「橘始黄」「閉塞而成冬」の意味・由来・読み方|【小雪(二十四節気)七十二候・末候】

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このページでは二十四節気「小雪」の七十二候・末候における「橘始黄」「閉塞而成冬」の意味・由来・読み方についてご紹介しています。




橘始黄の読み方

橘始黄は「たちばなはじめてきばむ」と読みます。

橘始黄とは?

橘始黄とは、二十四節気の「小雪(しょうせつ)」をさらに3つの節気に分けた「七十二候」の第3節です。

72の節気を持つ七十二候においては「第六十侯(第60番目)」の節気、「末候(まっこう)」にあてられた語句になります。

太陽の黄経は250度を過ぎた地点です。

小雪期間中のその他の七十二候の種類・一覧

初侯:虹蔵不見
次侯:朔風払葉
末侯:橘始黄

 

橘始黄の意味・由来

日本(略本暦)での解釈

「橘始黄」の意味は、「橘」「始」「黄」に分解すると分かりやすくなります。

「橘」の意味

橘(たちばな)とは、ミカン科ミカン属の常緑小高木の植物の橘のこと。

「始」の意味

「始」は「始める」の意。

「黄」の意味

「黄」は色の「黄色」

 

以上、「橘始黄」の意味をまとめると「橘の実が黄色くなり始める頃」となりんす。

ただ、この頃、橘ではなくとも柑橘類の実は黄色く熟す頃です。ウフ ..出た久しぶりのウフ

橘の生態

橘の花期は5月〜6月頃ですが、橘の実はちょうどこの橘始黄の頃、晩秋から冬頃にかけて黄色い実をつけます。樹高は2m〜4m。

橘の最大の特徴は、いつ見ても葉が青々とし、まばゆいばかりの黄色い身をつけることから、平安時代より御神木として讃えられています。

また、葉がいつでも青々としていることから永遠の象徴にもなっています。




文化勲章の鈕(ボタン)の木の正体は「橘」?

日本で功績を残した人物に贈られる「文化勲章」の鈕には、緑色をした樹木が描かれていますが、これ、実は橘の葉と実だったのをご存知ですかぃ?

文化勲章は1937年に制定されていますが、当初、原案の段階では日本の国花とも言うべき「桜」がモチーフとされていたのです。

しかしながら、昭和天皇が桜は花も葉も散るので潔く散る武人の象徴。対して永遠であるべき文化勲章には永久不変な橘がふさわしいのではないか。

‥というご意見のもと、橘が採用され、現今のデザインに着地しています。

画像引用先:https://ja.wikipedia.org/

橘=常世の国の不老不死の果実「非時香果」?

日本最古の古書物とされる日本書紀や古事記にも、この橘のこと?が記述されており、常世の国に生える不老不死の果実「非時香果(ときじくのかくのこのみ)」として紹介されています。

常世の国とは、諸説ありんすが、一般的にはなんでも夢が叶う理想郷とされていまする。一方で我々が知る一般的な概念として、死後に行く「あの世」のことと例えられまする。

常世の国では永遠に若く麗わしいままの姿で居られるとされ、その根源となっているものが非時香果の実です。これを食べることで永遠の若さと永遠の命が手に入るとされています。

お菓子の神「田道間守」と非時香果の伝説

ある時、田道間守という若者が垂仁天皇の病を治すべく、不老不死の理想郷「常世の国」に生えるとされる「非時香菓」を求めて旅に出ます。

ようやく常世の国を見つけた田道間守は非時香菓を手に取り、急ぎ病床にある垂仁天皇のもとへ戻るのですが、残念無念なことに垂仁天皇はすでにこの世を去っていたのです。

嘆き悲しんだ田道間守は、悲しみのあまり天皇の墓前で命を絶ち、この世を去ることになる‥というお話ですが、田道間守が持ち帰った非時香菓の実は植えられて、大切に育てられます。

やがてその非時香菓の実は、たくさんの果実を実らせ現在では「橘」と呼ばれるようになった‥というお話です。

このお話の詳細は下記ページにて。




中国(宣明暦)での解釈

中国における立冬の末候・第五十七侯の七十二候は「閉塞而成冬」です。

読み方は「そらさむく ふゆとなる」になります。

閉塞而成冬の意味

「閉塞而成冬」の意味を考えていく上で「閉塞」「而」「成」「冬」に分けると考えやすくなりんすよ。

「閉塞」の意味

閉塞は、へいそくと読み、これは「閉じふさぐこと」を意味します。

「而」の意味

「而」は現今ではあまり使用されているケースは皆無ですが、これは語句と語句をつなぐ助字(順接逆接)といった役目を果たす言葉です。

  • 例:だからしたがって順接)/しかし、だけれども(逆接) …etc
「成」の意味

成は「成る」「成立する」を意味しまする。

「冬」の意味

「冬」と季節の冬!

 

以上をまとめると、『天地の気が塞がって真冬となる頃』となりんす。

天地の気が塞がるの意味とは?

ここでの天地とは、天の気と地の気を意味します。

「天の気」とは?

「天の気」とは諸説ありんすが、1つだけ言えることが太陽や月から発せられる特有の気のことでしょう。

太陽は陽光で以って活動を促し、月は優しい月光で以って静寂と休息を与えまする。

地の気とは?

地の気とは、大地が発する精気のこと。動植物の成育を助ける地の生気を意味します。

これすなわち、冬季が近づくと太陽の日照時間が減り、やがて天は閉ざされたようになる=天の気が減退。天が閉ざされると大地は氷に閉ざされ、生命の活動は停止する=地の気が失われる。

それゆえに天地の気は塞がってしまい真冬になっていくのです。そぅ、それはまるでフタがされた井戸のように‥。貞ぁ子ぉぉ〜〜ギャぃぃぃぃゃゃ〜ぉぅっ….ぉぅ?おうおう??‥イエ〜!ヘイ!ヨぉ!へいマンゴ!

「天気上騰地気下降」とセットで段階を示している!

中国(宣明歴)の「小雪(しょうせつ)」「第五十六侯(第56番目)」の「次候(じこう)」に「天気上騰地気下降」という節気がありまするが、「閉塞而成冬」と併せて1つのストーリーとして捉えることができまする。

『天の気が上騰するので地の気は下降するゆえ、天地の気が塞がって真冬となる』

と、一文で締めくくることができまする。

天の気が先に消え失せ、地の気は完全の消え失せるのではなく下降する。

そして、ついに地の気も消え失せて、いよいよ本格的な真冬になる‥。

‥と、まぁ、1つのストーリーとなっていることに気づきまする。




略本歴にも「閉塞而成冬」がある?

略本歴の大雪の初侯にもこの「閉塞而成冬」と類似した「閉塞成冬(そら さむく ふゆとなる)」という節気がありんす。

この2つの節気、内容はほぼ同じです。一目で判断できる違いは「而」の字の有無です。

詳細は下記ページをご覧くださいな。オホ

「橘始黄」の日にち(期間)

  • 太陽暦:12月2日〜6日頃
  • 旧暦:十月中(十月の中気)

二十四節気と七十二候について

雑節について

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