「水始涸」の意味・由来・読み方|【秋分(二十四節気)七十二候・末候】

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このページでは二十四節気「秋分」の七十二候・末候における「水始涸」の意味・由来・読み方についてご紹介しています。




水始涸の読み方

水始涸は「みずはじめてかるる」と読みます。

水始涸とは?

水始涸とは、二十四節気の「秋分(しゅうぶん)」をさらに3つの節気に分けた「七十二候」の第3節です。

72の節気を持つ七十二候においては「第四十八侯(第48番目)」の節気、「末候(まっこう)」にあてられた語句になります。

太陽の黄経は190度を過ぎた地点です。

秋分期間中のその他の七十二候の種類・一覧

初侯:雷乃収声
次侯:蟄虫坏戸
末侯:水始涸

水始涸の意味・由来

日本(略本暦)での解釈

「水始涸」の意味は、「水」「始」「涸」に分解すると分かりやすくなります。

「水始涸」の意味

「水」の意味

水は「水」のことです。

「始」の意味

始まるは、開始することです。

「涸」の意味

「涸」は、普段、あまり聞きなれない言葉ですが、「水がかれる」「枯らす」「ひからびる」などの意味合いがありんす。

以上、これらをまとめると、「水始涸」の意味とは『田畑の水落とし(水抜き)を始める頃』もしくは、『田畑の水を干して稲刈りに備える頃』となりんす。




田んぼの1年の状態とサイクル

「米」という字を崩すと「八十八」になりんすが、事実、米作りには88の手間がかかると言われるほど困難がつきまといます。

1月初旬

1月、正月明けになると土作りが行われます。田んぼには肥料を入れるワケではありんせんが、土の栄養分として窒素酸化物を増やすための工夫だったり、粘土質をできるだけ改善して透排水性の良い田んぼに作りかえます。

3月下旬〜5月頃

3月下旬〜5月頃を目処に今度は耕運を行います。耕運とは耕起(土をイジクりたおして最適化する)や砕土などによって土壌を整地することです。

4月中旬

4月中旬になると、干した種もみを催芽(発芽/新芽)させます。催芽は農家によっては最重要に位置付けられるほどの工程であり、催芽の出来具合によってその年に収穫できる米の質や量が決定します。

4月下旬~6月初旬

そして、4月下旬~6月初旬になるといよいよ育苗がはじまります。催芽したタネを成苗として苗箱などに移します。苗箱に入った苗の管理も最重要な工程であり、農家ではこれを「苗を鍛える」といいます。「苗半作」という言葉もありんすが、この意味は苗の時の生長具合いで収量の半分が決まると言われています。

 

5月下旬~7月初旬

そしていよいよ5月下旬~7月初旬になると、田植えに入ります。田んぼに水を入れて育った苗をグサグサと挿し込んでいきます。

7月中旬

7月中旬になると「中干し」といって、少し水を抜いてガス(硫化水素)抜きを行います。中干しでは水落としが円滑に行えるように土に溝を入れたりします。

9月下旬頃

こうして9月下旬頃になると、本格的に稲刈りに備えて「水落とし(水抜き)」を行います。

水落としが終わればいよいよ稲刈りです。昔は人の手で行われていましたが、現代ではコンバイン(機械)で稲刈りが行われます。ウぃ〜ん

10月中旬

10月中旬以降は、刈り取った稲を籾にして、機会で乾燥させます。その後、「もみすり」を行い、まずは玄米にします。

この後、玄米から糠(ぬか)を取り除く精米作業を経て、白米になりんす。

10月中旬以降〜1月初旬まで

晩秋が過ぎ行く頃の田んぼを見ると、刈り取りが終わった稲が稲木にかけられて、干されている姿が見られます。

よく秋の田んぼが描かれた絵画を見ると、稲木に収穫された稲をかけている姿が散見されますが、これこそまさに晩秋を象徴する情景であるといえます。




中国(宣明暦)での解釈

中国における秋分の末候・第四十八侯の七十二候は日本の略本暦と同様、「水始涸」です。読み方は「みずはじめてかるる」になります。

「水始涸」の日にち(期間)

  • 太陽暦:10月3日〜7日頃
  • 旧暦:八月中(八月の中気)

二十四節気と七十二候について

雑節について

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