ひな人形(お雛様)の「意味(役割)・由来」を子どもにも説明できるように簡単に解説!

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今年のひな祭りは、どう過ごされるご予定ですか?

すでに準備に余念のない方、「今年こそ!」と思われている方、様々いらっしゃるかと思います。

そもそも、ひな人形をどうして飾らなくてはいけないのでしょうか?

ひな人形の由来は?正しい飾り方は?など、ひな祭りの会話に困らない知識を今回はご紹介します。

今年のひな祭りは、ひな祭り博士になりきって、子供や家族に「へ~」っと言わせてみせましょう。

 

まず・・「ひな祭り」の意味

なぜ「ひな祭り」を行うのでしょうか?

中国では、「季節の変わり目や奇数の重なる日は、邪気が多い」と考えられており、そんな季節の変わり目や奇数の重なる日に「邪気を祓うために行う行事」の1つが、ひな祭りの原型です。

邪気とは、人の身に病気やケガなど悪いことを起こすと信じられた悪い気のことを言います。

同じような行事で分かりやすいのは、「節分」かもしれません。

「節分」も季節の変わり目に、鬼を邪気に見立てて、豆をぶつけて追い払う行事です。

その季節の変わり目の邪気に加え、中国で奇数の重なる日は邪気が多いという考え方から、3月3日、5月5日のように、奇数の重なる月日を「節句」と呼びました。

「五節句」は1年に5回あります。

「五節句」の中でも、ひな祭り(桃の節句)や端午の節句は、「邪気を祓う」という意味の他、子どもの健やかな成長を願うという意味も込められ、季節の行事・お祭りとして定着しています。

  • 1月7日  人日(じんじつ) 七種(ななくさ)の節供
  • 3月3日  上巳(じょうし) 桃の節供
  • 5月5日  端午(たんご)  菖蒲の節供
  • 7月7日  七夕(たなばた)
  • 9月9日  重陽(ちょうよう)菊の節句 

つまり・・ひな祭りは「悪いものを追い払うための行事」

まとめますと、ひな祭りの日は、奇数の3が重なることで「悪いものが寄り付きやすい」とされています。

また、季節の変わり目なので、風邪をひくなど、体調を崩す心配もあります。

そんな、色々な辛いこと・痛いこと・悲しいこと・悪いものを追い払うための行事が、ひな祭りなのです。

ひな人形(お雛様)の意味(役割)・由来

「ひな祭り」が特に女の子のお祝いであることは、「ひな祭り」が「ひいな遊び」と言われる、女の子の遊びから発生したことに由来します。

古くから日本では、人形には魂が宿ると考えられてきました。

人型に模した素朴で簡単な人形を、災厄を引き受ける身代わりとして川に流していたことも、ひな人形に繋がります。

このように、ひな人形には、女の子に降りかかろうとする災厄を身代わりになって引き受けてもらうと同時に、守り神になってもらうといった願いが込められています。

そのため、1人に対して1つのひな人形が必要であるとされ、姉妹がいたり、代々引き継いだひな人形を持っていたりしたとしても、女の子が生まれた場合には、新しくひな人形を用意することを勧められるのです。

つまり・・ひな人形は女の子の守り神!

ひな人形の意味として重要なのは、女の子の身にふりかかる「災厄(病気やけがなどの不幸なこと、良くないこと)を寄せ付けない」ということです。

ひな祭りにひな人形を飾ることは、女の子の身を守り、健康に大きくなること、幸せに暮らせることを願うという意味があります。

さらに詳しく!ひな人形の歴史 ~移り変わりと風習~

ではここで、時代と共に移り変わってきたひな人形を風習と共に見て見ましょう。

形代(かたしろ)

ひな祭りの原形となったのは「形代(かたしろ)」です。

これは、穢れを人の形をした紙や草木に移し海や川に流す風習です。

この風習は源氏物語にも登場します。

穢れが病を引き起こすと考えられていた時代に、穢れを形代に移すことで無病息災を祈願したのです。

流し雛

形代が変化を遂げた風習が「流し雛」です

「雛流し」ともいわれ、穢れを祓う役目の人形と共に、身の穢れを水に流して清めるといった意味合いがある民俗行事です。

現在でも、各地で行われている風習です。

天児(あまがつ)・這子(ほうこ)

身代わりとなって穢れを祓ってくれる流し雛を、身につけたり、家の中に安置できるようにしたりするのが、天児(あまがつ)・這子(ほうこ)といった人形です。

平安時代には飾られていた記録が残る這子は、はいはい人形・はいこ人形とも言い、乳幼児の病気などを身代わりに背負ってもらう人形として、枕元に置かれていました。

ちょうど子供がはいはいするような形をしていて、当時は布の中に綿をつめて出来ている人形でしす。

手触りがよく、子供のおもちゃとして、ぬいぐるみのように遊ばれていたようです。

一方、天児は、十文字形の木の棒の上に、布の顔を取り付けた人形です。

胴の部分に着物を着せた人形もあったようです。

立雛(たちびな)・紙雛(かみびな)

江戸時代のころまでは、ひな人形と言っても、簡素な「紙雛」や「立雛」な一般的でした。

現在は、そのほとんどが座っているひな人形ですが、最初は全ての雛人形が立っているひな人形だったのです。

室町雛・寛永雛

座った姿の方が飾りやすかったという理由などから、ひな人形は立雛から座り雛へと変わっていきます。

このころから、ひな人形はお祓い用としての役目より、観賞用としての役目が大きくなっていきました。

「室町雛」と呼ばれるひな人形は、立ち姿と座り姿を折り混ぜたような形となっています。

ひな人形の顔は男女のともに丸顔で、男雛は袖を内側に巻き込むような形、女雛は両袖を左右に広げた形になっています。

通常、座り雛の女雛の腕は、かいな折りと言われる、肩やひじの部分を内側に折って角度をつけていることを考えると、現在の座り雛のかたちとは違ったことが伺えます。

続いて、江戸初期のひな人形が「寛永雛」です。

「寛永雛」は面長の顔に変化し、男雛の冠は頭の上部に一体化されています。

このころのひな人形は、現代のひな人形と比べると小さいサイズが特徴で、男雛が少し大きめの12cm、女雛は9cm程の物が主流でした。全長10㎝ほどでした。

元禄雛

華やかな文化が栄えた元禄時代には、町人たちの間にも生活に余裕が生まれました。

そのことで、一気に華やかで豪華なひな人形がお目見えします。

サイズも寛永雛よりも大きくなり、20㎝前後のものが多くつくられました。

享保雛

さらに享保時代には、より豪華なひな人形が登場します。

腕の良いひな人形職人も活躍した時代です。大きなサイズのひな人形も作られ、中には120cmを超える雛人形も作られたそうです。

なんと、幕府から大きさを8寸(約24センチ)以下と定められたほど、ひな人形は流行しました。

この頃からひな人形の髪が黒い絹糸になり、女雛の冠は、金属製の豪奢な飾りをたくさんついた冠を被るようになっていきました。

有職雛(ゆうそくびな)  

古来、朝廷や公家、武家の制度や風習に基づいた座り雛です。

年齢や位によって装束がはっきりと決められており、衣装も、文様や装束を正しく着せたひな人形です。

宮中につかえていた高倉家と山科家に衣裳を作らせたことから、ひな人形にも、高倉式と山科式が存在しています。

古今雛(こきんびな)

現代のひな人形に一番近いのが古今雛です。

1760年に、原舟月(はらしゅうげ)という人形師が作った雛人形がもととなっているひな人形です。

ガラスや水晶をはめ込んだ目もここから始まったとされます。

男雛は束帯、女雛は平安時代の上流公家の正装であった、「袴・単・五衣・打衣・表着・唐衣・裳」の5つから構成されていることから「五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)」と言われる豪華な装束を着ています。

また、女雛の髪型が「大垂れ髪(おすべらかし)」で、前髪を上げるために「釵子(さいし)」と呼ばれるかんざしや「額櫛(ひたいぐし)」が使われています。

さらに、「天冠(てんかん)」と呼ばれる大きな金の冠をつけた女雛が多いのも特徴です。




ひな人形の飾り方の変化

雛段飾り

敷物を引いた台の上に雛人形を並べただけであったひな人形も、江戸時代中期になると5段や7段の段飾り雛が広がりました。

段数は、祝い事には奇数が縁起が良いという考え方からきています。

御殿飾り

豪華で大きな雛飾りである御殿飾りは、明治から大正時代にかけて、京都や大阪で多く作られていたものです。

京都の御所、紫宸殿(ししんでん)を模した造りになっています。

しかし、時代の流れと共に収納が手間な事や場所を取ることから、次第に姿を消していきました。

まとめ

ひな祭りは、時代と共に色々な行事や風習が複合してできた風習だということが分かりました。

また、雛人形(お雛様)は、ひな祭りを行うにあたって、なくてはならない大切なお人形だということも理解できたと思います。

初めは簡易的なお人形だったものも、今ではとても華やかで美しい人形へと変化を遂げました。

時代は移り変わりますが、親が子供の成長を願って高価な雛人形に思いを託す気持ちは変わりません。

1年ぶりに雛人形に再会して、ひな祭りを行い、家族みんなで食卓を囲みましょう。

きっと、お子さんの心の中にも楽しいひな祭りが残るはずです。

Writing:YUKIKO-加藤

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