【2024年】の土用の丑の日はいつ?意味や由来(起源)・食べ物について

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夏になると、スーパーやテレビなどで「本日は土用の丑の日」というワードを耳にするかもしれません。

なんとなく、「鰻(うなぎ)を食べなくては!」という気になりますが、そもそも、「土用の丑の日」ってなんなかご存知ですか?

今回は「土用の丑の日」が何か?という基本的な疑問や、「土用の丑の日」はいつなのか?その語源は?そして、ウナギを食べる意味や由来、美味しい鰻の食べ方まで、色々な雑学をお伝えします。

せっかく高価な鰻を食べるのですから、食べる理由や意味を理解して、有難くいただきましょう!

目次




2024年の夏の土用の丑の日っていつ?

一の丑が7月24日(水)!!

二の丑が8月5日(月)!!

このように夏の土用の丑の日が2回ある場合は、区別するために最初(1回目)の土用の丑の日を「一の丑」、2回目の土用の丑の日を「二の丑」と呼ぶ。

直近で夏の土用の丑の日が2回あった年は2022年の、7月23日、8月4日の2回。

プラス思考で考えまくると、夏の土用の丑の日が2回あるということは、鰻を食べるきっかけが2回できるともいうもの。ただ、財布が軽くなるのも早まる‥‥ウッホホうきゃ….シクシク泣36

2028年度までの夏の土用の期間と夏の土用の丑の日

西暦年(元号年)土用の期間夏の土用一の丑夏の土用二の丑
2020年
(令和2年)
7月19日~8月6日7月21日8月2日
2021年
(令和3年)
7月19日~8月6日7月28日
2022年
(令和4年)
7月20日~8月6日7月23日8月4日
2023年
(令和5年)
7月20日~8月7日7月30日
2024年
(令和6年)
7月19日~8月6日7月24日8月5日
2025年
(令和7年)
7月19日~8月6日7月19日7月31日
2026年
(令和8年)
7月20日~8月6日7月26日
2027年
(令和9年)
7月19日~8月7日7月21日8月2日
2028年
(令和10年)
7月19日~8月6日7月27日

土用の丑の日って春夏秋冬あるの⁈

「土用」というのは立春、立夏、立秋、立冬前の各18日間(または19日間)を指します。

そのため、年に4回訪れます。

その中でも特に有名な土用が「夏の土用」というわけです。

では、具体的に今年の「土用の丑の日」はいつでしょうか?

以下に年間の土用の丑の日を一覧表形式にまとめてい‥‥‥申す。ギャホェっ

2024年度の土用の丑の日一覧

年度土用の丑の日【年間】
2025年1月20日、2月1日、4月26日、7月19日、7月31日、10月23日、11月4日
2024年1月26日、4月19日、5月1日、7月24日、8月5日、10月28日
2023年1月19日、1月31日、4月25日、7月30日、10月22日、11月3日
2022年1月24日、4月18日、4月30日(二の丑)、7月23日、8月4日(二の丑)、10月27日
2021年1月17日、1月29日、4月23日、7月28日、10月20日、11月1日
2020年1月23日、4月16日、4月28日(二の丑)、7月21日、8月2日(二の丑)、10月25日、11月6日
2019年1月28日、4月22日、5月4日、7月27日、10月31日

土用の期間て何?

「土用」の期間は、土の気が最も盛んなとき

季節の変わり目とされる、土用の期間は、中国で考える「木、火、土、金、水」の五大元素のうち、「土」の気が最も盛んなときです。

そのため、土の気を損なわないために、昔はさまざまな禁忌や風習がありました。

特に、夏の土用は、梅雨明けと重なることが多いために重要視されていて、土用といえば「夏の土用」を指すことが多くなりました。

土用の丑の日の読み方

土用の丑の日は「どようのうしのひ」と読みます。

土用の丑の日を英語でなんて言うの?

土用の丑の日は、英語だとthe Midsummer Day of the Oxと言います。

日本語に訳してみると、「丑(牛)の真夏日」となります。
また、「暑中や盛夏の時期」を指す「dog days」を使った

the dog days of summerという言い方もあります。

「土用の丑の日」ってなに?

そもそも、「土用の丑の日」がなんなのか、確認しておきましょう。

字からも読み取れるように、「土用の丑の日」は「土用」と「丑の日」が合わさり出来た言葉なので、以下では「土用」と「丑の日」とに分けてその語源や意味・由来を解説しています。

「土用」って何?「土用の語源や意味・由来」

「土用」とは、「季節の変わり目」のこと

「土用(どよう)」は、「土旺用事(どおうようじ)」が由来となっている言葉で、「どおう」が訛って「どよう」となったとされています。

この「土用用事」は、中国に古くから伝わる陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)から来ている言葉です。

五行説の考え方では、世の中は、木・火・土・金・水から構成されていて、この5つの要素が影響を及ぼし合い、循環しているとされています。

木・火・土・金・水には、それぞれ、四季にあてはられ、春は「木」、夏は「火」、秋は「金」、冬は「水」になります。

そこで残った、「土」を季節の狭間にあてはめたものが「土用」です。

「土用」は、立春・立夏・立秋・立冬前の約18日間(または19日間)にあてはめられています。

暦にある「土用」とある日は、正確には、土用の入りの日であり、18日間の季節の間の時が過ぎると、次の日から季節が変わります。

つまり、古い季節が終わって、新しい季節が始まる「季節の変わり目」のことを指すのです。

そのため、春の「土用」が終わった翌日が立夏、夏の「土用」が終わった翌日が立秋、秋の「土用」が終わった翌日が立冬、冬の「土用」が終わった翌日が立春となるわけです。

この季節の変わり目は、それぞれの季節でもっとも「気」が盛んな時とも言われていて、「土旺用事」も、命を育み、命が還ってゆく「土」が、最も盛んに働く期間のことを指しています。

「丑の日」ってなに?「丑の日の語源や意味・由来」

「丑の日」とは、「土用」の期間中に、十二支で割り振って、あてはまった丑にあたる日のこと

それでは、次に「丑の日」について詳しく見てみましょう。

「丑の日」にも、古代中国で考えられた12の周期を表す十二支が関係しています。

古代中国では、時や月は12を基準とする方式をとっていました。

その12を表していたのが、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥です。

「丑の日」とは、「土用」の期間を、十二支、つまり12で割り振って、割り当てられた丑にあたる日のことを呼びます。

そのため、「土用」の期間中の丑の日は、年に平均6.09日あり、特に夏の土用は、年に1日か2日(平均1.57日)あります。

2日ある場合には、初めの夏の土用の丑の日を「一の丑」、次の夏の土用の丑の日を「二の丑」と言います。

「丑」はなぜ「牛」と書かないの?「”丑”の漢字の成り立ち」を簡単に解説!

十二支と言えば、年賀状に登場する動物を思い浮かべますが、元々は、数を数えるための記号で、動物とは無関係でした。

色々な人々が、理解しやすく、覚えやすいようにと、文字にわかりやすい動物をあてはめたのです。

ちなみに、「丑三ツ刻(うしみつどき)」とは、丑の刻を指し、午前2時を軸として、前後約2時間(午前1時頃~午前3時頃)を、さらに4等分した3番目ということになり、つまり、午前2時頃~午前2時半頃を指します。

「丑」という漢字の成り立ちは、手の指を曲げて物を握る様子を表した象形文字です。

そのため、掴む、からむという意味があります。

現在でも、「紐」などの漢字に「丑」の字が使われているのはここからきています。

土用の丑の日に鰻(ウナギ)を食べる意味とは?

夏の土用の丑の日と言えば、鰻(ウナギ)です。

「土用鰻(どよううなぎ)」は、晩夏の季語にもなっています。

それでは、土用の丑の日にウナギを食べるようになった歴史や意味、由来を探りましょう。

二重の「最凶」を乗り切るため

現在までの説としては一般的に江戸時代の天才発明家「平賀源内」が起源という説が広く知られていますが、実のところ、夏の土用の丑の日にウナギを食べる理由は暦上からも浮き彫りになってくるのです。

夏の土用の丑の日を十二直(じゅうにちょく)で示した場合、必ず「破」となる凶日にあることが分かります。

一般的に土用期間は忌むべき期間ということで、言い換えれば「凶」。つまり、「土用+破」という二重の凶という「最凶」の意味合いを持つことになりますが、これに対して夏バテに効果的とされる栄養価の高いウナギを食べることによって一夏を乗り切ろうとしたという説です。

五行説の教学によるもの

五行説の教学によると、五行説の五色では水気を示す色に「黒色」に割り当てており、また「水剋火(すいこくか)」においては『水は火を消し止める。』と説いています。

これらが意味するところは、『水気=水中の魚の色=黒色』を意味するものでもあります。

すなわち、『水中の黒い魚=ウナギ』を食べることによって、火気を意味する「夏」の暑さを抑制するという効果が得られることになり、このような理由からウナギが食べるようになったとされる説もあります。

土用の丑の日に鰻(ウナギ)を食べるようになった歴史

ウナギを実際に食べるようになったのは、江戸時代と言われています。

ですが、ウナギが栄養豊富な食材であるということは、すでに早くから知られていたようです。

『万葉集』で大伴家持(おおとものやかもち)も、「石麻呂(いしまろ)にわれ申す 夏痩せによしといふものそむなき取り召せ」と読んでいます。

この和歌は、痩せこけた知人の夏痩せ防止に、大伴家持がウナギを勧める歌で、現代語に訳すと、「石麻呂に私は申し上げたい。夏痩せによいというものです 鰻を取って召し上がりなさい」となります。

この和歌に出てくる、「むなき」がウナギのことで、「武奈伎(ムナキ)」、「牟奈伎(ムナキ)」と書かれ呼ばれていました。

つまり、古くは奈良時代にも食されてて、平安時代末期になるとやっと「鰻(うなぎ)」として、広く食べられるようになりました。

初めは、塩で味付けしていたようですが、室町時代の末頃に蒲焼の方法が生み出されます。

近江の宇治川(現代の京都府宇治市)産のウナギを丸のまま焼いて、酒と醤油で味をつけ、山椒味噌などを付けて出されたのを「宇治丸」と呼びました。

その「宇治丸」の形が、蒲(がま)の穂に似ているところから「蒲焼」と呼ばれるようになったのです。

その後、関西の料理だった鰻料理が、江戸に入ったことから、「土用鰻」の風習は広がりを見せました。

土用の丑の日に鰻(ウナギ)を食べるようになった由来

実は、ウナギの旬は冬なんです。

では、どうして、夏場の「土用の丑の日」に、鰻を食べるようになった習慣が根付いたのでしょうか?

土用の丑の日にウナギを食べる由来には、色々な説があります。

「土用の丑の日」に、鰻を食べるようになった由来の説は色々ある

・平賀源内説

・大田蜀山人説

・春木屋善兵衛説

・丑の字がウナギに見える説

どの説も、明らかになっておらず、元々は、ウナギを食べるのは丑の日ではなくとも良かった

平賀源内(ひらがげんない)説

最も知られているのは、平賀源内の話です。

平賀源内は、医者や発明家など、多彩な才能を持つ江戸時代の有名人でした。

そんな、平賀源内は、知人から、「夏に売れないウナギを売る方法はないか」と相談を持ちかけられます。

そこで、平賀源内は、「丑の日に『う』のつくものを食べると夏負けしない」という、民間伝承を思い出し、「本日丑の日」と書いて、鰻屋の店先に貼ることを勧めました。

また、平賀源内は「土用の丑の日に『う』のつくウナギを食べると身体に良い」とい意味の宣伝文句も作りました。

すると、物知りとして有名な、平賀源内の言うことであれば間違いないと人々に広がり、鰻屋は大繁盛します。

この鰻屋の大盛況を見た、他の鰻屋も「本日丑の日」と書いた書を貼ることを真似るようになったことから、土用の丑の日に鰻を食べる風習が定着したと言われています。

平賀源内は、土用の丑の日にウナギだけでなく、「う」のつく食べ物を他にも流行らせようとしていたという説もあるようです

大田蜀山人(おおたしょくさんじん)説

この説は、江戸後期の狂歌師(きょうかし:狂歌を詠み、教えることをする人)であり、戯作者である大田蜀山人、またの名を大田南畝(おおたなんぽ)が主人公です。

大田蜀山人は、「神田川」という鰻屋に頼まれて、「土用の丑の日に、鰻を食べたら病気にならない」という意味の狂歌を作って歌ったため、ウナギを土用の丑の日に食べることが定着したという説です。

春木屋善兵衛(はるきやぜんべえ)説

春木屋善兵衛の説は2つあります。

文政年間(1818年~1831年)に、東京の神田泉橋通りにある鰻屋「春木屋善兵衛」のところに、大名から大量の蒲焼が注文されます。

その際、「子の日」、「丑の日」、「寅の日」の三日間にわたり、ウナギを作って保存しておいたところ、「丑の日」に作ったものだけが悪くなっていなかったからという説

また、春木屋善兵衛が鰻屋が暑中の栄養食として売り出したのがはじまりだという説です。

丑が鰻二匹に見える説

ひらがなで墨汁を使い、毛筆で書いた「うし」という文字が、2匹のウナギのように見えたからという説。

 

どの説も、明らかになっていませんが、もともとウナギを食べるのは丑の日ではなくとも良かったのです。




土用の丑の日に鰻(ウナギ)を食べる意味

日本の蒸し暑い夏は、食欲も低下し、体力も弱ってくる時期です。

そんな時、栄養豊富であるウナギを食べることは理にかなっていると言えるでしょう。

では、どのような栄養があるのでしょうか?

ウナギに含まれている、身体に良いとされる栄養は沢山あります。

ビタミンA

目の働きを良くすると言われているビタミンAは、うなぎ1匹で成人が1日で必要とする量を充分に満たしているほど多く含まれています。

ビタミンB1やB2

疲労回復効果や、口内炎、髪、爪、皮膚などを健康に保つといわれ、美肌や美容に効果があるとされています。

ビタミンD

骨や歯にカルシウムを取り込むのに必要な栄養素といわれています。

うなぎには、カルシウムも豊富なので健康な骨の維持には大変効果的と言えるでしょう。

そのため、骨粗しょう症や骨軟化症の予防に効果的だといわれています。

ビタミンE

抗酸化作用があって、細胞の老化を防止する働きがあるとされています。

つまり、若さを保って、生活習慣病や健康美に効果的です。

DHA(ドコサヘキサエン酸)

頭が良くなる栄養素として有名なDHA(ドコサヘキサエン酸)は、がんや心臓病、高血圧、糖尿病、脳卒中、動脈硬化の予防と改善など、色々な効果があるといわれていて、さらに最近では、悪玉コレステロールを減らす作用も注目を集めています。

EPA(エイコサペンタエン酸)

脳梗塞や心筋梗塞といった病気の予防効力が認められていて、また、コレステロールや中性脂肪を減らす働きもあって、 血液の流れを良くします。

 

他にも、ミネラル(鉄、亜鉛、カルシウム)などの身体に大切な栄養素も大変豊富に含んでいます。

このように、多くの栄養素を持つウナギは、夏バテ解消の疲労回復の効果以外にも、さまざまな効果期待できます。

さらに、低カロリーでもあるので、身体とっては実に理想的な健康食品です。

丑の日のウナギは値段が高くなる??

土用の丑の日と言えば、つきものなのが「ウナギ」です。

しかし、「ウナギ」も近頃は稚魚の深刻な不漁の影響で、品薄になってきています。

そのため、卸値も高騰し、値上げに踏み切る店舗も多くなりました。

庶民には、なかなか手が出せない食べ物になりつつある「ウナギ」ですが、最近では、工夫を凝らした代替品も登場しているようです。

「ウナギ」のタレを楽しめるようにと、「代替かば焼き」として、サバや豚バラ肉などをかば焼きにして売り出しているスーパーもあるようです。

なかでも目を引くのが鯰(なまず)のかば焼きです。

「ウナギ」の不漁を見込んで、近畿大学がナマズの生産に力を入れ始め、2016年に本格的な販売を始めました。

「近大発のパチもんでんねん。」となんともシャレの利いたキャッチコピーもついています。

近畿大学では、餌や水質の研究を重ねてナマズの養殖に取り組み、見た目の差はほとんどなく、食感もウナギに似ているようです。

専門家は、「ウナギは今後も減少傾向にあり、近い将来食べられなくなる可能性がある」と指摘しています。

土用の丑の日と言えば、「ナマズの蒲焼」となる日がひょっとすると訪れるかもしれません。

ウナギ以外の土用の風習・行事食(食べ物)

立秋前の土用(夏の土用)は、梅雨明け直後で大変蒸し暑い時期です。

夏の時期に多い、悪病や災難も受けやすい時期なので、夏の土用は特に重要視され、様々な習慣が生まれました。

丑湯(うしゆ)

土用の丑の日には、薬草をお湯に入れて入浴をする「丑湯(うしゆ)」に入る習慣があります。

現代では、入浴剤を入れてお風呂に入ることは気軽に出来る行為ですが、毎日入浴できなかった時代には、蒸し暑い夏の入浴は特別に爽やかなことだったようです。

夏バテ防止や疲労回復のために入る「丑湯」には、無病息災の意味もあり、ドクダミや緑茶などの薬草が用いられ、江戸時代になると、桃の葉を入れた「桃湯(ももゆ)」を「丑湯」としていたそうです。

桃には古来、薬草としての役割と同時に、病魔除けというスピリチュアルな意味があります。「桃太郎」が鬼退治に行くのも、桃にまつわる魔除けの意味合いからと言われていますよ!

せっかくですから、入浴剤ではなく、土用の丑の日にハーブや薬草を入れた「丑湯」を楽しむのはいかがでしょうか?

「丑湯」に用いられる薬草

ドクダミ

ドクダミは、漢方名で「十薬(じゅうやく)」と呼ばれています。

実際に、10以上の多くの効能を持っている薬草で、日本三大薬草の1つでもあります。

ドクダミから抽出したエキスが入ったお風呂は、あせもやしっしんなどに効果的と言われています。

緑茶

緑茶のお風呂に入ると、とてもいい香りに癒されます。

緑茶には、リラックス効果の高い成分テアニンが含まれているほか、緑茶に含まれるカテキンやビタミンCは、美白や保湿の手助けもしてくれるので、美容にも効果的です。

桃の葉

中国から伝わった桃は昔から、「魔よけの力を持つ」と言われています。

桃の葉には、タンニンなどの消炎や解熱に有効な成分が含まれるていることに加え、日焼けや、あせも、しっしんに、虫さされなどといった、夏の肌に多いトラブルに効果的と言われています。

「丑湯」の入り方

  1. 薬草は、生の場合は、茎や葉をしっかり水洗いし、適当に刻むか、そのまま布か不織布などの袋に詰めます。
    網目の細かい、洗濯ネットやお茶用パックなどもおすすめです。
  2. 浴槽に入れ、水から沸かします。給湯式の場合は、蛇口の真下において、香りを出しながら給湯します。
  3. 入浴中は、袋をよくもみ、薬草の成分を出しながら入ります。

土用の虫干し

夏の土用は、梅雨明けと重なります。

そのため、大切な衣類などを風に当てて、湿気をとる「土用の虫干し(どようのむしぼし)」が行われていました。
昔は、布や紙で作られていた物が多かったため、着物や履物、掛け軸や書物も虫干ししていたようです。

土用餅

土用餅とは、夏の土用に食べる餅を言います。

昔、宮中では、ガガイモの葉を煮出した汁で、餅米の粉を練って丸めた餅を味噌汁に入れたものを、土用の入りに暑気あたりをしないようにと食べる風習がありました。

江戸時代になると、餅を小豆の餡で包んだ、あんころ餅に変わります。

 

お餅は食べると力が出るとされていましたし、小豆は厄除けに通じることから、土用餅を食べると、暑さに負けず、悪病や災難を退け除くことができ、無病息災で過ごせると言われてきました。

現在でも、土用の入りの日に、あんころ餅を食べると、暑気あたりしないとされている風習が残っています。

全国に残る「土用」や「丑の日」の風習

全国には「土用」や「丑の日」に行う色々な風習が残されています。

中部地方・中国地方では「牛の祇園(うしのぎおん)」が行われます。

これは、丑の日に牛を海辺で水浴させることを指します。

また、天から薬草が流れてくる日だと言われていて、川で水浴びをします。

新潟三条地方では、土用の丑の日に大根を撒くことを忌み、撒いたら大根が苦しくなると言われています。

長野や九州地方でも、土用の4日と9日は「死と苦」を連想することから、大根は撒かないようにされています。

群馬や埼玉の山間部では、土用の丑の日に麦の初刈りをして竈神(かまどがみ)に供えます。

土用の丑の日と二十四節気

土用の丑の日には、二十四節気(にじゅうしせっき)が大きく関係しています。

昔の暮らしでは、大切な農作業のために季節を把握する必要がありました。

季節には、太陽の動きが大きく関わりますが、昔の暦の基本であった旧暦は、月の恵みを取り入れていたので、季節の目安にはなりにくい情報でした。

そこで、古代中国で生み出されたのが、太陽の動きをもとにした二十四節気です。

新暦は、太陽暦なので、太陽の動きに基づく二十四節気がそのまま使えるのです。

二十四節気とは、1年を冬至と夏至で2等分、春分と秋分で2等分し、それぞれの間に立春、立夏、立秋、立冬を入れ、さらに、3等分したものです。

毎年、節気の時期は一定しているので、季節の目安として重宝されました。

それぞれの節気には、天候や生き物の様子を表した名前がつけられていて、現在でも年中行事や時候の挨拶など、色々なシーンで使われています。




土用の期間にしてはいけない事

土用の期間にしてはいけない事は「土いじり

季節の変わり目にある「土用」は、季節が盛んな時期、季節の「気」が高まる時期でもあるため、昔はさまざまな禁忌や風習がありました。

「土いじり」も土用の期間にしてはいけない事の1つです。

では、なぜ、古来から、土用の期間は土いじりをしてはいけないと言われてきたのでしょうか?

そこには、中国発祥の陰陽五行説を起源として、日本で独自の発展を遂げた、「陰陽道(おんみょうどう)」が影響をしています。

陰陽道に、土公神(どくしん、どくじん)という神様が登場します。

土公神は、土を司る神様であり、土用の期間は土を支配するとされていました。

そのため、土公神が土を支配している期間である「土用」は、土いじりをしてはいけないと言われていたのです。

現在でも、建築の現場では、土用の期間は土を掘り起こすことを避ける場合があるようです。

しかしながら、土用の期間前に着工していて、既に土をいじっている場合には、土用の期間中に入っても土いじりを継続して良いと言われています。

ひょっとすると、季節の変わり目でもある土用の期間は、体調を崩しやすいので、静かに体を休め、ゆっくりと過ごすことを推奨するためなのかもしれません。

神様から頂ける嬉しいお休みのように思えますが、土用の期間は18日間もあるので、その期間中に土を掘り起こしてはいけないとなると、色々と支障が出てきそうです。

そんな時には、ご安心ください。

土公神が天上に行き、地上にいなくなる日とされる、「間日(まび)」の日には、作業をしてもいいとされているので、間日を狙って作業をします。

夏の土用は「食い養生(くいようじょう)」⁈

年に4度訪れる「土用」のうち、梅雨明けの夏の土用は、酷暑の時期なので、暮らしの様々なことに気が配られていました。

中でも、夏の暑さを乗り切るために体にいい物を食べることを、「土用の食い養生(どようのくいようじょう)」という習慣がありました。

土用の丑の日に食べると良いとされる食べ物

土用のウナギの他に、土用しじみ、土用餅、土用卵などを食べて夏バテを予防する習慣が知られています。

土用には「う」のつく食べ物を食べよう

また、食べ物の名前に「う」のつくものを食べるという風習もあります。

梅干し、夏が旬の瓜科(胡瓜、苦瓜、冬瓜、西瓜など)、うどん、牛肉(うし)、馬肉(うま)などがそれにあたり、これらを食べて、夏の疲労回復と無病息災を祈ったようです。

考えてみれば、「う」のつくウナギも、疲労回復効果抜群の食べ物ですよね。

食べ合わせが悪いとお腹が痛くなる?

食べ合わせをご存知ですか?

昔から、一緒に食べてはいけないとされている食材のことです。

例えば、「鰻と梅干し」、「天ぷらとすいか」などです。

実は医学的な根拠はないのですが、胃腸が弱っている夏の時期に、油分と水分、酸味を同時に摂ると胃がもたれやすくなる、という注意喚起と言える昔の人の知恵です。

ウナギに関しても、昔から「鰻と梅干は食べ合わせが悪い」といわれてきました。

実は、医学的には、梅干は胃酸を濃くしてくれますし、鰻の油分の消化を助ける作用があるので、一緒に食べることは好ましいそうです。

このことからも、この言い伝えは単なる迷信だということが分かります。

では、なぜそのような迷信が生まれたのでしょうか。

この迷信にもいろいろな説があります。

「食べ合わせ」が生まれた理由

贅沢を戒めるためだという説

梅干は、胃酸を分泌させて、食欲を増進させてくれます。

食欲不振に陥る、夏の時期には有難い食べ物ですが、食欲が増進してしまったことにより、高価な鰻を沢山食べられるようになってしまうので、贅沢を戒めるために生まれたという説

過食を戒めるために生まれたという説

鰻も梅干も、食欲がない時期でも食がすすむ食材です。

特に、脂っこい鰻も梅干を食べながらだと、ついつい食べ過ぎてしまうので、食べ過ぎを防ぐ意味で生まれたのではないかという説。

栄養が失われてしまう説

梅干には、脂っこい食物をさっぱりさせる性質があります。

そのため、食べた鰻の栄養分も消されてしまうのかもしれないという心配から生まれたという説。

食中毒の予防説

鰻が腐ると酸味が出てきますが、梅干を一緒に食べると、梅の酸味のせいで、鰻が腐っていても判らないことを防ぐために生まれたという説。

ウナギの美味しい食べ方

高価なウナギです。

せっかくですから、美味しく食べたいものです。

お店で食べればもちろん焼きたての美味しいウナギを食べることができると思いますが、今回は、スーパーなどで購入したウナギの美味しい食べ方のコツをご紹介します。




ウナギの温め方

一見、洗うなんて驚きですが、ビックリするぐらいふっくらするので一度お試しください。

1⃣ウナギのパックには、タレがたっぷりかかってますが、そのタレは、味ではなくて見た目重視のタレだとご存知ですか?

着色料保存料もいっぱいなので、このタレを水道水で綺麗に洗い流しましょう。

2⃣洗ったウナギに適度に酒を振り、魚焼きグリルの中弱火で5分間、程焦がさないようにこんがり焼きましょう。

グリルが片面焼きの場合は、裏返して皮面も焼きます。

3⃣食べやすくカットして、付属のタレをかけて食べます。

関西と関東のうなぎの食べ方の違い

ウナギも所変われば、読み方や調理方法も変わります。

ウナギは、関西では「まむし」とも呼ばれていて、鱧(はも)と並び、夏の献立として頻繁に見かけます。

また、同じウナギの蒲焼でも、関東と関西では、ウナギの調理方法が違います。

関東風は、頭を取ったら背開きにして、そのまま素焼きにします。

その後、蒸してからタレをつけて再び焼くため、柔らかい食感が楽しめます。

一方で、関西風は、頭はつけたまま、腹開きにします。

蒸さずにタレをつけて焼くことから、パリッとした香ばしい食感が味わえます。

それぞれ、捌(さば)き方が大きく違いますが、関東の「背開き」は、武家社会の中で、切腹に通じとるされた「腹開き」は嫌われていたことから、「背開き」になったという説があります。

また、反対に関西風のウナギの蒲焼が「腹開き」の理由は、商人社会の関西では腹を割って話せるから良いと解釈して、「腹開き」をするという説があります。

ちなみに、関東の背開きには、串を打って蒸す時に、身の厚い背に串がさせて安定するという利点もあるようです。

ウナギの名産地と有名銘柄

ウナギの名産地と言っても、食用ウナギとして有名な「二ホンウナギ」は絶滅危惧種として認定されています。

そのことから、食用のウナギは99%以上が養殖に頼っています。

養殖は、稚魚である「シラスウナギ」を捕獲して、鰻池で大切に育てます。

天然のウナギは、川を上ってくるのですが、現在では、そのような川を上る天然うなぎを捕獲する漁法は、大変珍しいものになってしまいました。

現在のウナギの名産地はイコール、養殖ウナギの名産地ということになります。

日本の漁獲量で1位なのは、 鹿児島県 です。

温暖な気候と豊富な地下水が、ウナギの養殖に最適であるようです。

次に漁獲量が多いのが、愛知県です。

ウナギ料理の「ひつまぶし」も有名な愛知県ですが、愛知県の生産量のうち、約8割は愛知県西尾市の一色町で養殖されています。

これは、1959年に起こった伊勢湾台風による大洪水が、一色町の田園地域にまで被害をもたらし、水に浸かってしまった田畑をウナギの養殖池に転換したことが発端となっています。

愛知県に次いで漁獲量が多いのは、静岡県です。

名物の「うなぎパイ」はご存知でしょうか?

うなぎパイには、名産のウナギのエキスが、パイ生地に練り込まれていますが、ウナギの味は一切しません。

「うなぎ発祥の地」とも言われる静岡県で、特にウナギが有名なのが、浜名湖です。

浜名湖は、遠州灘に通じているため、海水と淡水の栄養素が集まり、魚などの生物が非常に豊富な湖です。

浜名湖では、昔から多くのシラスウナギが捕獲でき、富士山からの伏流水の恵みも加わって、100年以上前からウナギの養殖が行われてきました。

どんな食材でも、「天然に勝るものは無し」と思いがちですが、ウナギの有名銘柄、有名ブランドに関しては、「天然以上!」と言う人もいるようです。

天然ではないということは、つまり、養殖ウナギのことです。

数ある養殖ウナギの中でも、頂点と言われているのが、「うなぎ坂東太郎」と「共水うなぎ」の2つの銘柄です。

どちらも限られた店舗でしか取り扱いがないという、大変貴重なウナギです。

どんな味なのか、是非一度召し上がってみて下さい。

うなぎ坂東太郎(うなぎばんどうたろう)

千葉県銚子にある老舗の鰻問屋、忠平株式会社が養殖するブランドウナギです。

このウナギは、餌や水質などの環境にこだわっていて、大変丁寧に養殖されています。

その味わいから、天然ウナギに限りなく近いと言われています。

利根川のことを別名「板東太郎」と呼ぶことから、利根川産の天然ウナギに近づけようとこの名がつけられたそうです。

大井川共水うなぎ(おおいがわきょうすいうなぎ)

幻のウナギとも言われているウナギです。

南アルプスからの豊富な地下水やミネラルの多い堆積土を駆使し、独自の方法で自然環境を創り出し、生み出されたウナギです。

薬品などに頼らない安全で美味しいブランドウナギを提供するパイオニアとも言われるそうです。

販売されるウナギには、履歴番号が付けられ、ウナギの流通が管理されています。

まとめ

土用の丑の日は、夏の時期だけではなく、春夏秋冬あることが分かりました。

また、特にウナギを食べなくてはいけないわけではないことも分かりました。

しかし、夏の体調を崩しやすい時期に夏の疲労回復と無病息災を祈って、体力を保てるような食材を食べることは、理にかなっています。

昔の人の知恵を素直に拝借して、土用の丑の日には、ウナギか、「う」のつく食べ物を食べて、夏バテを防ぎましょう。

Writing:YUKIKO-加藤

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