神社のみならず、お寺でも見かけることのある狛犬。
特に神社に置かれている姿が散見されますが、‥‥‥どの神社も同じ狛犬がほぼ無いというのが、まず、驚き!
そんな狛犬をジ〜っと見ているとこんな疑問が湧いてきませんかぃ?
狛犬に子獅子?子狛犬??‥‥‥がいるのはなぜ?
そんな疑問にこのページではお答えしましましょう!
目次
狛犬に子犬がいるのはなぜ?
子犬のことを「子取り」という
狛犬の足元に子犬がもう1匹いることは、必須ではありませんが、そのような例が少なくもありません。
この、狛犬に子犬がくっついている状態を「子取り」と呼びます。
阿形と吽形のどっちが子取り(子連れ)?
結論から申せば、阿形、吽形のいずれが子取り(子連れ)なのかという定型のようなものがありません。
多くの場合、吽形が子どもを連れている。吽形がメスだからだ! という説もあるのですが、中には阿形が子どもを連れていることもあります。
獅子(狛犬)と子狛犬(子獅子)の関係ですが、日本の狛犬に限った話ではなく、中国の文献に獅子が描かれている画像には、子獅子も描かれており、親獅子と一緒に遊んでいる様子が描かれています。
現在までの有力な説としては、中国から狛犬が日本へもたらされたとされることから、中国の獅子の概念がそのまま日本へ伝来し、日本においてもその概念がそのまま踏襲されたと考えることができます。
子連れ狛犬の発想の起源は歌舞伎「連獅子」?
ところで、日本の歌舞伎には「連獅子」という有名な演目があるのをご存知でしょうか?
連獅子は親子の獅子がボタンの花にたわむれかかった挙げ句に、赤と白の長い髪を息ぴったりに振り回すのが見どころの1つ。
連獅子のエピソードは、「親の獅子が、子どもの獅子を谷底に突き落として鍛える」というエピソードから発生したようです。
このように、「獅子=親子」という仲良しイメージがある程度定着しているために、いつからか狛犬には子狛犬が付きもの、と考えられるようになったのではないかと言われています。
もちろん、狛犬の玉は財宝、子犬は子宝、という考え方に基づいて、宝物の1つとして子犬が付随するようになった側面もあるでしょう。
玉(鞠)持ちの狛犬がいるから、子持ち狛犬の意匠が出来上がる?
いくつかの狛犬を見ていると、阿形が開けた口の中に玉が入っている、或いはそこから派生して阿形が足元に玉を踏んでいる‥‥‥などの像容をした狛犬が散見されます。
この玉を持つ阿形の狛犬を基準に据えたとすれば、左右非対称を用いる意匠が決まりのようなものなので、必然的に吽形は球を持たない意匠で造立される可能性が高くなり申す。
このような経緯や理由があるからこそ、「子どもの狛犬を連れている」という像容が出来上がったという見方もできるということです。
『子連れ=メス狛犬』?
狛犬はある程度、型の決まった仏像を彫る仏師とは異なり、いっかいの町人である石工が作り上げるので、その時代の流行などによって姿形が大きく左右されることがあります。
つまりのところ、逆に吽形が玉を踏んでいるケースもゼロではないということです。
また、これは「狛犬の性別」にも関わってくることですが、「子連れ=メス」という概念もあります。
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