【2023年】「夏至 (げし)」はいつから?意味・由来(冬至と夏至の違い)・食べ物・行事(風習)など|二十四節気

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芒種から始まった梅雨はこの夏至期間中を通して、小暑の手前あたりまで続きます。

いよいよ夏至が到来すれば夏本番に突入したといえます。

この頃、北半球においてはちょうど夏至の日は1年の中でもっとも昼の時間が長くなり、夜が短くなります。

しかしながら、夏至の期間は梅雨時期でもありんすので、ぐずついたお天気が続き、日照時間が約4時間くらいということもあり、太陽があまり見えません。したがって、蒸し暑さだけが夏の到来を告げており、昼時間が長いことに気づきません。

以下では、この「夏至」の読み方や意味・由来と、併せて夏至の旬な食べ物や行事・風習をご紹介しています。

目次

夏至の読み方

「夏至」は「げし」と読みます。

夏至は夜の時間が短くなり、昼の時間が一年のうちでもっとも長くなることから、別名で「日永(ひなが)」や「短夜(たんや)」とも呼ばれます。

二十四節気は中国由来の言葉なので、すべて音読み+音読みの熟語となっています。

夏至と書いて「チュウ」とも呼ばれる!

長野県の北佐久(きたさく)郡や、兵庫県但馬(たじま)地方、岡山県上房(じょうぼう)郡などでは夏至のことを「チュウ」とも呼びます。

この言葉に端を発し、『チュウ(夏至)ははずせ、ハンゲ(半夏生)は待つな』と呼ばれる「ことわざ」もあるほどです。

夏至とは?

夏至とは、二十四節気・七十二候の「立春」から始まる春の節気の10節(10番目)のことを指します。

また、二十四節気を二分した各12節気のうちの「正節(せいせつ)」を除いた「中気(ちゅうき)」に属します。

夏至の前の節気は「芒種(ぼうしゅ/6月21日頃)」で、芒種から数えて15日目くらいとなる6月22日頃が夏至です。

夏至の後の節気は「小暑(しょうしょ/7月7日頃)」になります。

ところで・・「二十四節気」とは?

二十四節気とは、1年を24つ分けて、それらを1つ々々を「節気」と定めて。その節気に季節を司る言葉を付したものが二十四節気です。

1年を夏至と冬至の2つに分け、さらに春分と秋分の2つに分けて4等分とします。(二至二分)

  • 365日÷4=91.25日

二十四節気はこの二至二分を基軸としています。

そして、それぞれの中間に立春、立夏、立秋、立冬を入れて8等分したのが、約45日間ずつの「八節」です。

  • 365÷8=45.625日

さらに、八節を約15日ずつに3等分したものが二十四節気です。現行の二十四節気は、立春、立夏、立秋、立冬が各季節(四季)の先頭に来るように配置しています。

二十四節気は、中国から日本に伝来した生粋の中国文化ですが、中国と日本の時節(いわゆる季節感。動物・植物・気象など)が異なるため、日本では江戸の改暦(1842年/天保改暦)を経て、明治の改暦を経ながら日本の季節感いわゆる物候(ぶっこう)に沿わせるように改訂されています。

節気は各月に2つ存在し、毎月、「節」と「中」の節気が交互に来るようになっています。

「節」は「正節(せいせつ)」とも言い、「節気」とも呼ばれます。各月の前半に配置されるのが、この節です。

「中」は「中気(ちゅうき)」とも言い、略称で「中」とも呼ばれます。

現行の二十四節気は中国の太陰暦(月を参照した暦)を補完する目的で、逆の発想で太陽を参照して作暦されていますので、現在の太陽暦(グレゴリオ暦)に至っても、極度に形態を変えることなくそのまま使用され続けています。




夏至の節気(期間)はいつからいつまで?

夏至の前の節気は「芒種(ぼうしゅ)」で6月6日頃〜6月21日頃までです。したがって夏至は、新暦(現在の太陽暦)で言えば6月22日頃を指します。

もしくは6月22日頃から始まる節気(期間)を指します。夏至の場合はその次の節気である「小暑(しょうしょ)」の前日までとなる「6月22日〜7月6日頃までです。年によっては1日前後します。

天文学では「太陽の黄経が90度になる時刻」のことを「夏至」と呼ぶ!

世間通念上、「夏至」と聞けば1年のうちで、もっとも太陽が高い位置に来ることから昼時間が長く夜が短い、「夏至=昼の時間が長く夜が短い日」という認識のもと、たった1日だけを指し示した言葉だと思われている方も少なからずいることでしょう。

しかしながら、厳密に言えば夏至とは黄道上で太陽の黄経が90度になる時刻のことを言います。そしてこの時刻を含めた日を別名で「夏至日(げしび)」とも呼びます。

ただし、これは北半球の場合になります。

夏至とは「特定の日」を指すのではない!

二十四節気は半月単位で節気が区切られています。したがって厳密に言えば「夏至の節に入る日」を意味します。

半月とは約15日になりますので、このどこかで夏至の節気で解説されているような季節感を感じて、本格的に夏至の節気に入ったことを意味します。

もちろん、世間一般では特定の日が節気の境目として、特定の日のみが言葉で交わされる感は否めません。しかし、それが世間通念上まかり通っているのも事実であることから、完全な間違いとは言い難いものがありんす。

ただ、これは本来は正式ではないということを理解しておきたいところです。

夏至は旧暦ではいつ?

夏至を旧暦で表記すると、5月最初の節気「六月節(未月の正節)」の次の節気となる「五月中(午の月の中気)」であり、具体的には五月下旬頃になります。

夏至の次の節気である「小暑(しょうしょ)」が「六月節(未の月の正節)」となります。

夏至の前の節気は、「芒種(ぼうしゅ)」で五月最初の節気となる「五月節(午の月の正節)」になりんす。

現行の定気法では太陽が黄経約90度の点を通過したあたりになります。

定気法とは?

定気法とは、1844年(天保15年/江戸時代後期)の天保暦より使用された暦法であり、太陽が黄道を15度ずつ進むたびに節気を設けた暦法になります。それまでの平気法を改訂した暦法です。

節気間の日数は毎年差異が生じることから、旧暦2033年に9月と10月がなくなってしまうなど大きな問題に直面しています。

夏至の2023年・2024年・2025年・2026年の日はいつ?

  • 2023年の日本の夏至の日は6月21日(水)!
正確な時間(UT基準)日本の夏至に日にち中国の夏至の日にち
2023年6月21日 14:586月21日6月21日
2024年6月20日20:516月21日6月21日
2025年6月21日02:416月21日6月21日
2026年6月21日08:246月21日6月21日

※参照先:「ウィキペディア」

「夏至」の言葉の意味や由来とは?

「夏至」という漢字を解体してみると、「夏」「至」の2文字になります。

まず、「夏」という言葉の意味を考察する

「夏」と言う言葉は、以下のような意味合いがあって成立したと考えられています。

起源は象形文字だった!
  • 人が踊る様子をモチーフとして、まず、象形文字が作られた!
  • 古代では夏に踊りを神に捧げる風習があった。今の盆踊りの起源か。
  • 勇ましく激しい踊りを神に捧げたとから、「栄える」「大きくなる」などの意味合いを持って象形文字が作られた。
  • 「なつ」という字音は「暑(あつ)」「熱(ねつ)」「生(なる)」などの夏を表現する字体や字音から成立した。

夏を、なぜ「げ」と言うのか?

「夏」を「げ」と呼び習わす理由は定かではないようですが、一説には夏至の期間中となる陰暦の4月16日から7月15日までの90日間、仏教において僧侶たちが外出せず安居(あんご) を行う期間であったとされ、これが由来になったとする説があります。

なお、「安居」という言葉は仏教において使用される専門用語(仏語)であることから世間一般ではあまり知られていません。

安居とは?

「安居」とは、普段は別々の場所で修行に励んだり、布教活動などに勤しんでいる僧侶たちが、ちょうど夏至期間中は梅雨が到来するために思うように身動きが取れないことから、梅雨明けまでの期間、一堂に会し、外へ出ないで修行を行うことです。

例年、このような行動が見られたことから、いつしか「夏=ゲ」と呼び習わされるようになったとも考えられます。

「至」の言葉の意味とは?

「至」とは一般的に「至る」の意味合いで知られていますが、他に言い方を変えると「行き着く」「到着する」などの意味合いがあります。

「至点(してん)」という言葉もある通り、これを太陽軌道に置き換えた場合、太陽がある一定の限界点に達するという意味合いで「至(至る)」が用いられたものと考えることができます。

すなわち、夏至という意味をまとめるとこうなる!

二十四節気において「至」という字が組み込まれているのは「夏至」と「冬至」だけです。

たとえば夏至を通る太陽軌道は北回帰線上を楕円を描きながら通過します。北回帰線を通る太陽の軌道はもっとも高い位置を通ることになります。

一方の冬至は夏至の真逆の発想で、もっとも低い軌道となる南回帰線状を通過していきます。この状態の太陽は1年でもっとも低い位置を楕円を描きながら動いていきます。

これでもうお分かりいただけたかと思いますが、太陽がある限界点に達したという意味合いで「至」という字体を付して、これを夏と合わせることで「夏至」としたのです。

もちろん、冬至もこれと同様の発想です。

二十四節気で最初に作られた節気が夏至と冬至の二至!

二十四節気は中国の殷の時代(BC1600年〜BC1100年)にまず、「二至」から作られ始めたと言われています。

太陽の動きを測り、自らの影がもっとも短くなる日を夏至。逆に影が長くなる日を冬至と定めました。

すなわち二至とは二十四節気を作るに際し、基点となった節気であり、二十四節気の中で最重要な位置付けの節気です。

夏至に景風(けいふう)が吹けば五穀豊穣のご利益がもたらされる

神霊館発行の宝運歴によれば以下のような記述が見えます。

夏至の日より45日間、南方(離/り)の方角より吹く風を「景風(けいふう)」と呼称するが、この風が夏至日に吹けば五穀豊饒のご利益がもたらされるという。

景風は初夏に吹く初夏特有の風のことです。

古代ヨーロッパの夏至日は祝祭日だった?!

実は古代ヨーロッパのみならず、西洋では古くから夏至の日の出が神聖視されており、例えば1999年6月21日にかの有名な遺跡「ストーンヘンジ」の巨石の上に登るために、フェンスを突き破って侵入するという事件が起こっています。

⬆️ストーンヘンジ 画像引用:ウィキペディア

フェンスを突き破ったのはドルイド教の信者と思われる約200人とされ、どうやらストーンヘンジで夏至の日の出を迎えようとしたようですが、結果、警官隊との間に小競り合いが起こっています。ちなみにこのニュースは日本でも大きく取り沙汰されるほど大きな話題になっています。

このように西洋で夏至の日が神聖視される理由は、古代ヨーロッパのケルト人の太陽信仰に拠るものでありんす。

古代ケルト人は1年でもっとも日照時間が長い夏至の日を「1年の頂点」と位置づけ、その対極にある冬至の日を「1年の始まり」と定めていました。

特に年内で最長の日照時間となる夏至の日には、太陽神をもてなす意味合いで、屋外で盛大に火を焚いて音楽を奏でて踊り明かす風習があったようです。

やがて時代を下ると、このような古代ケルトの信仰はキリスト教へ受け継がれることになり、夏至の日は聖ヨハネと習合して、祝祭日になります。

夏至の日は人類の文化を飛躍させた?!

上述したストーンヘンジはイギリス南部ソールズベリー平野にある、およそ紀元前2500年から紀元前2000年の間に立てられたとされる巨石群ですが、一説には古代の天文台と見られており、現今、世界最古の天文台と言われます。

しかし、このストーンヘンジよりもさらに古いストーンヘンジと似たような巨石群があるとすれば驚かれますでしょうか。

実はアメリカコロラド大学の学者らが1999年に発表した論文によれば、エジプト南部ナイル川西のサハラ砂漠にある「ナブタ・プラヤ」と言う巨石群の配置が、夏至の日の出の方向および、南北方向を指しているという見解が明らかにされています。

⬆️ナブタ・プラヤ 画像引用:ウィキペディア

これがもし事実であるとすれば、世界最古の天文台はストーンヘンジではなく、このナブタ・プラヤということになりんす。

夏至の暦便覧(こよみ便覧)

陽熱至極しまた、日の長きのいたりなるを以て也

意味

「陽熱」とは太陽の熱のこと。至極とは「この上なく」「きわめて」という意味。合わせると、「太陽の熱はこの上なく熱くなる」として、「太陽の熱がもっとも暑く感じる頃」といった意味になります。

『また、日の長きのいたりなるを以て也』が示すところは、そのまま日照時間が年内で最長時間であることを意味しています。

まとめると、『夏至の日、太陽の熱がもっとも暑く感じる頃。また、日照時間も年内で最長時間である』

という意味合いになります。

暦便覧とは?

暦便覧とは、正式には「こよみ便覧」と書き、「こよみべんらん」と読みます。

この書物は、1787年(天明7年)に江戸で出版された暦の解説書であり、 太玄斎(たいげんさい)という人物が著した古書物です。

太玄斎というのは名前ではなく「号」であり、本名は「松平頼救(まつだいら よりすけ)」と言います。

松平頼救は常陸宍戸藩の5代目藩主でしたが、隠居して嫡男・頼敬に家督を譲った後、太玄斎を称しています。

夏至の季節感・時節

夏至の時期を示す言葉としては、「蒸し暑い」「蒸し々々とする」「梅雨(梅雨入り・入梅)」などの言葉が多用される季節です。

太陽の日差しが雨雲の影響で閉ざされると、カラッとした暑さではなく、蒸し々々と蒸し暑い日々が続きます。また、洗濯物が乾きにくく、雨天であれば干す場所を考えたりする必要もできます。

ただし、この頃、太陽が雲間からたまに見える程度ですが、年内で日照時間はもっとも長く、長時間におよぶ暑さがあります。

夏至は季節の変わり目の頃合いでもありますので、急に多量の発汗をもよおしたり、時に身体にダルさを覚え、夏バテ気味になることもあるでしょう。

小マメな水分補給を行い、栄養のあるものを朝・昼・晩の3食しっかりと摂るなど、しっかりとした体調管理を行う必要があります。

夏至が1年でもっとも太陽の位置が高く日照時間が長いのに大暑が1年でもっとも熱いのはなぜ?

答:「地球が太陽の方を向いているから暑い」「その太陽の熱が後で伝わってくるから暑い」

夏至の頃は太陽が1年でもっとも高くなり、日照時間も長いとお伝えしましたが、これは直接的な暑さとは関係がありません。

現に夏至の日よりも、二十四節気に集録されている「大暑(たいしょ)」が「1年でもっとも熱い頃」と定められています。

そもそも夏の暑さとはどこからやってくるのでしょう?

「熱」と言うのはすぐに伝わるものではなく、ジワジワと伝わってくるものです。故に6月下旬の夏至の頃に温められた地表が熱を持つ時期がちょうど8月なんです。

それと8月の太陽軌道は、まだ70度前後を保っていますので、太陽の照射時間が長いことも理由になります。

つまり、夜よりも昼の方が長いワケであって、ダブル効果が相乗して余計に暑いんです。

しかし、次第に太陽軌道に変化が訪れ、徐々に軌道は低くなりまする。

太陽軌道が低くなると日照時間が減少し、昼夜のバランスがとれてきます。このバランスが取れた頃合いが、秋分や春分と呼ばれる頃です。

これに比例して太陽の日照時間も減少するので、徐々に地熱も冷めて低くなってきます。

やがて、逆に昼よりも夜の方が長くなってきますが。これが冬の到来です。

以上、簡単に分かりやすくまとめると、ヤカンの中の水が湯になる過程を想像すれば良いワケです。

「徐々に熱くなる」です。ウフ

夏至の七十二候

「七十二候」とは?

二十四節気をさらに72に分割した「七十二候」と呼ばれる暦法もありんす。

七十二候は二十四節気をさらに細分化し、日本の風土に合わせた各季節においての気象や動植物の変化を分かりやすく解説しています。

したがって二十四節気が抽象的表現の暦であるならば、それをもう少し具体的にしたものが七十二候ということになりんす。

七十二候には「初候」「次候」「末候」という3つの期間(候)を設け、それぞれの期間の季節感にマッチした季語が割り当てられています。

例えば、この夏至も七十二候に当てはめると3つの期間(候)に分けることができます。ウフ

初候(6月21日頃~25日頃):乃東枯(なつかれくさかるる)

 意味:夏枯草の花弁が枯れたように見える頃

乃東枯とは?

「乃東枯」とは、「乃東」と「枯」に解体すると理解が早いのですが、「乃東」とは「なつくさ」と読み、これは「夏枯草(なつかれくさ)」のことだとされています。

夏枯草は和漢の生薬として認知されており、一般的に「うつぼ草(靫草)」という別名でも知られている植物です。

夏枯草はちょうど夏至の頃に上掲の写真のように枯れたように見えることから、「夏枯草」と呼ばれています。

乃東枯の詳細については下記ページを参照してください。

次候(6月26日頃~7月1日頃):菖蒲華(あやめはなさく)

 意味:菖蒲(アヤメ)の花が咲き始める頃

菖蒲華とは?

ここでのアヤメとは、葉菖蒲(ハショウブ)のことではなく、花菖蒲(ハナショウブ)のことです。

アヤメは「いずれがアヤメかカキツバタ」という慣用句まであるように古来、「ハナショウブ」「カキツバタ」と間違われてきた歴史があります。

菖蒲華の詳細については下記ページを参照してください。

末候(7月2日頃~7月6日頃):半夏生(はんげしょうず)

 意味:半夏(烏柄杓/カラスビシャク)が開花する頃

半夏生とは?

半夏(烏柄杓/カラスビシャク)は、5月〜8月に開花する花です。生まれるの「生」と書いて開花するとしています。

ただ、「半夏生(ハンゲショウズ)」という名前のドクダミ科の花が実在することから、一説には、この半夏生のことを指すとも言われています。

半夏生の詳細については下記ページを参照してください。




夏至の期間中の行事(イベント)・風習

父の日

母の日にちなんでアメリカワシントン州の「ソノラ・スマート・ドッド(ジョン・ブルース・ドット夫人)」が、亡き父の誕生日に白バラを贈ったのが起源とされています。

ソノラPAPA(パパ)の誕生月が6月であったことから、牧師協会に頼んで6月に祭典が執り行われ、この祭典がのちの父の日設立に基づいた経緯から、以来、6月が父の日に定められることになります。

アメリカから日本へ父の日の風習が伝来したのが1950年代と云われており、1970年〜80年代にようやく認知されています。

現今、日本においては母の日に贈る花が赤色のカーネーションに対し、父の日には黄色のバラを贈るのが通例とされています。

半夏生

「半夏生」の意味は、「半夏」「生」とで分解すると分かりやすくなりますが、「半夏」は「はんげ」と読み、これは「烏柄杓(カラスビシャク)」という花の乾燥させた根茎のことです。

しかしながら、現在に至っても烏柄杓のことを半夏と読んだり、書いたりすることから、一般的に半夏と言えば烏柄杓のこととして同義とされることもあります。

「生」とは、「生きる」を意味しますが、この場合は「開花する」を意味し、これらをまとめると「半夏(烏柄杓)が開花する頃」という意味合いになりんす。

半夏生は、二十四節気の七十二候と、雑節にも集録されていますが、内容はほぼ同じです。

茅の輪くぐり

「茅の輪」とは、「ちのわくぐり」と読み、これは参道の鳥居をくぐった結界内に、茅(ちがや)という草で編んで作った、直径数メートルの輪のことです。

この茅の輪を、唱え詞(となえことば)を唱えながら、正面から入って最初に左側に抜けて正面に再び戻り、次に右に抜けて再び正面に戻り‥、といったことを8の字を描くように3度繰り返します。

このような奇妙な動きを俗に「茅の輪くぐり」と呼称します。

茅の輪くぐりのご利益

この茅の輪をくぐることで心身を清めて災厄を祓い、無病息災を祈願します。

茅の輪くぐりは年2回、夏(大祓)と冬(年末)に執り行われることから、半年分の穢れを祓い、向こう半年の厄災除けを祈願します。

茅の輪くぐりの由来や起源

茅の輪くぐりは、日本神話に登場するスサノオノミコトのエピソードに由来するといわれ、主に夏と冬の大祓の際に、境内の出入り口や拝殿の前などに茅の輪を設置する神社が多いです。

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夏越しの祓(大祓)

「夏越しの大祓」とは、「大祓」のことです。夏に執り行われる大祓であることから、「夏越しの大祓」と呼ばれます。

上述、茅の輪くぐりとは関連深いものがあり、例年、夏(旧暦6月の晦日)と冬(12月の晦日/年末)に行われる恒例行事の1つです。

起源としては1006年(平安時代)に編纂された「拾遺和歌集」にも記述が見えることから、古くから執り行われてきた行事であり、風習になります。

昔は現代のように自由に使用できる水が少なく、毎日衣服の洗濯が困難であったことから、雑菌が繁殖しやすい夏に新調した衣服に着替え、向こう半年の病魔退散を祈願したことが起源と考えられています。

旧暦6月の晦日と言えば、梅雨明けの頃合いであもることから、これから日照りが続く夏本番を乗り切るための準備的行事の1つであったとも考えられています。

夏至祭と日の出(二見興玉神社)

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三重県・二見興玉神社には有名な夫婦岩がありますが、夏至の日になると富士山の背後から昇る朝日を夫婦岩の間から拝めると言われています。

また、夏至の日になると、古来、海底に鎮座する御神体の興玉神石(おきたましんせき)も強い霊力を帯び、この日に禊(みそぎ)を行うと、強い霊力で厄災や穢れを祓えると伝えられています。

夏至の日の日の出時刻は概ね例年、早朝4時30分〜40分頃。禊を行う人々は、日の出の時間前のまだ暗いうちに参集し、男性はふんどし姿、女性は白装束姿、頭に日の丸のハチマキを巻いて、夫婦岩の前で日の出を待ちます。その後、朝日が昇れば、朝日を浴びながら禊を行います。

夏至の日(期間)の季語

夏至で使用される有名な季語一覧

「入梅」「蛍狩」「梅雨」「田植時」「半夏生」「仲夏」

これらは仲夏を意味する代表的な季語です。それと忘れていけないのが、「夏至」「仲夏」そのものが季語だということです。ウフ

「入梅(にゅうばい)」

意味:梅雨入りする頃合いを入梅という。雑節にも集録されている。

ちなみに入梅とは正式な気象用語ではなく、いわゆる俗語のような性格がある。

「蛍狩り」

意味:蛍狩りとは、蛍を捕獲するのではなく、蛍を鑑賞すること。紅葉狩りと同形態の意味を成す。

「梅雨」

意味:梅雨とは、梅が成熟する頃に降る長雨ということで「梅雨」という。もしくは長雨が梅を成熟させるという意味合いで梅雨とも。

「五月雨(さみだれ)」

意味:旧暦五月(陽暦の6月)に降る長雨のこと。すなわち「梅雨」とほぼ同義。皐月雨と書いて「さみだれ」といも言う。

「田植時」

意味:田植え時を迎える言葉。田植えは本州では5月〜6月が頃合い。東北地方から北側では4月〜5月。

昨今の田畑では二毛作の農法が確立されており、稲以外にも麦を植えている。麦秋という言葉があるが、一般的にこれはちょうど芒種に入った頃の田んぼの状態を示す。

麦を刈り取って、空いた田んぼに田植えを行う。田植えは苗代で育った稲を田んぼへ移して行う。

「白夜(びゃくや)」

意味:白夜とは、北極圏及び南極圏で見られる現象の1つであり、真夜中になっても太陽が完全に沈むことがなく、薄明状態になっている現象のこと。

北極圏では6月下旬前後、南極圏付近では12月下旬前後に起こる。

「半夏生(はんげしょう)」

意味:「半夏」とは、植物の「烏柄勺(からすびしゃく)」のこと。半夏生とは、季語になっているが雑節の1つに集録されている。

「仲夏(ちゅうか)」

意味:「中夏」とも書く、意味は「夏半ば」。陰暦5月の異称でもある。

「空梅雨(からつゆ)」

意味:梅雨時期に梅雨が来ないことを空梅雨という。

「薄暑(はくしょ)」

意味:薄暑と書いて「少し暑さを肌身に覚える」などの意味合いをもつ。晩秋から春先まで汗をかかなかった季節から、急に暑さ増してきたのですぐに接吻して‥あイヤイヤ発汗!!してしまう。いよいよハンカチ‥じゃなくタオルの用意〜!的な事態にまで追い込まれる日も出てくる。

「梅雨寒(つゆざむ)」

意味:「梅雨冷え」と言う。「薄暑」とは言いつつも、その一方で梅雨時期は陽の光が射さないことから時に季節はずれの寒さを感じることもある。

北側から来るオホーツク海寒気団が、南側の太平洋暖気団を追いやって日本列島を覆ってしまうと、急激に気温が下がり、肌寒くなることがある。

この時に降る雨は冷雨と呼ばれたり、北海道地方では「蝦夷梅雨」や「リラ冷え(りらびえ)」とも呼ばれ、時に降霜(こうそう)し、結氷(けっぴょう)まであるという。

夏至南風(かーちーべー)

意味:沖縄地方では、夏至の頃に吹く湿気を帯びた南風を「夏至南風」と書いて、「かーちーべー」と呼び習わす風習がある。宮古列島や八重山地方では「かーちーばい「かーちべー」「かーちばい」などとも呼ばれることがある。

この南風は、南西諸島区域(九州南端〜台湾北東)の梅雨明け後、10日間ほど吹き続ける風である。10日が経過した後は、太平洋高気圧の勢力下に入る。

蝦夷梅雨

意味:北海道には基本、梅雨がないのだが、夏至のこの頃、ごく稀に、くずついた雨模様が続くことがあり、これを「蝦夷梅雨(えぞつゆ)」と呼ぶ。

蝦夷梅雨は、主に7月下旬頃に見られる気象現象なのだが、定義が疎らなことから、少し雨が続いたり、曇りの日が続いて時折、雨がチラつくいたりすると「蝦夷梅雨」と言ったりする。ある種、北海道地方特有の言葉とも言える。

ちなみに蝦夷梅雨は正式な気象用語ではないので、性格的には俗語に近いものがある。

北海道に梅雨がない理由については下記ページをご覧ください。

夏至の時期の行事食

水無月

6月末には「夏越の祓」という行事がありますが、この夏越の祓では「水無月(みなづき)」と呼ばれる和菓子を食べる風習があります。

水無月とは、氷に見立てた三角形の「ういろ」のことです。

この三角形のういろの上に邪気(じゃき)を払う効果やご利益を持つとされる小豆を乗せて食べます。

京都では夏越しの祓が行われる6月30日になると、年末(晦日)に執り行われる「年越しの祓」までの半年間の無病息災を祈念して食べる風習があります。

6月の晦日に水無月を食べる理由

平安時代の旧暦6月1日には「氷室の節句」と呼ばれる行事がありましたが、宮中ではこの日、氷室(ひむろ/氷を保管したおくための洞穴)から氷を切り出して、その氷を食べることによって暑気を払う宮中行事があったのです。

一説には、「三角のういろ」はこの氷をモチーフとしたものであり、時代を下る過程において、もう一味付け加える意味合いで退魔の効果を持つとされた小豆を乗せて食べる風習が生まれたものだと考えられています。

イチジク田楽

愛知県・尾張地方では古来、夏至の日には「無花果(いちじく)の田楽(でんらく)」を食べる風習があります。

確かに愛知県の三河と言えば古来、無花果の代表的な産地であり、おそらくこれを農作業がひと段落した夏至に慰労を兼ねて周辺農家が参集して食べたのででしょう。

中国では不老不死の果実と呼ばれることから、労をねぎらうには最適の果物だったのかもしれません。

ちなみに無花果は「花を付けないが果実ができる植物」として「無花果(いちじく)」と命名されていますが、厳密には花がないのではなく、イチジクの果実の中にある小さな粒々(つぶつぶ)すべてが花になります。

田楽とは「でんがく」と読み、これは豆腐やコンニャクを味噌などに付けて焼き上げた料理です。

ただ、イチジクのトロトロとした果実をそのまま上に乗せて食べるのではなく、酒・みりん・砂糖で下ごしらえをした味噌とイチジクを混ぜ合わせてオーブンなどで焼いて食べます。

夏至期間中の半夏生の日には関西では「タコ」・四国では「うどん」を食べる?!

夏至期間中の7月1日頃(半夏生の日)には、古来、関西ではタコ、四国(讃岐)では「うどん」を食べる風習があります。

実はこれは一例であり、以下のように全国的に何か規則的なものを食べる風習が見られます

  • 全国的に小麦ともち米を混ぜ合わせてついた半夏生餅を食べる
  • 長野県小川村では、半夏生の日に芋汁を食べる
  • 長野県で月初めに「とろろ汁」を食べる
  • 福井県大野では半夏生の日に焼き鯖(サバ)を食べる

半夏生の日に食べる行事食については下記ページにて詳しくご紹介しています。

夏至の時期が旬の食べ物

代表的な食べ物

梅酒

  • 青梅の旬な時期:5月~6月頃

梅酒に使用される梅は、まだ成熟していない青梅です。梅の果肉は「クエン酸」を多く包有しています。クエン酸はグレープフルーツやレモンなどの柑橘系果物が果肉に有する栄養素であり、これらを摂取した場合、エネルギーの生成や疲労回復を促進させる働きがあります。

梅干し

  • 熟した梅の収穫時期:6月中旬~6月下旬

梅干に使用する梅は、まさにこの芒種の時期に収穫した黄色く熟した梅を使用します。赤シソに塩を加えてそれを梅の実を一緒に容器にブチ込んで重石をします。

4〜5日して重石を取れば、あとはその梅を梅雨明けと共に干すだけです。干す時はザルの上に乗せるなどして天日干しして梅干の完成です。

トウモロコシ

  • 旬な食べ頃時期:6月~9月

あまり知られていませんが、トウモロコシはちょうどこの芒種の時期となる6月〜9月に旬な頃合いを迎えます。

トウモコロシはイネ科の一年生植物なので、タネを排出すれば枯死します。トウモコロシ”?…メイちゃん?

トウモロコシの種類はいくつかあり、私たちが普段、日常的に食しているトウモロコシとなるのが、「スイートコーン」という種類のトウモロコシです。

主要な栄養成分はでんぷん質。ほかに、ビタミンB1・B2、カリウム、たんぱく質、食物繊維などが含まれており、食物繊維は特に外皮に多く含まれています。

このためトウモロコシの外皮には、腸内コレステロールと結びついて体外への排出作用を促すため、血管をキレイにして、動脈硬化の予防に一役買います。

また、トウモロコシの黄色い色素はキサントフィルと呼ばれるものであり、血管を柔らかくする作用があります。

スイカ(西瓜)

「スイカ」は熱帯アフリカ原産のウリ科のつる性一年草です。漢字では「西瓜」と書かれます。スイカの由来は「西瓜」を中国語で読んだときに、北京語では「シーグァ xīguā→ スイカ」もしくは、広東語では「サイクワァ→スイカ」が訛りを経て「スイカ」に着地したと考えられています。

「西瓜」の由来は、中国の西側地方から伝来した瓜からきています。

スイカの収穫時期のピークは6月中旬頃〜7月いっぱいです。

たまに勘違いされる方がいますが、スイカには花があります。緑色を基調として黒の縦ストライプが入ったボーリングの球のような形のものは「果実」です。すなわちタネ。

スイカは苗を5月に定植させた場合、収穫時期である6月中旬頃〜7月にかけて黄色い可愛らしぅ〜ぃ♡花を開花させます。その実がスイカになるというワケです。

スイカの果肉は、なんとも言えない程よい甘味があり、そのまま食されます。タネは日本では捨てますが、中国では炒ったりして酒のツマミなどにして食べます。

生姜(新ショウガ)

生姜(ショウガ)は熱帯アジア原産のショウガ科の多年草であり、根茎部分が野菜や生薬として使用されます。

ショウガは実は大まかには2種類ありますが、ちょうどこの夏至の頃から8月頃にかけて出回るのが、新ショウガです。

新ショウガは辛味が下記の根ショウガに比べて穏やかであることから、寿司に付属するガリ(甘酢ショウガ)に使用されたりします。

一方、9月〜10月の秋口に出回るものが「根ショウガ」と呼ばれるものです。上掲の写真が「根ショウガ」になります。

辛味は根ショウガの方が強いことから、根ショウガは「すりおろし」て食されたります。

とうがん(冬瓜)

冬瓜(とうがん)は、インド・東南アジア原産のウリ科のつる性一年草です。ちょうどこの夏至の頃合いとなる6月下旬頃〜9月にかけて収穫され、同時に旬時期を迎えます。

収穫された冬瓜は、煮物や漬物、あんかけ、などにして食されます。種子は生薬として利尿作用を促したり、消毒薬に用いられます。

なお、冬瓜は秋の季語になっていますが、これは冬瓜の特徴の1つである貯蔵性が高いことに起因するものです。

貯蔵性が高いことから夏に成った実が、まだ秋口になっても見られるということを俳人たちが句で詠んだのが広まったのでしょう。




野菜・果物

枝豆

旬な食べ頃時期:6月頃~8月頃

大葉

旬な食べ頃時期:6月頃~9月頃

茗荷(ミョウガ)

旬な食べ頃時期:6月頃~10月頃

辣韭(らっきょう

旬な食べ頃時期:5月頃~6月頃

アスパラガス

旬な食べ頃時期:4月頃~6月頃

トマト

旬な食べ頃時期:6月頃~8月頃

きゅうり

旬な食べ頃時期:6月頃~9月頃

いんげん

旬な食べ頃時期:6月頃~9月頃

にんにく

旬な食べ頃時期:5月頃~8月頃

ししとう

旬な食べ頃時期:6月頃~8月頃

ピーマン

旬な食べ頃時期:6月頃~9月頃

びわ

旬な食べ頃時期:5月頃~6月頃

メロン

旬な食べ頃時期:5月頃~7月頃

さくらんぼ

旬な食べ頃時期:6月上旬~7月中旬

あんず

旬な食べ頃時期:6月上旬~7月上旬

夏みかん

旬な食べ頃時期:4月中旬~6月頃

かぼちゃ

旬な食べ頃時期:6月下旬頃~8月頃

ゴーヤ

旬な食べ頃時期:6月下旬頃~9月頃

オクラ

旬な食べ頃時期:6月頃~8月頃

夏秋キャベツ(高原キャベツ)

旬な食べ頃時期:6月頃~9月頃

ズッキーニ

旬な食べ頃時期:6月頃~9月頃

なす

旬な食べ頃時期:6月頃~9月頃

さや隠元(いんげん)

旬な食べ頃時期:6月頃~9月頃

魚類

アジ

旬な時期:6~8月頃

※7月時期の鮎は「若鮎」と言われ絶品だと言われる。

鮎(アユ)

旬な時期:6月中旬~8月頃

スズキ

旬な時期:6月中旬~8月頃

キビナゴ

旬な時期:3月中旬~6月頃

※キビナゴの旬は真冬(12月〜2月)。3月中旬~6月頃は子持ち(卵持ち)が旬。

スルメイカ

旬な時期:5月中旬~9月頃

アオリイカ

旬な時期:5~8月頃

※子イカは10~11月頃

ウニ

旬な時期:6月中旬~8月頃

キス💋

旬な時期:6~8月頃

産卵前の初夏から夏にかけてが脂がのって美味しい。 スーパーや市場に並んでるものは「シロギス」と呼ばれる。九州産の少しサイズの大きい「アオギス」という種類もある。

イサキ

旬な時期:6~9月頃

あなご

旬な時期:夏/6月中旬~8月頃・冬/11~12月頃

はも

旬な時期:夏/6月下旬~7月頃・冬/11~12月頃

イシモチ

旬な時期:夏/4~7月頃・冬/11~12月頃

夏至時期の季節の花

※以下、画像引用先:https://ja.wikipedia.org/

紫陽花(アジサイ)

  • 開花時期:5月下旬~7月

アジサイの名前の由来は不明とされていますが、一説には「藍色が集まったもの」を意味して、→「あづさい(集真藍)」になり、ここから時代を下りながら→「アジサイ」に着地したと言われています。

日本原産のアジサイは「ガクアジサイ」と呼ばれ、これを改良したものが現今に一般的に知られる「ホンアジサイ」です。

アジサイ鑑賞で有名なお寺が鎌倉にありますが、下記にご紹介しておきます。

バラ

  • 開花時期:5月~10月

現在のバラは品種改良や機材の発展により、四季咲きのものが多く、1年中見かけることができますが、本来のバラの開花時期は初夏です。

カキツバタ

  • 開花時期:5月~6月

下記、アヤメやカキツバタと見間違える花として有名なのがカキツバタです。一般的にはアヤメがもっとも有名なため知らない方も多いと思います。

その様相は『何れ菖蒲か杜若(いずれアヤメかカキツバタ)』の言葉でも知られているほどでありんす。

アヤメ

  • 開花時期:5月~6月

上記、カキツバタと本当に見た目が良く似ています。アヤメは他にも花菖蒲とも似ているので、素人が見た場合判断つきにくいほど似ています。

よく知られている見分け方はGW中に開花するのがアヤメ。アヤメから一歩遅れる形でGWが終わった頃に開花するのがカキツバタです。そして花菖蒲はその後、しばらく経った6月頃です。

カキツバタや花菖蒲は水辺で見かけることが多いのですが、大してアヤメは陸上で芽吹く花です。

ホタルブクロ(蛍袋

  • 開花時期:5月下旬~7月

キキョウ科の多年草。多きな特徴はちょうどホタルが盛んに夜空を飛び交う、初夏から夏半ば前までに釣り鐘の形をした花弁を付けます。

関東地方では赤紫が多く、関西地方では白色の花弁を付けることが多いようです。

名前の由来は次のような諸説、語り継がれているようです。

  • 「子供が蛍を花弁の中に入れて遊んでいた」
  • 「蛍は夜が明けると、この花の花弁の中で過ごす」
  • 「火垂という提灯に形状が似ている」
皐月(サツキ)

  • 開花時期:4月~6月

家宅や公園、歩道脇などに生垣として植栽されていることが多く、視界に入ることが多い花です。しかしながら、花に興味でも無ければジックリくりクリと見る人が少なく、意外と知らない方が多い花でもありんす。

ハナミズキ

  • 開花時期:5月~6月

桜が君の純白のうなじのように儚げで切なく思わず抱きしめたくなっちまぅような花弁を散らした後に、ヒョコッと芽を出す花です。5月を代表する花でもあり‥ます。

一青窈(ひととよう)という女性シンガーの「ハナミズキ」という楽曲で知名度がグッと上がった花でもあります。

カーネーション

  • 開花時期:4月下旬~6月(10月~11月※秋)

カーネーションは上述した「母の日」に母ジャにプレゼントする花として有名です。5月を象徴する花でもありんす。

母の日の前後に切り花の流通量が増えますが、現在では1年中店頭で見かけることができます。

母の日に広告などで赤色のカーネーションが使用されていることから、カーネーションと言えば「赤」を連想してしまいますが、カラーバリエーションは豊富です。




シャクヤク

  • 開花時期:5月~6月

シャクヤク(芍薬)も立夏の時期の花としては有名な花です。ボタン科の花に属するだけあって君の斜め45度から見たときの顔のように大輪の美しい花弁を付けます。

江戸時代の頃から茶道で飾る茶花として用いられたこともあり、観賞用の花として一般的になっています。

中国では古くから薬草として用いられています。

チョウジソウ(丁字草)

  • 開花時期:5月~6月

河川敷沿いなどで見かける機会の多い野花です。ちょうど立夏の頃に可憐で儚げで控えめな性格の愛おしい君を連想させるそれはそれは小さく可愛い花弁を付けます。君ネタそろそろサブい

関東地方ではちょうど立夏時期(GW期間中)に開花している姿を見ることができます。

夏至の時期(6月下旬〜7月初旬)の時候の挨拶

時候の挨拶とは?

時候の挨拶とは「じこうのあいさつ」と読み、これは挨拶状などの冒頭に書く文のことです。

例えばよく見る典型的な例が、「拝啓〜」と書いた後に続く文章です。

  • 一例:「拝啓、○○の候」or「拝啓、暑中お見舞い申し上げます」…etc

‥と、このような文章が時候の挨拶になります。

特に仕事の関係先や目上の方へのお手紙の冒頭には、きちんと時候の挨拶を入れたいとお考えの方もいるかもしれません。

「夏至」という言葉は、「夏至の候」「夏至のみぎり」「夏至の折」という形で、そのまま時候の挨拶になります。

例えば、「夏至の候(ぼうしゅのこう)」と言うと、次のような意味合いがあります。

  • 「梅雨の時期になりました」
  • 「いよいよ本格的な夏を迎えました」
  • 夏枯草(かごそう/=靫草うつぼぐさ)が枯れる頃(変色する頃)になりました」

そして、「拝啓 夏至の候、」という書き出しで、相手の安否・健康を気遣ったり、最近の気候や行事の話を続けたりします。

「拝啓」で始めたら、最後に「敬具」をお忘れなく!

芒種の候
  • 読み方:ぼうしゅのこう
  • 意味:芒とは「のぎ」と読む。芒とは稲や麦などの針状の穀物類のこと。種を付加することでそれら穀物類の種を撒く時期を意味する。
  • 使用するに適した期間:6月初旬〜6月中旬頃まで

夏至の候
  • 読み方:げしのこう
  • 意味:夜に比べ昼間時間が長くなる頃
  • 使用するに適した期間:6月中旬〜7月初旬頃まで

入梅の候
  • 読み方:にゅうばいのこう
  • 意味:梅雨入りする頃
  • 使用するに適した期間:6月中旬~6月下旬頃まで

向暑の候
  • 読み方:こうしょのこう
  • 意味:だんだんと日増しに暑さが伝わってくる頃
  • 使用するに適した期間:6月中旬~6月下旬頃まで

若葉青葉の候
  • 読み方:あおばわかばのこう
  • 意味:生い茂った若葉は青々として生気に満ち溢れてる頃
  • 使用するに適した期間:6月初旬〜6下旬頃まで
長雨の候
  • 読み方:ながあめのこう
  • 意味:長雨が連日のように続く頃(長雨は、いわゆる遠回しに梅雨のこと)
  • 使用するに適した期間:6月初旬〜6月いっぱい
首夏の候
  • 読み方:しゅかのこう
  • 意味:春が過ぎ、梅雨入りする頃
  • 使用するに適した期間:5月下旬~6月いっぱいまで

梅雨を迎えるに際しての心構え

体調管理に注意!

夏至期間は、梅雨時期ということもあり、湿度が上昇します。すなわち蒸し暑くなるということです。

湿度が上昇するとイライラとしたりして落ち着かなくなったり、人によっては気が滅入ってしまって何も手につかなくなることもあると思います。

中には蒸し々々することからエアコンを24時間つけっぱなしで入れる家庭もあるでしょう。

こうした季節の変わり目で注意しなければならないのが、体調管理です。

蒸し暑くなったら、冷たい物を過度に摂取したり、集中力が散漫になりがちです。昔の人々はこういった時に食べ物から栄養を摂取して体調管理する方法を知っていたので、その季節に応じた食べ物や調理法をよく知っていたのです。

現代では、レトルト食品などで季節関係なく摂取することができますが、やはり、新鮮かつ旬な野菜や果物とは成分が異なりますので栄養価も異なります。できるだけ旬なものを摂取するような心がけが必要です。

「むくみ」に注意!

上述したように、梅雨時期に入ると高温多湿になります。高温多湿になると注意しなければならないのが、体内の余分な水分が体外へ排出されにくくなり、体内水分が停滞してしまいがちになることです。

この状態になると、身体の彼方此方で「むくみ」が生じやすくなります。

「むくみ」は体型がブヨブヨに見えるだけではなく、血管を圧迫しますので、血流も悪くもなり、冷え性の原因へとつながっていきます。

「むくみ」を起こさないようにするためには、水分代謝の上昇が見込めるような旬な食材を摂取する必要がありますが、芒種〜夏至時期の代表的な食材に「新ショウガ」が挙げられます。

新ショウガ(ショウガ)に含まれる辛味成分のジンゲロールが発汗作用を促し、水分代謝を上昇させてくれます。

新ショウガ(ショウガ)はできるだけ加熱せずに生で食べる方が効果的なので、刺身や冷奴、そうめんつゆに擦ったものをブチ込んだりして食べます。

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