「金盞香」「野鶏入大水為蜃」の意味・由来・読み方|【立冬(二十四節気)七十二候・末候】

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このページでは二十四節気「立冬」の七十二候・末候における「金盞香」「野鶏入大水為蜃」の意味・由来・読み方についてご紹介しています。




金盞香の読み方

金盞香は「きんせんかさく」と読みます。

金盞香とは?

金盞香とは、二十四節気の「立冬(りっとう)」をさらに3つの節気に分けた「七十二候」の第3節です。

72の節気を持つ七十二候においては「第五十七侯(第57番目)」の節気、「末候(まっこう)」にあてられた語句になります。

太陽の黄経は235度を過ぎた地点です。

立冬期間中のその他の七十二候の種類・一覧

初侯:山茶始開
次侯:地始凍
末侯:金盞香

 

金盞香の意味・由来

日本(略本暦)での解釈

「金盞香」の意味は、「金盞」「香」に分解すると分かりやすくなります。

「金盞」の意味

金盞とは「きんせん」と読みますが、正式には「きんさん」と読みます。

金盞とは、キク科の一年草「キンセンカ」の別称を示す一方で「金で作った杯」を意味します。

しかしここで植物好きな方であれば疑問に思った方もいると思いますが、キンセンカとは3月〜6月頃に咲く花です。

実は金盞には他に意味合いがあり、なんとぉぅ!水仙(すいせん)の異名が金盞になりんすよ。

「香」の意味

「香」は「香り」「香る」の意味がありんす。

 

以上、「金盞香」の意味をまとめると「水仙の花が咲き、かぐわしい香りがただよう頃」となりんす。




金盞が水仙に例えられた理由とは?

金盞と水仙の関連性が見出せないことから、水仙の異名が「金盞」であることに些か疑問が生じるのですが、金盞とは上述のように「金で作った杯」を意味する言葉です。

しかし、水仙の姿形を鑑みれば、この疑問が解けてきます。

ちょっち下掲、写真の水仙の花をご覧くださいな。

純白色をした花ビラが6枚備わり、その中央に黄金の冠のような黄色の副花冠(ふくかかん)が見えます。

実は水仙はこの姿形ゆえ、「金盞銀台(きんさんぎんだい)」とも呼ばれています。

この金盞銀台を水仙に例えて金盞と付したのであれば、かなりロマンチストな詩人っぽさがうかがえます。

水仙の生態

水仙の開花時期は11月から翌年3月頃。

水仙は黄色と白色のものがありんすが、黄色い水仙を「黄水仙」と呼称します。

白水仙は東洋種であるのに対し、黄水仙は南欧の原産です。

また、水仙の球根には毒があり、海外では死亡例も報告されているとのことなので取り扱いには充分な注意が必要です。うきゃ

大きな特徴は、上品でかぐわしい香りを漂わせ、清楚で可憐な佇まいをしています。そぅ、まるで斜め45度から見る愛おしい君の横顔のようだよ。‥キスしていい?

‥‥

‥‥

‥ぷシュ〜 ワカコ酒?

こホンっ!、水仙は庭園に植栽されることが多く、優美で清楚、且つ、可憐なその姿は、冬の殺風景な庭園に孤高たる彩りを香りに乗せて四方に至るまで放ちます。

このような水仙は当然のごとく詩人や数寄者たちに好まれるのですが、不思議なことに和歌や連歌では詠まれずに俳諧で盛んに詠まれています。

また、水仙は一休さんでスッカリかりカリと有名になっちまった「一休宗純(いっきゅう そうじゅん)」が著した「狂雲集 (きょううんしゅう)」においてもエロティックな美女の形容に水仙が用いられており、古来、可憐な女性をイメージさせる花として持てはやされてきたことが窺えます。

水仙は正月飾りにも最適!

実は水仙は白色と相場が決まっている感がありんすが、黄色の水仙もあります。

その上さらに一重咲き(花ビラ5枚)と八重咲き(クソほど花ビラを付ける)のものがありますが、水仙は切り花にして正月飾りとして花瓶に生けることで喜ばれます。

寒気に包まれる中、愛おしい君のような‥もぃエエわぃ! ‥と、まぁ、その優美で可憐な姿を見ることで一瞬でも寒さを忘れさせてくれます。

【補足】水仙の花言葉・学名

  • 花言葉:「うぬぼれ・自己愛」
  • 学名:ナルキッソス

学名のナルキッソスは、ギリシャ神話に激しく登場する美少年・ナルキッソスに由来。激しく登場?…意味不明

実はこのギリシャ神話、「ナルシスト」の語源にもなったとかでかなり有名な?お話になるようなのですが、‥どぅ?聞きたい?

じゃあ、ちょぃとお話しましょうケィ。

こホンっ!

このナル少年は美少年なことから、当然のごとく、女子たちにモテまくりのハッピーハッピーLIFEを謳歌していたそうな。

おそらく二股では収まりきらずに八股と十股くらいはいっとんでしょうなぁ。その1000分の1でエエから おすそ分けして

そんなナル少年は次第に女性たちに高慢な態度をとりだし、やがて傷つけはじめたのです。

それを見かねた女神はナル少年に対し、な〜んとぉっ!「自分自身に恋をしてしまう呪い」をかけちまぅのです。

‥ある日のこと、自らに呪いがかけられているともつゆ知らず、水辺へと向かったナル少年は、水面に映った自分の姿を見て、こともあろうに自分に恋をしてしまいます。

しクぁし!恋するあまり水面から離れられなくなってしまい‥なんとぉぅっ!水面に映った自分の顔と見つめあったまま、うつむいた姿勢で死んでしまうのでした。トホホ

この後、ナル少年がいた水辺には毎年のように少しうつむいた水仙が咲いたとのことです。チャンチャン

‥と、まぁ水仙の学名にこのようなある意味、奥深く壮大な物語が秘められていようとは夢にも思わなんだ‥ということでしたっ!壮大か?




【補足】水仙の名所

私的には水仙は一輪だけ生けて、愛しい君を見つめるかのようにボ〜っと眺めるのが風流だと思うのですが、群落で観るのもまた少し印象が異なって乙なものです。

その水仙の群落地帯が観れる場所が日本各地にありんすよ。

日本水仙三大群生地
  • 越前岬(福井県丹生郡越前町血ヶ平)
  • 淡路島南岸(兵庫県南部・淡路島)
  • 江月水仙ロード(千葉県鋸南町)

中国(宣明暦)での解釈

中国における立冬の末候・第五十七侯の七十二候は「野鶏入大水為蜃」です。

読み方は「やけい みずにいり おおはまぐりとなる」になります。

野鶏入大水為蜃の意味

「野鶏入大水為蜃」の意味を考えていく上で「野鶏」「入」「大水」「為」「蜃」に分けると考えやすくなりんすよ。

「野鶏」の意味

野鶏(やけい)とは、鶏という字が入っていることから想像できるように「ニワトリ君」の一種ですが、中国での野鶏とは、キジ目キジ科の鳥類のことです。

すなわち、日本風に訳すとキジ(雉)になりんす。

「入」の意味

入るは「入る」です。

「大水」の意味

大水とは、大きい水と書いて広大な海を表現しています。

「為」の意味

為と書いて、成し(為し)遂げるの「為す」を意味します。

「蜃」の意味

「蜃(しん)」とはあまり聞きなれない言葉ですが、これは中国と日本に伝わる伝説上の生物のことです。

巨大なハマグリとする説と、竜の一種とされる説とがありんすが、本項では「ハマグリ」として解されています。

 

以上をまとめると、『雉(キジ)が海に入って大蛤(巨大なハマグリ)になる頃』となりんす。

七十二候の「入大水為」シリーズ

実は、七十二候にはこの「野鶏入大水為蜃」以外にも「入大水為」が付された節気がありんす。

雀入大水為蛤(すずめたいすいにいりこはまぐりとなる)

意味:雀(すずめ)が海に入って蛤になる




「雉が海に入って大蛤になる」の意味

これだけでは脳漿攪拌 意味アラレ‥状態ですが、中国では秋の終わり〜初冬を迎える頃、キジが野山や人家周辺では観られなくなることから、海に集い、蜃(大きなハマグリ)に姿を変えて蜃気楼をあたり一面に出しながら海に消えていく‥という俗信があったようです。

画像引用先:https://ja.wikipedia.org

スズメに対してキジは体格が大きいので、それを「大蛤」としたところもまた一興。ユーモアが光る部分でもありんすなっ。キョキョっ

「金盞香」の日にち(期間)

  • 太陽暦:11月17日〜21日頃
  • 旧暦:十月節(十月の正節)

二十四節気と七十二候について

雑節について

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