「蓮始開」「蟋蟀居壁」の意味・由来・読み方|【小暑(二十四節気)七十二候・次候】

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このページでは二十四節気「小暑」の七十二候・次候における「蓮始開」「蟋蟀居壁」の意味・由来・読み方についてご紹介しています。

蓮始開の読み方

蓮始開は「はすはじめてひらく」と読みます。

蓮始開とは?

蓮始開とは、二十四節気の「小暑(しょうしょ)」をさらに3つの節気に分けた「七十二候」の1節です。

72の節気を持つ七十二候においては「第三十二侯(第32番目)」の節気、「初候(しょこう)」にあてられた語句になります。

太陽の黄経は110度を過ぎた地点です。

小暑期間中のその他の七十二候の種類・一覧

初侯:温風至
次侯:蓮始開
末侯:鷹乃学習

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蓮始開の意味・由来

日本(略本暦)での解釈

「蓮始開」の意味は、「蓮」と「始開」に分解すると分かりやすくなりますが、「蓮」は「はす」と読み、これは「植物の蓮(ハス)」のことです。

「始開」は一見すると「開始」の方が正しい読み方のように見えて、なぜ「開始」としないの?とか、考え込んでしまいそうになりますが、これは「始めて開く」を略した「始開」があてられているからです。読み方は「はじめてひらく(始めて開く)」。

すなわち「蓮始開」とは、「蓮の花が開花する頃」もしくは「蓮の花が咲き始める頃」という意味合いになります。

ちなみに七十二候には「始開」と付される語句が全部で3つあり、すべてが「始開」と表記されています。

七十二候に集録されている「始開」の一例
  • 山茶始開
  • 桜始開
  • 蓮始開

これらを並べてみると、いずれの語句も植物が対象になっていることが分かります。

山茶は「つばき」のことです。山茶始開は立冬の第一期間・初候を司る季語であり、「11月7日〜11日頃」を指します。意味合いは「山茶花(さざんか)が咲き始める頃」です。

もう1つの桜始開の桜は語るまでもなく、初春の季語である「桜」のことです。桜始開は立春の第二期間・次候を司る季語であり、「3月25日〜29日頃」を指します。意味合いは「桜の花が咲き始める頃」です。

まとめると、「始開」の文字だけで「花が咲き始める頃」としているのが理解できます。

蓮の生態

蓮はインド原産のハス科多年性水生植物になります。蓮はちょうどこの小満の時期である7月に咲き始め、9月まで咲き誇ります。

蓮は深夜2時頃にツボミが開き、明け方に向けて徐々に大輪を開花させていくという風変わりな花です。午後になるにつれて再び蕾(つぼみ)になって閉じてしまいます。

最大に開花した蓮を観る場合は、朝7時〜9時頃に観に行く必要があります。この上、蓮の花は3日〜5日ほどで散ってしまうという何とも鼻毛な花‥、おっと儚げな花になります。

蓮と似たような花に睡蓮(スイレン)がありますが、蓮とはまた違った別の花になります。この蓮とスイレンを合わせた抽象的なものを、仏教では「蓮華(れんげ)」と呼んでいます。

蓮が仏教に取り込まれた理由

お寺に行くと仏像が「蓮華座(れんげざ)」という蓮を象った座布団のような作り物の上に乗っている姿がよく見られると思います。

代表例が東大寺の大仏さんです。東大寺の大仏さんは盧舎那仏(るしゃなぶつ)と言って蓮の台座の上に座っておられます。

このように蓮が仏教に取り込まれた理由は、古代インドで誕生したヒンドゥー教の教理に拠るものです。

ヒンドゥー教は仏教が誕生する前の古代インドの核となる宗教であり、その思想は仏教に引き継がれていくことになるのですが、ヒンドゥー教の教理の中にこんな言葉が残されています。

蓮は、泥の中に根ばりをして茎を伸ばし、水上では折れ曲がらずにシャキッとして、大きく広がるようにして優雅に花を咲かせる。その様子は俗世の欲に囚われず、清浄な心を表現している。すなわち、この蓮が花を咲かせる様相を俯瞰して「清らかな心で生きることの大切さを表している」と言うように解釈できます。

蓮は泥がドロっとしていればいるほど根ばりして、より美しい大輪の花を咲かせると言います。

この教理が仏教に転用され、「泥」を釈尊が説いた末法世界(まっぽうせかい)に置き換え、蓮の根ばりする様子は末法世界を救済するための長く苦しい修行に置き換えられています。そして、その厳しい修行の成果の度合いを示したのが茎の伸びる様子とされています。
※注釈:「末法世界」とは仏教が忘れられた世界のこと。仏教では末法世界は世界の終わりとされる。北斗の拳の世紀末に少し似ている。うきゃ

茎が伸びきってやがてその先に見えてくるのは花弁を大きく開く「開花」です。この開花が意味するところは悟りの境地に到達したこと意味し、はたまた、極楽浄土を意味するところでもありんす。

俗世間でよく言われる成功や達成したことを表する言葉の「大輪の花を咲かせる」とは、まさにこの蓮の生き様から生まれ出たような言葉です。

このような仏教の思想はインドから→中国・朝鮮(百済)を経て→日本へ伝来することになります。時に飛鳥時代となる538年〜552年のことです。(日本書紀)

中国(宣明暦)の夏至の次候・第三十二侯の七十二候は「蟋蟀居壁」!

蟋蟀居壁の読み方

中国における夏至の次候・第三十二侯の七十二候は「蟋蟀居壁」になります。読み方は「しっしゅつかべにおる」になります。

蟋蟀居壁の意味

「蟋蟀居壁」の意味を考えるとき、まず、「蟋蟀」と「居」と「壁」に分けると理解しやすくなります。

「蟋蟀」とは、「コオロギ」のことです。音読みで「しっしゅつ」と言います。ちなみに訓読みは「きりぎりす」です。

蟋だけで「しつ」「しっ」と読みます。蟀は「しゅつ」と読みます。これらの漢字はそれぞれ独立した意味合いは持たず、何かと合わせて蟋蟀とすることで始めて意味合いを持ちます。

ただ、おデコの「蟀谷(こめかみ)」という漢字には「蟀」が用いられていますが、これは中国語の「蟀谷」をそのまま踏襲したものであり、あえてこの漢字が用いられている理由は、まったく不明のようです。

「居」は、そのまま「居る(いる)」「居る(おる)」に意味になります。「壁」は、「ウォール(wall)」、すなわち壁です。ここでの壁とは民家の壁のことを意味していると考えられます。

以上、まとめると「蟋蟀(コオロギ)が壁で鳴く頃」という意味になります。


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コオロギの生態

コオロギは、キリギリス亜目コオロギ科の昆虫です。

中国のコオロギといえばツヅレサセコオロギやミツカドコオロギが挙げられますが、コオロギはおおむね7月下旬頃に成虫になって姿をヒョッコリと表します。

発生期間は7月中旬頃〜11月上旬頃まで。5月〜6月に孵化して、ちょうどこの夏至期間の次候(7月中旬)のあたりから、ポツポツと見かける機会が増えてきます。

発生場所は、農耕地を主とし、草地や民家、空き地などに出没します。

一方、日本のコオロギといえば「エンマコオロギ」が真っ先に挙げられますが、ツヅレサセコオロギやミツカドコオロギも日本の本州を中心とした各地に分布しています。

中国に生息しているコオロギと同様に5月〜6月に孵化して、7月下旬頃〜11月上旬頃まで発生します。

鳴くのはオス!コオロギが鳴く理由とは?

ちなみに、鳴いているコオロギはオスです。メスは鳴きません。(一部例外あり)オスが鳴く理由は諸説ありますが、もっともポピュラーな回答としては「子孫繁栄‥すなわち、メスを誘い出して交尾をするためです。」

ほかにナワバリに侵入してきた相手を威嚇したりするということも挙げられます。

闘蟋(とうしつ)

数あるコオロギの種類の中でも「ミツカドコオロギ」はサイヤ人のようにコオロギの中でも戦闘民族に位置付けられる種であり、気が荒いことで知られています。

中国では、このミツカドコオロギの気が荒い性格を利用して、闘蟋(とうしつ)というオス同士を戦わせるお祭り(行事)が催されています。

⬆️闘蟋の様子を示した動画(Youtubeより)

蟋蟀居壁の日にち(期間)

  • 太陽暦:7月12日〜7月16日頃
  • 旧暦:六月中(六月の中気)

二十四節気と七十二候について

雑節について

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