初夏も過ぎた頃、いよいよ夏本番を迎える時期になり、日本では梅雨に入ります。別名で「入梅」とも呼ばれるこの梅雨時期を司る二十四節気こそが「芒種」です。
芒種は穀雨と重なる恵みの降雨の季節です。芒種の雨が穀雨の雨と異なるのは、梅雨という長雨が降り続く日が幾日も続きます。
これから夏本番を迎えるに前に長雨の恵みによって大地は水分を充分に蓄え、日照りが続く夏本番に備えます。言い換えると一夏を越すための大切な準備期間とも言えます。
以下では、この「芒種」期間中に使用される代表的な季語を一覧形式で
ご紹介しています。
芒種で使用される有名な季語一覧
「入梅」「蛍狩」「梅雨」「田植時」「半夏生」「仲夏」
これらは仲夏を意味する代表的な季語です。それと忘れていけないのが、「芒種」「仲夏」そのものが季語だということです。ウフ
「入梅(にゅうばい)」
意味:梅雨入りする頃合いを入梅という。雑節にも集録されている。
「蛍狩り」
意味:蛍狩りとは、蛍を捕獲するのではなく、蛍を鑑賞すること。紅葉狩りと同形態の意味を成す。
「梅雨」
意味:梅雨とは、梅が成熟する頃に降る長雨ということで「梅雨」という。もしくは長雨が梅を成熟させるという意味合いで梅雨とも。
「五月雨(さみだれ)」
意味:旧暦五月(陽暦の6月)に降る長雨のこと。すなわち「梅雨」とほぼ同義。皐月雨と書いて「さみだれ」といも言う。
「田植時」
意味:田植え時を迎える言葉。田植えは本州では5月〜6月が頃合い。東北地方から北側では4月〜5月。
昨今の田畑では二毛作の農法が確立されており、稲以外にも麦を植えている。麦秋という言葉があるが、一般的にこれはちょうど芒種に入った頃の田んぼの状態を示す。
麦を刈り取って、空いた田んぼに田植えを行う。田植えは苗代で育った稲を田んぼへ移して行う。
「白夜(びゃくや)」
意味:白夜とは、北極圏及び南極圏で見られる現象の1つであり、真夜中になっても太陽が完全に沈むことがなく、薄明状態になっている現象のこと。
北極圏では6月下旬前後、南極圏付近では12月下旬前後に起こる。
「半夏生(はんげしょう)」
意味:「半夏」とは、植物の「烏柄勺(からすびしゃく)」のこと。半夏生とは、季語になっているが雑節の1つに集録されている。
「仲夏(ちゅうか)」
意味:「中夏」とも書く、意味は「夏半ば」。陰暦5月の異称でもある。
「空梅雨(からつゆ)」
意味:梅雨時期に梅雨が来ないことを空梅雨という。
「薄暑(はくしょ)」
意味:薄暑と書いて「少し暑さを肌身に覚える」などの意味合いをもつ。晩秋から春先まで汗をかかなかった季節から、急に暑さ増してきたのですぐに接吻して‥あイヤイヤ発汗!!してしまう。いよいよハンカチ‥じゃなくタオルの用意〜!的な事態にまで追い込まれる日も出てくる。
「梅雨寒(つゆざむ)」
意味:「薄暑」とは言いつつも、その一方で梅雨時期は陽の光が射さないことから時に季節はずれの寒さを感じることもある。
リラ冷え
北海道には「リラ冷え」という方言じみた言葉がある。「リラ冷え」の言葉の由来は「リラ」という植物のこと。
リラはライラックの別名、もしくは略称であり、ちょうどリラ(ライラック)が咲き乱れる頃、急激に気温が下がり冷え込む日々が続くことから「リラ冷え」と呼ばれている。
このリラ冷えが起こる頃の札幌の気温は平均20度前後。それがリラ冷えが起こると急激に10度台にダダ下がる。
リラ冷えが起こる原因は、水温の低いオホーツク海上に北東からの冷たい風が吹くことによる。
この風がいわゆるオホーツク海高気圧の主要構成要素の1つであり、北からの太平洋高気圧と衝突して梅雨前線が発生する。
発生時期には、おおむね5月中旬~6月上旬頃。
麦の秋
意味:上述したように「麦秋(ばくしゅん)」とも呼ばれる。江戸時代後期の著名な俳人・小林一茶が詠んだこんな句が残されている。
『麦秋や 子を負ひながら いはし(鰯/イワシ)売り』
意味は、赤子を背負ったイワシ売りの行商人であるオカン(母)が麦畑のあぜ道を歩く姿を見て、それを初夏の情景として詠んだもの。
麦嵐(麦の秋風・麦の風)
黄金色の麦畑を吹き抜けてゆく爽やかな風を「麦嵐」もしくは「麦の秋風」単に「麦の風」とも言う。陰暦4月頃に吹く風全般のことをこう呼ぶ。
また、このような風が吹く時に麦をなびかせることから、その様子を見て「麦の波」とも表現される。
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