「乃東生」「蚯蚓結」の意味・由来・読み方|【冬至(二十四節気)七十二候・初候】

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このページでは二十四節気「冬至」の七十二候・初候における「乃東生」「蚯蚓結」の意味・由来・読み方についてご紹介しています。




乃東生の意味・由来

二十四節気・冬至の七十二候・末候(日本の略本暦)は「乃東生」です。

乃東生の読み方

乃東生は「なつかれくさしょうず」と読みます。

乃東生とは?

「乃東生」とは、二十四節気の「冬至(とうじ)」をさらに3つの節気に分けた「七十二候」の第1節です。

72の節気を持つ七十二候においては「第六十四侯(第64番目)」の節気、「初候(しょこう)」にあてられた語句になります。

太陽の黄経は270度を過ぎた地点です。

冬至期間中の日本略本歴における七十二候の種類・一覧

初侯:乃東生
次侯:麋角解
末侯:雪下出麦

「乃東生」の意味

「乃東生」の意味は、「乃東」「生」に分解すると分かりやすくなります。

「乃東」の意味

乃東はは「だいとう」と読み、これは「夏枯草(カコソウ)」の古称になりんす。また、夏枯草と書いて「なつかれくさ」とも読まれます。

「生」の意味

「生まれてくる」「生える」の「生」です。

 

以上、まとめると「乃東生」の意味とは、『夏枯草(ウツボグサ)が生えてくる頃』と解釈されまする。

「夏枯草」とは?

「夏枯草」という名前の草はあまり耳にしないと思いますが、実はこれは「靫草(ウツボグサ)」のことです。

これに「枯」を付すことで「ウツボグサが枯れる頃」と解釈されます。

ウツボグサの開花時期

通常の草花であれば、春に芽吹いて夏に太陽の光を浴びてすくすくと成長し、冬に枯れるのがセオリーのようなものです。

しかしこのウツボグサは風変わりな花であり、なんと!冬になると芽吹いて開花し、夏時期が過ぎた頃に枯れます。花は稲穂のような形状をしていることから「花穂(かすい)」とも呼ばれます。

夏枯草がウツボグサではないという説もある?

夏枯草はウツボグサではないという説もありまする。この理由は夏枯草は夏至(6月21日頃〜7月6日頃)の頃に枯れるので褐色に変色する一方で、ウツボグサは逆に6月〜8月にかけて色鮮やかな紫色の花を付けることから、事実関係の辻褄が合わなくなるからです。

以上のことから、一説にはウツボ草ではないとも言われ、漢方薬として夏枯草と同じ効能があることから、誤って双方を混同し、「なつかれくさ」と訓んだとも考えられていまする。

「乃東生」は「乃東枯」とセット!

夏至の第二十八侯(第28番目)」の節気、「初候(しょこう)」で集録されている「乃東枯(6月21日〜25日頃)」とセットになっていまする。

乃東枯で夏枯草が枯れる頃、この乃東生で生えてくる頃を意味し、セットで1年の移ろいを示しています。

ウツボグサについては下記ページにて詳しくご紹介しています。




蚯蚓結の意味・由来

中国(宣明歴)での七十二候・初侯は「蚯蚓結」です。

蚯蚓結の読み方

蚯蚓結は「きゅういんむすぶ」と読みます。

蚯蚓結とは?

「蚯蚓結」とは、「中国(宣明歴)における二十四節気の冬至」をさらに3つの節気に分けた七十二候の第1節です。

72の節気を持つ七十二候においては「第六十四侯(第64番目)」の節気、「初候(しょこう)」にあてられた語句になります。

太陽の黄経は270度を過ぎた地点です。

冬至期間中の中国宣明暦における七十二候の種類・一覧

初侯:蚯蚓結
次侯:麋角解
末侯:水泉動

蚯蚓結の意味

「蚯蚓」の意味

蚯蚓とは、「きゅういん」と読み、これは「ミミズ」のことです。

「結」の意味

「結」は、ヒモを結ぶの「結」です。

 

以上まとめると、『蚯蚓(ミミズ)地中で塊となる頃』という意味になりまする。

蚯蚓の生態

ミミズの生態については下記、蚯蚓出でも解説していますが、春になると動きが活発になり、地表に這い出てきて快活な動きを見せます。

しかしながら冬至を迎えた頃になると急激に気温が低下し、自慢の伸縮自在の身体が思うように動かなくなります。

蚯蚓は冬眠する種類といない種類に分かれますが、「地中で塊となる頃」と解釈したのはミミズがまるでヒモを結んだかのようにグルグルと丸まってジぃ〜っと動かない様子を言葉で表現したのでしょう。

ただ、実際にすべてのミミズが丸まってカタマリになっているのではなく、これは比喩です。「冬眠するほど寒い季節」という事実を蚯蚓で表現したのでしょう。

蚯蚓結は蚯蚓出とセット!

二十四節気の「立夏(りっか)」の七十二候「第二十侯(第20番目)」の節気、「次候(じこう)」に集録される「蚯蚓出(5月10日〜15日頃)」と蚯蚓結はセットです。

蚯蚓出で「蚯蚓が地上に這出る頃」とし、蚯蚓結で「蚯蚓が土中で動かなくなる頃=冬眠する頃」と1年の移ろいを解説しています。

「乃東生」「蚯蚓結」の日にち(期間)

  • 太陽暦:12月22日〜26日頃
  • 旧暦:十一月中(十一月の中気)

二十四節気と七十二候について

雑節について

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