「蛙始鳴」「螻蟈鳴」の意味・由来・読み方|【立夏(二十四節気)七十二候・初候】

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このページでは二十四節気「立夏」の七十二候・初候における「蛙始鳴」「螻蟈鳴」の意味・由来・読み方についてご紹介しています。

蛙始鳴の読み方

蛙始鳴は「かわずはじめてなく」と読みます。

蛙と書いて「かわず」と読む理由

蛙と書いて「かわず」と読むのは昔の風潮です。特に短歌や俳句などの歌では蛙と書いて「かわず」と詠みました。麻呂たちが歌詠み会で風流を感じさせるために使用した雅な風潮の1つです。

蛙始鳴とは?

「蛙始鳴」とは、二十四節気の「立夏(りっか)」をさらに3つの節気に分けた「七十二候」の1節です。

72の節気を持つ七十二候においては「第十九侯(第19番目)」の節気、「初候(しょこう)」にあてられた語句になります。

太陽の黄経は45度を過ぎた地点です。

立夏期間中のその他の七十二候の種類・一覧

初侯:蛙始鳴
侯:蚯蚓出
末侯:竹笋生




蛙始鳴の意味・由来

日本(略本暦)での解釈

蛙始鳴」とは、「蛙が鳴き始める頃」という意味があります。

日本には古来、雨蛙(アマガエル)や山雨蛙が水田に住んでいます。

アマガエルは5月〜7月が繁殖期になりますので、この時期に水田に行くと見かけることができます。

蛙はなぜ鳴く?

5月〜7月くらいの夜、水田に行くと「うるさいいんじゃぃ!このアホが!!」‥などと叫んでしまうぐらい蛙の大合唱を耳にします。

幼少の頃より蛙は身近な存在なので、わざわざ蛙が鳴く理由まで考えない方がほとんどかもしれませんが、実は鳴いている蛙はオスなんです。

もうお分かりの方もいると思いますが、蛙が鳴くのは求愛しているからなんです。

なんでもゲロゲロと小賢しく鳴くことによってメスに自分がここにいる!ということをアピールしているのです。

蛙の一生

蛙は4月頃に冬眠から醒めて、5月の立夏を迎える頃、水田に現れて産卵します。(統計上の産卵時期は4月〜6月でピークが5月~6月)

やがて卵は孵化し、子供が大好きなオジャマタクシになり‥オタマジャクシ!になります。メイちゃんか

ちなみに「オタマジャクシ」の名前の由来はご存知の通り、調理道具の「玉杓子」に形状が似ているからです。オタマジャクシから蛙になるまでの期間はわずか約2ヶ月。(アマガエルの例)

成体になってからは土の中や落ち葉の下で冬眠して春を待ちます。‥というような流れが蛙の一生ザマす。オホ

日本の蛙は減少しつつある

現今の日本は都市開発や土地の有効利用が進み、さらに少子高齢化により、農業を継承していく人口が減少し、水田が減ってきています。

この煽りを受けて蛙たちの産卵場所がなくなってきています。

このまま行けば日本で蛙の大合唱を聞くことができなくなる日も到来するかもしれません。

中国(宣明暦)の立夏の初候・第十九侯の七十二候は「螻蟈鳴」!

中国における立夏の初候・第十九侯の七十二候は「蛙始鳴」ではなく、「螻蟈鳴」と書いて「ろうこくなく」と書かれます。

螻蟈鳴の意味

意味合いは「螻蟈(ろうかく/蛙)が鳴き始める時期」になります。螻蟈(ろうかく)とは、蛙の別名であり、古称になります。

「螻蟈(ろうこく)」の意味

「螻蟈(ろうこく)」とは、「蛙」のことを意味すると考えられています。

この説について、清時代の歴史学者「朱右曾」によれば「螻蟈,蛙之屬。蛙鳴始於二月,立夏而鳴者,其形較小,其色褐黑,好聚淺水而鳴。”把螻蟈歸為蛙之屬」と書き記しています。

日本語に訳すと「2月頃に鳴き始める蛙もいるのも事実だが、立夏に鳴き始める蛙は浅瀬に棲息するコゲ茶色の小さな蛙である」としています。

中国は広大ですが、一部の地域ではこの時期に早稲の田植え時期を迎えます。田んぼでは蛙が鳴き始め、初夏の到来を告げます。

余談ですが、中国は広大な土地を活かした農耕政策により、じつに全世界の約40%もの米の生産量を誇ります。

夏時期の中国の田んぼ‥さぞかしウルサいんでしょうね。蛙の大合唱です。

昆虫のケラを意味するという説もある!

一説には螻蟈の漢字に「螻(けら)」という字が付されることから昆虫の「ケラ」を意味するとも考えられています。

ケラは地中に棲息する昆虫であり、初夏になるとオスのケラが「ジぃぃ〜」と鳴き声を出します。ケラは鳴き声を出すことやコオロギに姿形が似ていることからコオロギ類に分類されており、湿地帯を好むことから適度な湿気をを含んだ田んぼで見かけることが多い生き物です。

蛙始鳴の日にち(期間)

  • 太陽暦:5月11日〜15日頃
  • 旧暦:四月節(四月の正節)

二十四節気と七十二候について

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