立春が過ぎ、ようやく春到来!‥‥‥と心を浮足立たせて心底よろこびたいところですが、最遊記にも登場する遠い天竺国を目指すかの如く、まだまだ本当の春ウララ♪〜‥‥は遠い。人生なんざ元々死ぬまでの悪あがきだろ….by三蔵
しかし春の兆しというものはあり申す。
その兆しと呼べるのが、暦上ではこの雨水の時期とされています。
‥‥というわけで以下では、春の雰囲気を少し感覚で感じることのできる「雨水」の意味や由来についてご紹介しているでゴザぁ〜る。
目次
雨水の2023年・2024年・2025年・2026年の日はいつ?
- 2024年の雨水の日は2月19日(月)!
年 | 正確な時間 (UT基準) | 日本の雨水に日にち | 中国の春分の日にち |
2023年 | 2月18日22:34 | 2月19日 | 2月19日 |
2024年 | 2月19日04:13 | 2月19日 | 2月19日 |
2025年 | 2月18日10:06 | 2月18日 | 2月18日 |
2026年 | 2月18日15:51 | 2月19日 | 2月18日 |
※参照先:「ウィキペディア」
雨水の読み方
「雨水」は「うすい」と読みます。
二十四節気は中国由来の言葉なので、すべて音読み+音読みの熟語となっています。
雨水とは?
雨水とは、二十四節気・七十二候の「立春」から始まる春の節気の2節(2番目)のことを指します。
また、二十四節気を二分した各12節気のうちの「中気(ちゅうき)」に属します。
雨水の前の節気は「立春(りっしゅん/2月4日頃)」で、大寒から数えて15日目くらいとなる2月4日頃が立春です。
雨水の後の節気は「啓蟄(けいちつ/3月6日頃)」になります。
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ところで・・「二十四節気」とは?
二十四節気とは、1年を24つ分けて、それらを1つ々々を「節気」と定めて。その節気に季節を司る言葉を付したものが二十四節気です。
1年を夏至と冬至の2つに分け、さらに春分と秋分の2つに分けて4等分とします。(二至二分)
- 365日÷4=91.25日
二十四節気はこの二至二分を基軸としています。
そして、それぞれの中間に立春、立夏、立秋、立冬を入れて8等分したのが、約45日間ずつの「八節」です。
- 365÷8=45.625日
さらに、八節を約15日ずつに3等分したものが二十四節気です。現行の二十四節気は、立春、立夏、立秋、立冬が各季節(四季)の先頭に来るように配置しています。
二十四節気は、中国から日本に伝来した生粋の中国文化ですが、中国と日本の時節(いわゆる季節感。動物・植物・気象など)が異なるため、日本では江戸の改暦(1842年/天保改暦)を経て、明治の改暦を経ながら日本の季節感いわゆる物候(ぶっこう)に沿わせるように改訂されています。
節気は各月に2つ存在し、毎月、「節」と「中」の節気が交互に来るようになっています。
「節」は「正節(せいせつ)」とも言い、「節気」とも呼ばれます。各月の前半に配置されるのが、この節です。
「中」は「中気(ちゅうき)」とも言い、略称で「中」とも呼ばれます。
現行の二十四節気は中国の太陰暦(月を参照した暦)を補完する目的で、逆の発想で太陽を参照して作暦されていますので、現在の太陽暦(グレゴリオ暦)に至っても、極度に形態を変えることなくそのまま使用され続けています。
- 関連記事:二十四節気 一覧表
- 関連記事:二十四節気の意味や由来・覚え方と決めた方の起源を解説!
それで雨水の節気(期間)はいつからいつまで?
雨水の前の節気は立春(りっしゅん)で2月4日頃(節分の翌日)〜2月18日頃までです。したがって雨水は、新暦(現在の太陽暦)で言えば2月19日頃を指します。
もしくは2月19日頃から始まる節気(期間)を指します。雨水の場合はその次の節気である「清明」の前日までとなる「3月21日〜4月4日頃」までです。年によっては1日前後します。
雨水とは「特定の日」を指すのではない!
二十四節気は半月単位で節気が区切られています。したがって厳密に言えば「雨水の節に入る日」を意味します。
半月とは約15日になりますので、このどこかで春分の節気で解説されているような季節感を感じて、本格的に春分の節気に入ったことを意味します。
もちろん、世間一般では特定の日が節気の境目として、特定の日のみが言葉で交わされる感は否めません。
しかし、それが世間通念上まかり通っているのも事実であることから、完全な間違いとは言い難いものがありんす。
ただ、これは本来、正式ではないということを理解しておきたいところです。
雨水は旧暦ではいつ?
江戸中期に四時堂其諺により編纂された「滑稽雑談」にも次のような記述がみえます。
『これ正月の中、立春より後15日頃なり』
立春を旧暦で表記すると「正月節(寅月の正節)」と書かれます。期間は1月初旬頃〜1月中旬頃か下旬にさしかかる頃なので、雨水は1月下旬頃〜2月初旬頃になります。
旧暦で雨水を表記すると1月(正月)の2つ目の節気「正月中(寅月の中気)」です。
そして、雨水の次の節気である「啓蟄」が「二月節(卯月の正節)」です。
現行の定気法では太陽が黄経約330度の点を通過したあたりになります。
定気法とは?
定気法とは、1844年(天保15年/江戸時代後期)の天保暦より使用された暦法であり、太陽が黄道を15度ずつ進むたびに節気を設けた暦法になります。それまでの平気法を改訂した暦法です。
節気間の日数は毎年差異が生じることから、旧暦2033年に9月と10月がなくなってしまうなど大きな問題に直面しています。
「雨水」の言葉の意味
雨水の意味をサラっと一言でまとめると次のようになる。
『雪が雨に変わり、雪や氷は融けて水になる気温の季節。それゆえ「雨水」と呼ばれる』
日本の雨水は降雪の時期!
二十四節気は中国の気象気候を参照して作られているので日本とは気象気候条件が異なる。
それゆえ日本の雨水の頃は雪が雨に変わるどころの話ではなく、降雪の時期です。
現今の日本においての降雪の時期となるのは立春や雨水の頃。
「雨水」の言葉の由来
暖気が満ちると雪は雨に変わり、雪や氷が融けると水になる。
この状態を素敵に表現した言葉が「雨水」となる。
雨水の暦便覧(こよみ便覧)
『雪氷が融けて雨が降りはじめる頃』
意味
暦林問答集の雨水の項にも「雪散じて水と為る也」との記述が見えるように、これまで降り積もった雪が解けて水になり、雪が雨に変わって降るという意味合いがあります。
暦便覧とは?
暦便覧とは、正式には「こよみ便覧」と書き、「こよみべんらん」と読みます。
この書物は、1787年(天明7年)に江戸で出版された暦の解説書であり、 太玄斎(たいげんさい)という人物が著した古書物です。
太玄斎というのは名前ではなく「号」であり、本名は「松平頼救(まつだいら よりすけ)」と言います。
松平頼救は常陸宍戸藩の5代目藩主でしたが、隠居して嫡男・頼敬に家督を譲った後、太玄斎を称しています。
雨水の季節感・時節
雨水は農耕の目安時期
農家は一度、稲作に入ると桑を休める期間が皆無と言って良いほどなくなります。その農家にとっての休みと言えば秋の収穫後から雪解けまでです。
しかしながら厳密にいつから農耕を開始すれば良いのか?‥‥‥という明確な指標がなく、そこでこの雨水の時期が農耕作業開始の指標とされてきたのです。
なぜ雨水の頃に農耕作業が開始されるのか?‥‥それは雨水の頃に降る雨にあります。
この雨水の頃に降る雨には生命を育むかのような優しさ(温さ)があり、田畑を覆っていた氷雪を解かし、草木は芽を出すことができ、萌芽の兆しも見られます。
まさに農耕開始としては、うってつけの季節。
それゆえ、昔からこの雨水の頃は農耕の目安とされてきたのです。うきゃ
しかしながら上述のように日本の雨水の頃と言えば、降雪の時期です。実際の農耕作業開始はもう少し後。啓蟄か春分の頃が適当でしょう。
雨水の七十二候
「七十二候」とは?
二十四節気をさらに72に分割した「七十二候」と呼ばれる暦法もありんす。
七十二候は二十四節気をさらに細分化し、日本の風土に合わせた各季節においての気象や動植物の変化を分かりやすく解説しています。
したがって二十四節気が抽象的表現の暦であるならば、それをもう少し具体的にしたものが七十二候ということになりんす。
七十二候には「初候」「次候」「末候」という3つの期間(候)を設け、それぞれの期間の季節感にマッチした季語が割り当てられています。
例えば、この春分も七十二候に当てはめると3つの期間(候)に分けることができます。ウフ
初候(3月6日〜10日頃):土脉潤起(つちのしょううるおいおこる)
意味:雪から雨に変わり大地が湿り気を含む頃
詳細は下記ページにて。
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次候(3月11日〜15日頃):霞始靆(かすみはじめてたなびく)
意味:春霞がたなびき始める頃
詳細は下記ページにて。
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末候(3月16日〜3月20日頃):草木萌動(そうもくめばえいずる)
意味:草木が芽吹き始める頃
詳細は下記ページにて。
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