厄払い(厄除け祈願)は神社とお寺のどちらでをしても構わないとされています。
しかし、神社は神様を祀っているのに対して、お寺は仏様を祀っています。
はたして、神社とお寺の厄払いは何が違うのでしょうか?
以下ではこの謎に迫ってみたいと思います。
神社の厄年のお祓いの内容
神社では、神道にのっとった祈祷の儀式で厄祓いが行われます。
最初に、神社の本殿で、宮司の方や神職の方が祓詞(はらえことば)という神様とお祓いする人の縁を取り持つために神事の最初に読まれる言葉を奏上します。
その後、修祓(しゅばつ)と言われる儀式があり、祓い串(はらいぐし)を振って、祝詞を読み上げます。
払い串が降られている時は、頭を下げて祝詞に耳を傾けます。
最後に宮司や神職の指示に従ってお榊を捧げます。
厳かで神聖な雰囲気の中で厄祓いを受けることが出来ます。
お祓いの流れ
1、予約をする
神社にお祓いの電話予約をしましょう。
予約の必要がない場所もありますが、希望の日時にできるかどうか、事前に確認すると安心です。
2、鳥居で一礼して、手水舎で手と口を清める
神社の鳥居をくぐる前に一礼します。
それから、神社の入り口にある手水舎で手と口を清めます。
3、社務所へ行って受付をする
社務所へ行って受付をしましょう。
お祓いをする方の名前や住所、生年月日、祈願内容を書きます。
その後、お祓いの初穂料(玉串料)を支払います。
4、本殿に行きお祓い
宮司や神職の方の祝詞を聞き、お榊を捧げます。
5、授与物を頂きます。
お祓いが終了したら、宮司や神職の方にお礼を言います。
その後、御守りやお神酒(おみき)などを頂いて帰ります。
お寺の厄年のお祓いの内容
お寺の中でも、密教系と呼ばれる真言宗、天台宗のお寺が厄除けにご利益があるとされていて、真言宗の寺院には、不動明王や弘法大師がお祀りされています。
このようなお寺で行われるのが、「護摩祈祷(ごまきとう)」です。
護摩祈祷は、それぞれの宗派における秘法とされています。人々を高い精神的境地に導き出すことで、仏に近づくという修行法として行われてきました。
薪を人間の煩悩に見立て、大道師が点火し、煩悩を焼き清めます。
清められた祈りは良い願いとなって、火に託され、ご本尊に届けられることで願いが叶うのです。
煩悩を焼き尽くすことが目的とされるので、御護摩札と呼ばれる、ご本尊の分身が渡されます。
護摩札は、願いが叶うように精進する誓いの証です。
儀式のなかには、祈祷を受ける人が焚かれた火の近くに寄って、1人1人祈りを捧げて清めてもらえる場所もあります。
お祓いの流れ
1、予約をする
お寺によっては、予約制ではなく、事前に決められた護摩祈祷の時間に合わせてお参りする形式もあります。
事前に確認したほうが良いでしょう。
2、山門に一礼をして、手水舎で手と口を清める
山門に一礼をしてから、入り口付近にある手水舎で手と口を清めます。
3、受付をします。
受付で厄除けをしたい人の、名前、住所、生年月日、祈願内容を書きます。
その後、厄除けの料金を支払います。
4、本堂に入り厄除け祈願
本堂に入り、僧侶の入場を待ちます。
僧侶は入場後に、お経を読みます。
読経をしながら、本堂中央で僧侶が護摩に火をつけます。
その炎を見ながら参列者も唱題します。
5、御護摩札を頂きます。
読経が終わると、護摩祈祷が終了し、御護摩札を授与されます。
厄年のお祓いをする神社・お寺の選び方
どこの神社や寺ではなくてはいけないことはありません。
例えば、京都にある、陰陽師として名高い、安倍晴明ゆかりの清明神社には、「厄除桃」があります。
古来中国で桃は、魔除厄除けの果物と言われいます。
古事記や日本書紀などでも魔物を追い払う様が描かれていますし、昔ばなしの「桃太郎」もこのことに由来するものです。
厄の方のみならず、この桃に撫で付けると災厄が除かれると言われています。
このような「厄」に縁のある神社やお寺も良いですが、厄祓いを行っていただけるところでしたらどこでも大丈夫です。
中には、いつも自分を見守って下さる地元の氏神様にお願いするという考え方もあるようです。
もちろん近くの小さな神社やお寺でも問題ありませんが、ここでは、「日本三大厄神」と呼ばれる厄除けの神様をお祀りしている場所をご紹介します。
ちなみに「厄神(やくじん)」とは、災厄をもたらす悪神であり、厄除けの神とされています。
悪い神様なの?厄除けの神様なの?と不思議に思いますが、色々な方の厄を一身に受けて下さる神様、ということのようです。
厄祓いと言えば、ココ!日本三大厄神
門戸厄神 東光寺(兵庫)
1年を通して厄祓いを受けることが出来ます。
あらゆる災厄を打ち払うとされる厄神明王がお祀りされています。
石清水八幡宮(京都府)
平安時代から、歴史上重要な出来事が起こるたびに朝廷より祈願があった、由緒あるお宮です。
災厄を除ける神様として広く知れ渡り、毎年多くの人が参拝します。
丹生都比売神社(和歌山県)
天野明神とも言われ、1700年以上前から鎮座される神社です。
すべての災厄を祓う神として広く崇敬されています。
まとめ
厄年のことを書くと怖くなってきてしまいますが、厄年を人生の節目であり、チャンスの時と考える方もいるようです。
人生の転機が訪れる時期であり、身体にも変化があるこの時期に、気をつけて日々過ごすことはとてもいいことです。
車の運転も、急な曲がり角では、気をつけてスピードを落とさないと、思いもよらない事故になることがあります。
怖がらずに、きちんと厄祓いを受けて、いい1年にしましょう。
皆さんが、「きちんと厄払いをしたから、大事に至らずに厄年を過ごせたね」と笑い合えることを願っています。
Writing:YUKIKO-加藤