寺社へ参拝するとほとんど必ず奉納するものがあります。
なんだかお分りですか?
そうです。「お賽銭」です。
おそらく大抵の方が、なにげなく当たり前のように賽銭箱に入れているハズですが、お賽銭には実は深い歴史や意味合いがあったんです。
このページでは、お賽銭の意味や起源(歴史)などをご紹介しています。
目次
お賽銭とは?
お賽銭は「おさいせん」と読み、お賽銭の「賽」とは「神様授かった福に対しての感謝して祭る」という意味合いがあります。「銭」は「銭貨」つまり「硬貨」のことです。
現在では当たり前のようにお賽銭といって小銭やお札を賽銭箱に投げ入れていますが、実のところ、お賽銭の起源はお金ではなく「稲」や「米」になります。
かつては「おひねり」と言って、稲や米に白紙を巻いて包み込んで、神前や仏前にお供えしたり、「散米(さんまい)」といって米を撒いて今年の実り(豊作)に対しての感謝をしました。
しかし、平安末期になると平清盛が中国・宋(そう)との貿易を開始して、大量の宋銭を仕入れて商人を中心に流通させます。
やがて貨幣が民間層にまで流通してくると、およそ鎌倉時代あたりから稲・米に成り代わり寺社に金銭が奉納されるようになってくるのです。
お賽銭の意味合いは中世以降から変化している?
お賽銭は奉納ではない?
お賽銭は賽銭箱に投げ入れることから奉納には違いないのですが、神社さんによっては「お祓い料」と解釈されているところもあるようです。
後述のお賽銭は投げ入れていいの?でも解説していますが、お賽銭には「投げ銭」という作法があって賽銭箱の上の鈴を「ガラガラ♪」と鳴らして神様の降臨を促し、「チャリンっ♪」と音をさせて賽銭を投げ入れる、これらの音の集合によって「邪気を祓う」とされています。
このようなことから「お祓い料」と位置付けられるのも納得はできるものです。
一方で奉納は「のし袋」に包んだ初穂料(金銭)がパッと思いつくイメージですが、お金以外にも「樽酒」や「果物」「魚」も奉納です。これらは主に酒造メーカーや農家、漁業組合の方々が奉納したりします。
ただ、お賽銭箱にお札(紙幣)を入れた場合、「チャリンっ♪」と音がでないので、厄を祓えないのではないのか?という意見も出てきますが、そもそも”お賽銭”という言葉が示すとおり、”お賽銭”という言葉ができた当初は紙幣などなかったわけですから、時代を経る過程で上述したような俗説も定着していったのでしょう。
以上、大切なのはお賽銭の金額やその在り方ではなく、神仏に対しての真摯な崇敬心と、今、神仏に対して祈願や感謝に訪れているあなた自身の心の持ちようだということです。
お賽銭の金額に比例してご利益が異なるって本当??
俗説では、お賽銭を入れる時の金額によってご利益が異なるなどとも言われているようですが、お賽銭の金額によってご利益が異なるわけではありませんのでご安心を。ウフ
ただ、仏教には「多数作善(たすうさぜん)」という言葉があって、回数や個数が多ければ多いほど功徳(くどく)が増進するという考え方がありました。法隆寺の百万塔や京都 知恩寺の百万遍(百万遍念仏/=ひゃくまんべん)が良い代表例です。
これは当然、お賽銭の金額にも当てハマることですが・・ご安心を。多数作善は主に平安時代、鎌倉時代に流行したスタイルです。
このようにその時代時代に応じた流行にも似た「考え方」や「思想」が生まれ出るものであり、これは現代でも同じことが言えますが、その時代の影響力を持った人物によって流布されることで俗説というものが生まれるということです。
お賽銭の金額はいくら入れるのがいい??
お賽銭の理想的な金額については以下のページをご覧ください。
お賽銭を入れる理由や起源と金額はいくらがいい?お賽銭は投げ入れていいのか?
お賽銭は投げ入れていい??
お賽銭を投げ入れていいかどうかについては以下のページをご覧ください。
お賽銭を入れる理由や起源と金額はいくらがいい?お賽銭は投げ入れていいのか?
お賽箱の意味や由来
お賽銭箱の意味や由来については以下の別ページを参照してください。
「浄財」「賽銭箱」「喜捨箱」の違いや意味と設置されている理由のお話
お賽銭箱の上の鈴の意味や由来とは?
お賽銭箱の上の鈴の意味や由来については以下の別ページを参照してください。
集まったお賽銭はどうなるのか??
集まったお賽銭がどうなるのか?については以下の別ページを参照してください。
終わりに・・
参拝前に水道水でもいいのでとにかくキレイなお水でお賽銭を洗って、参拝した時に賽銭として使用すると金運が上がるのだとか。(これも俗説?)
Writing:麻呂