【雑節】年4回?2024年の土用の期間はいつからいつまで?「土用」の意味や由来(起源)とは?

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「土用」と聞けば一般的に夏のことをイメージしてしまう方が多いのではないでしょうか。

確かに「土用」と言えば古来、夏にウナギを食べる風習があることから、盛夏の最中の1日と思ってしまいます。

中にはキンプリの平野氏のような強者がいて、土曜日のことを「土用」だと勘違いし、土曜日にウナギを食べるものだと思っている方もいるのでは?

それと忘れてはいけないのが、「土用」自体が雑節に集録されている節気の1つだと言う事です。

以下では雑節における土用の2022年の日にち(期間)や、「土用」の意味や由来(起源)・食べ物(行事食)・過ごし方についてご紹介していています。




2024年の土用はいつからいつまで??

上述したように土用は年に4回あって、それぞれ期間を持っていますが、では土用はいったい何日なるのだろうという疑問が出てきます。

そこでちょっと下記の表をご覧ください。↓

四季土用入り一の丑二の丑土用明け期間

 
04月16日(火)4月25日(火)なし05月04日(日)19日
 土用の戌の日:4月28日(日)
07月19日(金)7月24日(水)08月05日(月)08月06日(火)19日


10月20日(日)10月22日(日)11月06日(水)18日
土用の辰の日:10月31日(木)
01月18日(木)1月19日(木)1月31日(火)02月03日(土)17日

いかがだろぅ?

この表は四季の各土用の期間を示したものですが、2024年の四季における各土用期間は16日〜19日あることが素敵に分かる。

厳密にいえば、土用期間は二十四節気の四立(立夏立秋立冬・立春)の直前約18日間ずつになる。

今もし、あなたが「土用=ウナギ=年1回1日」だと思い込んでいたのであれば、驚きを隠せないのでは?

定気法における四季の土用期間と確率

季節17日18日19日平均
51%49%18.49日
18%82%18.82日
98%2%18.02日
29%71%17.71日
平均7%60%33%18.26日

参照先:国立天文台

この表を見れば分かりますが、土用期間は合計すると約72日あることになります。

また、1年・春夏秋冬それぞれの約90日のうちの約18日間が土用期間に割り当てられていることになります。

⬆️土用期間と365日・四季を示した表

春の土用の平均期間

春の土用は太陽黄経が297度から315度(立夏)の前日までと定義され、平均18.49日間ありまする。

夏の土用の平均期間

夏の土用は太陽黄経が117度から135度(立秋)の前日までと定義され、平均18.82日間ありまする。

秋の土用の平均期間

秋の土用は太陽黄経が207度から225度(立冬)の前日までと定義され、平均18.02日間ありまする。

冬の土用の平均期間

冬の土用は太陽黄経が27度から45度(立春)の前日までと定義され、平均17.71日間ありまする。

四季それぞれで土用期間に変動がある理由

上表をご覧いただいて分かったと思いますが、四季それぞれで土用の期間が一定せず、疎ら(まばら)です。

この理由は、地球が楕円軌道を描きながら太陽の周りを回っているために、四季それぞれで±3%(軌道離心率×2)程度の変動が生じるからです。




四季の間に土用期間がある理由

四季の移ろいというものは春から急に冬になるわけではなく、夏→秋という季節の経過が伴って春から→冬になりんす。

また、春から急に夏になるのではなく、気象の変化を経て徐々に夏に近づいていきます。これは夏から→秋へ向かう季節の移ろいにも同様のことが言えんす。

これら四季の移ろいを冷静に考察してみれば、それぞれの四季の間には当てはまらない期間が約18日もありんすが、この期間を「土用」と定めたからです。

このような土用期間は次の季節へシフトするための重要な準備期間であると共に、これは後述していますが、土用が集録される雑節が農作業が遅速なく円滑に行えるように作歴された暦であるならば、この期間は農作業とも関連深いものになりんすよ。

「土用入り」とは?どういう意味?

「土用入り」の「入り」とは土用の期間に入る最初の日のことを言います。

暦上ではよく土用の日は「○月○日」とだけ記されることがありますが、これは土用入りの日になります。

定気法(恒気法)における土用の入りの日

定気法(”恒気法/こうきほう”ともいう)とは、黄道(こうどう)を24分割した方法になります。黄道とは地球から見た、もしくは天球上の太陽軌道のことです。

江戸暦(天保暦)の直前までは「平気法」という歴法が用いられていましたが、現行の二十四節気はこの定気法が用いられていますので平気法の紹介は割愛します。

定気法では、四立の太陽黄経(立春315度・立夏225度・立秋135度・立冬45度)の18度前、つまり下記に示す日が土用の入りの日になります。

  • 立春297度・立夏207度・立秋117度・立冬27度

そして「土用入り」があるということは「土用明け」があるということです。

「土用明け」とはどういう意味??

「土用明け」とは、の「明け」とは「梅雨明け」と同様にその期間の最終日のこと指します。

つまり、土用期間の最終日のことです。

最終日は四立(立春・立夏・立秋・立冬)の前日、つまり節分(せつぶん)の日が最終日になります。

節分もこの土用と同じく雑節の1つとして集録されていますが、江戸時代以降、立春の前日となる2月4日を指す場合が多いのですが、実は年に4回ありんす。

土用期間中の「間日」とはどういう意味?

土用の間日の「間日(まび)」とは、期間中の間の日のことです。

暦上では、壬子(みずのえね)の日から癸亥(みずのとい)の日にまでの12日のうち、丑(うし)・辰(たつ)・午(うま)・戌(いぬ)の4日間を指します。

「子→→寅→卯→→巳→→未→申→酉→→亥」

間日は上記のような「十二支」の概念で成立したことから12日で一周します。

間日は春夏秋冬それぞれで次のような干支日が定まっています。

春の土用

巳、午、酉の日(2020年は4月20日・21日・24日、5月2日・3日)

夏の土用

卯、辰、申の日(2020年は7月23日・24日・28日、8月4日・5日)

秋の土用

未、酉、亥の日(2020年は10月21日・23日・31日、11月2日・4日)

冬の土用

寅、卯、巳の日(2020年は1月24日・25日・27日)

土用期間は約18日間もあるので、これでは仕事が滞り、生活していく上で諸事に支障が出るとされたことから、土用期間中に特別に「間日」なる日が設けられのです。

どうしても土を動かすことをしなければならない場合は、この間日に行う事で後述する土公神という土の神の怒りをかうことはないとされ、諸事万端の体制が整えられるとされたのです。

土用の間日の起源

このような土用の間日がいつ頃成立したのかは残念ながら不詳とされていますが、俗信ではこの間日に土公神が文殊菩薩に招かれて天上界に行くので地上にはいなくなるとされています。

文殊菩薩とは「3人よれば文殊の知恵」というコトワザもあるように、古来、知恵の神として信仰されています。

文殊は釈迦如来を中心に据え、左脇に普賢を配した釈迦如来の右脇を護る「釈迦三尊」として見かけることが多い仏です。

「二の丑」とはどういう意味?

「二の丑(にのうし)」とは早い話が丑の日が2回めぐってくるとして、「二の丑」と呼ばれていましゅ。すなわちウナギ犬が‥‥くどい、ウナギ!!が2回腹へシコ流しできる訳です。
注釈:シコ流しとはクソほど且つ、死ぬほど豪快に胃袋へブチ込むこと。

丑の日とは、十二支を暦で示した日のことであり、夏の土用の丑の日といえば「夏の土用期間中の丑の日」という意味になります。

ちなみに十二支を取り入れた暦は現今、「辰年」などの干支にしか用いられていないので混同しないようにしてください。

十二支を日で示した暦では、「子→丑→寅→卯→辰→巳→午→未→申→酉→戌→亥」と循環していきますが、丑は数え始めて2つ目なので、2回くることが稀にあるんすよ。

これを二の丑と言いんす。

たとえば2013年の例を持ち出すと、7月22日が丑の日だったのですが、8月3日にも丑の日がきています。

二の丑になりやすい年とは?

二の丑になりやすい年は単純に土用期間が長いと丑が2回くる確率が上がります。

土用期間は平均して18日間ですが、ごく稀に19日のときがあります。この19日の年に土用の入りから7日以内に丑の日が巡ってくると、もう一度、丑の日が巡ってくることになります。

すなわち、土用入りの日が「未から丑の間のだと丑が2回くることになります。




「土用」の読み方

土用は「どよう」と読みます。

実のところ、「どよう」といつ頃から読まれるようになったのかは明らかにされておらず、不詳とされています。

かつては「土曜用事」と呼ばれており、これが略字形式で「土曜」と読まれるようになり、最終的に現今の「土用」に着地したと考えられています。

他説によれば「土旺用事(土王用事/どおうようじ)」と表記されていた事から「どおう」と読まれ、時代を下りながら略字になって、「土用(どよう)」に着地したという見解もありんす。

土用とは?

最初に結論からまとめて言うと土用とは年に4回ある!しかも1日だけではなく期間をもっている!

冒頭でもクっちゃべったように、一般的に土用になるとウナギ犬を食べることから‥‥おっと、ウナギ!!‥を食べることから、土用とは夏の1日だけの行事日だと思っちまってる方が多いのも事実です。

その上さらに土用という日は年に1回だと思っちまってる方が多く散見されますが、これも間違いでありんす。

土用とは年に1回の1日(該当日)を指すのではなく、正式には土用は年に4回あり、1日ではなく期間を持っています。

土用が年に1回1日をだけだと認識されている理由は、「土用丑の日(どよううしのひ)」が土用のことだと思い込んでいるからでありんすが、この理由は土用丑の日になるとウナギを食べるからでしょう。

毎年、7月になるとスーパーへ買い物に行けば「土用丑の日はウナギを食べてスタミナをつけて一夏を乗り切ろう!」などと書かれた店内広告が何かとチラチラと視界に入ることが多い。

子供の頃から見ている光景なので嫌が応にも「土用=丑の日=ウナギ」といった図式がド頭に格納される。

親も親で土用とは何かを知らない方が多いので、そのまま子供は成長して大人になって行き、その子供も「土用=ウナギ」という認識を持ってしまい、これが繰り返される。

然るに、どうしても土用といえば=ウナギを指し、年1回1日だけだと思い込んでしまう。

土用の意味

陰陽五行説を四季(春夏秋冬)に当てはめた時、1つ余るために考えだされた暦注のこと。

没日(もつにち)を除いた1年360日を木・火・土・金・水の5つで割ると72日になります。

具体的に解説すれば、この72日にそれぞれ木・火・土・金・水をあてがい、この中で「土」に当てられた72日のみを四季に分散して配置したということです。

この72日は四季(春夏秋冬)を意味する「4」で割ると18日になりんす。この18日についての詳細は上述したように春夏秋冬の立春、立夏、立秋、立冬の前日までの18日間です。

陰陽五行説における「土用」の意義

それと、現今における土用の意義とは、陰陽五行説と密接な関係にありんす。

というよりも土用の意義が陰陽説と五行説が合わさったものであると定義することができるからです。

土用と五行説

土用の「土」は五行説における「土」のことです。五行説とは中国・春秋戦国時代(紀元前4〜5世紀)に陰陽家・鄒衍(すうえん)により、提唱されたとされる思想説の1つです。

五行説では、「木火土金水(もくかどごんすい)」という物質を「五気(五行)」と位置づけ、これら5つそれぞれの性質は万物を形成している根本五種と定めています。

根本五種一覧

木(もく):樹木の生長発育する様子を表した語句。春の象徴とされる。

火(か):火のごとく灼熱の性質を表した語句。夏の象徴とされる。

土(ど):植物の芽が地中からニョキっ!と生え出るような発芽した様子が原意。万物を育成・保護する性質を表している。四季の移ろいの象徴とされる。

金(ごん):地中にある鉱物資源(金属)が原意。金属のごとく冷徹で堅固性質、且つ、確実などイメージを表した語句。秋の象徴とされる。

水(すい):湧き水が原意。湧き水は生命の源と定義され、胎内と霊性を兼ね添えた性質を表している。冬の象徴とされる。

この一覧を見れば分かりますが、五行説では春には木気、夏には火気、秋には金気、冬には水気を割り当てています。

  • 春→木
  • 夏→火
  • 秋→金
  • 冬→水

そして、残った土気は季節の移ろいの象徴としています。すなわち、これが土用の意味であり原意になります。

五行説の中の五行相剋(そうこく)によれば、水は火に勝ち、火は金に勝り、金は木に勝つ、木は土に勝ち、土は水に勝ると説いています。

土が水に勝る理由

土が水に勝る理由は、土が水を吸い取り、土は水をせき止めることもできる。このように土が水の気を封じ込めることができるのは自然の摂理だとしています。

木が土に勝る理由

逆に木が土に勝る理由は、木は地中に根張りすることで土を締め付ける。さらにはその根っこから土の養分を吸い取って土を干上がらせると説いています。

五行説ではこれら根本的五種を「五材」とも呼び、古代で生活を営むために必要不可欠であった5つの材としています。

中国の古文書である「書経(しょぎょう)」の中の「洪範(こうはん)」の項」によれば次のように記されています。

水と火から始まり木金に至る。最後にその基礎となる土に終わる。

この意味は春→夏→秋→冬と季節は移ろうが、それぞれの季節の最後は必ず土で終わると説いています。ここでの土とは土用のことを指すのでしょう。

この五行説に陰陽説の思想を取り入れたものが陰陽五行説と呼ばれるものでありんす。

五行説は日本へ伝来した後、江戸時代になると天には五惑星、地には五行、人の心には五常(仁・義・礼・智・信)といった日本人の根本的精神を植え付ける原動力にもなっています。

土用と陰陽道(陰陽説)

一般的に土用期間は土の気が盛んになるので、土を動かす諸事が禁忌とされていますが、ここでの土の気とは陰陽道における「土公神(どくしん・どこうしん)」もしくは仏教における「地天(じてん)」のことを指します。

五行説においては「土府神(どふしん)」とも呼ばれます。ウフ

土公神とは、土を司る神のことであり、別名で「土公様(どこうさま)」とも呼ばれます。

地天とは大地を司る女神です。地天は別名で「堅牢地神(けんろうじしん、けんろうじじん)」とも呼ばれ、古代インドが起源とされます。密教においては天部12天の1柱になります。

古来、日本では土公神は季節によって下記で示すように鎮座する場所を変えるとされています。

  • 春:かまど(土竈)
  • 夏:門
  • 秋:井戸
  • 冬:庭

たとえば秋に井戸を掘ったり、井戸の場所を変えたり、井戸を埋めたりすると土を動かすので、このときに土公神の怒りをかって祟られると云われます。

同様に春はカマド、夏は門、冬は庭と、これらに関連する諸事で土を動かしてはならない、もしくはその方位をおかしてはならないとされています。

土公神の遊行
遊行の期間方角小土(陰陽道において土木工事を忌む期間
甲子〜巳巳
戌寅〜
甲午〜巳
戌甲〜西

陰陽五行説における土の定義の遷移

陰陽五行説における土の定義は時代の移ろいとともに実は変化しています。

そもそも陰陽五行説における1年(春夏秋冬)の考え方として、陽を春とし陰を冬、陽から→陰へ向かう途上で「木火土金水」の性質を経て1年を終えるとしています。

ただ、土の定義だけは時代を経ながら変化しているようです。

例えば当初、陰陽は春において木を、夏において水を生じさせ、夏の3ヶ月のうち最後の1ヶ月を「土を生じる」として「土用」と名付けたとされています。

他の説では陰陽は春において水を、夏においては火を、秋においては金を、冬においては水を生じさせるとして、土においては次のように説いています。

『土は火の子であり、五行の土はもっとも貴き存在である。土の四時(しじ/四季のこと)における令するところなき者は、火と功名を分かたざるなりき』

そして、現在の土用の定義としては、陰陽は春において木を、夏において火を、秋において金を、冬において水を生じさせる。尚且つ、春夏秋冬(四季)において各々の末より5分の1、つまり約18日を土用と名付け、陰陽はこの期間において土を生じるとしています。

以上のように時代を経ながら、土の意味もしくは定義が変動していることになります。

土用の正式名?旧称??

土用とは、かつて「土曜用事」もしくは「土旺用事」と呼ばれていたことから、これら双方を分解して紐解いていくとその意味合いが浮き彫りになりんす。

「土」の意味

土用の「土」は中国で成立した五行説から誕生した言語であり、五行説で定義する「土」とは「土の気(土気)」を意味します。

「曜」「旺」の意味

まず、「曜」の意味ですが、土曜の「用」は元来、「曜」のことを指し、曜とは「もっとも盛んな」という意味合いをもつとされます。

一方、「土旺」とは日本語で用いられる字体ではなく、これは中国語の表記になります。そもそも「土用」の起源が中国の五行説とされていることから、中国語が用いられていても何ら不思議しぎしぎ摩訶不思議ではないことになりんす。

この「旺」は「旺盛(おうせい)」を意味し、すなわち、「もっと盛んになる」という意味合いがありんす。

この旺を用いた「土王」「土旺」という言葉が時代を下りながら、訛りから転じて→「土曜」→現在の「土用」に着地したとも考えられています。

土曜が土用に転じた理由は不詳ですが、「七曜(しちよう)」における土曜と区別する意味合いで付されたものとも考えられます。

土旺用事の「用」の語源の由来

「用」は「もちいる」「働かせる」「役立てる」などの意味があります。

土旺用事の「事」の語源の由来

「事」は、weblio国語辞典によれば次のように解説されています。

「もの」が何らかの作用・機能・状態・関係などとして実現するありさまをいう語。
「もの」が時間的に不変な実体のようにとらえられているのに対して、「こと」は生起・消滅する現象としてとらえられている。

以上これらをまとめると、「土曜用事」&「土旺用事」とは「土の気が旺盛に働いている状態」などの意味合いになります。

当然ながら「土曜用事」&「土旺用事」の略字である「土用」もこれと同様の意味合いになりんす。

現在までの定説では、これら「土曜用事」&「土旺用事」が時代を下りながら省略されて行き、やがて「土用」に着地したとみられています。




「土気が盛んになる」の意味

上述では、「土の気が盛んになるから土用期間に土いじりは禁忌とされる」と説明しましたが、ではなぜ土の気が盛んになるのか?についてですが、これは陰陽五行説における土の定義からきています。

陰陽五行説において、土気は万物を土に還す作用を持つと同時に土は植物に代表されるように万物を育む作用をも持つとされます。

この作用は四季にも当てはめることができ、土気は季節の衰えを消し、来たる季節を育むと解釈されます。

鍬休めの期間

季節の境目となる土用期間は何かと体調を崩しやすいことから、先人の知恵ということで、農作業をせずに鍬休めの期間と定めたのかもしれません。

土用が集録されている雑節は、性格的には農業が遅速なく円滑に行えるように作られた暦であることから、「土の気が盛んになる=土公神の力が強まる=土いじりをしてはいけない=鍬休め」などとした先人たちの忠告のようなものだったのかもしれません。

土用と節分の関係

上述したように土用期間は春夏秋冬それぞれで約18日間ありんすが、土用期間はちょうど各季節の経過途上に配置されています。

節分も土用と同じく雑節に集録された節気であり、土用と同様に年に4回ありんすが、土用と異なるのが節分は年4回の該当日(1日のみ)を示すということです。

しかしながら、現今の節分は立春の前日(毎年2月4日頃)として冬と春の節目を指す言葉のように思われる感は否めません。

これは暦上にも反映されており、実際に暦を見れば分かることですが、四季(春夏秋冬)に4つある節分の前日に土用期間が配置されています。

もう少し分かりやすく言うと、土用期間の最終日が節分にあたるというワケです。

春夏秋冬それぞれの季節の境目となる「節分」は、季節のはじまりを意味する二十四節気の四立(立春・立夏・立秋・立冬)の前に配置されている事実からしても分かるように、二十四節気の四立と節分が季節の境目を示すサインとして、連動して機能している様子がうかがえます。

まず、「土用」という名の次の季節への準備期間に入り、その最終日には次の季節へ移る準備ができた事を示した「節分」という名の季節の節目の日(節分)があって、その次の日に次の新しい季節の始まりを示す四立が配置されていまんすぇ。

なお、雑節の節分や節分の豆まきに関しては下記ページにて詳しくご紹介しています。

土用のタケノコとは?

「土用のタケノコ」という言葉もありますが、これは土用期間に生えてきたタケノコを意味しますが、故事に倣うと土用期間にニョキっと生えでてきたタケノコは竹にならいと云われるようです。

転じて、「役に立たたない」「無駄なこと」を「土用のタケノコ」と言ったりもします。

土用三郎とは?

かつて農業を営む者たちの間には次のような4厄なるものがあり、忌み嫌ったようです。

  1. 天一太郎(天一天上の最初の日
  2. 八専二郎(八専の第2日
  3. 土用三郎
  4. 寒四郎(寒の入りから4日目。俗に”麦の厄日”のこと)

土用三郎とは、夏土用入りから3日目が晴れ空であれば豊作が期待でき、逆に降雨であればその年は凶作になるという一種の農凶占いのようなものです。

昔の人々はこのような占いをはじめ、方位や鬼門などに応じた吉凶を信仰していたのです。

悪い目が出れば外出せずに家に籠って神仏に祈念したり、生活を慎み身を清めたりしたのです。

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