半夏生とは変わった名前ですが、これは雑節と二十四節気の七十二候で集録される節気のことです。
このように雑節と七十二候との双方で集録されている事実を以ってしても、重要な節気であることが分かります。
以下では、この半夏生の期間(主に7月2日頃〜7月7日頃)の季節の花をご紹介しています。
目次
半夏生の季節の花
※以下、画像引用先:https://ja.wikipedia.org/
半夏生(ハンゲショウ)
ハンゲショウ(半夏生)とは?
半夏生は別名「カタシログサ(片白草)」とも呼称し、由来は葉の片面が白く変色することからきています。
また、白い葉が3枚あることから「三白草(ミツシログサ)」とも呼ばれます。
ハンゲショウはドクダミ科の多年性落葉植物であり、日本の本州はじめ朝鮮半島、中国、フィリピンなど東アジア地域に分布しています。
半夏生の名前の由来とは?
ハンゲショウ(半夏生)の名前の由来は、鼻毛状の花弁を付けることからハナゲジョウとされ、これが訛りを経て「ハンゲショウ」‥というのは冗談ですが‥‥、
‥こホンっ!
半夏生の頃(7月2日頃)に開花するとされる説や、葉の一部が白く変化する様子を「半化粧」として「半夏生」に充てたという説もあります。
ハンゲショウ(半夏生)の花言葉
- 「内気」
- 「内に秘めた情熱」
それぞれが花言葉になった理由
- 世にも珍しい白い葉が花弁の代わり=内気
- 花は咲かねど葉を白く変化させる姿=内に秘めた情熱
半夏生の葉っぱが白い理由
虫媒花
半夏生の葉っぱは世にも珍しい白色をしてますが、実はこの白色は期間限定の白色なんです!
その期間とは花時期のみになりまする。
半夏生は、虫媒花(ちゅうばいか)と呼ばれる虫を介して受粉を行う植物であるがゆえ、昆虫を誘い込む必要があります。
このため葉に白粉を塗ったかのように化粧をして虫を誘い込む必要があるということです。
しかしながら、葉っぱすべてが白色に変色するワケではなく、葉の半分だけが白く変色することから、ゆえに半分化粧→「半化粧」と呼ばれ、これが時代を下りながら「半夏生」に着地したと考えられています。
こうして受粉期間を終えると葉っぱは再び緑色へ戻ります。
虫が白色に引き寄せられるというのは、いささか懐疑的ですが、ハエやコバエが黄色に惹きつけられるように昆虫が色に引き寄せられる効果は実証されています。
半夏生の生態がそうなっている
半夏生は生態的に花時期に葉を白くするとも云われます。その時期がたまたま花時期にあたるためです。
葉が白くなる原理は葉緑体から葉緑素が抜ける作用によって起こるものであり、白くなる時期や度合いは日当たりや気温・湿度などが大きく関与していると言われます。
また、すべての葉が白くなるのではなく、茎の先端近くの2~3枚に限定されています。それゆえ異名で「三白草(みつしろぐさ・さんぱくそう)」とも呼ばれまする。
半夏生の葉が白く染まるまでに田植えを終わらせる?
農家では、半夏生の葉が白く染まるまでに田植えを終わらせることができなければ、「半夏半作(はんげはんさく)」と言われ、田植えした稲の半分も収穫できないとされているようです。
言うなれば半夏生の葉が白くなるまでに田植えを終わらせるといった、田植え時期の指標にされていることになりまする。
烏柄杓(カラスビシャク)
実は上記、「半夏生(ハンゲショウ)」以外にも同じ「半夏」と書く、「半夏(カラスビシャク)」という植物があると言えば驚かれますでしょうか?
カラスビシャクとは、サトイモ科の植物であり、名前の由来は「烏(カラス)」と「柄杓(ヒシャク)」に分ければ意味が理解できます。
カラスは鳥類の烏(カラス)です。柄杓は寺社の手水舎に置かれている柄杓(ひしゃく)のことです。
まとめると、烏(カラス)が使ってちょうどぐらいの大きさの柄杓に見えることから、「烏柄杓」と命名されています。
しかし本っ当、昔の人というのはユニークな発想を用いて名前を付けるものだ。ワッハ
別名「半夏」とも呼ばれる!
カラスビシャクの乾燥させた根茎は、半夏(はんげ)という漢方薬として一般的に漢方薬として広く知られています。
⬆️カラスビシャクの根茎(乾燥前) (画像引用先:https://w.atwiki.jp/kuteikai/)
カラスビシャクの別名‥その名も「ヘソクリ」?!
カラスビシャクは珍しい形の植物が故、いくつか別名があるようですが、そのうちの1つに「ヘソクリ」という名前があります。
名前の由来は、カラスビシャクの根茎が漢方薬として活用できたため、それを薬屋に売って小銭を貯めたことからきているそうな。
カラスビシャクには「仏炎苞」と呼ばれる花弁がある!
カラスビシャクには「仏炎苞(ぶつえんほう)」と呼ばれる珍しい花弁があります。
仏炎苞はサトイモ科の植物に多く見られる特徴の1つであり、名前の由来は仏像の背中にある光背(こうはい)と焔(ほむら)の彫り込みに見立てて「仏炎」と付されています。
「苞(ほう)」とは、蕾(つぼみ)を覆うようにして葉っぱが変形したものです。(↓写真参照)
⬆️カラスビシャクの仏炎苞 (画像引用先:https://twitter.com/Ayano_Tsubaki)
漢方の半夏(カラスビシャク)の効能・効果
- 吐き気、嘔吐、不眠症改善、咳嗽(せき)
- 茎部分は「ほそぐみ」と呼称し、妊婦の「つわり」に効く
紫陽花(アジサイ)
- 開花時期:5月下旬~7月
アジサイの名前の由来は不明とされていますが、一説には「藍色が集まったもの」を意味して、→「あづさい(集真藍)」になり、ここから時代を下りながら→「アジサイ」に着地したと言われています。
日本原産のアジサイは「ガクアジサイ」と呼ばれ、これを改良したものが現今に一般的に知られる「ホンアジサイ」です。
アジサイ鑑賞で有名なお寺が鎌倉にありますが、下記にご紹介しておきます。
- 長谷寺(長谷観音) / 神奈川県
- 明月院(あじさい寺) / 神奈川県
バラ
- 開花時期:5月~10月
現在のバラは品種改良や機材の発展により、四季咲きのものが多く、1年中見かけることができますが、本来のバラの開花時期は初夏です。
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カキツバタ
- 開花時期:5月~6月
下記、アヤメやカキツバタと見間違える花として有名なのがカキツバタです。一般的にはアヤメがもっとも有名なため知らない方も多いと思います。
その様相は『何れ菖蒲か杜若(いずれアヤメかカキツバタ)』の言葉でも知られているほどでありんす。
アヤメ
- 開花時期:5月~6月
上記、カキツバタと本当に見た目が良く似ています。アヤメは他にも花菖蒲とも似ているので、素人が見た場合判断つきにくいほど似ています。
よく知られている見分け方はGW中に開花するのがアヤメ。アヤメから一歩遅れる形でGWが終わった頃に開花するのがカキツバタです。そして花菖蒲はその後、しばらく経った6月頃です。2
カキツバタや花菖蒲は水辺で見かけることが多いのですが、大してアヤメは陸上で芽吹く花です。
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ホタルブクロ(蛍袋)
- 開花時期:5月下旬~7月
キキョウ科の多年草。多きな特徴はちょうどホタルが盛んに夜空を飛び交う、初夏から夏半ば前までに釣り鐘の形をした花弁を付けます。
関東地方では赤紫が多く、関西地方では白色の花弁を付けることが多いようです。
名前の由来は次のような諸説、語り継がれているようです。
- 「子供が蛍を花弁の中に入れて遊んでいた」
- 「蛍は夜が明けると、この花の花弁の中で過ごす」
- 「火垂という提灯に形状が似ている」
皐月(サツキ)
- 開花時期:4月~6月
家宅や公園、歩道脇などに生垣として植栽されていることが多く、視界に入ることが多い花です。しかしながら、花に興味でも無ければジックリくりクリと見る人が少なく、意外と知らない方が多い花でもありんす。
ハナミズキ
- 開花時期:5月~6月
桜が君の純白のうなじのように儚げで切なく思わず抱きしめたくなっちまぅような花弁を散らした後に、ヒョコッと芽を出す花です。5月を代表する花でもあり‥ます。
一青窈(ひととよう)という女性シンガーの「ハナミズキ」という楽曲で知名度がグッと上がった花でもあります。
カーネーション
- 開花時期:4月下旬~6月(10月~11月※秋)
カーネーションは上述した「母の日」に母ジャにプレゼントする花として有名です。5月を象徴する花でもありんす。
母の日の前後に切り花の流通量が増えますが、現在では1年中店頭で見かけることができます。
母の日に広告などで赤色のカーネーションが使用されていることから、カーネーションと言えば「赤」を連想してしまいますが、カラーバリエーションは豊富です。
シャクヤク
- 開花時期:5月~6月
シャクヤク(芍薬)も立夏の時期の花としては有名な花です。ボタン科の花に属するだけあって君の斜め45度から見たときの顔のように大輪の美しい花弁を付けます。
江戸時代の頃から茶道で飾る茶花として用いられたこともあり、観賞用の花として一般的になっています。
中国では古くから薬草として用いられています。
チョウジソウ(丁字草)
- 開花時期:5月~6月
河川敷沿いなどで見かける機会の多い野花です。ちょうど立夏の頃に可憐で儚げで控えめな性格の愛おしい君を連想させるそれはそれは小さく可愛い花弁を付けます。君ネタそろそろサブい
関東地方ではちょうど立夏時期(GW期間中)に開花している姿を見ることができます。
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