梅雨時期はぐずついた天気が続き、洗濯物の干す場所に困ったり、蒸し暑くジメジメとして何かと鬱陶しい日々が続きますが、この時期は夏を迎える前の準備期間としてとても大切な期間です。
また、梅雨時期を1つのサインと捉えて、梅雨までにしておくこと、梅雨の後にすることなど、梅雨は季節の境目の期間ともなり得るものです。
そして、この梅雨時期に入ることを略称で「入梅」と言いんすえ。いいんすえ?
以下ではこの入梅の期間や意味・由来と合わせて入梅時期の旬な食べ物や行事をご紹介しています。
目次
「入梅」の読み方
入梅は「にゅうばい」と読みます。「つゆいり」や「ついり」とも言います。
2023年の入梅の日はいつ?期間は「いつからいつまでなのか?」
- 2023年の入梅は6月11日(日)!
入梅は立春から数えて127日目、芒種から数えて5日目なので、おおむね毎年6月11日か12日頃にな‥‥‥るの❓ どっちじゃぃ!
2020年のように4年に1度の閏年の場合は6月10日になったりもします。
ちなみに2023年の立春は2月4日(土)になります。
旧暦においての入梅は立春から135日目となる芒種以降の最初の「壬(みずのえ)」の日とされていましたが、現在では太陽視黄経が80度の地点もしくは立春から127日目が入梅の日とされています。
入梅の2023年・2024年・2025年の日はいつ?
年 | 日本の入梅の日にち |
2023年 | 6月11日 |
2024年 | 6月10日 |
2025年 | 6月11日 |
2026年 | 6月11日 |
入梅の日の出し方(計算方法)
入梅の日の出し方(計算方法)としては、二十四節気の立春を起算日とした126日後の日、つまり127日目の日となり、計算すると、おおむね新暦でいう毎年6月11日頃を指します。
「頃」という曖昧な表現する理由は、閏年があるためにズレが生じるためです。
現代においての入梅の日は、おおむね閏年(補正した暦の年)では6月11日。平年(補正しない暦の年)では6月12日になります。ごく稀に何十年周期かで6月10日なる日もあり‥ます!
ちなみに2020年は閏年でした。閏年の簡単な見極め方は当年の2月の日数を見れば分かります。(2020年は1日増えて29日。つまり1年366日)
このように日が定まらない理由は、二十四節気の立春の日が毎年一定しないためであり、その影響で立春から88日目となる八十八夜の日が変わるからです。
立春の日はこの八十八夜だけではなく、二百十日・二百二十日などの雑節の起算日(第1日目)になっているため、そう考えると重要な指標となる日でもありんす。…
入梅を旧暦にすると何日?
入梅を旧暦に当てはめると概ね4月下旬頃になります。二十四節気では第9節「芒種(ぼうしゅ)」もしくは「五月節(正節)」の期間中です。
もしくは芒種から5日目が入梅になります。
一般的に見る梅雨時期はいつからいつまで?
一般的に見る梅雨時期は、夏至を中心に据えた約30日〜40日間が梅雨時期になります。
画像引用先:ウィキペディア
本州(関東〜近畿・中国地方)の梅雨の最盛期はいつ?
関東〜近畿・中国地方)の梅雨の最盛期は、世間通念上では6月末頃です。ただし、現今、気象状況が毎年大きく異なるこから、梅雨入り・梅雨明けの時期が不確かなのは事実です。
寒国・北海道に梅雨はあるの?
結論から言えば「北海道に梅雨はありません」。
そもそも梅雨が発生する原因は、暖かく湿った風が吹く南側の太平洋高気圧と、冷たく湿った風が吹く北側のオホーツク海高気圧とが衝突して、そこに上昇気流が発生するからです。
上昇気流が発生すると大量の雨雲が発生します。これが停滞前線と呼ばれるものであり、すなわち「梅雨前線」になります。
この梅雨前線はゆっくりと北上してゆき、北海道の手前くらいで自然消滅します。
北海道の手前で梅雨前線が消滅する理由
北海道の手前で梅雨前線が消滅する理由は、上述、太平洋高気圧とオホーツク海高気圧の温度差が、北海道に到達する頃になくなっているからです。
厳密には、北海道の方まで流れてはいくのですが、停滞前線のような集合した雨雲ではなく、単なる雨雲が流れていく感じなので、時折、雨を降らす程度であり、梅雨のように長雨になるケースはほとんど皆無です。
梅雨入り前を告げる予兆や特徴とは?
梅雨入り前の予兆としては、まず、大粒のドシャドシャとして雨ではなく、糸のような雨がシャラシャラと降ります。雨が上がったと思ったらお空は曇り空。
日が射しても薄日が射す程度で、またしばらくするとシャラシャラとした小雨が降ります。このようなぐずついた天気を繰り返し、やがて本格的な梅雨を迎えます。
梅雨明けを告げる予兆や特徴とは?
梅雨明けを告げる予兆としては、まず、雷をともなった激しい豪雨があったり、晴れる日がたまにあったりする日があります。この雷雲が退くとギンギンとした晴れ間が射し、それが続きます。これが一般的な梅雨明けのサインとなります。
入梅と梅雨入りは違う!
梅雨入りの略称が「入梅」になるからといって、入梅と実際に梅雨入りすることとは無関係です。入梅はあくまでも暦上の言葉であるのに対し、梅雨入りとは気象上で使用される言葉です。
私たちが日常生活を営む上で、6月時期になれば何かと気になるのが梅雨入りのニュースです。洗濯機の主人である母ジャは何かと梅雨入り時期をチェックするもの。
したがって、梅雨入りのサインとは気象庁が発表するものであって、暦上の入梅とは無関係になりんすよ。(現在、一般的日常用語としても入梅を用いるケースは少ない)
梅雨が起こる原因
梅雨が起こる原因を簡単に言えば、ユーラシア大陸から来る冷たい空気と、太平洋上から来る暖気が衝突して、「梅雨前線(ばいうぜんせん)」と呼ばれる横長の雲が発生するためです。
梅雨前線は別名で「停滞前線」とも呼ばれるように、停滞とも言えるほどゆっくりと日本列島を北上していきます。
雨雲が日本列島の上をゆっくり北上していきますので、雨雲が通り過ぎていくまでに時間がかかり、その日数が約30日〜40日とされているワケです。
忘れてはならないのが、梅雨前線はゆっくりと北上しながら進行していくので梅雨入りと梅雨明けの時期は地域によって異なります。
地域によって梅雨時期が異なるというのは、この梅雨前線の性質に拠るものでありんす。
「入梅」とは?「入梅の意味・由来」
入梅とは「梅雨入り」すると書いて「入梅」と言います。すなわち「梅雨入り」することです。
入梅という言葉の意味は、入と梅と2つに分解できますが、入とは「入る」を意味し、梅とは梅雨の梅を意味しますが、梅雨の梅の由来が「樹木の梅」になりますので、同様に入梅の梅の由来は樹木の梅になります。
梅雨とは?「なぜ梅が付く?」
梅雨に梅が付く理由は諸説あるようですが、以下の2つの説が有力とされています。
- 1つ目は「この時期の長雨が梅を育んで成熟させる →梅雨」
- 2つ目は「梅が成熟する時期に降る長雨 →梅雨」
では、なぜ梅雨を「つゆ」と読むのか?
梅雨とは、中国で誕生した言葉ですが。梅雨がなぜ「つゆ」と呼ばれるようになったのかは、現今に至っても謎とされています。
中国の長江流域や揚子江流域では、梅が熟す時期に降る長雨を「梅雨(ばいう)」と呼び習わしていたようです。それが平安期に日本へ伝わり、その後、「つゆ」に転じたことになります。
では、なぜ「ばいう」から→「つゆ」になったのか?
これについては1688年(江戸時代)に貝原益軒により編纂された日本歳時記において、『此の月淫雨ふるこれを梅雨(つゆ)と名づく』という記述が見られることから、これが起源という説もあります。
他にも、「梅雨」を「つゆ」と呼ぶようになった由来として、以下で述べるように時代を下りながらナマりから派生して成立した言葉だとも考えられています。
- 梅の実が熟し、落下して「つぶれる」頃に降る長雨→潰れる→潰ゆ(つゆ)→梅雨
- 梅の字体は「木」と「毎」に分解できる。毎は毎日や毎度の意味がある→毎日、梅の並木に雨が降り続く→梅雨
- 「梅が芽吹く」と捉えて「つはる(芽吹く)」頃に降る長雨→「梅雨」
- 梅が熟す時期は湿気が多く、食べ物や衣類に黴(かび)が生えて腐る。すなわちこれを「衰える」=「潰える(ついえる)」として梅との語呂合わせで→梅雨
- 梅が熟す時期は湿気が多く、蒸し暑くて体力を奪われていく→「疲れる」を意味する「潰ゆ(ついゆ)」として、梅との語呂合わせで→梅雨
- 梅が熟す時期は湿気が多く、「露(つゆ)の季節」と呼ばれることから「つゆ」の語呂合わせで→梅雨
- 「黴(カビ)が生えやすい頃に降る長雨」→「黴雨(ばいう)」→しかし「カビ」では語感から得られる心象がよくない→季節の木である「梅」を引用して→梅雨
入梅という言葉が生まれた起源や歴史
「入梅」という言葉の語源は中国であり、「梅雨入り」を漢語にしたものが「入梅」になるようです。
日本においては「入梅」という言葉が暦上に見えるのが江戸時代の頃です。
具体的には1685年に暦学者の「渋川春海」により作暦された貞享暦から掲載されており、これが文献上の初出となりんす。
江戸時代以前の梅雨はどう呼んでいたのか?
では、江戸時代以前の梅雨はどのように呼ばれていたのか?‥について興味が沸き立つと思いますが、江戸時代以前の日本には梅雨という概念がなく、旧暦5月に降る雨ということで「五月雨(さみだれ)」と呼んでいたのです。
すなわち現今の五月雨が梅雨だったことになります。
入梅が集録されている雑節とは、農作業をするために生み出された暦だと言い切れるほどの暦であり、入梅が雑節に組み込まれた理由は、梅雨が農作業に大きく影響を及ぼすと捉えられたからです。
雑節とは?
雑節が誕生する前の標準的な暦であった「二十四節気」は中国から伝来した中国の文化であり、日本の旧暦である太陽太陰暦に当てはめてしまうと、暦と季節との差異が生じます。
そこで生み出されたのが雑節という日本固有の暦法です。
雑節を用いることによって暦と季節の差異を排除することができ、季節の境目や時候(季節感)を告げるシンボルとして、現今に至っても利用されている暦です。
現在、一般的に雑節と呼ばれる種類は以下の9つです。
- 節分(毎年2月4日ごろ)
- 彼岸(春:春分の前後各3日。合計7日間/秋:秋分のの前後各3日。合計7日間)
- 社日(春:3月中頃から後半/秋9月後半)
- 八十八夜(毎年5月2日頃)
- 入梅(毎年6月11日頃)
- 半夏生(毎年7月2日頃)
- 土用(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日間ずつ)
- 二百十日(立春から210日目)
- 二百二十日(立春から220日目)
「出梅」とは?「出梅の読み方・意味・由来」
出梅の読み方
出梅は「しゅつばい」と読みます。
また、「入梅(梅雨入り)」に対しての反意語という意味合いで「出梅(つゆあけ)」とも言います。
「入梅」の対義語が「出梅」!
入梅の対義語となるのが「出梅」です。
現在では出梅の日は定められておらず、日常的に言葉にされることもありません。おそらく出梅という言葉を知らない方も多いと思います。
しかし、かつては下記のように入梅と出梅はセットとして表記されていたのです。
旧暦以前の暦では「入梅」と「出梅」の時期が決まっていた?!
旧暦以前の暦では、以下のように入梅の日と出梅の日が定められていたようです。(以下、wikipedia/『日本歳時記』引用)
立夏後の最初の庚の日(5月10日ごろ)が入梅、芒種後の最初の壬の日(6月10日ごろ)が出梅 – 『埤雅(1125年)』
芒種後の最初の丙の日(6月10日ごろ)が入梅、小暑後の最初の未の日(7月12日ごろ)が出梅 – 『神枢』
芒種後の最初の壬の日(6月10日ごろ)が入梅、夏至後の最初の庚の日(6月26日ごろ)が出梅 – 『碎金録』
芒種後の最初の壬の日(6月10日ごろ)が入梅、小暑後の最初の壬の日(7月12日ごろ)が出梅 – 『本草綱目』(1596)
芒種後の最初の丙の日(6月10日ごろ)が入梅、出梅に関する引用なし – 『三元帰正』
これに対し、貞享暦(江戸時代)を作暦した渋川春海は「入梅は芒種後壬日に入る、節目壬なれば次を用う。小暑後壬日出ず。或説夏至後、庚に逢って出る」としています。
これを現代風に訳すと次のようになります。
『節目が壬なれば、入梅は芒種後の最初の壬の日が入梅であり、小暑後の最初の壬の日が出梅となる』
『或いは夏至以降、最初の庚(かのえ)の日を出梅(梅雨明け)となる』
或いはで示されている通り、実際に夏至以降、最初の庚(かのえ)の日を出梅(梅雨明け)と定めていた地域もあるようです。
これは要するに日本大陸が縦長状態にあり、北端から南端までを俯瞰した場合、気象条件が北側と南側で異なるのは当然であり、つまりのところ、梅雨入り・明けの時期が地域によって異なるのは当然だということで「或説」を挿入することで遠回しにアピールしたのでしょう。
また、江戸時代の暦学者「渋川則休」は1744年(延享元年/江戸時代)に、入梅の日と梅雨の日数を次のように述べています。
甲乙年は、芒種後の2番目の壬の日が入梅、梅雨は21日間(21日目が出梅)
丙丁年は、芒種後の2番目の申の日が入梅、梅雨は7日間(7日目が出梅)
戊己年は、芒種後の2番目の庚の日が入梅、梅雨は14日間(14日目が出梅)
庚辛年は、芒種後の2番目の戌の日が入梅、梅雨は21日間(21日目が出梅)
(壬癸年に関する言及なし)
しかしながら、江戸後期となる1844年に成立した旧暦(天保暦)においては入梅が135日目と定義され、出梅は入梅から30日目と定められることになります。
現今の気象は大気汚染などの影響もあってから、従来までとは大きく異なり、年度によって梅雨入りの時期に遅速が生じていますが、元来、梅雨と言えば7月中旬には明けるものと捉えられていたのです。
入梅の時期の食べ物
代表的な食べ物
梅酒
- 青梅の旬な時期:5月~6月頃
梅酒に使用される梅は、まだ成熟していない青梅です。梅の果肉は「クエン酸」を多く包有しています。クエン酸はグレープフルーツやレモンなどの柑橘系果物が果肉に有する栄養素であり、これらを摂取した場合、エネルギーの生成や疲労回復を促進させる働きがあります。
梅干し
- 熟した梅の収穫時期:6月中旬~6月下旬
梅干に使用する梅は、まさにこの芒種の時期に収穫した黄色く熟した梅を使用します。赤シソに塩を加えてそれを梅の実を一緒に容器にブチ込んで重石をします。
4〜5日して重石を取れば、あとはその梅を梅雨明けと共に干すだけです。干す時はザルの上に乗せるなどして天日干しして梅干の完成です。
そら豆
- 旬な食べ頃時期:5月上旬~6月上旬
立夏〜芒種の頃、すなわち初夏〜仲夏になるとスーパーや市場などで見かける機会が多くなるのが「そら豆」です。
ビタミン類を多く含み、ミネラル成分も豊富なので、これから夏を越せるだけの体力を付けるのには最適な食べ物です。
そら豆は塩茹でにしてビールのアテにしたり、はたまた、煮付けて食卓に並べたりと初夏を代表する旬な食べ物になります。
トウモロコシ
- 旬な食べ頃時期:6月~9月
あまり知られていませんが、トウモロコシはちょうどこの芒種の時期となる6月〜9月に旬な頃合いを迎えます。
トウモコロシはイネ科の一年生植物なので、タネを排出すれば枯死します。”トウモコロシ”? メイちゃんかぃ
トウモロコシの種類はいくつかあり、私たちが普段、日常的に食しているトウモロコシとなるのが、「スイートコーン」という種類のトウモロコシです。
主要な栄養成分はでんぷん質。ほかに、ビタミンB1・B2、カリウム、たんぱく質、食物繊維などが含まれており、食物繊維は特に外皮に多く含まれています。
このためトウモロコシの外皮には、腸内コレステロールと結びついて体外への排出作用を促すため、血管をキレイにして、動脈硬化の予防に一役買います。
また、トウモロコシの黄色い色素はキサントフィルと呼ばれるものであり、血管を柔らかくする作用があります。
野菜・果物
枝豆
旬な食べ頃時期:6月頃~8月頃
大葉
旬な食べ頃時期:6月頃~9月頃
茗荷(ミョウガ)
旬な食べ頃時期:6月頃~10月頃
辣韭( らっきょう)
旬な食べ頃時期:5月頃~6月頃
トマト
旬な食べ頃時期:6月頃~8月頃
きゅうり
旬な食べ頃時期:6月頃~9月頃
いんげん
旬な食べ頃時期:6月頃~9月頃
夏秋キャベツ(高原キャベツ)
旬な食べ頃時期:6月頃~9月頃
にんにく
旬な食べ頃時期:5月頃~8月頃
ししとう
旬な食べ頃時期:6月頃~8月頃
ピーマン
旬な食べ頃時期:6月頃~9月頃
びわ
旬な食べ頃時期:5月頃~6月頃
メロン
旬な食べ頃時期:5月頃~7月頃
さくらんぼ
旬な食べ頃時期:6月上旬~7月中旬
あんず
旬な食べ頃時期:6月上旬~7月上旬
夏みかん
旬な食べ頃時期:4月中旬~6月頃
魚類
アジ
旬な時期:6月~8月頃
※7月時期の鮎は「若鮎」と言われ絶品だと言われる。
鮎(アユ)
旬な時期:6月中旬~8月頃
カツオ
旬な時期:4月旬~5月頃
※カツオは春と秋の2回、旬がある。
- 春(初鰹):4月~5月
- 秋(戻り鰹/ガツオ):8月中旬から9月下旬
スズキ
旬な時期:6月中旬~8月頃
キビナゴ
旬な時期:3月中旬~6月頃
※キビナゴの旬は真冬(12月〜2月)。3月中旬~6月頃は子持ち(卵持ち)が旬。
スルメイカ
旬な時期:5月中旬~9月頃
アオリイカ
旬な時期:5月~8月頃
※子イカは10月~11月頃
ホタルイカ
旬な時期:3月中旬~6月初旬まで
ウニ
旬な時期:8月中旬~10月頃
キス💋
旬な時期:6月~8月頃
キスは産卵前の初夏〜夏にかけてが脂がのっていて美味しい。 スーパーや市場に並んでるものは「シロギス」と呼ばれる。九州産の少しサイズの大きい「アオギス」という種類もある。
イサキ
旬な時期:6月~9月頃
入梅時期が旬の代表的な魚「入梅いわし」ってどんなイワシ?
「入梅いわし」とは、言葉が示すとおり、入梅、すなわち梅雨時期(6月~7月)に獲れるイワシのことです。
現在、日本においてのイワシの定義は次の3種類です。
- 「マイワシ(ニシン科ニシン亜目)」
- 「ウルメイワシ(ニシン科ニシン亜目)」
- 「カタクチイワシ(カタクチイワシ科)」
あれ?この中に入梅イワシがないぞ?と思った方もいると思いますが、入梅イワシは正式には「マイワシ」になります。ウフ
では、なぜ特別に「入梅イワシ」と名付けられているのか?‥については察しのとおり、この梅雨時期のイワシは通常時期のイワシとは脂ノリが格段に異なり、食べると舌の上でトロけるそうになるほど美味であることから特別に「入梅いわし」と名付けられています。
通例であれば、イワシは骨が多いことや身があまりないこともあって刺身にして食されることはあまりありませんが、ことこの入梅イワシに関しては、刺身にして食べてこそ真価が発揮されるイワシなのです。
以上のように、或る種、「入梅イワシ」という名前は料理ツウの人々が流通させた言葉なのかもしれません。
イワシの栄養分に注目〜♪
イワシにはDHAやEPAなどの不飽和脂肪酸を豊富に含んでおり、近年ではイワシを粉末状にしたものがサプリとして販売されたりしています。
DHAは脳を活性化させ、EPAは血中コレステロールを下げる働きがあります。
入梅の時期の行事(イベント)・風習
田植え
上述したように初夏(立夏〜芒種)の時期になると田植えが行われます。期間としては概ね4月中旬〜6月いっぱいにかけてです。
スパンが結構あるように感じられますが、これは地域によって気候が異なるためです。
例えば東北地方などは寒冷地域なので5月には田植えを終えています。本州ではおおむね6月上旬〜中旬くらいにかけて田植えが盛んに行われます。
我らがジャパンは「瑞穂の国」!
日本は島国ながら農耕文化が発達した国であり、太古より「瑞穂の国」とまで称されています。「瑞穂の国」とは直訳すると「みずみずしい稲穂の国」という意味合いになります。
日本最古の古文書とされる「古事記」においては、「豊葦原之千秋長五百秋之水穂国(とよあしはらのちあきの ながいほあきのみずほのくに)」と述べています。
訳すと、「日本は葦原が一面に生い茂った瑞々しく美しい稲穂が生る国」となり、古より農耕文化が盛んであったことを意味しています。
4月〜6月に田植えが行われる理由
4月〜6月にかけて田植えが行われる理由は、稲が生長する条件に深く関与しています。稲は気温15度以上の日が続かないと生長せず、逆に10度以下になると枯れてしまうからです。すなわち、立夏の頃〜芒種(6月頃)にかけてが田植え時期としては最適だからです。
現在ではビュイぃ〜ンと機械を動かしちまえば簡単にできますが、昔は機械がないので田んぼに入って稲を1本1本手で植えつけたのでゴザんした。
植え付け作業は上半身を折り曲げて行わなればならず、重労働でしたが、女性が担当したのです。
その名残を伝えるのがお田植え神事です。現在でも御神田を所有する神社であれば、立夏の時期あたり〜6月頃にかけて全国の神社で一斉にお田植え神事が斎行されています。
御田植え神事
磯部の御神田
例年、6月24日になると三重県志摩郡磯部町にある伊雑宮の御料田では、俗称・「磯部の御神田(いそべのおみた)」という御田植え祭が執り行われます。
磯部の御神田は、日本三大田植祭の1つであり、1990年3月29日に国の重要無形文化の指定も受けています。
伊雑宮は伊勢神宮・内宮の別宮にあたる神社であり、現在の通説では伊勢神宮内宮の元宮であった経緯から、内宮よりも古い歴史を有します。
伊雑宮は「磯部」というだけあって海岸近くに建ち、古来、漁師たちから篤い崇敬が寄せられてきた神社です。御神田の中でもっとも見どころとなる行事が「青竹取り」です。
青竹を御神田の中央に固定して直立させ、この竹を漁師たちが大漁祈願のお守りにするため、ドロんこになって奪い合います。
竹取りが終わると12歳〜16歳の早乙女たちと大鼓、笛が登場し、田植え歌を奉奏して、いよいよ御田植えが開始されます。
関連記事:伊勢神宮・別宮「伊雑宮」
住吉の御田植
例年、6月14日になると住吉大社(大阪府大阪市住吉区住吉)の御料田では、俗称・「住吉の御田植(すみよしのおたうえ)」という御田植え祭が執り行われます。
住吉の御田植は、日本三大田植祭の1つであり、1979年(昭和54年)2月3日に国の重要無形文化の指定も受けています。
御神田の手前にある石舞台にて御田植え祭りに奉仕する全員が修祓を受け、第一本宮にて奉告祭を執り行います。
神事が終了した後、楽人、八乙女、御稔女、植女、替植女、稚児、風流武者、住吉踊りの踊子などが行列を成して御田へ向かい、御田植えを担当する「替植女(かえうえめ)」に早苗が渡されると、いよいよ田植えがはじまります。
これと並行して、太鼓を叩き、ホラ貝を吹きながら子供達が紅白に分かれて「六尺棒」を打ち合う棒打合戦や、団扇を操りながら傘のまわりを踊る住吉踊などが奉じられます。
関連記事:大阪・住吉大社「石舞台」【重要文化財】
父の日
母の日にちなんでアメリカワシントン州の「ソノラ・スマート・ドッド(ジョン・ブルース・ドット夫人)」が、亡き父の誕生日に白バラを贈ったのが起源とされています。
ソノラPAPA(パパ)の誕生月が6月であったことから、牧師協会に頼んで6月に祭典が執り行われ、この祭典がのちの父の日設立に基づいた経緯から、以来、6月が父の日に定められることになります。
アメリカから日本へ父の日の風習が伝来したのが1950年代と云われており、1970年〜80年代にようやく認知されています。
現今、日本においては母の日に贈る花が赤色のカーネーションに対し、父の日には黄色のバラを贈るのが通例とされています。
稽古初めの日
現在ではあまりそうは言われませんが、一昔前、子供に稽古事をさせる頃合いは6歳の6月6日からさせるのが吉とされていました。
現在ではこのような風習はありませんが、かつての稽古事と言えば、舞踊や雅楽、絵画、詩歌、茶道などの伝統芸能です。
6歳6月6日に定められた起源は、能の異才者「世阿弥」が自身の著書「風姿花伝」にて、「この芸において、おほかた、七歳をもてはじめとす」と説いたのがはじまりです。
意味合いは「習い事を始めるのは数え7歳(満6歳)がもっとも良い」となります。これに端を発し、江戸時代の歌舞伎では「6歳の6月6日の‥」などと劇中のセリフで頻繁に使われるようになります。これが広まり定着したのが「稽古初めの日」です。
小満芒種
沖縄地方には古くから「小満芒種(すーまんぼーすー)」という言葉が伝えられています。
「小満芒種」の意味は、「小満芒種」を分解すれば理解できますが、「小満」とは、二十四節気の小満のことであり、同じく「芒種」も二十四節気の芒種のことです。
まとめると沖縄地方では、小満〜芒種までの間の期間、年内でもっとも雨が降ることから「小満芒種」と書いて梅雨と同義として位置付けています。
実際統計上でも小満から芒種の期間中における沖縄県那覇市の雨量(平均降水量)は約160㎜を記録しています。
入梅の日の季語
芒種で使用される有名な季語一覧
「入梅」「蛍狩」「梅雨」「田植時」「半夏生」「仲夏」
これらは仲夏を意味する代表的な季語です。それと忘れていけないのが、「芒種」「仲夏」そのものが季語だということです。ウフ
「入梅(にゅうばい)」
意味:梅雨入りする頃合いを入梅という。雑節にも集録されている。
「蛍狩り」
意味:蛍狩りとは、蛍を捕獲するのではなく、蛍を鑑賞すること。紅葉狩りと同形態の意味を成す。
「梅雨」
意味:梅雨とは、梅が成熟する頃に降る長雨ということで「梅雨」という。もしくは長雨が梅を成熟させるという意味合いで梅雨とも。
「五月雨(さみだれ)」
意味:旧暦五月(陽暦の6月)に降る長雨のこと。すなわち「梅雨」とほぼ同義。皐月雨と書いて「さみだれ」といも言う。
「田植時」
意味:田植え時を迎える言葉。田植えは本州では5月〜6月が頃合い。東北地方から北側では4月〜5月。
昨今の田畑では二毛作の農法が確立されており、稲以外にも麦を植えている。麦秋という言葉があるが、一般的にこれはちょうど芒種に入った頃の田んぼの状態を示す。
麦を刈り取って、空いた田んぼに田植えを行う。田植えは苗代で育った稲を田んぼへ移して行う。
「白夜(びゃくや)」
意味:白夜とは、北極圏及び南極圏で見られる現象の1つであり、真夜中になっても太陽が完全に沈むことがなく、薄明状態になっている現象のこと。
北極圏では6月下旬前後、南極圏付近では12月下旬前後に起こる。
「半夏生(はんげしょう)」
意味:「半夏」とは、植物の「烏柄勺(からすびしゃく)」のこと。半夏生とは、季語になっているが雑節の1つに集録されている。
「仲夏(ちゅうか)」
意味:「中夏」とも書く、意味は「夏半ば」。陰暦5月の異称でもある。
「空梅雨(からつゆ)」
意味:梅雨時期に梅雨が来ないことを空梅雨という。
「薄暑(はくしょ)」
意味:薄暑と書いて「少し暑さを肌身に覚える」などの意味合いをもつ。晩秋から春先まで汗をかかなかった季節から、急に暑さ増してきたのですぐに接吻して‥あイヤイヤ発汗!!してしまう。いよいよハンカチ‥じゃなくタオルの用意〜!的な事態にまで追い込まれる日も出てくる。
「梅雨寒(つゆざむ)」
意味:「薄暑」とは言いつつも、その一方で梅雨時期は陽の光が射さないことから時に季節はずれの寒さを感じることもある。
麦の秋
意味:上述したように「麦秋(ばくしゅん)」とも呼ばれる。江戸時代後期の著名な俳人・小林一茶が詠んだこんな句が残されている。
『麦秋や 子を負ひながら いはし(鰯/イワシ)売り』
意味は、赤子を背負ったイワシ売りの行商人であるオカン(母)が麦畑のあぜ道を歩く姿を見て、それを初夏の情景として詠んだもの。
麦嵐(麦の秋風・麦の風)
黄金色の麦畑を吹き抜けてゆく爽やかな風を「麦嵐」もしくは「麦の秋風」単に「麦の風」とも言う。陰暦4月頃に吹く風全般のことをこう呼ぶ。
また、このような風が吹く時に麦をなびかせることから、その様子を見て「麦の波」とも表現される。
入梅の時候の挨拶
時候の挨拶とは?
時候の挨拶とは「じこうのあいさつ」と読み、これは挨拶状などの冒頭に書く文のことです。
例えばよく見る典型的な例が、「拝啓〜」と書いた後に続く文章です。
- 一例:「拝啓、○○の候」or「拝啓、暑中お見舞い申し上げます」…etc
‥と、このような文章が時候の挨拶になります。
特に仕事の関係先や目上の方へのお手紙の冒頭には、きちんと時候の挨拶を入れたいとお考えの方もいるかもしれません。
入梅は二十四節気の芒種の期間にあたりますので、「芒種の候」「芒種のみぎり」「芒種の折」、もしくはストレートに「入梅の候」という形で時候の挨拶にできます。
例えば、「芒種の候(ぼうしゅのこう)」と言うと、次のような意味合いがあります。
- 「いよいよ田植え時期になりました」
- 「麦の穂が実って収穫の時期を迎え、田植えの準備で忙しい季節となりました。」
- 「いよいよ梅雨入りを迎える季節となりました」
そして、「拝啓 芒種の候、」という書き出しで、相手の安否・健康を気遣ったり、最近の気候や行事の話を続けたりします。
「拝啓」で始めたら、最後に「敬具」をお忘れなく!
芒種の候
- 読み方:ぼうしゅのこう
- 意味:芒とは「のぎ」と読む。芒とは稲や麦などの針状の穀物類のこと。種を付加することでそれら穀物類の種を撒く時期を意味する。
- 使用するに適した期間:6月初旬〜6月中旬頃まで
入梅の候
- 読み方:にゅうばいのこう
- 意味:梅雨入りする頃
- 使用するに適した期間:6月中旬~6月下旬頃まで
夏至の候
- 読み方:げしのこう
- 意味:夜に比べ昼間時間が長くなる頃
- 使用するに適した期間:6月中旬〜6下旬頃まで
向暑の候
- 読み方:こうしょのこう
- 意味:だんだんと日増しに暑さが伝わってくる頃
- 使用するに適した期間:6月中旬~6月下旬頃まで
入梅の頃の季節の花
※以下、画像引用先:https://ja.wikipedia.org/
梅
梅とは、梅干や梅酒で使用する梅の実が成る「梅の木」で知られた一般的に有名な木の1つです。
梅の木は中国原産であり、ちょうどこの芒種の時期(6月中旬以降)に果実が黄色くなって熟し、6月中旬〜7月いっぱいにかけて収穫時期を迎えます。
関連記事:梅子黄の意味・由来・読み方
紫陽花(アジサイ)
- 開花時期:5月下旬~7月
アジサイの名前の由来は不明とされていますが、一説には「藍色が集まったもの」を意味して、→「あづさい(集真藍)」になり、ここから時代を下りながら→「アジサイ」に着地したと言われています。
日本原産のアジサイは「ガクアジサイ」と呼ばれ、これを改良したものが現今に一般的に知られる「ホンアジサイ」です。
アジサイ鑑賞で有名なお寺が鎌倉にありますので、下記にご紹介しておきます。
- 長谷寺(長谷観音) / 神奈川県
- 明月院(あじさい寺) / 神奈川県
バラ
- 開花時期:5月~10月
現在のバラは品種改良や機材の発展により、四季咲きのものが多く、1年中見かけることができますが、本来のバラの開花時期は初夏です。
カキツバタ
- 開花時期:5月~6月
下記、アヤメやカキツバタと見間違える花として有名なのがカキツバタです。一般的にはアヤメがもっとも有名なため知らない方も多いと思います。
その様相は『何れ菖蒲か杜若(いずれアヤメかカキツバタ)』の言葉でも知られているほどでありんす。
アヤメ
- 開花時期:5月~6月
上記、カキツバタと本当に見た目が良く似ています。アヤメは他にも花菖蒲とも似ているので、素人が見た場合判断つきにくいほど似ています。
よく知られている見分け方はGW中に開花するのがアヤメ。アヤメから一歩遅れる形でGWが終わった頃に開花するのがカキツバタです。そして花菖蒲はその後、しばらく経った6月頃です。
カキツバタや花菖蒲は水辺で見かけることが多いのですが、大してアヤメは陸上で芽吹く花です。
ホタルブクロ(蛍袋)
- 開花時期:5月下旬~7月
キキョウ科の多年草。多きな特徴はちょうどホタルが盛んに夜空を飛び交う、初夏から夏半ば前までに釣り鐘の形をした花弁を付けます。
関東地方では赤紫が多く、関西地方では白色の花弁を付けることが多いようです。
名前の由来は次のような諸説、語り継がれているようです。
- 「子供が蛍を花弁の中に入れて遊んでいた」
- 「蛍は夜が明けると、この花の花弁の中で過ごす」
- 「火垂という提灯に形状が似ている」
皐月(サツキ)
- 開花時期:4月~6月
家宅や公園、歩道脇などに生垣として植栽されていることが多く、視界に入ることが多い花です。しかしながら、花に興味でも無ければジックリくりクリと見る人が少なく、意外と知らない方が多い花でもありんす。
ハナミズキ
- 開花時期:5月~6月
桜が君の純白のうなじのように儚げで切なく思わず抱きしめたくなっちまぅような花弁を散らした後に、ヒョコッと芽を出す花です。5月を代表する花でもあり‥ます。
一青窈(ひととよう)という女性シンガーの「ハナミズキ」という楽曲で知名度がグッと上がった花でもあります。
カーネーション
- 開花時期:4月下旬~6月(10月~11月※秋)
カーネーションは上述した「母の日」に母ジャにプレゼントする花として有名です。5月を象徴する花でもありんす。
母の日の前後に切り花の流通量が増えますが、現在では1年中店頭で見かけることができます。
母の日に広告などで赤色のカーネーションが使用されていることから、カーネーションと言えば「赤」を連想してしまいますが、カラーバリエーションは豊富です。
シャクヤク
- 開花時期:5月~6月
シャクヤク(芍薬)も立夏の時期の花としては有名な花です。ボタン科の花に属するだけあって君の斜め45度から見たときの顔のように大輪の美しい花弁を付けます。
江戸時代の頃から茶道で飾る茶花として用いられたこともあり、観賞用の花として一般的になっています。
中国では古くから薬草として用いられています。
チョウジソウ(丁字草)
- 開花時期:5月~6月
河川敷沿いなどで見かける機会の多い野花です。ちょうど立夏の頃に可憐で儚げで控えめな性格の愛おしい君を連想させるそれはそれは小さく可愛い花弁を付けます。君ネタそろそろサブい
関東地方ではちょうど立夏時期(GW期間中)に開花している姿を見ることができます。