春!といえば春爛漫!
暗くよどんだ土中からあらゆる生き物が目覚め、そのウっぷんを晴らすかの如く、樹木草花は芽吹いて花咲かせ、蛙ピョンピョンありんこコチョコチョ、トカゲにょろにょろ‥‥といった手が付けられない有り様。
まさに春謳歌の極み。とりあえず金くれ
‥‥というわけで以下では、いよいよ春本番を告げる「春分」の意味・由来についてご紹介するでゴザぁ〜る。
春分の読み方
「春分」は「しゅんぶん」と読みます。
二十四節気は中国由来の言葉なので、すべて音読み+音読みの熟語となっています。
春分とは?
春分とは、二十四節気・七十二候の「立春」から始まる春の節気の3節(3番目)のことを指します。
また、二十四節気を二分した各12節気のうちの「中気(ちゅうき)」に属します。
春分の前の節気は「啓蟄(けいちつ/3月6日頃)」で、啓蟄から数えて15日目くらいとなる3月6日頃が春分です。
春分の後の節気は「清明(せいめい/3月21日頃)」になります。….安倍〇〇?
ところで・・「二十四節気」とは?
二十四節気とは、1年を24つ分けて、それらを1つ々々を「節気」と定めて。その節気に季節を司る言葉を付したものが二十四節気です。
1年を夏至と冬至の2つに分け、さらに春分と秋分の2つに分けて4等分とします。(二至二分)
- 365日÷4=91.25日
二十四節気はこの二至二分を基軸としています。
そして、それぞれの中間に立春、立夏、立秋、立冬を入れて8等分したのが、約45日間ずつの「八節」です。
- 365÷8=45.625日
さらに、八節を約15日ずつに3等分したものが二十四節気です。現行の二十四節気は、立春、立夏、立秋、立冬が各季節(四季)の先頭に来るように配置しています。
二十四節気は、中国から日本に伝来した生粋の中国文化ですが、中国と日本の時節(いわゆる季節感。動物・植物・気象など)が異なるため、日本では江戸の改暦(1842年/天保改暦)を経て、明治の改暦を経ながら日本の季節感いわゆる物候(ぶっこう)に沿わせるように改訂されています。
節気は各月に2つ存在し、毎月、「節」と「中」の節気が交互に来るようになっています。
「節」は「正節(せいせつ)」とも言い、「節気」とも呼ばれます。各月の前半に配置されるのが、この節です。
「中」は「中気(ちゅうき)」とも言い、略称で「中」とも呼ばれます。
現行の二十四節気は中国の太陰暦(月を参照した暦)を補完する目的で、逆の発想で太陽を参照して作暦されていますので、現在の太陽暦(グレゴリオ暦)に至っても、極度に形態を変えることなくそのまま使用され続けています。
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それで春分の節気(期間)はいつからいつまで?
春分の前の節気は啓蟄(けいちつ)で3月6日頃〜3月20日頃までです。したがって春分は、新暦(現在の太陽暦)で言えば3月21日頃を指します。
もしくは3月21日頃から始まる節気(期間)を指します。春分の場合はその次の節気である「清明」の前日までとなる「3月21日〜4月4日頃」までです。年によっては1日前後します。
春分とは「特定の日」を指すのではない!
二十四節気は半月単位で節気が区切られています。したがって厳密に言えば「春分の節に入る日」を意味します。
半月とは約15日になりますので、このどこかで春分の節気で解説されているような季節感を感じて、本格的に春分の節気に入ったことを意味します。
もちろん、世間一般では特定の日が節気の境目として、特定の日のみが言葉で交わされる感は否めません。しかし、それが世間通念上まかり通っているのも事実であることから、完全な間違いとは言い難いものがありんす。
ただ、これは本来、正式ではないということを理解しておきたいところです。
春分は旧暦ではいつ?
春分を旧暦で表記すると、2月の2つ目の節気「二月中(卯月の中気)」であり、具体的には2月下旬頃〜3月初旬頃になりまする。
春分の次の節気である「清明」が「三月節(辰月の正節)」です。
春分の前の節気は「啓蟄」で2月上旬頃の節気となる「二月節(卯月の正節)」になります。
現行の定気法では太陽が黄経約0度の点を通過したあたりになります。
定気法とは?
定気法とは、1844年(天保15年/江戸時代後期)の天保暦より使用された暦法であり、太陽が黄道を15度ずつ進むたびに節気を設けた暦法になります。それまでの平気法を改訂した暦法です。
節気間の日数は毎年差異が生じることから、旧暦2033年に9月と10月がなくなってしまうなど大きな問題に直面しています。
2025年の春分の日はいつ?
- 2025年の日本の春分の日は3月20日(木)!
年 | 正確な時間 (UT基準) | 春分の日 | 中国の春分の日 |
2023年 | 3月20日21:24 | 3月21日 | 3月21日 |
2024年 | 3月20日03:06 | 3月20日 | 3月20日 |
2025年 | 3月20日09:01 | 3月20日 | 3月20日 |
2026年 | 3月20日14:45 | 3月20日 | 3月20日 |
※参照先:「ウィキペディア」
「春分」の言葉の意味
『太陽が真東から昇り、真西に沈んでいく日。この日昼夜の長さは等しく成る』
春の中間地点を意味する
春分は二至二分(冬至、夏至、春分、秋分)を基盤とした四季における至点の一つ、「春」に該当する。
春の対極に位置するのが「秋」の「秋分」になる。
「春分」の言葉の由来
秋分と春分とは意味を同義とし、春の半ば(中間地点)という意義を以て「分ける」として「春分」、逆に秋の中間という意義を以て、これを分けるとして「秋分」と定義したもの。
春分の日は本当に昼夜の長さが等しいのか?
一般的には春分の日を境として昼夜の時間が等しくなると言われるも、厳密には光の屈折現象などを加味し、昼の方が夜に比べてわずかに長いらしい。
この春分の日を境に昼時間の方が長くなり、初夏への歩みを進ませる。
春分は太陽視黄経0度!その意味とは?
天球上においての春分は「春分点」と呼ばれ、この点を太陽が通過する瞬間のことを「春分」と言います。
天球上を俯瞰すると、黄道と赤道が交わる点が2つあり、このうち1つの点は太陽が赤道の南から北へ向かい横切る点になっており、すなわちこの点が春分です。
しかしながら歳差運動(さいさうんどう)の作用により、毎年わずかに西へ移動しています。現在は「うお座」のあたりにあります。
歳差運動とは?
歳差運動とは、自転している物体(自分で回転してる物体)の回転軸が、円を描くように振りながら動く現象のことです。俗称で「首振り運動」などとも呼ばれるものです。
画像引用先:https://ja.wikipedia.org
春分の暦便覧(こよみ便覧)
『日天の中を行て昼夜等分の時也』
意味
日(太陽)が、天(天球)の中(中心)ともなる東西の極点を進むので、昼夜が等しく同じ時間を迎える。‥‥‥などの意味合いになりまする。
口で言ってもなかなか伝わりにくいと思うので、ちょぃと下図(画像)をご覧くださいな。
この図を見れば分かるように春分および秋分になると、太陽が東西の極点を通過していることが分かります。
東西の極点を通過する太陽軌道は月日を歩みながら徐々に北寄り(N)へと近づいていきまする。つまり上図で解説すれば夏至へ向かっていくワケですな。ウぇっヘン
夏至の頃になると東西の極点は通過せず、大きく北側へズレた点を通過していることが分かり申す。
さらに太陽の南中高度は上昇し、太陽が天球上に現れている時間が多くなっていることも分かります。すなわち夏の到来です。
では、逆に冬至に注目してみましょう。
いかがですかぃ?
天球上の太陽が出現している時間が減っているのが分かりませんかぃ?これは日中(昼間)の時間が短く、夜の時間が長くなっていることを意味しています。(ただし、北半球のみ)
盛夏の極みに達すれば‥‥今度は再び、太陽軌道はもとに戻る形で冬の極点たる「冬至」へ向かいヤス。すなわち冬の到来です。
この夏から→冬へ戻る過程において、再び、昼夜の時間が等しくなる時節がゴザんすが‥‥分かりやすかぃ?
そうです。この時は春分ではなく「秋分」!すなわち「秋分点」でゴザんす。
以上、このように東西の極点を通過する日は、1年のうちでたった2回!この春の極点たる「春分」と、秋の極点たる「秋分」の2つのみでゴンす。
暦便覧とは?
暦便覧とは、正式には「こよみ便覧」と書き、「こよみべんらん」と読みます。
この書物は、1787年(天明7年)に江戸で出版された暦の解説書であり、 太玄斎(たいげんさい)という人物が著した古書物です。
太玄斎というのは名前ではなく「号」であり、本名は「松平頼救(まつだいら よりすけ)」と言います。
松平頼救は常陸宍戸藩の5代目藩主でしたが、隠居して嫡男・頼敬に家督を譲った後、太玄斎を称しています。
春分の季節感・時節
春分といえば「お彼岸」が頭に浮かびますが、お彼岸とは春分と秋分とを中日とした前後3日におよぶ合計7日間のことを言います。
〇〇〇春分〇〇〇
〇〇〇秋分〇〇〇
春分は古来、「寒さ暑さも彼岸まで」と言われる通り、日中においては特に寒くもなく、暑くもなく、何をするにも適した季節。
ただ、春分と聞けば「彼岸」。彼岸と聞けば「彼岸団子」や「牡丹餅(ぼたもち)」をこしらえて近所へ配ったり、はたまた、かつては「春季皇霊祭」があったりするなど、なにかと宗教的な意味合いが濃い印象があります。
しかしながら、世間通念上においての春分のイメージとは遊楽的な意味合いが先行するのも事実。
春分の七十二候
「七十二候」とは?
二十四節気をさらに72に分割した「七十二候」と呼ばれる暦法もありんす。
七十二候は二十四節気をさらに細分化し、日本の風土に合わせた各季節においての気象や動植物の変化を分かりやすく解説しています。
したがって二十四節気が抽象的表現の暦であるならば、それをもう少し具体的にしたものが七十二候ということになりんす。
七十二候には「初候」「次候」「末候」という3つの期間(候)を設け、それぞれの期間の季節感にマッチした季語が割り当てられています。
例えば、この春分も七十二候に当てはめると3つの期間(候)に分けることができます。ウフ
初候(3月6日〜10日頃):雀始巣(すずめはじめてすくう)
意味:雀が巣ごしらえを始める頃
詳細は下記ページにて。
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次候(3月11日〜15日頃):桜始開(さくらはじめてひらく)
意味:桜の花が咲き始める頃
詳細は下記ページにて。
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末候(3月16日〜3月20日頃):雷乃発声(かみなりすなわちこえをはっす)
意味:春雷の音が聞こえる頃
詳細は下記ページにて。
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