末期の西日本に多く、上記の1匹(1体?)のみではなかったことがわかります。

絵のとおり、人面で、体が牛という、一時期流行った「人面犬」の「牛バージョン」といった見た目をしています。「件」という漢字もここから来ているようです。

予言をする対象には疫病も含まれますが、飢饉、日清戦争、日露戦争、太平洋戦争を予言したという話も伝わります。ちなみに太平洋戦争の時は、広島、松山での目撃情報が残されています。

そればかりか近年、阪神淡路大震災、東日本大震災の前にも目撃情報があったとか、なかったとか……。

件について、

  • 人語をしゃべる(人の言葉で予言を行う)
  • 自分の絵を描いて貼っておくと、豊作になると言う
  • とても素直な性格で、予言は必ず当たる
  • 予言をすると死んでしまう(!)

等の、一部アマビエとも共通する特徴が語り継がれています。

ヨゲンノトリ

くちばしのせいか、アマビエとも似た印象を受けるヨゲンノトリ。新型コロナ対策においてもアマビエと同様に注目度が上がっている存在です。

記録があるのは『暴瀉病流行日記(ぼうしゃびょうりゅうこうにっき)』という書物で、目撃情報のある場所は加賀国(現在の石川県)、疫病を予言したものとされています。文献自体は甲斐国のもので、1858年(安政5)に感染拡大したコレラのことについて、山梨の名主であった喜左衛門(きざえもん)によって記されたものです。『暴瀉病流行日記』は山梨県立博物館「かいじあむ」に所蔵されていますので、機会があれば足を運んでみるのも良いでしょう。

「ヨゲンノトリ」という名称は山梨県立博物館がコロナウイルス流行に伴い名付けたもので、古来からあった名称ではありません。

特徴は白黒に分かれた2つの頭。双頭ですが身体は1つです。足は2本ですね。同文献によればヨゲンノトリは熊野七社大権現のおつかいカラスであると明記されているようです。

やはりアマビエや件と同じく

  • 人語で予言をする
  • 自分を信仰すれば疫病が収まると言う

といった特徴を持っています。

以津真天(いつまで)

以津真天は、「いつまで」あるいは「いつまでん」と呼ばれることもあります。

以津真天の登場する最も古い文献は『太平記』ですが、この頃はまだ「怪鳥」とされるのみで名称がありませんでした。

後世に至り『今昔画図続百鬼(こんじゃくがずぞくひゃっき) 下巻』(鳥山石燕の描いた妖怪図鑑。1779年(安政8)刊行)に上記の図が掲載され、この時に、その鳥の名称が「以津真天」として初めて明記された形です。

以津真天は、「いつまで、いつまで」と鳴き声をあげる怪鳥で(これが後世になって名前の由来となった)、『太平記』には1334年(建武元)の疫病流行に伴って以津真天の鳴き声が聞かれ、「この災厄はいつまでも続くのか」と人々を恐れさせたとの記述があります。同記録によれば顔は人面に似て、くちばしが曲がり、ノコギリのような歯、身体は蛇のようであったとのこと。翼の幅はおよそ4.8mに及ぶ巨大な生物であるとの記載です。

以津真天は、人語で予言するといっても「いつまで」しか言わないので、アマビエ、件のようにハッキリとした疫病の予言をする生き物ではありません。

現在は、ソシャゲ(アプリゲーム)のキャラとしても登場するので、一部ではメジャーになっている様子です。

その他の予言妖

予言妖はこれらの他にも、

  • 山童(ヤマワラハ)
  • 神社姫
  • 姫魚(=人魚)
  • 白沢
  • ほうねん亀
  • 亀女

などが言い伝えられます。これらの多くに見られるのが「足が三本」という特徴で、この特徴はアマビエとも一致します。しかし3本ではないものもいます。

アマビエも言ってた!「豊作なる、疫病くる、自分を拝めば大丈夫」

アマビエが現れたとされているのは、1846年(弘化3)、肥後国(熊本県)です。記録には、海中から毎晩、光輝くものが現れ、役人が訪れると姿を現してアマビエと名乗った、とあります。

アマビエは現れた際に以下の3つのことを予言していきました。

  1. 6年間の豊作
  2. 豊作とともにやってくる疫病
  3. 疫病がくるが、自分の姿を書き写して、それを門や戸口に貼ったり、拝めばよい

予言妖は、豊作を予言することもありますが、どちらかというと災厄を予言することのほうが多いようです。

そして、災厄の予言と必ずといっていいほどセットになっているのが「自分を拝め、そしたら大丈夫だよ」という趣旨の言葉。

これはアマビエだけではなく、上にご紹介したアマビエ以外の予言妖にも一部みられる特徴です。(同様のことを言わない予言妖もいます)

不安を抑えるための存在、予言妖

アマビエをはじめとする予言妖の役割は、ただ疫病を予言することではなかったと考えられています。

肝心なのは「信仰すれば、災厄を逃れられる」という部分で、ここにこそ注目すべきと言えるでしょう。

疫病などの天災に際して、特に近代以前の一般人はほとんど対抗する術を持っていません。医療も今ほど発達していたわけではなく、どこかに心の拠り所を求めたいというのが本音だったはずです。

そこでアマビエのような幻獣の存在が創り出され、「自分を信仰することで、疫病に罹患するのを避けることができる」とする予言をさせることによって、何とかして災厄を逃れようとした……というのが、予言妖の本質であると考えられます。

アマビエの容姿!長い髪、3本の足、本来は手がない

現在、厚労省のキャラクターとしても使用され最も有名と考えられる上のアマビエは、『アマビエの図』もしくは『肥後国海中の怪』と呼ばれる木版画です。

現在は京都大学図書館に収蔵されており、1846年(弘化3)、つまり江戸時代後期に作成されたものと伝えられます。

容姿その他の特徴としては

  • 髪が長い
  • 足が3本ある
  • 手がない
  • くちばしがある
  • 海からやってくる

などが挙げられます。

現在では、このように特徴を捉えたアマビエグッズが多数作成され、女神様のようにデフォルメされたアマビエも多く見られることから、アマビエ=かわいい、美しい! という説も常識になりつつあります。

ちなみに、鱗がカラフルになったのは完全に最近です。元は江戸時代の白黒であることをお忘れ無く。


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「アマビエはかわいい」は嘘!残念なアマビエ事典

……「アマビエって、かわいいよね~♥きゃわ♥」と思っていた方にとっては非常にショッキングな映像かもしれません。

実はこれ、アマビエと同種と言われている「アマビコ」という生物(妖怪?)の図です。実にユカイです。

アマビエ=アマビコ説についてはこの次に詳しく解説するとして、日本に数多く残されているアマビコの姿を少し見てみましょう。アマビコは毛むくじゃらのサル型妖怪であるとする記録がいくつも残されています。

↑明治時代以降に描かれたと伝えられるもの

↑「アマビコ」と明記されている。なんかてきとう。

↑おしりに顔面がついているような……いや違う、こっちが顔なのかな?

↑福井県、越前市武生公会堂記念館所蔵の金森左京家『雑書留』による。
1844年(天保15)の記録なので、『肥後国海中の怪』よりも古い

↑やはり海からきているのがわかるが名称はアマビエではなくアマビコ。足の本数は不明。おしり顔よりはマシ

↑サルの姿からは少し離れる。足が9本あるが、やはり海からやってきているのが見て取れる

以上、ちょっとインパクトの強い「アマビコ・コレクション」でした。あなたのお気に入りはどれですか?

あっ、やっぱりアマビエちゃんですか……。

アマビエ、実はアマビコだった説は本当なの?なぜアマビエになった?

アマビエが文献に登場するのは、さきほどもご紹介した『アマビエの図』1例のみであることを知っていましたか?

上でいくつもご紹介した絵図は、どれも「アマビコ」とされているものです。つまりアマビエよりもアマビコのほうが、日本ではどうやらメジャーだったらしい、ということ!

先にも触れましたが、アマビエをアマビエと記載している文献は、京都大学図書館が収蔵する『アマビエの図』1点のみです。

これは、全国に伝わる「アマビコ」を書き写しているうちに、そのお名前を「アマビコ」と書こうとして、手が滑ったのか、字が下手くそであったのか、うっかり「アマビエ」と書いてしまった……あるいは「アマビコ」が「アマビエ」に見えたために、次に書いた人(『アマビエの図』の作者)が「アマビエ」と書きうつし間違えてしまったのではないか、とする説が非常に有力です。

なぜアマビコよりもアマビエが有名になったのか

アマビエのほうが日本で有名になってしまったのは、あの有名人、水木しげる先生のせいおかげだと言われています。

水木しげるは、1984年に刊行された『水木しげるの続・妖怪事典』でアマビエに触れており、その図も書物の中に掲載されていました。

水木しげるがアマビコではなく、あえてアマビエを取り上げたことで、今般、新型コロナウイルス感染拡大防止が叫ばれる中、「アマビエ」が注目されるに至ったというわけです。

といっても水木しげる先生が、アマビコの存在を知らなかったとは思えませんよね。やはり、比較するとちょっとばかり見た目がユーモラスだったので、アマビコよりもアマビエが採用されたのではないでしょうか……。

水木しげるのアマビエには手がある

アマビエの伝承上の姿について、手がない、と既にご紹介しましたが、水木しげる先生の書かれたアマビエにはハッキリと手があるのが特徴的です。

上の写真は、島根県にある隠岐のアマビエ像と言われるもので、場所は以下のとおりです。

隠岐のアマビエ像の場所!

隠岐のアマビエ像は、島根県沖の隠岐の島、「島後島」に存在しています。下の地図で、北側の島が島後島です。

島後島には「ゲゲゲの鬼太郎 武良街道」と呼ばれる街道があり、

  1. 河童
  2. 琵琶ぼくぼく
  3. 五体面
  4. 天吊し
  5. ちょうちんお化け
  6. せこ
  7. アマビエ
  8. さざえ鬼

合計8基の妖怪の像が並んでいます(連続しているわけではなく、点々と設置されている状態です)。

具体的な場所は、島の北側。

「中村郵便局」のそばに、「アマビエ」像があります。図中「H」で示された場所です。

アマビエはゲゲゲの鬼太郎にも登場してた(CV.池澤春菜)

アマビエは、「妖怪アイドル」として、2007年、9月30日に放送された第26話に登場していました。

サブタイトルは「妖怪アイドル!? アマビエ」……明らかにかわいらしい役どころです。なお声優は池澤春菜さんが務めました。

アマビエは、熊本からやってきた妖怪として登場します。昔は姫などにチヤホヤされた世間知らずキャラで、砂かけばばあが頼りないアマビエの面倒をみてやることになります。

ところが、アマビエちゃんは、砂かけばばあが怪物となり、妖怪長屋を壊すという予言をしてしまい、みんなから嫌われ、長屋から追い出されてしまうのです。そして、わけあって砂かけばばあは本当に怪物になってしまいます!

果たして、砂かけばばあの運命は……? というわけで機会があったらアマビエちゃんの登場する感動の神回、ぜひ見てみてくださいね。


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「アマビコ」=「海彦」?アマビエが「海からくる」理由に水木しげる先生も触れている

アマビエの本体とも言えるアマビコですが、漢字の当て字も「尼彦」「天日子」などいくつか存在しています。

その中には「海彦」というものもあり、アマビコ、あるいはアマビエが海からくる妖怪であることを表してもいるようです。

これについて水木しげる先生が、「アマビエは人魚とつながりのある存在なのではないか」と推測していた記録があります。

人魚はそもそも、西洋でその存在を取り沙汰された妖怪であり、今でこそ下半身が魚類の美女のように言われてはいますが、過去には災厄をもたらすと信じられていた時代もありました。(中国でも人魚の伝承は存在するので一概には言えない側面も。)

日本とは違い、西洋において海からやってくるものは総じて不吉の象徴であったとも言われています。陸上で動物を飼育することは西洋において通常のことですが、海のものは馴染みが少ないですから、西洋において人魚は凶兆であり、豊作の予言などはしません。

そのいい証拠が、皆さんよくご存知の『人魚姫』です。ディズニーの『リトル・マーメイド』に変化したものは、王子と結ばれハッピーエンドのバージョンとなっていますが、元々のアンデルセン童話では王子を刺し殺すことができずに、空気の泡になって消えていく運命。人魚の伝説はいくつか西洋にも残りますが、薄幸であることが普通という悲しい存在なのです……。

これに対して、日本では漁生活が主流ですから、海からきたものは不吉な存在ではなく、時に神秘であり、恵みでもあります。したがって、日本の「海から来る」アマビエ(アマビコ)は、豊作も予言するし、自分の姿を書き写して疫病除けにするように、という趣旨のことも言うわけです。

アマビエ関連の人気御朱印一覧

アマビエは神ではありませんので、基本的に「アマビエが祀られている」ということは聞きませんが、現在、アマビエをあしらった御朱印を頒布する神社がぞくぞくと登場しています。ごく一部ではございますが、アマビエに関連した人気の御朱印をご紹介します。

日光二荒山神社(栃木)

横浜御嶽神社(神奈川)

櫻岡大神宮(宮城)

御井神社(岐阜県)

若宮神社(東京)

東郷神社(東京)

江別神社(北海道)

アマビエ関連のグッズ「お菓子・ぬいぐるみ」など

Amazon、楽天などでアマビエ関連グッズを探すこともできますので、ぜひご覧になってみてくださいね。

Writing:陰陽師の末裔/占い師・パワーストーンアドバイザー
あん茉莉安(ホームページ

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