除夜の鐘で知られるお寺の鐘。
最近では清水寺を代表例として、一般参拝者でも鐘が突けるように整理券を配布したりするお寺もありますが、鐘を打つ際、特に何も考えずに唯々、言われるがままに突いている方がほとんどだと思います。
しかしその鐘にはこんなにも深い意味合いがあったのだとすれば驚かれることでしょう。
普段何気なしに参拝していたお寺の価値観、少し変えてみませんかぃ?
これで参拝が楽しくなるハズです。
以下では喚鐘とはどういうものなのかを述べています。
喚鐘の読み方
喚鐘は「かんしょう」と読みまする。
お寺の鐘は2種類!梵鐘だけではなかった!
お寺の鐘は一般的には「梵鐘(ぼんしょう)」と呼ばれますが、実は種類が2種類あって、もう1つ「喚鐘(かんしょう)」と呼ばれる鐘もあります。
喚鐘とは?
喚鐘は一般の方はあまり知らない名称だと思いまするが、その道を知る人の間では知られた存在の鐘です。
喚鐘と梵鐘の違い
喚鐘と梵鐘の大きな違いは、鐘のサイズと鐘を突く用途(理由)です。
喚鐘はサイズが梵鐘よりも遥かに小型です。
梵鐘は法要や座禅、儀式が開始される前のおおむね30分〜1時間前に突かれる鐘なのに対して、喚鐘はそれらが開始された直前に突かれる鐘だということです。
また、梵鐘は刻(時刻)を知らせる鐘としても突かれるため、割と広範囲の人の耳に聞こえなければならず、喚鐘は開始を告げる合図の鐘だということです。
喚鐘の別名
喚鐘は別名で半鐘(はんしょう)、小鐘(しょうしょう)、報鐘(ばうちよん)、呼鐘(よびがね)、行事鐘(ぎょうじしょう)、犍稚(けんち)などと呼ばれます。
喚鐘の特徴や大きさ
喚鐘は高さ50㎝〜60㎝。直径が約30㎝くらいの本当に小さな鐘です。
堂舎の軒先あたりに据えられている姿が散見されます。
喚鐘の打ち方
喚鐘は小型であることから仏門以外にも茶道などでも使用されています。
仏門における喚鐘の打ち方
適当な間隔で7回打ち、打ち上げて打ち下し、次に5回打って再び打ち上げて打ち下し、最後に3回打ちまする。
注意点としては、3回打つうちの2打目は小さく打ちまする。
茶道における喚鐘の打ち方
表千家
最初に鐘を大きく打ち、次に小さく、中→中→大と五回打ちます。表千家では広間のときに用いられまする。
裏千家
夜咄(よばなし/冬至近くから立春までの間の夕暮れ時に行われる茶事のこと)のときに用いられまする。
最初に鐘を大きく打ち、次に小さく、中→中→大と五回打ちます。
武者小路千家
武者小路千家では夜咄のときに用います。
最初に鐘を大きく打ち、次に小さく、大→小→大」と五回打ちます。
なお、これらの打ち方はあくまでも一例です。喚鐘の打ち方は喚鐘を用いるシーンや組織によって大きく異なります。