「菊花開」「雀入大水為蛤」の意味・由来・読み方|【寒露(二十四節気)七十二候・次候】

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このページでは二十四節気「寒露」の七十二候・次候における「菊花開」「雀入大水為蛤」の意味・由来・読み方についてご紹介しています。




「菊花開」の読み方

「菊花開」は「きくのはなひらく」と読みます。

菊花開とは?

菊花開とは、二十四節気の「寒露(かんろ)」をさらに3つの節気に分けた「七十二候」の第2節です。

72の節気を持つ七十二候においては「第五十侯(第50番目)」の節気、「次候(じこう)」にあてられた語句になります。

太陽の黄経は200度を過ぎた地点です。

寒露期間中のその他の七十二候の種類・一覧

初侯:鴻雁来
次侯:菊花開
末侯:蟋蟀在戸

菊花開の意味・由来

日本(略本暦)での解釈

「菊花開」の意味は、「菊」「花」「開」とに分解すると分かりやすくなります。

菊の意味

菊とは、花の菊のことです。

花の意味

ここでの花とは、「花弁」のことを意味します。

開の意味

開くは、ドアを開けるの「開ける」、ドアが「開く」と2つの概念がありんすが、ここでは「開く」になっています。

以上をまとめると、菊花開の意味とは、「菊の花びらが開花する頃」という意味合いになりんす。

菊の生態

菊は多年草植物であり、奈良時代に薬草として中国から日本に伝えられたと云われます。

中国においては君子が備える要素を持つことから「四君子(しくんし)」と呼ばれる名花の1花に位置付けられています。

四君子・一覧

蘭、竹、菊、梅

現今の日本においての菊は主に仏事・葬儀用もしくは観賞用の花として広く認知されていますが、菊が観賞用として位置づけられたのは江戸時代になってからのことです。




菊の開花時期と開花期間

菊は概ね例年9月〜11月に開花し、ピークは10月。開花している期間は7日〜14日間になりんす。

菊の薬効

菊は薬名で「菊花」と呼ばれ、日乾しして漢方薬としても使用されます。

薬効は、解熱、解毒、消炎・鎮痛作用があることから、風邪、発熱、悪寒、頭痛などの処方箋に用いられるようになっています。

また、酢の物、あえもの、漬物などの食用としても活用されます。中国においては菊花酒、菊花茶、鍋物やスープの具材にも使用されます。

菊花賞は3000メートルの長丁場!人気筋狙いの馬連はカタい!

JRA日本競馬会が主催するレースの中には、「菊花賞(きっかしょう)」と呼ばれるG1レースがあるのをご存知ですかぃ

菊に因んだ行事は菊祭りなどの観菊で広く知られていますが、観菊以外にも、JRAお馬さんヒヒィ〜ンのG1レース!賞金総額1億2000万円の「菊花賞」の方でも有名です。

画像引用先:Wikipedia.org

菊花賞はちょうどこの寒露の頃、毎年10月下旬頃に開催されるレースであり、3000メートルという長距離レースであるから、古来、その筋の間ではスタミナのある馬が優位になるレースとして知られています。

スタミナに加え、性格が素直なことや、末脚を持つ馬であれば、さらに優位性は高まり、必然的にこのような強い馬が馬連に絡み込んでくるという古来、ガチガチの本命で決まり易いレースです。

したがって、配当は低い傾向にあり、穴場党には敬遠されがちなレースとして知られています。いったい、なんの話や

ちなみに菊花賞は当初、「京都農林省賞典四歳呼馬」という名称で1938年に創設されたレースだったというのをご存知でしたか?

1948年より「菊花賞」と改称されています。2020はコントレイル軸流しで決まり

菊は宮中行事で有名になった

日本へ伝来した菊は、平安時代になると宮中行事にて健康長寿や厄払いなどを祈願するために用いられるようになり、この行事はやがて「重陽の節句」として定着していくことになりんす。

重陽の節句はやがて庶民層にまで知られるようになり、別名で「菊の節句」や「栗の節句」などと呼ばれ、庶民層でも行われるようになり‥ます。耐えた

江戸時代になると観菊文化が生まれ、品種改良が盛んに行われるようになると、菊はサクラと対をなす、日本文化の根幹を担う名花として定着していくことになり‥んす。負けた 泣

ヨーロッパにおいての菊

ヨーロッパでの菊は「洋菊」と呼ばれ、主に葬送や墓前に手向ける花とされています。対して日本の菊は「和菊」と呼ばれます。

菊紋が皇室のシンボルになった起源とは?

現在の菊紋と言えば、明治時代以降より、皇室(天皇家)や天皇家に由来した寺社などでしか使用できなくなったという認識がありんすが、実は明治時代以前も皇室や皇室のゆかりのある一部の寺社などでしか、使用は許可されていなかった時代があります。以下は一例です。ウフ

  • 伊勢神宮
  • 宇佐八幡
  • 上賀茂神社
  • 下賀茂神社

皇室で菊の御紋が使用されるようになったのは、鎌倉時代にまで遡ります。

鎌倉時代の後鳥羽上皇(在位:1183年9月8日〜1198年2月18日)は菊を好み、故に菊をあしらった紋を使用し始めたのが起源と云われます。その後、後深草天皇・亀山天皇・後宇多天皇もこれを踏襲し、自らの印として使用し、やがて菊紋は皇室の家紋として定着するようになりんす。




鎌倉時代以前の皇室の家紋はどんな形?

では、鎌倉時代以前の皇室で使用されていた家紋は、いったいどのようなデザインをしていたのか?なんとぉぅ!太陽と月をあしらった「日月紋」を使用していたそうです。

⬆️日月紋

日月紋の月は三日月ではなく、満月がモチーフとされています。

日月紋が用いられた理由は定かではありんせんが、月は日と対極に位置することから、太陽の世界と月の世界(夜の世界)という2つの世界を治める「万物の支配者」という意味合いで用いられたとも考えられます。

太陽光が降りそそぎ大地に恵みを与える世界を治めるのが太陽神・「天照大御神(あまてらすおおみかみ)」。

そして月光が大地を照らし、ひとときの静寂(休息)を与える世界(夜の世界)を治める王が、天照大御神の弟神とされる「月読尊(つきよみのみこと)」。

これら両神とその象徴たる太陽と月を紋にあしらうことにより、万物の支配者としたのでしょう。

なお、実際には太陽紋が黒色or金色、月紋が銀色で示されることもありんすよ。

えぇっ?!現在でも日月紋が使用されている?!

実は現在でも、この日月紋が使用されていますが、あなたはご存知ですかぃ?

「天皇の即位式」では、現行の皇室の御紋である「菊花紋章(十六菊紋)」と併せる形式で、「日像纛旛(にっしょうとうはん)」、「月像纛旛(げっしょうとうはん)」という「大錦旗(だいきんばん)」に使用されています。

画像引用先:日本旗章学協会

菊紋の使用が自由化されたのは江戸時代!

江戸時代になると徳川家の治世となり、その徳川家の家紋たる葵紋の一般使用が禁止されます。

これに伴い、菊紋の使用は自由化され、庶民層でも菊紋が広く使用されることになりんす。

ところが明治維新後、皇室の権威が回復すると、徐々に菊の御紋の使用が制限される風潮になり、1871年(明治4年)6月17日の太政官布告第285号を以って、正式に皇族以外の菊花紋の使用が禁止されます。

現今においては「菊の御紋」と尊ばれ、宮内省所管のもと、従来の菊の御紋とは一線を画した32弁の八重菊紋である「十六葉八重表菊」が使用されています。




中国(宣明暦)での解釈

中国における寒露の次候・第五十侯の七十二候は「雀入大水為蛤」です。読み方は「すずめ たいすいにいり はまぐりとなる」になりんす。

雀入大水為蛤の意味

雀入大水為蛤を意味を考えるとき、「雀」「入」「大水」「為」「蛤」に分けて考えると意味合いが分かりやすくなりんす。

「雀」の意味

雀は鳥のスズメです。チュンチュン‥チュンチュン、チュっチュっ

‥‥

‥‥。

「入」の意味

入るは「入る」です。

「大水」の意味

大水とは、大きい水と書いて広大な海を表現しています。

「為」の意味

為と書いて、成し(為し)遂げるの「為す」を意味します。

「蛤」の意味

蛤とは、貝のハマグリのことです。

以上をまとめると「雀が海に入って蛤になる」という意味になりんすよ。

「雀が海に入って蛤になる」の意味

これだけでは、なんのコッチャぃ意味アラレ‥状態ですが、著名な文学者の夏目漱石は、こんな言葉を残しています。

『蛤とならざるを悼み(いたみ)菊の露』

意味は、「スズメがハマグリになれなかったので海辺で息絶えている姿を見かね、菊の花の下に埋めて弔ってやった」などの意味になりんす。

ここで漱石が「スズメがハマグリになれなかった」と言葉にしたのには、以下のような中国の故事を知っていたからでしょう。

中国では、この寒露の時期、雀たちが海辺へ群を成して飛来し、人里では急に鳴き声が聞こえなくなることから、いつしか「雀は秋になるとハマグリになって海に還る」という俗信があったようです。

「このプリプリとした身。アカン、マジもんで腹減る‥」

立冬の「野鶏入水為蜃」と「雀入大水為蛤」はセット!

立冬の七十二候にも「野鶏入水為蜃」という「雀入大水為蛤」と似たような節気がありんすが、主役がスズメから→雉(キジ)になっただけで、最終的にハマグリになるという大まかな意味合いは「雀入大水為蛤」とほぼ同じです。

「菊花開」の日にち(期間)

  • 太陽暦:10月13日〜17日頃
  • 旧暦:九月節(九月の正節)

二十四節気と七十二候について

雑節について

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