お守りの起源・由来は?海外にもある?お寺と神社のお守りの違いとは

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神社やお寺のお守りはお土産の定番でもありますが、中に何が入っているか気になったり、開けてみようと思ったり(罪悪感!)、そもそもお守りの由来って……? と思うことも。

今回は占い師の筆者が、お守りの起源から数え方、中身、また海外のお守りなどについても、ご紹介していきます!

お守りの起源・由来は?いつからある?

現在では学業成就や、仕事運のお守りなど、色々なお守りがありますが、お守りという文化が始まった頃は、お守りの役割の中に「学業成就」や「仕事運」といったようなことは含まれていませんでした。

お守りは何のために、いつ作られたか?

お守りというものが発生した当初の最たる目的はただ1つ。「安全」です。

基本的に、そもそもお守りは「身を守るためのものである」ということを知っておくと良いですね。

お守りの発祥は(日本では)縄文時代以前

なぜ、身を守るためにお守りが必要なのか。

それは、お守りができた時代に、医療や技術が発達しておらず、人々に知恵があっても、身を守る手段が不足していたためです。

少し何かの病気にかかったり、動物に襲われたりしても、すぐに命が失われてしまう時代でした。

また、例えば、植物で足を切って小さなケガをしたとしても、消毒をしたり、包帯を巻いたりする術がありませんから、その小さな傷からバイキンが入って死に至ることもあったでしょう。

お守りは、そうした原始の時代に、必要に迫られて発生しました。

古代のお守りはどんな形状?

古いお守りとしては、石で作った勾玉(動物の牙のような形をしている)、耳飾りなどの形をしており、縄文時代のものが多数出土しています。

勾玉にも米や宝石、鏡、刀など、古代の人々は神が降臨する依り代となるようなものは、なんでもお守りにしたそうです。

これらを身につけることにより、神の霊力を授かることができ、厄災を退けようとしていたようです。

お守りは厄払いの魔除け

医療も文化も発達していなければ、疫病やケガで簡単に命が失われてしまいます。当時の人たちはそれらを、ウイルスのせいとは考えませんでした。

そのようなものがあるとは知らないのだから、当然です。

大自然を相手にする古代は、運が良ければ生き残ることができますし、運が悪ければ生命を失う。まさに運次第のその日ぐらしでした。

さらには、命を失う原因として、精霊や魔物といったものが災いを運んで来ると考えられましたので、少しでも運を良くするためには、魔物を退けて厄除けをするしかない! という発想に至ります。

結果、厄払いのアイテムとして登場したのがお守りです。お守りを通して神の力を味方につけることで、死に至るような災いを避けようとしました。

今現在でも、道のパワーによって運が良くなったり、災いを招いたりすることは信じられており、目的は勉強運や仕事運、恋愛運へと変化したものの、少しでも自分の運気を良好に保つために、お守りというものが使われています。

装身具を身に付けて魔除けのお守りとしたのが始まり

勾玉やイヤリングは、お守りじゃなくて、アクセサリーなんじゃないのか? と思われがちですが、これは反対。

元々は魔除けのお守りだったものが、現代に至るまでに魔除けという意義を半ば失い、装身具として扱われるようになりました。

今でも、勾玉、パワーストーン、あるいは通常のアクセサリーにラッキーモチーフを用いたりなど、アクセサリーに単なる装身具という以上の意義を感じている人は多いはずです。

古代においても、そもそも装身具は魔除けのお守りでした。

縄文時代から弥生時代へ、また海外との交流が行われたこともあって文化的な進歩に伴い、お守りにはアクセサリーだけではなく、手鏡、懐刀といったものも使われるようになっていきます。

人間の霊魂を模した物=勾玉=お守り?

古代の日本人は勾玉を人間の霊魂を「タマ」として捉え、丸い形状の宝玉に依りつくと考えていたようです。

ちょっと、勾玉の形状をよくご覧ください。

何かに似ていませんか?

そうです!

お墓で飛び回っている俗に忌み怖がられる火の玉に見えませんか?

実は古代においての勾玉は霊魂が飛び回っている様子を象徴したものとされ、これを身に着けることで神霊のご加護が得られると信仰されていたようです。

一方で、火の玉も人魂が形となって現れたものとされる説があるように、だとすれば、火の玉の起源も勾玉?

お守りの歴史!勾玉から符への変化はいつ?

お守りができた頃、その形は前述のように、勾玉、耳飾りといったアクセサリーでした。

でも、今私たちが持つようなお守りは、大半がお札だったり、袋の中に何かが入っていたり……というようなものへと変化しています。

この、大きな変化が起こったのは6世紀頃です。

仏教の日本への伝来は西暦538年頃であると言われていますが、これに伴って日本でも仏教文化が花開き、およそ平安時代の頃から寺院において呪符が人々を守るものとして発行されるようになったと言われています。

その後、寺院だけではなく、神社でも護符やお守りが作られるようになり、神社のお守りには社名、神名、祈祷文が書き込まれたようです。

この時、同時にお守りを受けた人々は自然に頭を垂れるなど、お守りをありがたがる風潮が誕生し、お守りの文化は急速に日本中に伝播しています。

現在のお守りのスタイルの起源は京都清水寺?

1735年(享保20年)のこと。

随求菩薩(ずいぐぼさつ)の信奉者であった京都清水寺支院の慈心院を中興した盛松師(けいしょう)は、仁王門後方に随求堂(ずいぐいどう)を建立し、随求菩薩を奉斎します。

この後、月6回、大随求陀羅尼経を読誦(どくじゅ)して加持祈祷を行い、結縁参詣した参拝者たちには木版摺り(すり)した陀羅尼(だらに)を護符として授与します。

盛松師は、この護符を肌身離さず奉持することで霊験あらたかな利益が得られると論説し、これが現在のお守りの元祖とも言われるようになった‥‥という説です。

やがて、このスタイルを他の寺社が真似たものが現在のお守りの在り方の起源とされています。

お守りは海外にもあるのか?

お守りは、形は違えど世界各地に存在しています。例えば上の写真、「ドリームキャッチャー」などは、かわいらしい見た目から日本でもインテリアとして、お部屋に飾っている人は少なくありません。アメリカインディアンの文化で育まれたお守りで、インディアンはこの他にも様々なお守り

ペルーやブラジル、ボリビア、アンデス地方の「エケコ人形」は、日本でも一時期、願いを叶えてくれる人形として話題になりました。

人形というのも実は、女の子のオモチャではなく、魔除け、お守りのアイテムです。持ち主に降りかかる災いを引き受けてくれる役割を果たします。

チベットでは、メノウを加工した「天珠」と呼ばれる天然石アイテムが伝統的に作られていますが、これはメノウに日月や眼球などを彫刻し、魔除けとしたものです。宝瓶、菩提樹などのラッキーアイテムが彫刻されたものもあります。

中国界隈のお守り袋は中身が違う?

このように、世界各地にお守りは存在していますが、日本式(和式?)の「袋にお札が入っている」といったようなお守りは、ほとんどないようです。

原始時代に、幸運や厄払いのためにお守りを必要としたのは、世界共通なのですが、お守りの形は各地でそれぞれ発達し、全く違うものになったのですね。

中国には、袋に入れるタイプのお守りもあります。袋自体は日本のお守りにも似て、金襴のきれいな袋に入れられています。

ただし、中身は日本のような、四角い何かではなく、小銭、水晶、メノウでできたブタなどのラッキーアイテムです。

中国にも呪符タイプのお守りがありますが、これは紙そのままの形をしていて、壁にそのまま貼り付けることがほとんどです。

お守りの数え方・単位

お守りの単位は「体」です。

数え方は

一体、二体……

と、数えます。

なぜ、お守りは「体」なの?

お守りは、神様あるいは仏様と同様の存在です。

神仏の分身であり、神仏の御力をそのまま宿したものとして、単位は「体」が使われます。

神社においてのものの数え方
お守り
お札
神像
神輿
石灯籠
几帳
神社
祭神

ただし、上表をご覧になって分かるとおり、神様の数え方は「体」ではありません。下のリンクも参考になさってみてください。

お守りの値段は「値段」じゃないの?お守りの金額

あなたは、神社に行ってお守りを購入する時、「お守りの値段はいくら?」と考えることはないでしょうか。

お守りを授かる時に、神社に対してお金を支払います。

しかしこの金額のことを、「値段」とは呼びません。

神社にお守り代を払う時、その金額を「初穂料」と言います。

お守りの値段500円は「お守りの初穂料500円」が正式な言い方です。

なぜ「初穂料」と呼ぶのかは、神様に対して初めて収穫した稲穂をお供えした過去の風習が由来となっています。

昔は、神様へのお供え物はお金ではなく、作物などであったため、現在でも初穂料という名称が残されている形です。

詳しくは下の記事もご参考になさってください。

参考:初穂料とは何か?

ただし、初穂料と呼ぶのは、あくまでも神社です。お寺はこの限りではありません。

お寺ではお守りについて、「お守りの値段は500円」と呼びます。

ちなみに、神社の初穂料や玉串料にあたる表現として、お寺では「お布施」「祈祷料」といった言い方があります。しかしお守りを購入する場合は、お布施や祈祷料とは呼びません。

主なお守りの種類

お守りの種類には、以下のようなものがあります。

恋愛・結婚に関連するお守り

  • 縁結び
  • 恋愛滋養受
  • 子授け
  • 安産祈願

金運・商売・仕事運・ギャンブル運に関連するお守り

  • 金運・財運アップ
  • 商売繁盛
  • 千客万来
  • 出世運アップ
  • 昇格祈願
  • 勝守

勝守に関しては、商売運だけではなく仕事運、勉学の運にも使われることがあります。

いずれも昇進試験や受験に勝つという意味もあり、とにかく何かに勝ちたい時は何にでも使えると思って良いでしょう。

健康運のお守り

  • 健康祈願
  • 無病息災
  • 長寿

学業お守り

  • 学業成就
  • 合格祈願

安全、安定のお守り

  • 家内安全
  • 交通安全
  • 旅行守

厄除け、厄払い

  • 開運
  • 除災
  • 厄除け
  • 方位除け




神社のお守りの中身

日本では、神社のお守りは非常にメジャーなので、神社のお守りの中には何が入っているんだろう? と考えたことが少なからずあなたにも、あるはずです。

もちろん子どもなど、開けてしまう人もいますが、触れてはならないような気がしていまだに中を見たことがない! という方も多いでしょう。

神社のお守りの中にはお札が入っており、これを「内符(ないふ)」と呼びます。

お札には、神様(御祭神)のお名前、祝詞、あるいは図譜記号(神様につながる印のようなもの)などが書かれています。

いずれも神様と直接つながり、神様のパワーを分け与えてくれる護符の一種です。

お寺のお守りの中身

お寺のお守りの中身も、神社のお守りの中身と大差はなく、紙や布で作られた護符です。

御本尊さまのお名前や、絵姿、図記号、ご加護をあらわす言葉などが書かれています。

またお寺にゆかりある小さな木片、仏像をかたどったもの、ということもあるようです。

開けないで!中身が見えないようになっているのは封印のため

お守りは一般的に、布の袋に入って、袋の口が紐でとじられ、中を見られないようになっています。

当然、開けてみたい! と思った人はいるはずです。

しかし、お守り袋の口を開けることはおすすめしません。

お守り袋の口が紐で閉じられ、開けられないようになっているのは、中に入っている神様のお姿が見られないように……という意味とともに、御神徳を中に封じ込める封印の意味合いがあるのです。

日本の神道の文化では、神様を直接見るということは、そもそも失礼なこととされてきた一面があります。その1つのあらわれとして、古式ゆかしいお祭りの中には、夜間に、薄暗いたいまつの光だけで行われるものがいくつもありますね。わざわざ、神様を見ないために、薄暗い状況の中でお祭りを行うわけです。

そのことを差し引いたとしても、中にお守りの効果を封じ込めてあるわけですから、紐をほどいてしまったらお守りの効果はなくなる……ということになります。

開けたら罰が当たる、という種類のものでもありませんが、不躾に開けるのはマナー違反であると考えたほうが良さそうですね。

オリジナルお守り……効果ある?

オリジナルのお守りの効果については、諸説あるかと思います。

占い師、スピリチュアリストである筆者の立場から申し上げれば、オリジナルのお守りにも「想い」が込められていれば充分に効果があるはずです。

オリジナルお守りの中で、有名なものには「千人針」などがあります。これは戦時中、出征する兵士が無事に帰ってくることを祈り、大勢の女性が、白い布に赤い糸で、ひと針ずつ結び目を作ったアイテムです。当時は「武運長久を祈る」と言いましたが、兵隊さんにこれを持たせて、身の安全を祈りました。

民間信仰の一種で、効果のほどを研究した結果は全くありませんが、そこには大切な人が天に守られるように、という切なる願いが込められていたことでしょう。

地上に生かされた者として、どうしても抗えない運命というものもありますが、中には祈りによって守られた部分もあるはず、と信じるのは悪いことではないのではないのでしょうか。

今は、戦争のような悲劇的な事態に直面する時代ではありませんが、それでも、例えば大切な人から「これはお守りだよ!」と言ってもらったモノがあると、力をもらえるような気持ちがしたり、頑張れたりしませんか?

そして、気持ちがプラスに向かうことや、より粘り強くなることは、ものごとの成功率が上がったり、良い結果が出たりすることに繋がります。

誰かが思いをこめて作成したオリジナルのお守りには、スピリチュアルな面から見てパワーがあるものです。

お守りの紐の結び方は?名前・意味はある?

お守りの紐の結び方は、結び目がきれいに四角くなっていて特別に感じられます。

お守り紐の結び方を、「二重叶結び」と言います。読み方は、「にじゅうかのうむすび」です。

二重叶結びは、自分でも作ることができますので、練習して、自作のお守りを作ってみるのもいいかもしれません。

結び方が二重叶結びになっているだけで、とても本物っぽく見えることでしょう!

二重叶結びの結び方

簡単に、二重叶結びの結び方についてご紹介します。

使う紐は「打ち紐」と呼ばれる紐です。Amazonなどの通販で購入することができます。

打ち紐の長さは、60cmくらいが適当です。

  1. 打ち紐を半分に折り、紐の折り目をつける。
  2. 紐の端から14cmのところをクリップや待ち針などで留める。上から下に垂らす。
  3. 1.で留めたところから、少し下の位置で、紐を右側にねじり、輪を作りながら左側へ倒す。
  4. 輪を半回転させ、上にねじり上げる
  5. 左端にある紐の折り目を、最初の紐を留めたクリップの後ろを通して、先ほどの輪へ、紐の後ろから通す。
    この時、完全に最後までひっぱり切らずに、左側にも輪を残しておく。(次の工程でその輪に紐を通すため)
  6. 紐の折り目を左後方へ倒し、5.でできた輪に下から通し、上へ引っ張りあげる。
  7. 下から上へ出てきた紐の折り目の中に、一番最初の、打ち紐の端を、後ろから前へと通す。
  8. そのまま打ち紐の端を、結び目の中に上から下へ通し、結び目の下で倒して完成。

文字で書くととてもわかりづらいですね。YouTubeなどでも動画がありますので、ぜひ検索してみてください。

お守りは神仏同様の存在。1年程度でお焚き上げが理想

お守りは本来、神仏と同じように扱うべき存在です。過剰に汚したりしないよう大切に、丁寧に取り扱うほうが、御利益を期待できるでしょう!

またお守りは、有効期限と言うほどではありませんが、1年ほどで効力が弱まるため自社へお返しし、お焚き上げをしていただくのが理想と言われています。

思い出のお土産などは、この限りではありませんが、差し支えないものならば、所有して1年を過ぎたお守りを、神仏へ御礼がてらお焚き上げへ持っていってみてはいかがでしょうか。

Writing:陰陽師の末裔/占い師・パワーストーンアドバイザー
あん茉莉安(ホームページ

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