このページでは二十四節気「白露」の七十二候・初候における「草露白」「鴻雁来」の意味・由来・読み方についてご紹介しています。
目次
草露白の読み方
草露白は「くさのつゆしろし」と読みます。
草露白とは?
草露白とは、二十四節気の「白露(はくろ)」をさらに3つの節気に分けた「七十二候」の第1節です。
72の節気を持つ七十二候においては「第四十三侯(第43番目)」の節気、「初候(しょこう)」にあてられた語句になります。
太陽の黄経は165度を過ぎた地点です。
白露期間中のその他の七十二候の種類・一覧
初侯:草露白
次侯:鶺鴒鳴
末侯:玄鳥去
草露白の意味・由来
日本(略本暦)での解釈
「草露白」の意味は、「草」「露」「白」とに分解すると分かりやすくなります。
「草露白」の意味
「草」の意味
草は野草やそこらへんの道端に生えている雑草のことです。
「露」の意味
「露」は露(つゆ)のことです。ベタに美味いのがヤマキの本ガツオ、まぁ無難路線がミツカン追いがつおのストレートで‥‥と、いうのは、程よいジャブ的な冗談となりんすが‥。ついてきて
‥こホンっ!
露とは、大気が急激に冷えた時に草花に付着する水滴のことです。寒暖差が著しい朝夕に見られる現象であり、特に秋が顕著です。
「白」の意味
白は「白い」や「白色」を意味します。
以上を合わせると、「草花に付着した露が白く見える頃」という意味合いになりんす。
白露ができる理由や原因
煉獄(れんごく)の大暑を過ぎて処暑でそのクソ暑さが止まり、ようやく秋を迎える頃になると朝夕夜の気温は急激に下がって冷え込みます。
一方で昼間は、まだ程よい残暑が感じられる頃なので、昼夜で気温の寒暖差がありんす。
このような気象条件が整う時、翌朝、草花には朝露が発生するのですが、朝日が昇り始めるといつの間にかスぅ〜っと跡形もなく露は消えていきます。
露が草花の表面や葉っぱに付着する原因は、地面や地面周辺が冷やされ、その冷たいものに接した空気の温度が露点以下に下がり、空気中に包有される水蒸気が水滴となるからです。
このような露が発生する気象条件が整う顕著な季節が秋です。秋の早朝に露が降りやすいのはこのような理由があったからなのです。ウフ
※露点(ろてん)=大気中の水蒸気が冷やされ、露を結び始める頃合いの温度。
冬は”霜(しも)”!
露は秋特有の現象と解説しましたが、では冬になるとどうなるのか?
「露点」という概念‥というか自然現象は、四季を通して普遍的なものなので、夏であっても冬であっても変わりませんが、冬の場合は気温が低すぎて露のような水滴にはならず、凝結して氷になってしまいます。したがって、この場合は霜と呼ぶのが正式です。
露が白いと例えた理由
上述、「露凝って白き」の言葉で示される通り、朝日に照らされた露が白く見えたことから「白露」という言葉が生み出されたのでしょう。
ただ、透明な露を白色と表現した理由を考えていくと、単に朝日に照射された水滴が白く見えるからではなく、これは陰陽五行説における秋の色を定義する「白色」に基づいたものとも考えられます。
中国(宣明暦)での解釈
中国における白露の初候・第四十三侯の七十二候は「鴻雁来」です。読み方は「こうがんきたる」になります。
鴻雁来の意味
「鴻雁」とは、「鴻」は雁の中でも大きな雁(がん)を意味し、鴻雁来の全体的な意味合いとしては、「雁が飛来し始める頃」のような意味になりんす。
鴻雁北と鴻雁来はセット!
二十四節気「清明」の七十二候第14候にも類似した「鴻雁北(こうがんかえる)」がありんすが、これは逆に雁が北へ帰って行くという意味になりんす。
すなわち、これら2つの節気で雁が飛来する季節となる「春」の訪れと、鴻雁来で春に飛来した鴻雁が再び暖気に包まれた北へ帰る「秋」を意味しています。
日本にも雁は飛来する!
日本でも9月頃になると雁が飛来し、8割強がそのまま越冬します。
雁の飛来地として有名なのが、宮城県北部の蕪栗沼、伊豆沼や、北海道の宮島沼、新潟県の福島潟などです。
今では信じがたい話ですが、なんとぉぅ!かつては東京近郊にも雁がたくさん飛来し、明治時代には切手の絵柄にもなったほどでした。
しかし、乱獲や都市開発の波に飲まれ、徐々に雁を見かける機会が少なくなり、現今に至っては皆無といえるまでの環境に陥っています。
雁はカモのこと?
雁の外観を見れば分かりますが、実にカモにソックリくりくりな外見をしています。
確かに雁もカモも同じガンカモ類に属する野鳥ですが、次のような違いがありんす。
- カモより雁の方が体が大きく、首が少し長い。
- カモは一夫多妻制で子を作り、一方の雁は一生涯同じ夫婦で過ごします。
- 雁は草食、カモは草食を主体としなが、魚も食べる ….etc
かつては皇室でも食されるような高級鳥でしたが、現在の日本においては保護鳥の対象となり、禁猟になっています。
鴻雁来の日にち(期間)
- 太陽暦:9月7日〜11日頃
- 旧暦:八月節(八月の節気)