神社って日本中にあるけれど、どこの神社が一番人気なのか、気になったことがあるかもしれませんわね。
今回は、日本で人気ナンバーワンの神社を探るべく、神社の数を調べてみました。
日本にある神社の数は?およそ8万~9万
平成27年度版の宗教年鑑(文化庁編纂)によれば、神社の総数は81,255社(宗教団体、宗教法人を包括して)となります。
しかしこの統計に含まれていないものもあると考えると、正確な数字は「9万弱」になるのではないかという説もあります。
一番人気はどこ?神社の数ランキング
神社には色々な名称があります。
○○神宮、○○社、○○大社、○○天満宮など……同じ名前を擁する神社も多いことに、少しでも神社めぐりをしたことがある方ならお気づきでしょう。
神社はそれぞれ、祭神を勧請するという方法で増えてきました。
元々ある神社に祀られている神様を、新しい神社にお招きする(勧請する)ことで、新しい神社に神様を降ろしてきたのです。
そのため、長い間に、どの神社が多い、どの神社が少ないという差ができてきました。勧請されることが多いほど、その神社の信仰は増えてきたわけです。
こうして増えてきた神社の中で一番多い神社、いわば「一番人気」はどれなのでしょうか。
神社の数ランキング
八幡信仰 7817社
伊勢信仰 4451社
天神信仰 3953社
稲荷信仰 2924社
熊野信仰 2693社
第6位 諏訪信仰 2616社
第7位 祇園信仰 2299社
第8位 白山信仰 1893社
第9位 日吉信仰 1724社
第10位 春日信仰 1072社
※2017年現在・文化庁統計
というわけで、日本じゅうで最も多い神社は「八幡さま」系、という結果となりました。
2位の「お伊勢さま」が4,500社ほどですから、およそ1.7倍の差を付けての圧倒的勝利とも言えます。
日本の各都道府県別の寺社の数
それでは日本の都道府県別に寺社の数をご紹介します。
県名・神社数
- 新潟県 4,933社
- 兵庫県 4,243社
- 愛知県 3,885社
- 福岡県 3,806社
- 岐阜県 3,440社
- 千葉県 3,391社
- 福島県 3,170社
- 静岡県 3,070社
- 広島県 2,902社
- 長野県 2,566社
- 富山県 2,334社
- 高知県 2,316社
- 大分県 2,256社
- 茨城県 2,252社
- 埼玉県 2,174社
- 京都府 2,048社
- 栃木県 1,984社
- 石川県 1,959社
- 岡山県 1,948社
- 東京都 1,866社
- 山形県 1,801社
- 福井県 1,737社
- 滋賀県 1,528社
- 奈良県 1,509社
- 熊本県 1,489社
- 愛媛県 1,486社
- 長崎県 1,452社
- 徳島県 1,437社
- 神奈川県1,402社
- 山梨県 1,342 社
- 群馬県 1,291社
- 島根県 1,279社
- 鹿児島県1,271社
- 大阪府 1,198 社
- 秋田県 1,182社
- 佐賀県 1,159 社
- 宮城県 1,110社
- 北海道 1,097社
- 青森県 1,045社
- 三重県 970社
- 岩手県 942社
- 鳥取県 923社
- 山口県 905社
- 香川県 905社
- 宮崎県 738社
- 和歌山県513社
- 沖縄県 22社
※2017年現在・文化庁統計
都道府県別のランキングでは新潟県がダントツで多いことが分かります。
八幡神は武士の神様
一番人気の八幡神とは、応神天皇をお祀りした神社です。
八幡神の総本宮は、大分県宇佐市にいまします、宇佐八幡宮です。
応神天皇の神霊は571年に初めて、宇佐の地にあらわれ、その後725年になって宇佐八幡がお祀りされました。
その後、武運の神として平氏や源氏があつく信仰し、鎌倉時代にはいまも神奈川県、鎌倉の駅前でその威容を放つ「鶴岡八幡宮」が源氏の氏神として信心を集めたことが有名です。
なお、徳川家(松平家)も源氏の末裔を名乗っていたことから、八幡さまを氏神として信仰していた経緯があります。
そのほかの信仰の神様
一番人気、八幡神以外の神様について軽くご紹介しておきましょう。
伊勢信仰:天照大御神
お伊勢さまで知られる伊勢信仰の主祭神は、言わずと知れた天照大御神です。
皇祖である天照大御神は日本人すべてを守ってくださるとも言われ、全国どこにあっても、国家と生活の安全、安寧をお願いできる神様です。
天神信仰:菅原道真
受験のときに多くの人がお世話になる天神さまは、菅原道真が神格化したものです。
菅原道真は903年に死去していますが、死後923年になって右大臣の称号を得、さらに987年に一条天皇から、「北野天満宮天神」の称号を贈られました。
稲荷信仰:稲荷神、宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)
おいなりさんといえば、キツネ? と誰もが想像するところですが、別にキツネの神様というわけではありません。
おいなりさまの祭神は稲荷神と呼ばれることが多いですが、これは正式名称ではなく、宇迦之御魂神という神様を主にお祀りしている神社が稲荷社です。
熊野信仰:熊野大権現
熊野もまた、地名であるため、どの神様をお祀りしているのか分かりづらいかもしれません。
実は熊野信仰は元々、熊野川や那智の滝をご神体とする自然信仰でした。
ここに、仏教の流布、本地垂迹説などが重なり、釈迦が神に姿を変えて日本に姿をあらわし、教化してくださる……といったような考え方が広まり、さらに熊野信仰と結びついたのです。
このため、熊野の神社には実にさまざまな神々がお祀りされており、それらの多くが仏(本地仏)と結びついていますので、いちがいにどの神様とは明言できません。
もしご参拝の機会があれば、その神社にどの神仏が祀られているのか事前に調べてみるとよろしいでしょう。
諏訪信仰:建御名方神(タケミナカタ)
諏訪大社を本宮とする諏訪信仰は、国津神である大国主命の息子、建御名方神をお祀りしています。
『古事記』には、国津神が天津神に国譲りをする際に、すんなりといきそうだったところを、建御名方神が反対して、兄と力比べになった段が記されています。
ミナカタの名前から想像されるとおり、水神、竜神としても信仰されることのある神さまです。
祇園信仰:素戔嗚尊(=牛頭天王)
祇園信仰は、京都は八坂神社の祇園祭でもその存在を知られていることでしょう。
素戔嗚尊を、主に病気平癒の神として祀り、疫病の抑制を願いました。
白山信仰:菊理媛神(ククリヒメノカミ)
石川県、福井県、岐阜県周辺の、白山を崇拝する自然信仰のひとつです。
白山の神は菊理媛神という女神と言われていますが、この女神については記紀にもたった一度しか記述がなく、どのような神かほとんどわかっていません。
にも関わらず、そのたった一度で、いさかいになったイザナギとイザナミを仲直りさせるという重要な役割を担っています。
日吉信仰:大国主命他(比叡山信仰)
日吉信仰と呼びならわされているものは、比叡山に根付く信仰です。山王信仰という別名もあります。
熊野信仰と同じように、仏教と密接に融合し、大国主命の他にも様々な神様が祀られています。
明治期に廃仏毀釈の筆頭となったのは、日吉信仰の本宮である、比叡山日吉大社であると言われています。
春日信仰:武甕槌命(タケミカヅチ)他
春日大社は、藤原氏の氏神として古くから信仰を集めた神社です。
天津神の神々の先方として、国土平定に功のあった武甕槌命をはじめ、経津主命(フツヌシノミコト)などの神々が祀られています。