お題目(御首題)とは❓御朱印との違いを‥‥‥ワラビ餅を食べながら知るつもり❓

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◉御首題とは❓

「御首題」とは「ごしゅだい」と読み、早い話が日蓮宗徒に向けて頒布する御朱印の事を云ぅ。日蓮宗の間では「首題」に「御」を付して敬称で「御首題」と呼びならわす。

ちなみに「首題」の意味を現代風に訳すと詩文や電子メールなどに付す「タイトル」を意味する。

御首題は日蓮宗徒が全国の日蓮宗の寺院(日蓮正宗などは除く)を参拝した時に、寺から信徒に向けて特別に頒布する御朱印になる。

それがゆえ、御朱印のように書かれる内容(文言)を変則的に変えて頒布するのではなく、あくまでも宗徒に向けた御朱印なるので、全国津々浦々、いずれの日蓮宗派の寺院へ参拝しても概ね墨書きされる文言(文字)は「南無妙法蓮華経」の7文字(=お題目)に統一される。

これがまず御朱印と御首題の大きな違いともなる。

◉お題目とは❓

上記、「南無妙法蓮華経」のことを日蓮宗では「お題目(おだいもく)」とも称する。

日蓮宗はじめとした法華経の宗教団体では、勤行(毎日のお勤め)の際に「南無妙法蓮華経」と唱えるが、唱えることを「唱題」と言い、また、勤行のことを「唱題行(しょうだいぎょう)」と呼ぶ。

祖師・日蓮いわく、法蓮華経のお題目を唱えた時、三千余数にもおよぶ真実の世界と、法華経の無量の功徳が心に表れるとし、題目を唱えることによって、その身のまま成仏できると説く。

本意は「題名(だいめい)」を意味し、法華経の経典に説かれる「妙法蓮華経」の五字のことを指すが、現在では「南無(帰依)」の文言を交えて「南無妙法蓮華経」とし、これを「題目」とも呼ぶ。

「南無妙法蓮華経」とは❓

「南無妙法蓮華経」とは、「わたくしは(法華経=釈尊の教えに)帰依します」の意味があり、その短称が「法華経」になる。

これは宗祖である日蓮聖人が身の内に宿した根本的理念であり、『一切の衆生には産まれながらにして仏性(仏になれる素質)が備わるがゆえ、平等に接することを忘れてはならない。』とし、すべての仏性(仏)に感謝の意を表する意味で手を合わせる‥などの教えが込められた言葉ともなる。

「南無」の意味

「南無(なむ)」は前述したように「帰依(きえ)=信仰すること。」を意味する。

「妙法」の意味

「妙法(みょうほう)」とは日蓮宗が模範とする法華経そのものの存在を意味する。

「蓮華経」の意味

蓮華の在り様を例えた経(経典)。

仏の大悲(大いなる慈悲心)は「深遠微妙(じんのんみみょう)」とも説かれるが、これは仏の果てなき智慧や慈悲(深遠)、そこから派生する悟りの境地へ至るための困難さ(微妙)を示した言葉でもあり、要約すると「仏(仏陀)になるのは簡単ではないが、南無妙法蓮華経(お題目)を唱え続けることによってなれないことはない」のような一言になる。

その仏になるため(仏性を覚醒させるため)の教えを説いたものが法華経の経典になる。

法華経の経典をはじめ、仏教の経典には「微妙(仏教では”ミミョウ”を発音する)」という言葉が散見されるが、これは人の智慧では到底、理解し得ない不思議しぎしぎ摩訶不思議な世界のことを指す言葉でもある。




別名で「髭題目」「跳題目」とも呼ばれる

全国津々浦々、おおむね日蓮宗のお寺ではお題目を書く際、教義の一環で文字の先を跳ね上げて書く。

その跳ね方はまるでワンピースに登場する白ヒゲ海賊団のキャプテン「白ヒゲ」のヒゲのように文字の先を尖らす。

 

 

概ね「法」以外の6文字(南無妙○蓮華経)の字体の先をヒゲのように延ばし、時に跳ねることから、「髭題目(ひげだいもく)」「跳題目(はねだいもく)」などと呼ばれる。

【参考その1】妙本寺(鎌倉)の御首題

【参考その1】日限祖師・本覚寺(松が谷)の御首題

各々を見比べてみると、文言は同じでも字体の跳ね方に特徴や性格、心情が現れているようで、別の楽しみ方もできるなど、ありがたみを感じることもできる。

文字を跳ねて延ばして書く理由とは❓

「法」以外の文字を延ばしたり、跳ね上げたりする理由は、「法の光に照らされた万物たちが真理を体得し躍動するさま」を表わしたものとされる。

御首題の起源や誕生した理由(役割)とは❓

文献上に見るかぎり、御首題は御朱印とは少しニュアンスが異なり、日蓮信徒の間でのみで交わされていた御朱印とみられ、当該寺院へ参拝した時にその証としていただいていたとされる。(御朱印は納経の証としていただけた公的な側面が強かった)

御首題の起源は現代に至ってまで判然としない‥‥とされているが、昭和初期には現在の「南妙法蓮華経」と墨書きする定型が成立していたとみられ、様々な文化が生まれた江戸時代を中心に広まったと考えられる。(江戸時代の文献を参照すると寺号(寺の名前)を帳面に書いていた模様)

御朱印と御首題の違い

昨今の日蓮宗では御朱印も授与している例が散見される。

値段の根本が異なる

  • 御首題の値段は志納としている寺院が多い
  • 御朱印は概ね300円。(昨今、500円のところも増えてきている)

種類

  • 御首題には御朱印のような種類がない(基本「南無妙法蓮華経」のみ)
  • 御朱印は中央の墨書きや構図(デザイン)にバリエーションがある

書き方

  • 御首題は特徴的かつ豪快な筆さばきを行ぃ、教義によって特徴的な字体に仕上げる(髭文字・跳文字)
  • 御朱印には書き方の定型がなぅぃ。
  • 京都の野宮神社など御朱印・御首題ともに印判だけの押印で完結する寺社もある。
  • 完成させたオリジナルの御朱印or御首題を焼き増し(印刷)して、その用紙を頒布する寺社もある。

書いていただく時間

  • 御首題は法華経の経典の文言(南無妙法蓮華経)を書くので文字数が多く、字体が特徴的であることからその分、時間がかかる。
  • 御朱印も凝った構図(デザイン)のものは時間がかかるが御首題の比ではない。

帳面

  • 御朱印は御朱印帳を購入して書いてもらぅ。
  • 御首題には「御首題帳」というものがある。御首題帳は市販されている御朱印帳を購入してそれを御首題帳とすることも可能。
  • 本山格などの大規模寺院では御首題帳の販売がある。
  • 日蓮宗寺院の中には御首題帳がなければ御首題をいただけない寺院も散見されるが、最近は御朱印ブームの背景もあり御朱印帳にお書きいただける寺院も増えてきている。

郵送対応

  • 御首題には根本的に郵送という概念がない。日蓮宗徒が参拝してもらぅ証となるもの。
  • 昨今のコロナ禍の影響からか、御朱印は郵送対応している寺社も散見される。(御首題も郵送対応されているところが僅かながらある)




お題目(御首題)を御朱印帳にいただけるのか❓

お題目(御首題)は日蓮宗徒のみに授与している御朱印になるので、原則、御首題を集めるためだけの御朱印帳(”御首題帳”と称する)を用意する必要がある。

ただ、昨今の日蓮宗寺院(日蓮正宗を除く)は教義でもある「敬いの心で安穏な社会づくり、人づくり」のほか、お題目を広める一環で御朱印帳をお出しても御首題も書いていただけるところが多い。

例えば、鎌倉の妙本寺では御朱印帳にお題目をいただけるが、近隣にある”ぼたもち寺(常栄寺)”では御首題帳を作って持参して欲しい旨の指摘を受ける。

御首題をもらう際の服装や特別に必要もの

‥‥特にない。

普段、神社やお寺へ参拝する服装で充分。お遍路巡拝者が身につける輪袈裟(わげさ)や白衣などはいらない。

ただ、ラメ系のギラギラとした派手な服装を代表例とし、寺社へ参拝するに相応しくない服装は控えた方が無難。ヒールも。

できれば御首題帳を1冊作って持参するのが無難。

すべての日蓮宗寺院で御首題をいただけるわけではない

日蓮宗系の寺院は種類があり、中でも「日蓮正宗」に属する日蓮宗寺院では御首題や御朱印を受付ていない‥‥というよりは浄土真宗のように「御朱印を授ける」という概念をもたないケースが多ぃ。(浄土真宗でも浅草の東本願寺など僅かに授与しているところもあるが御朱印ではなく「巡拝印」などと名称を変えている。)

英勝寺(鎌倉)付近の「護国寺」や、本行寺(東京墨田区)などの日蓮正宗の寺院では御首題や御朱印を授けるという概念がない。(入信の勧誘を受ける場合もあるので注意)

以上、日蓮宗の寺院を巡る場合は宗派を確認する必要がある。

見分け方としては、日蓮正宗系の寺院は鉄筋・鉄骨コンクリート造りを用いた近代的なビルのイメージがある。

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