大雨時行の意味・由来・読み方|【大暑(二十四節気)七十二候・末候】

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このページでは二十四節気「大暑」の七十二候・末候における「大雨時行」の意味・由来・読み方についてご紹介しています。




大雨時行の読み方

大雨時行は「たいうときどきにふる」と読みます。

大雨時行とは?

大雨時行とは、二十四節気の「大暑(たいしょ)」をさらに3つの節気に分けた「七十二候」の1節です。

72の節気を持つ七十二候においては「第三十六侯(第36番目)」の節気、「末候(まっこう)」にあてられた語句になります。

太陽の黄経は130度を過ぎた地点です。

大暑期間中のその他の七十二候の種類・一覧

初侯:桐始結花
次侯:土潤溽暑
末侯:大雨時行




大雨時行の意味・由来

日本(略本暦)での解釈

「大雨時行」の意味は、「大」「雨」「時」「行」とに分解すると分かりやすくなります。

「大雨時行」の意味

「大」はそのまま「だい」や大きいの「おお…おおっ!」と読み、これは大きいを意味する言葉です。

「雨」はそのまま今日は雨の日の「雨(あめ)」を意味します。

「時」は、「月日のうつりゆき」「その間の区切り」や、「そのころ」「機会」などの意味がありんす。

「行」は、「おこなう」「ゆかせる」「やる」「進める」などの意味合いがありんす。

これらをまとめると「大雨時行」とは、『時々、大雨が降る頃』となります。

大暑の最後の時期(末候)は大雨が多い

大暑も末候まで来ると、いよいよ秋の到来が肌身に感じます。夜になると夏とは思えないほど時に寒気を覚えるほどの気温にまで下がり、さながら秋の到来を予見させます。

二十四節気における大暑の次の節気は「立秋(りっしゅう)」になりますが、夏終わりは夕立や集中豪雨、そして台風が何かと増える時期でもありんす。

大雨時行とは、まさに秋の到来を告げるものであり、夏終わりとなる大暑の名残りを色濃く表現した言葉でもありんす。

さすがは年内でもっとも暑い「大暑」末候と言えどもまだまだ暑い!

大暑は年内でもっとも暑い頃合いを示した言葉であり、大暑のこの大雨時行は一応の夏終わりを示す言葉でもありんす。

しかしながら、さすがは大暑。夏終わりとは言え、まだまだうだるような暑さが残り、蒸し暑さを肌身にヒシヒシと感じる頃です。

もちろんまだまだガリガリ君は4本一気できる時期でもあり、5本はちょい止めといた方がエエんちゃうかな〜‥的な季節でもありんすよ。

そして、この大雨が降る日が過ぎればいよいよ季節は秋に突入します。

「大雨」とは雨の量を示すのか?それとも雨が降り続く時間を示したものなのか?

ここで少し疑問が生じてくるのですが、大雨とは果たして雨の量が多いことを大雨というのか?

それとも雨が降り続く時間が多いことを大雨と呼称するのか?‥戸惑いが生じる今日この頃ですが、大雨に「時行」という言葉を付して「時々、降る」としていることから、これはちょうど大暑の時期の特徴でもある夕立やゲリラ豪雨(集中豪雨)のことを意味します。これはこの大暑の季語として「驟雨(しゅうう/突然降り出す大雨)という言葉もあるぐらいです。

大暑の時期の季語の1つに「入道雲(にゅうどうぐも)」という言葉がありんすが、入道雲は発達して大きくなった頃に、急に黒雲に変化して雨を降らせます。

この時の雨は単なる小雨などではなく、大雨を降らせ、傘をさしていたら、傘が破けそうになるくらいのドシャドシャとした大粒の雨を降らせます。

概ね大暑時期のこの雨はにわか雨ですぐに止むことがほとんどですが、時に連日続くこともあります。

この大雨が続けば大地はこれまでの直射日光を受け続けた日々から一点して、潤いの雨を受けてさらに潤う一方で、あまりある雨粒は土砂災害や洪水を発生させる結果を生み出すこともありんす。

日本は世界でも類を見ないほど雨の多い国

日本は世界の年間平均降水量の約2倍もの数値を誇るほど雨量の多い国であり、その雨の多さは古今、変わらない日本文化の1つとも言えます。

悠久の時を超えて現今に至ることから、時代の変遷の中で雨にまつわる様々な季語や雨の呼び名が生まれています。

その中の1つに「遣らずの雨」という少しユニークな言葉があります。

「遣らずの雨」

「遣らずの雨」の意味とは、「まさに今、帰ろうとしていた人を、ひきとめようとしているかのように突如として訪れる降雨」になります。

蝉時雨(せみしぐれ)

また、雨が多い日本ならではの発想で、盛夏のセミが鳴く声を雨に例えて「蝉時雨」と銘打った季語まで作られていまんす。

日本のセミは朝っぱらから大合唱していますが、分析をしていくと朝はクマゼミ、昼前からアブラゼミなどと、鳴く順番が決まっていたりします。

今度、よく観察してみてくださいな。




中国(宣明暦)での解釈

中国における大暑の末候・第三十六侯の七十二候も日本と同じく「大雨時行」になります。ただし、読み方は「たいうときにゆく」になります。

大雨時行の意味

大雨時行の意味は「時として大雨が降る頃」になりんす。

日本においての大雨時行の読み方は「たいうときどきにふる」となり、中国とは少し異なります。

日にちすると新暦6月11日〜15日。旧暦では五月節(五月の正節)になります。

中国の大暑期間の気候

中国は新暦で言えば7月がもっとも暑い時期ですが、日本の1年内でもっとも暑いとされる頃は8月です。すなわち約1ヶ月のズレがあります。

これはすなわち、大暑の時期がズレていることを意味し、日本の季節感で例えると立秋の頃が本来の大暑になります。

大雨時行の日にち(期間)

  • 太陽暦:8月2日〜6日頃
  • 旧暦:六月中(六月の中気)

二十四節気と七十二候について

雑節について

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