このページでは二十四節気「立夏」の七十二候・末候における「竹笋生」「王瓜生」の意味・由来・読み方についてご紹介しています。
目次
竹笋生の読み方
竹笋生は「たけのこしょうず」と読みます。
中国では「竹笋」と書く
中国では「竹笋」と書きます。「笋」だけでもタケノコを意味しますが、竹を合わせて「竹笋」とする例がほとんどです。
日本では「筍」や「竹の子」と表記
日本でタケノコを漢字で表記すると一般的に「竹の子」や「筍」で表記されます。
「竹の子」の由来はそのまま「竹の子」として理解できますが、問題は「筍」です。
実は筍の字体については現今に至っても明らかにされていないようですが、一説には「一旬(いっしゅん)=10日間」で、背が伸びて竹に成ることから、「竹」が付されて「筍」になったといわれています。
竹笋生とは?
竹笋生とは、二十四節気の「立夏(りっか)」をさらに3つの節気に分けた「七十二候」の1節です。
72の節気を持つ七十二候においては「第二十一侯(第21番目)」の節気、「末候(まっこう)」にあてられた語句になります。
太陽の黄経は55度を過ぎた地点です。
立夏期間中のその他の七十二候の種類・一覧
初侯:蛙始鳴
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次侯:蚯蚓出
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末侯:竹笋生
竹笋生の意味・由来
日本(略本暦)での解釈
「竹笋生」とは、「タケノコが生えてくる頃」という意味があります。
冒頭でも説明したように「竹笋」で「竹の子(タケノコ)」を意味します。
中国では「笋」と書かずに「竹笋」と書きますが、ここでの竹笋が意味するタケノコとは、日本原産の「真竹」です。
七十二候および二十四節気は、江戸期の改暦と明治期の改暦を経て日本の風土に合わせたものに改訂されていますが、漢字はそのまま中国由来のものを踏襲している例があります。
他にも「竹笋生」が示す竹が、日本の真竹と解釈される理由は、立夏における中国の七十二候が「竹笋生」ではなく、「王瓜生」ということも理由に挙げられます。
真竹は日本が原産の竹とされており、立夏の頃にヒョコッと芽吹き、5月〜6月が旬になります。
ただし、一般的に食材として日本に流通しているタケノコの種類は中国原産の「孟宗竹(モウソウチク)」になります。孟宗竹は、中国江南地方の原産であり、日本では関西〜九州地方にかけて栽培されています。
孟宗竹は3月〜5月が旬を迎えることから、これも真竹とされる理由に挙げられます。
タケノコの栄養価
タケノコは、カリウムを多く含んでいることから、高血圧予防や生活習慣病の予防に期待ができます。
タケノコは初夏の象徴
竹の子は、わずか1週間も経たないうちに1m以上まで成長し、60日ともなれば測ることができないほど、見えあげるくらいの高さにまで成長します。
このような勇ましい成長ぶりを見せる竹の子は「生命力の源」と例えられれ、初夏の象徴とされます。
中国(宣明暦)の立夏の末候・第二十一侯の七十二候は「王瓜生」!
中国における立夏の末候・第二十一侯の七十二候は「竹笋生」ではなく、「王瓜生」と書いて「おうかしょうず」と書かれます。
王瓜生の意味
意味合いは「王瓜(からすうり)の実が生り始める頃」です。
カラスウリは中国が原産の植物であり、日本では本州や四国・九州地方に自生する多年草の植物です。毎年4月〜6月にかけて発芽し、7月〜9月の間の日没後に開花するという風変わりな植物です。
ここでの「実がなり始める頃」という意味は「実生(みしょう)」のことを指します。実生とは「種子から芽生える」ことを意味します。カラスウリには果実が成るのですが、秋口にならないと実が成りません。
竹笋生の日にち(期間)
- 太陽暦:5月16日〜20日頃
- 旧暦:四月節(四月の正節)