【実は毎日朝夕108回突かれていた?】除夜の鐘とは?歴史・意味・由来(起源)!なぜ108?英語で説明できる?

スポンサードリンク

日本の年末年始を彩る風物詩の1つが除夜の鐘ですが、その歴史や由来、除夜の鐘が持つ意味を知っていますか?

今回は、除夜の鐘とは一体何のために撞くものなのか? といったことをメインに、除夜の鐘の打つ数が持つ意味など、様々な方面から除夜の鐘を解説します。

除夜の鐘の意味

「除夜の鐘」は生まれてから毎年、聞いているけれど、よくよく考えると「除夜」って何だ……? と思ってしまうかも!

『除夜』という言葉には、「除日の夜(じょじつのよ)」という正式名称があります。

「除日」とは、「旧年を取り除く日」という意味。古い年が終わる日、すなわち大晦日を指します。ですから「除日の夜」すなわち「除夜」は「大晦日の夜」と解釈して良いでしょう。

結論として「除夜の鐘」は「大晦日の夜の鐘」を意味する言葉だったのです!!!!!(いや、そのままかよ!というツッコミはなしで続きもお読みになってくださいな♥)

除夜の鐘が取り除くのは旧年だけじゃない

除夜の鐘は、通常、23時過ぎから翌日の1時前頃までかかって撞く、年越しの鐘です。

大晦日の夜を「除夜」と呼ぶのは、前年お~しまい! という意味だけではなく、前年の出来事や運気を取り除く、リセットする! という意味もあります。そして、前年の終わりから、新しい年の始まりにかけて、鐘を撞くことで、それを行う。

除夜の鐘はいわば『リセットの儀式』なのです。

また、これは単に「1年終わったから、前の年にあったことは終わりだ終わり! もう忘れようぜ!」という、忘年会的なものに留まらず、前の年に溜め込んだマイナスの運気を除去する、という意味を含んでいます。

仏教や神道の儀式で、僧侶や巫女が、鐘や鈴を鳴らすシーンを見たことがありますよね。

また、戦いに向かう兵士や出立する旅人の背中に向けて、火打ち石を打って武運を祈る、いわゆる「切り火(鑽り火)」にも同じ意味があります。

打ち鳴らされる澄んだ音には、悪運や魔物を退ける効果があると、古来信じられてきました。

要はいずれも厄除けであり、悪い運気を断ち切る効果が期待されているわけです。

除夜の鐘の場合は特に、「煩悩を断ちきる」という効果がうたわれており、旧年中にしこたま溜め込んでしまった悩み苦しみをここでリセットし、心機一転、新しい年に邁進しよう! という意味合いに主軸が置かれます。

除夜の鐘つきの数はなぜ108回?

除夜の鐘の数は、108回と決められています。

この数にも、さきほど言及した「除夜の鐘の意味」が深く関わっているのです。

108というのは、人間の心に存在していると言われる、煩悩の数です。

つまりのところ、煩悩解脱の仏教的教理に基づいた儀式になるわけなのですが‥‥、一説には108の煩悩が起源ではないとされる異説もあるようです。

ちなみに煩悩とは、私たちが心身を悩ませる原因となる、諸悪の根源、悩みのモト、のことを指します。

煩悩は「貪(とん)・瞋(しん)・痴(ち)・慢(まん)・疑(ぎ)・見(けん)」の六随眠(ろくずいみん。随眠=煩悩のこと)を根本とし、細かく分けると108になると言われます(本当は、もっと細かく分けると84,000になるというから、人間の悩みって多いですね!)。

その、108の煩悩を、鐘の音とともに1つずつ消し去るという意味で、除夜の鐘は108つ撞かれるのです。

異説!「108=1年間の季節の数」

108というのは煩悩の数だ、というのが主流の説ではありますが、1年の季節を数で表すと108になるから、除夜の鐘の数は108なのだ、という説もあります。これは、以下のような計算となります。

  • 12=12カ月
  • 24=二十四節気(にじゅうしせっき)
  • 72=七十二候(しちじゅうにこう)
  • 12+72+24=108 !

というわけですね。

うまくできた計算式だとは思いますし、二十四節気も七十二候も、古代中国で生まれた考え方ですので一理あるような気もします。

ただ、七十二候、二十四節気とくるならば、その前に存在していた季節の分け方は八節(はっせつ)ですので、いきなり12という数字(十二ヶ月もしくは十二支?)が来るのは割に合わない部分もあるのです。

異説2!108=四苦八苦?

108という数については、さらに異説があります。

煩悩を取り払うという考え方と同様に、「四苦八苦を取り除く」という意味で、年末に108つの鐘を撞いているのではないか、とする説です。

なぜ、四苦八苦で108なのか?

式はこうなります。

  • 4×9=36
  • 8×9=72
  • 36+72=108

確かに、108になりますね! うまくできているものです。

四苦八苦というのも、元々は仏教において人に与えられる不可避の苦しみを意味するものですし、煩悩と似たような意味合いで、取り去りたいものとして考えられ、こうした説が出てきたのかもしれません。

異説3!六境を加えた思想

上述、「貪(とん)・瞋(しん)・痴(ち)・慢(まん)・疑(ぎ)・見(けん)」の六随眠に加え、さらに色(しき)・声(しよう)・香(こう)・味・触(そく)・法六塵(ろくじん/六境のこととの関係が含まれるとき、それぞれは「苦楽」・「不苦」・「不薬」の3種に大別することができます。

これらの総数は総じて18種の煩悩とされます。(後述)

さらにこれを「染」と「浄」の2つに分けて36種とし、これを「過去」「現在」「未来」の3つに分けると108種となります。

これが108の煩悩とされる説です。




除夜の鐘の歴史……いつ誰が始めたのか?

除夜の鐘の風習は、中国で始まったと伝えられており、冬至の日に行う宗教的行事だったようです。

時代は宋(960年~1279年)、とりわけ「煩悩を、108つ鐘を撞くことで払拭する」という概念が始まったのが宋の末期と言われていますから、1200年代と予測することができるでしょう。

日本においては、例えば藤原北家の「四条家年中行事」に依れば、除夜(大晦日)に「追儺(ついな)/鬼(疫鬼や疫神)を払う儀式」が行われた旨の記述があり、古くは宮中や貴族の間で除夜に悪鬼を祓う行事が遂行されていたようです。これが現在の除夜の鐘つきにつながったと考えられています。

その後、どのような変遷を経て除夜の鐘つきが行われるようになったのかは明らかでないものの、「108の鐘を撞く」行為は、およそ鎌倉時代から行われたようです。

鎌倉時代は一般的に1185年頃(諸説あり)~1333年、この頃日本と中国との間では日宋貿易が行われていたため、鐘を108撞くと、煩悩を払拭して悟りを開ける! という考え方も、交易、交流にともない伝わったものと考えて良いはずです。

しかし実は、鎌倉時代から、室町時代の初頭にかけては、特に禅宗の寺において「108の鐘を撞く」ことは、毎日、朝夕2回行われていたようです。誰が始めたというより、ところどころの寺院で行われていたと考えられますが、例えばこの時代、宋から日本へと禅宗の教えを伝えてくれた僧に「蘭渓道隆」という人がいます。

蘭渓道隆は、1246年に、宋から来日。鎌倉の建長寺などを開山した、日本で数々の功績を残している僧侶です。逆に言うと当時、日宋貿易が行われていたとはいえ、船の往来がそれほど多くあったはずはなく、機会は限られていたはず。海を越えて来日し、日本で権力者の信頼を得て功績を残した僧侶の数は限られます。除夜の鐘の基盤となった「108の鐘」を日本に伝えたのは、蘭渓道隆あるいはその前後に来日している僧侶のいずれかであったのでしょう。

しかしいくら悟りを開くためとは言え、朝夕に108の鐘を撞くというのは、なかなかハードな行ですよね(近隣住民のお耳にとっても)。

しかも、鎌倉時代には、仏教、和平、僧や悟りといったものがある程度尊重されてきましたが、室町時代に入ると仏教界と政治との結びつきは汚職的な意味で強まりを見せ、現世的な利益がより求められるようになり、朝晩に108の鐘を撞く風習は廃れてきます。

その分、年越しの際に18の鐘を撞いて、1年分の煩悩をなんとかしよう!

という動きは室町時代から現代に至るまで脈々と受け継がれているというわけです。

ところで‥‥日本に初めて鐘がもたらされたのはいつ?

日本に鐘が伝来したのは562年(欽明天皇23年/古墳時代)の8月。

大将軍・「大伴狭手彦(おおとものさでひこ)が朝鮮の高麗へ遠征した折、多くの品々と共に三口の銅製の鋳鐘を戦利品として持ち帰ったのが日本で最初の鐘と言われています。

現存する最古の鐘はどこのお寺の鐘?

日本で鋳造された鐘の中で現存する最古の鐘は東大寺の「奈良太郎」と呼ばれる大鐘だと思われる方が多いのですが、実のところ、京都の妙心寺の梵鐘が最古と言われます。

この鐘は689年(文武天皇2年/飛鳥時代)に鋳造されたものだと伝えられており、一方で東大寺の大鐘(梵鐘)は752年(天平勝宝4年/奈良時代)に鋳造されたものです。(いずれも国宝指定)

ちなみに日本で2番目に古い梵鐘はどこのお寺の鐘だかお分かりになりますかぃ?

この答えは‥‥後述にて!

除夜の鐘を英語で説明する方法!

除夜の鐘に該当する英語はありませんので、除夜の鐘について話したい場合は、そのまま「Joya no kane」と伝えるしかなくなります。

とはいえ、「ジョヤ ノ カネ??」となってしまうのは否めないので、もうちょっと詳しく説明してあげたいですね。

この場合、除夜の鐘という名詞は

  • bells ringing out the old year

と説明します。

「大晦日」は英語で「the last day of the year」(またはNew year’s Eve)ですが、「ring out the old year」は「年を送る」、すなわち「年越し」を意味する言葉となります。

  • 「除夜の鐘っていうのは、大晦日の晩に鳴らす鐘っていう意味だよ!」
    →Joya no kane means“bells ringing out the old year”.
  • 「除夜の鐘は、108回鳴らすことになっているんだ」
    →Joya no kane  is struck one hundred and eight times.
  • 「108っていうのは、煩悩の数なんだよ」
    →The number 108 is said to correspond with that of bonnno.

除夜の鐘は神道?仏教?神社でも除夜の鐘を撞く?

除夜の鐘って、仏教のしきたりなのかな? あれ、もしかして神道? と疑問に思う方もいるかもしれませんね。

安心してください!

除夜の鐘は、仏教の風習で、基本的に神社で鳴らすという話は聞きません。

過去には神社と寺は非常に仲良しで、寺の敷地内に神社があることも少なくありませんでした。

これは、明治時代に神仏分離を目的に分けられたため、今ではほとんどが「寺は寺、神社は神社」と境目がハッキリしています。

そして、除夜の鐘を鳴らすために不可欠の存在「梵鐘(ぼんしょう)」は、お寺にしかないのです!!!

かつて寺と神社の存在が近しかった頃には、同じ敷地内に寺、神社、梵鐘が同居していたかもしれませんが、現在ではそのようなことがなくなり、神社で除夜の鐘を撞くことはできなくなっています。

えっ?!除夜の鐘は108回も普段から突かれている??

上述したように、あまり知られていませんが、実は寺院では普段から108回の鐘をついているのです。‥‥といえば驚かれますか?

寺院では朝夕108回の鐘を鳴らすのを原則としいるのですが、‥‥お寺に行ってもそんな鐘聞こえてこな〜ぃ!

‥そうなんです。現在の寺院では108回ではなく、略式という形で18回に留めているのが通例です。

ただ、すべてのお寺でこの対応をしているわけではなく、朝夕に鐘音が聞こえるお寺では、おおむね18回ついているはずです。

で、18回つかれる理由は?

18回突く理由は上述の『異説3』の解説にある「18種の煩悩」に由来したものです。

えぇっ?!除夜の鐘は本当は108回ではなかった?

上述したように除夜の鐘の起源は中国とされていますが、その中国では当初、108回もの鐘を突く風習はなく、冬至日に新年の無病息災と豊作を祈念して鐘を突いたという、儒教の教理に基づいたものだったという説もあります。

だとすれば現在108回突かれている鐘の起源も発端は中国の儒教思想から生まれ出でたという解釈もできます。

除夜の鐘で有名!日本三大梵鐘とは

お寺の鐘のことを「梵鐘(ぼんしょう)」と呼びます。梵鐘の「梵」は、インドやヒンドゥー教文化兼において「宇宙真理」という意味を持った言葉です。転じて日本では、仏教関係のものに冠詞のように「梵」と付けますので「仏教の鐘」と解釈することもできますが、梵鐘については同時に、「宇宙真理を示すすばらしい鐘」という意味に受け取って良いでしょう。

そんな梵鐘ですが、日本に「日本三大梵鐘」と言われる、素晴らしい梵鐘がありますので、ご紹介します。

知恩院の梵鐘

1210年頃、法然上人とそのお弟子さん達によって京都に建てられた知恩院は、現在も浄土宗総本山として全国にその名を馳せています。場所は八坂神社に近く、御朱印もいただける由緒正しい寺院です。

除夜の鐘の数について、ホームページで「108=煩悩の数」と明記してくださっていますよ!

現在に至るまで荘厳な音を響かせる梵鐘は、1636年(寛永13年)、知恩院第32世にあたる雄誉霊巌(おうよれいがん)上人の呼びかけによって檀信徒たちの寄進によって作られました。

高さ3.3m、直径2.8m、厚さは30cm、重さは約70㌧と言われています。

梵鐘を撞く時に使う、ぶら下がった棒を、撞木(しゅもく)と呼びますが、知恩院の鐘を撞くためには撞木も非常に重く、1度撞くにも17人の僧侶の力が必要です。

撞木の前方には1本(親綱)、末端に16本(子綱)の綱が付けられ、親綱を持った僧侶のかけ声にあわせて一気に撞木を引いて打つのです。

東大寺の梵鐘

国宝にも指定されている東大寺の梵鐘は、言わずとしれた奈良の年末の風物詩でもあります。奈良太郎などとも呼ばれる名物ですね。

大きさは、高さ3.86m、直径は2.71m。重さは26.3㌧と、上にご紹介した知恩院の鐘よりは小さめな印象です。

しかし驚くべきは、この梵鐘の歴史の深さで、東大寺の寺伝によれば752年(天平勝宝4年)に鋳造され、東大寺創建当時から変わらない姿を見せ続けているらしいのです。

梵鐘には「ここを撞いてね♪」というポイントを示す「撞座」と呼ばれるマークがありますが、東大寺の梵鐘は、撞座のちょっと下を撞くように撞木の位置が調整されています。

撞座をピンポイントで撞いてしまうと、残響が三日三晩続くらしいのです。金属の質と形状のバランス、全てが完璧に近く整っていなければ生じ得ない伝説です。

いかにすばらしい出来かということを示したエピソードですね。

【関連記事】東大寺の梵鐘について詳しくはこちらの記事で解説しています

方広寺の梵鐘

最後は、豊臣秀吉にゆかりがあることでも知られる、京都方広寺の梵鐘です。

方広寺と言えばとにかく有名なのが「方広寺鐘銘事件(ほうこうじ しょうめいじけん)」。まるで近代の殺人事件のようですがそうではなくて、大坂冬の陣が起こる切掛になったと伝えられる(言いがかり?)、豊臣家に深い関係を持つ事件です。

方広寺の鐘に「国家安康」「君臣豊楽」の文字が彫られているが、これは「家康」という言葉を中央でぶった切り、「豊臣が主君となる」という意味だろうがァ! とゆコトで徳川家から豊臣家が責められに責められ、結果的に大坂冬の陣へと突入する切掛となったと伝えられています。

この問題を起こした方広寺の梵鐘、豊臣秀頼が、亡くなった秀吉の供養にと、1602年(慶長7年)から作らせたものでした。梵鐘自体は1614年(慶長19年)に完成しており、現在も方広寺鐘楼に納められています。

サイズは、高さ3.24m、直径が2.88m、重量が63.74㌧とこれも知恩院梵鐘に匹敵する大きさの重要文化財です。




韓国でも除夜の鐘?33回って本当?

「除夜の鐘」なんて名前だから、日本独自の風習かな? と思ってしまいがちですが、除夜の鐘は現在、中国、韓国でも一部の寺院で行われているようです。

除夜の鐘は韓国語で「チェヤエ チョン」と言い、特にソウルで有名なのは「普信閣(ポシンガッ)」で撞かれる除夜の鐘。日本からも平時はツアーが出たりして、韓国の年越しを楽しむ方もいらっしゃいます。ただ気温はマイナス10度くらいになるそうですよ!!!!!(ヒエッ

普信閣の除夜の鐘は1953年に始まったとされていますが、戦時中1895年に日本が押し進めた「甲午改革」よりも以前は、大晦日に限らず鐘が鳴らされており、日本の革命によって鳴らされなくなったとも伝えられています。日本の植民地となっていた間は、南山に日本風の寺院が建てられ、そこで「除夜の鐘」として年越しの鐘が撞かれました。

第二次世界大戦の終了をもって日本の支配下からは脱したものの、1950年、625動乱から朝鮮戦争が勃発し、韓国がひととおり落ち着いたのが1953年頃。この年から普信閣ではイベントがてら年越しの鐘を鳴らすこととなり、現在ではクラシックの演奏会や、K-POPアイドルのコンサートまでが開かれる、一大年越しイベントに成長しているのです。

ところで、ここで鳴らされる鐘の数は、108ではなく33です。

33というのは、やはり仏教の聖なる数。

仏教で世界の中心とされる山「須弥山(しゅみせん)」の頂上には、帝釈天のお城を囲って三十三の天があると伝えられます。これを忉利天(とうりてん)と呼びますが、その数にちなんで、韓国では年越しのために33度、鐘を撞くそうです。

ところで‥‥除夜の鐘の数、カウント間違えない?どうやって108回数えている?

除夜の鐘は108回も鳴らすことから、下手をすればカウントを間違うこともあり得ます。

しかし除夜の鐘は108回と教理によって定められているので間違いは許されません。

どうやって間違えずにカウントしているのかご存知ですか?

実は、ここで登場してくるのが数珠なんです。

数珠も除夜の鐘と同様に人の煩悩の数とされる108個の珠を連珠にしたものなので、数珠を手持ち1つ突く度に指で1つ送りながらカウントしています

数珠には1つだけ大きい珠が嵌め込まれているのですが、これ、なんのためかご存知ですか?

実は数珠も、繰り返し読み上げるお経をカウントするための役割を担うものだったのです。

もしくは豆を108個用意してカウントするお寺もあるようです。

除夜の鐘の打ち方!「打ち始める時間は決まっている?」(タイミングの話)

除夜の鐘って新年明けてからも、なんだか長時間突かれている印象ってあまりなくはないですか?

近年では参拝者の方々も除夜の鐘突きに参加できるため、なかなかスムーズに行かない部分もあり、時間がかかっていますが、一概にすべてにあてはまるわけではありませんが、概ね除夜の鐘は次のような打ち方を行っています。

  1. まず最初におおむね107回を年内(午前0時を過ぎない時間)につき終えるであろう時間を定めます。
  2. 鐘をつく前とつき終わった後には必ず鐘と正対して合掌礼拝をします。
  3. 次に撞木(しゅもく/長い棒)をにぎります。
  4. 除夜の鐘は煩悩以外にも穢れや邪気(病魔)を祓う意味も込めるので、より遠くに響かせることから大きく撞木を引いて打ちます。
  5. 107回打ったタイミングで一旦、手を止めます。これら107回は旧年を送るための最後の宣命になります。
  6. 午前0時を過ぎたタイミング、つまり新年が明けてから最後の1回を打ち鳴らします。この1発は新年を迎えての最初の警策(きょうさく/座禅で打つ棒)の意味合いがあります。

鐘を打ちながらお経を唱えるのが本来のスタイル?

付け加えると本来、除夜の鐘は人間の煩悩という罪業消滅の意味合いがあることから、鐘をつきながら般若心経や観音経といったお経を唱えながら心清らかに撞木を打ち鳴らすことが基本とされています。

お寺の鐘は除夜の鐘を打つために作られた?

お寺の鐘は梵鐘(ぼんしょう)と言い、本来、時を告げたり、伽藍内(境内)で執り行われる集会などの刻を知らせるために置かれたものです。

ところが中国・唐の時代の禅僧・「百丈懐海(ひゃくじょう えかい/720年〜814年)」が、108回の鐘を打ち始めたところ、これが瞬く間に広まったと言われています。

ところで‥‥撞木(鐘を突く棒)の長さはどれくらいあるの?

以下は東大寺(奈良)の例です。

長さ:4.48m
直径:30cm
重量:180kg(金具含め200kg)

除夜の鐘に対する外国人の反応は…

日本で行われる除夜の鐘は、現在YouTubeなどで配信され、海外の方も年越しの時によく見ているようです。

外国人の方々の間からは

  • きれいだね
  • この音が恋しいなあ……(来日経験のある方でしょうか)
  • すごーい! チョー響くのね!
  • これこそが日本だー!
  • いつか、日本に行きたい!

といったようなコメントが寄せられます。

もちろんこれらの配信は世界中で見られるので、中には

  • 今、寺の裏でめっちゃ酔ってるんだ♪

なんてクレイジーなコメントも寄せられますが、ことは年末年始、人様にご迷惑をおかけしなければ、良いのではないでしょうか……。

1年の計は元旦にあり、などと言うものの、元旦の過ごし方はなにげに前日の夜までにある程度決めておかないと、なかなか思い通りには過ごせないものです。

来年こそいい年にしたい! と思う方、ぜひ除夜の鐘の音で煩悩と厄をコレデモカと墜としながら(駆逐!)、元旦、新年をどう過ごすかに思いを馳せてくださいね。

Writing:陰陽師の末裔/占い師・パワーストーンアドバイザー
あん茉莉安(ホームページ

スポンサードリンク -Sponsored Link-



当サイトの内容には一部、専門性のある掲載があり、これらは信頼できる情報源を複数参照し確かな情報を掲載しているつもりです。万が一、内容に誤りがございましたらお問い合わせにて承っております。また、閲覧者様に予告なく内容を変更することがありますのでご了承下さい。