衣替えは季節の変わり目に必ず行う行事の一つだからこそ、いつ、どうやってやればいいのかをマスターしておきたいもの。
クールビズという言葉もあるくらいで、衣替えが必要になるのは、学校や会社でも例外はありません。
今日はそんな衣替えについて様々な視点から紐解いていこうと思います。
収納テクニックなども掲載しますので、がっちりマスターしてくださいね!
目次
衣替えとは?
衣替えとはいつから定着した行事なのでしょうか?
衣替えの歴史はなんと平安時代にまで遡ります。
中国から日本に伝わり、旧暦の 4月1日、10月1日に宮中行事として行われていました。
その時の衣替えは、呼称を「更衣(こうい)」と言います。
またその呼称は天皇の着替えを行う女官の役職名としても有名ですね。呼称が二つとも同じだと混乱してしまうため、『衣替え』となったようです。
鎌倉時代にもなると調度品も衣替えするようになり、江戸時代にまでいくと旧暦の5月5日、9月9日も追加され、なんと年に4回も衣替えをしていた時期もあったようです。
この時期の人々は、幕府から服の種類が指定されていました。
ちなみに江戸幕府の場合、
- 4/1~5/4 袷小袖
- 5/5~8/31 ひとえ帷子麻布
- 9/1~9/8 袷小袖
- 9/9~3/31 綿入小袖
と一応、定められていたようです(『日本生活史辞典』に掲載)。どうでもいいけど9/1~9/8って短いですね……。
明治時代に移り変わり、日本人の着る服が和服から洋服に代わり、政府は軍人や警察官などの制服も制定し、明治6年に新暦が施行され6月1日から9月30日までが夏服。
10月1日から翌年5月30日までが冬服と制定され、今の衣替えの風習が出来たのです。
「衣替え」を英語で言うと?
衣替え、という風習を海外の人に説明したいこともあるかもしれません。
英文では衣替えのことを、どう呼ぶのか、どういった文を書くのかな?
と気になりますね!
英語では、「衣替え」という1つの単語はありません。
「change my wardrobe」というフレーズが「衣替え」に当たります。
ではこのフレーズを使った例文を幾つか上げたいと思います。
I’ll change my wardrobe for the new season.
衣替えをするつもりです。
「I will」つまり、やるつもり、これからやるよ! という表現ですね。
一方、以下のようなものもあります。
I have to change my wardrobe seasonally.
衣替えをしなくちゃ。
アメリカなどでは一年中、気候があまり変わらず、衣替えを全くしない地域もあるようです。
もし海外の方で、衣替えが「わからない!」という方がいらっしゃったら、ぜひこれらのフレーズで説明してあげましょう!
衣替えの時期
歴史的にいつ頃衣替えをしていたか……ということは既にお話しましたが、現代の衣替えは、実際にどの時期に行うのがベストなのでしょうか?
ここでは、衣替えをするべき具体的な時期を解説しちゃいます!!
春夏シーズンの衣替え=4/1頃から1カ月ほど
天候によって変わってきますが、冬服から春服への切り替えは4月1日がベストです。
北海道など、まだ寒い地域は、1ヶ月後倒しの5月1日頃と考えてくださいね。
また、春服から夏服への切り替えは6月1日頃が良いでしょう。
ただ寒暖差が激しい季節なので、重ね着しやすい服などはしまわずに、その場に適した着回しをするなど、移行期間を設けるのが良いでしょう。
夏場であっても、日焼け対策、冷房対策といった意味で、薄手の上衣を持ち歩く工夫はしたいものです。
秋冬シーズンの衣替え=9/1頃から1カ月ほど
夏服から秋服への切り替えは9月1日がベスト。
さらに、秋服から冬服への切り替えは、10月1日が良いと言えます。
この時期でもエリアで差がありますので多少変動はしますが、春服夏服への移行時と同じく、移行期間を設けて状況次第で判断した方が良いでしょう。
特に、秋口は昼間暑く、夕方以降に急激に冷え込みます。この時期は非常に風邪をひきやすいので、家を出る時に暑くても、後で羽織れるものを持っておくといいですね。
できるだけ時短したい!一人暮らしでの衣替えテクニック
一人暮らしは掃除から炊事まで全部一人でこなさなければいけません。
衣替えも例外ではありません。
では衣替えでどの様にしたら時間短縮できるのか見ていきましょう。
- 季節の変わり目が近づいたら、オフシーズンの服はしまう前に下準備する。
- 仕分けをして使う服、使わない服を決める。
- 洗濯、クリーニングをまとめて行う。
- 防虫剤を入れておく
- 着ない服などはキャリーケース、引越しに使ったダンボール、実家の部屋を使うなどして減らす
- 厚い服は冬に使うもの以外だったら厳選して、残したり思い切って処分する
このポイントをおさえておくだけでも衣替えが非常に楽になります。
是非試してみてください!!
衣替えの時がチャンス!いらない服の選び方と捨て方
衣替えの時は、必要の無くなった衣服を選別するチャンスです。
でも、やり方がわかっていないと「この服、まだ着れるかも……」「流行が15年後にまた巡ってくるかも……」などと思ってしまい、なかなか捨てられない。
捨てられないのに、シーズン毎に何着ずつかの服を買うので、在庫が膨れあがる! なんてことになりかねません。
要らない服の選び方、捨て方は以下のとおり。ぜひ実践してみてください。
今シーズン一度も着なかった→衣替えでしまわず捨てる
いざ衣替え! シーズンオフの服をしまおう! となった時に、
「あっ、これ今シーズン一度も着なかったわ……」
という服があるものです。そんな服は持っていても無いのと同じ。無くしたほうが場所が空いていいですね。
例えば、駐車場は車を置いておくだけで駐車料金がかかります。すなわち、モノは保管しておくだけで経費がかかるもの。
「取っておいても損はない」ではなく「取っておくだけ損」と考えましょう。
3シーズン着用した下着と部屋着は捨てる
下着も衣替えをするものですが、いい加減3シーズンも着用すると、たいていの下着は生地が伸びたり、ヨレたりしてきます。
「次回、シーズン4!」
……は下着には不要。ヨレた下着は運気も落とします。思い切ってさようなら。
ちなみに、下着だけではなく、部屋着のルールも同じです。
捨てようか迷うものは捨てる
誰もが一度は通るのがココ。
「捨てようかな、どうしようかな……やっぱり取っておこうかな」
もったいない、と考えるのはとても良いことです。
しかし、捨てようかどうしようか迷うというのは、つまり、着なかったか、着たけれどもしっくりこなかったか、気分がアガらなかったか……という何かしらの原因があったことを示しています。
そのような服は、翌年着用してもやっぱり、しっくりこなかったり、気分が良くなかったりするものです。
今年は流行じゃなかったけれど、来年は……と思うのはNG。流行は巡る、とは確かに言うものの、再び巡ってきた流行は以前とは少し違っていることが多くて、以前の服はどこかダサく見えるためおすすめできません。
衣替えの収納テクニック
衣替えの時に服をしまう際は、カサばらない様に気をつけたいですよね。
でも、どうすれば……? そんな時の「しまう」テクニックをここで公開しちゃいます!!
まずは洗濯をしっかりとする
収納前にしっかりとやっておきたいのが、洗濯です。
しまう前の汚れがついたままになっていると、次に出した時には立派なシミになっていることでしょう!
鉄則は、「一度でも着たものは洗う」こと。
なぜなら、視認できない汚れが必ずついているのだそうです……見えないからいいや、と思っていたらダメなんですね。
ちなみに、衣替え前の洗濯なら、洗剤は洗浄力の強い粉末洗剤がおすすめです! 汚れや洗剤が落ちきるように、すすぎもしっかりと行いましょう。
ケースからはみ出ない大きさに畳み収納する
収納する時は、収納ケースからはみ出さないような大きさに畳みます。
ケースにあわせて丁度良い大きさに畳めると良いですね。
また、特に冬服はモコモコしていて、体積を取ることが多いものです。
畳む時には、袖と袖が重ならないように肩口からナナメに折り、そのままパタンと畳むと、薄くすることができますよ!
夏服でも、襟、袖ははみ出さないように気をつけてくださいね。
重いものを下にしまう
服をしまう時は、重いものを下に、軽いものを上にして、収納ケースに入れるようにしましょう。
重いものとは、例えば分厚いコートなどです。
重いものが軽い服の上に載ってしまうと、軽い服がシワになる確率が高まります!
ハンガーに吊しておけるものはそのまましまっておいて
コートといっても、ダウンなど復元のきくものは良いですが、ウールのコートなどは畳んでしまうとこれまたシワになることが想定されます。
ハンガーにかけたまま収納しておけるようならば、シーズンオフも吊したままにしておくのが無難でしょう。
防虫剤は正しい使い方で使用する
防虫剤の正しい使い方を知って、使っていますか?
防虫剤にはそれぞれ、置き場所や量など、正しい使い方というものがあります。
箱に書いてある説明書きをよく読み、正しい使い方で使用するようにしてくださいね。
なお、違った種類の防虫剤を同じ収納ケースに入れるのは「ダメ」! ひどい匂いになることもありますし、衣類に悪影響を与える可能性もあります。なお防虫剤がシミの原因を作ってしまうこともあるため、直接衣類にくっつかないように注意しましょう。
マスクも衣替え!熱中症対策しましょう
昨今、新型コロナウイルスの流行に伴い、マスクを着けるのが通例になってきました。
そして、マスクにも熱中症対策の為、衣替えというものが定着してきたようです!
自作マスクで冬用、夏用を制作したり、マスク会社からも接触冷感のものや通気性が特に良いものが発売されたりと、新たなおしゃれの形が出来上がりつつあります。
夏場でもマスクをつけないといけないのは辛いですが……。
でも通気性の良いマスクなら付けてても苦にはなりませんしね!!
この苦しいコロナが終わればマスクをつけなくてもいい時代が来ると信じ、今は我慢をしてマスクをつけましょう!!
衣替えで楽しく整理整頓!
今回は、マスク、収納テクニックなど様々な視点から、衣替えを紐解きました。
衣替えは、いらなくなったもの、前シーズンで使わなかったもの、次のシーズンで使わなさそうなものを廃棄し、整理整頓を行うチャンスでもあります。
衣替えをスムーズに終えて次の季節へ明るく踏み出しましょう!!
Writer:夜野大夢(ホームページ)