いよいよ今年も「端午の節句」が近づいて来ました。
「さあ、こいのぼりを飾りましょう!」となった時に、「あれ?いつからいつまで飾るのかな?」と疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
今回は、こいのぼりを飾る上で、知っておきたい情報をいくつかご紹介します!
飾り方だけではなく、片付け方や処分方法も合わせてご紹介しますので、是非お役立てください!
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こいのぼりを飾る時期・片づける時期
端午の節句は5月5日ですが、こいのぼりを飾る時期はいつが良いのでしょうか?
詳しくみ見てみましょう。
こいのぼりはいつ出すの?
こいのぼりを、いつ出さなくてはいけないという厳格な決まりはありません。
しかし、地方によってかなり違いはあります。
例えば、旧暦で行事を行うため、6月5日に端午の節句の行事を行う地方もあります。
そういう事情がない場合、一般的には4月中旬くらい、春分の日を目安に飾るご家庭が多いようです。
男女のお子さんのいるご家庭では、ひな人形と入れ替わりに、こいのぼりを出すご家庭もあるようです。
こいのぼりは、遅くても4月中に飾ってあげるのがいいでしょう。
また、こいのぼりは、子どもの健やかな成長を願う行事なので、大安などの縁起の良い日に飾るご家庭も多いです。
そして、大切なのが、天気の良い日に飾ることです。
ポリエステルやナイロンでできているこいのぼりは、雨でも色落ちするような事はありませんが、酸性雨などの影響で、汚れが染み付いてしまう場合があります。
そのため、雨天時には揚げないようにしましょう。
風が強い日も注意が必要です。
風が強いとポールが変形してしまう恐れもありますし、なにより、風が強い日には、こいのぼりに重みがかかり、出すのがとても大変です。
もともと、大きなこいのぼりを出す作業はなかなかの大仕事ですから、できるだけ風雨の日は避け、穏やかな日に出しましょう。
こいのぼりを出すおすすめの日
- 4月中旬くらいの日(春分の日が目安)
- 大安などの縁起のいい日
- 晴れの日
- 風が強くない日
【豆知識】縁起の良し悪しは「時間次第」?
仏滅などの縁起が悪い日も「時間が変わればさわりない」とも言われています。気になる方は、時間帯を気にしてもいいかもしれません。
- 大安・・・一日中良い日。
- 友引・・・午前11時~午後1時の正午前後を除く時間は吉。ただし、凶事には凶の日。
- 先勝・・・午前中は吉、午後は凶。
- 先負・・・午前中は凶、午後は吉。
- 赤口・・・午前11時~午後1時の正午前後が吉。それ以外の時間は凶。
- 仏滅・・・一日中あまり良くない日。
こいのぼりはいつ片づけるの?
こいのぼりを片付けなくてはいけない日は、こいのぼりを出す日と同様に、特に決まっているわけではありません。
こちらも、地方によってかなり違いはあります。
5月中は飾っているという地方もあれば、5月5日で片付けてしまう所もあります。
また、旧暦で端午の節句の行事を行う地域は、6月上旬までこいのぼりを飾っているそうです。
一般的には、こいのぼりを片付ける時期は、端午の節句が終わった後、5月の中旬頃が目安となっています。
もちろん、5月5日が終わった直後に片付けても大丈夫です。
日付は、まちまちですが、片付ける日におすすめなのは、良く晴れた、乾燥した日です。
当日に雨が降っていなくても、前日に雨だったため、こいのぼりが湿っていたり、湿度が高い日にそのまま片づけてしまったりすると、カビの原因になります。
1年後、出したときにカビが生えていてビックリしないように、湿度には気をつけましょう。
こいのぼりの片付けは、お住まいの地域の風習に従うのもいいですし、その辺りの日付のお天気の良い休日に、お子さんと一緒に作業するのも良いかもしれません。
こいのぼりを片付けるのにおすすめの日
- 端午の節句終了後(5月中旬頃までが目安)
- よく晴れた乾燥した日
こいのぼりの手入れ方法
野外で飾られるこいのぼりは、雨風に打たれるため、結構汚れてしまいます。
子どもの健やかな成長を願って飾られるこいのぼりですから、きれいに手入れをして毎年楽しめるようにしましょう。
そのためには、お手入れが必要です。
ここでは、お手入れ方法をご紹介します。
こいのぼりは洗濯できるの?
こいのぼりは、金彩加工がされている繊細な飾りです。
基本的には、軽く水ですすぐか、濡れた布巾で拭きましょう。
水ですすぐ時は、なるべく水を使い、洗剤は使わないようにします。
しつこい汚れの場合は、薄く希釈した中性洗剤で湿らせた布巾を固く絞り、拭きながら取ります。
金彩加工している部分には、当てないようにしましょう。
それでもきれいにならない場合には、洗濯をします。
ですが、こいのぼりが洗える素材かどうかは、購入した時の説明書を読んでください。
洗い方や、取り扱いの注意事項が書かれている場合もあります。特に注意事項の記載がなく、素材がポリエステルや、ナイロンなら丸洗いができます。
①手洗いが基本です。
ドライクリーニングや洗濯機・乾燥機は使用しないようにしましょう。
浴槽や大きめ容器に、ぬるま湯を張り、おしゃれ着洗いなどで使う中性洗剤を入れて、こいのぼりを浸します。
※漂白剤の入った洗剤は使用してはいけません。
※金彩加工している部分は、揉み洗いも浸け置きもよくありません。金箔はとても剥がれやすいので、水に浸けると剥がれてしまう場合があります。金彩の装飾がされている部分は、濡らしたタオルなどで、汚れ部分のみを押し洗いするようにして、金箔がはなるべく水分に触れぬようにしましょう。
②1時間ほどつけおきします。
※長時間つけ置きしてはいけません。
③特に汚れがひどい時や汚れが落ちていない箇所だけ、優しくもみ洗いをします。
※強くこすってしまうと色落ちや傷みの原因になります。
④汚れた水を捨て、生地に付いた洗剤を優しく洗い流します。
※この時も強くこすってはいけません。
⑤優しく水気を絞ります。
バスタオルなどを使って水を含ませると水切れがよく、おすすめです。
強い力で絞ると、金箔が剥がれる恐れがあります。風通しの良い日陰でそのまま干し、乾燥させます。
※このときは、なるべくシワを伸ばした状態で干します。
⑥乾いたら丁寧にたたみます。
※乾燥機やアイロンを絶対に使ってはいけません。
熱で変化しやすい素材が使われていたり、熱に弱い装飾がされていたりするので、変色や劣化の原因になります。
必ず、自然乾燥させてください。
こいのぼりの片付け方
こいのぼりを片付ける箱は、購入時に入っていた箱でも大丈夫です。
なんといっても、カビが大敵のこいのぼりですから、通気性のよい入れ物(箱)を選ぶ方がいいと思います。
収納の時は、防虫剤は使用しません。
ポール等は乾いた布でよく拭いて汚れを落とし、 矢車や滑車部分には油をさしてからしまうと、来年もよく回ってくれます。
こいのぼりを飾る年齢は?いつまで(何歳まで)飾るの?
基本的に、鯉のぼりをいつからいつまで(何歳まで)飾るのかという決まりは無いようです。
ただ、地方や各ご家庭の風習によって違いがあります。
しかし、お子さんを中心に考えた場合には、初節句から小学校中学年くらいまででしょうか。
お子さんの為に飾ってあげるものなので、お子さんが喜ぶうちは飾ってあげるのが良いでしょう。
また、お子さんの健やかな成長や出世を願って飾るものなので、成人したら飾らなくてもよいという考え方もあるかもしれません。
いずれにせよ、親であればいつでも、いつまでも、子の健康や活躍を願っているものなので、お子さんが大人になっても飾り続けたところで、悪いことはないのです。
ちなみに、「5歳まで」とか、「20歳になったら内飾りは供養する」と言って販売している業者もあるようですが、そのような決まりは特にありませんので、お気をつけ下さい。
こいのぼりは誰が買うのか?
基本は「母方の実家が用意」。地域の習慣と話し合いで決定!
こいのぼりは誰が買うのでしょうか?
通常、こいのぼりは、昔から、母方の実家で用意する習慣があります。
昔は、結婚をすれば、夫婦は夫の両親と同居するのが当たり前になっていました。
離れて暮らす母方の両親が、孫と娘の顔を見たいがために、こいのぼりを用意したことから、「こいのぼりは母方の実家が用意する」という風習が始まったとも言われています。
しかし、最近では、両親との同居も少ないですし、必ずしも母方の両親が準備しなくてはならないものでもなくなっています。
中には、両家で折半したり、親自身が購入したりする場合もあります。
誰が買うかは、地域によっても様々な風習があり、夫が長男の場合は、父方の両親が準備するという場合もあるようです。
つまり、誰が買わなくてはいけないと言った特別な決まりはないので、かわいいお子様のために、和やかに話し合って決めるのが良いでしょう。
次男や三男にも買う?
こいのぼりや五月人形は、雛人形と同じように、子供1人につき1つずつ用意する必要があるとされています。
それぞれ、色々な願いが込められているものですし、特に人形は、子供の身代わりとして、災厄から守ってくれると信じられてきました。
そのため、身代わりを兄弟で兼用にしてしまうと、お守りとしての効果が半減してしまい、さらに、それまで受けた災厄を引き継ぐことにもなってしまうかもしれないと考えられているためです。
昔は、家の後継である長男にのみに買い与えるということも多かったようですが、現代では、全ての子供に買い与えることがよいとされています。
もし、兄弟で飾るスペースがない場合は、長男に買ったものよりも小さなものを飾っても構いません。
こいのぼりの場合には、生まれたお子さんに見立てたこいのぼりを新たに買い足してもいいでしょう。
購入したお店や店舗に問い合わせると、単品として追加購入できる場合もあります。
こいのぼりと一緒に五月人形も買った方が良い?
子どもの日に飾るのはこいのぼりだけではありません。
五月人形なども飾ることがあります。
実は、五月人形とこいのぼりには、関係性があります。こいのぼりは「外飾り」で、五月人形は「内飾り」として役割があるのです。
外飾りであるこいのぼりは、先で説明した通り、主に子どもの立身出世という意味合いがあります。
一方で、五月人形には厄除けとしての意味合いが強く持たされています。
ひとえに五月人形といっても、それぞれ違った由来や意味を持つ、「鎧飾り」や「兜飾り」、金太郎や鐘馗、神武天皇などの人形など、その種類は色々です。
初節句では、こいのぼりか五月人形かの購入で迷うこともあるでしょう。
しかし、それぞれ役割が異なるため、両方を購入しても問題はないのです。
内と外、それぞれに飾りがあればより節句を楽しむことができます。
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こいのぼりの処分方法
思い入れのあるこいのぼりですが、こいのぼりですが、致し方無く処分しなくてはならない場合もあるでしょう。
では、こいのぼりはどのように処分したらよいのでしょうか?
譲ったり売ったりする
自治体がイベントを行うために、こいのぼりなどの寄付を募っていることがあります。
もしお住まいの地域で募集されていれば、それに応募するのも、おすすめです。
大事にしていたこいのぼりは手元を離れますが、沢山の方に見て頂けるとなると、後ろめたい気持ちもややお落ち着くでしょうか?
近所の方や親戚・知人、リサイクル業者に売るという方法もあります。
処分しなくてはいけないこいのぼりを、どなたかが購入してくれて、しかも代金も頂けるとなれば、いい方法だとは思います。
個人で買い手を探すとなるといつ売れるかが分からないので、保管場所は必要ですが、試してみてはいかがでしょうか?
リサイクル業者に持ち込んでも良いですよ。
供養して捨てる
続いて、供養して処分する方法です。
例えば、人形供養の代行サービスにお願いする方法があります。人形供養の代行業者は、ネットか電話で申し込めば、梱包して郵送するだけで申込完了となりますので、とにかく簡単です。
料金は業者によっても違いますし、こいのぼりの大きさによっても変わってきます。
また、神社で供養してもらうこともできます。
お近くの神社が人形の供養をされていれば、そこに持ち込めば、供養から処分までお願いできます。
その場合、供養料を支払う必要があります。
最後に仕方なく自宅で処分する場合の処分方法です。
その場合は、きちんと自宅で供養してから処分しましょう。
まず、清潔な布でこいのぼりを拭いて、白の大きな和紙(なければ捨ててもよい風呂敷)の上に置きます。
そして、一礼と合掌しながら感謝の気持ちを伝え、こいのぼりに塩を振りかけ、お清めをします。
最後に和紙で包んで、お住いの自治体のルールに従って処分しましょう。
長年に渡って、お子さんの健やかな成長を見守ってきてくれたこいのぼりです。最後まで丁寧に扱いましょう。
各地で開催されるこいのぼりイベント
群馬県館林市「館林こいのぼりの里まつり」
5000匹を超える鯉のぼりが川に渡された綱につけられ、川を泳ぐかのように飾られます。2005年には、その数がギネス世界記録にも認定されました。
埼玉県加須市「加須市民平和祭」
全長100mのジャンボ鯉のぼりが空を泳ぐ姿は圧巻です。しかし、かなりの大きさなので、ちゃんと風に乗って泳ぐかは当日の風向き次第のようです。
石川県金沢市「浅野川・鯉流し」
この鯉のぼりは、空を泳ぐのではなく、水の中に入れられて、本当に川を泳ぐ鯉として見ることが出来ます。
まとめ
こいのぼりを毎年出すことも、片付けることも、そして、そのこいのぼりをいつまでもきれいに保管することもなかなか大変な事です。
しかし、年に1回、お子さんの健やかな成長を願って出すこいのぼりは、それだけ大切な意味を持っています。
こいのぼりを出す作業も、片付ける手間も、お子さんと一緒に行ってみるのはいかがでしょうか?きっと、思い出に残る端午の節句になりますし、来年の端午の節句も楽しみになりますよ。
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Writing:YUKIKO-加藤